戸建て売却

実家を処分する方法は? 相続・解体・売却までの流れや費用を解説

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親の施設入居や相続により、誰も住まなくなった実家。

そのまま放置すると、固定資産税の増額や毎年の維持費、老朽化による近隣トラブルなど、深刻な負担を抱え続けることになります。

実家を手放すには、物件の状態やご事情に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。

また、税金の特例や補助金を有効に使うには、期限から逆算して正しい手順を踏む必要があります。

本記事では、実家を処分する4つの方法や放置リスクをはじめ、動くべきタイミング、手続きの全体手順(8ステップ)、費用相場と節税特例、売れない時の対処法までを解説します。

後悔のない実家じまいを進めるためにお役立てください。

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実家を処分する4つの方法

実家の処分方法は、大きく分けて「現状売却」「更地売却」「買取」「引き取り・活用」の4つがあります。

物件の状態や立地、手元資金の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

【現状のまま売却】初期費用を抑えて手放したい場合

建物を壊さず「古家付き土地」や中古一戸建てとしてそのまま売り出す方法です。

築年数が経っていても、構造がしっかりしている場合や、リノベーション前提で物件を探している買い手に向けて売り出す際に適しています。

最大のメリットは、数十万〜数百万円かかる解体費用を前もって準備する必要がない点です。

初期コストをかけずに売り出せるため、手元の資金に余裕がない場合でも着手できます。

一方で、建物が古いと買主側で修繕や解体の費用が発生するため、相場より値引きを求められやすくなります。

また、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害といった重大な欠陥が見つかった場合、売主が修繕費用などを負担する「契約不適合責任」を問われるリスクがある点にも注意が必要です。

参考サイト:横浜市「土地についての特例」

【解体して更地売却】早期に買い手を見つけたい場合

老朽化した建物を取り壊し、更地の状態で売却する方法です。

建物の傷みが激しく、そのまま居住用として使うのが難しいケースで選ばれます。

更地にすると、買主は購入後に新築の建築や駐車場利用などへすぐ着手できるため、検討可能な層の幅が広がります。

また、隣地との境界や土地の形状を把握しやすくなるため、買主の決断を促しやすく、早期成約につながりやすいのも大きなメリットです。

一方で、木造で100万〜200万円(目安)程度、鉄骨やRC造ではさらに高額な解体費用を売主が前払いしなければなりません。

また、1月1日時点で更地になっていると「住宅用地の特例」から外れ、土地の固定資産税が増額(最大約6倍)する点にも注意が必要です。

売却のタイミングを見極め、解体工事を行う時期を調整する必要があります。

【買取】売却を急ぎたい・手間をかけたくない場合

個人の買主を募集するのではなく、不動産会社に物件や土地を直接買い取ってもらう方法です。

仲介では買主が見つかるまで数か月〜1年以上かかることもありますが、買取であれば最短数日から数週間で手続きが完了します。

室内の家具や不用品を残したまま引き取ってくれる会社も多く、片付けの手間を大幅に減らせます。

また、不動産会社が買主となるため、原則として売主の契約不適合責任が免除される点も安心です。

デメリットは、売却価格が一般の仲介相場の7割〜8割ほどに下がる点です。

不動産会社が買取後にリフォームや解体を行って再販売する際のコストや利益があらかじめ引かれるためですが、「価格よりもスピードと手間軽減を優先したい」という場合に適しています。

【引き取り・活用】買い手がつかない・処分したい場合

仲介での売り出しや買取でも買い手が付かない場合、解決策は複数あります。

地方や郊外の売れにくい物件であれば、自治体の「空き家バンク」に登録して移住希望者を探すか、隣人へ無償または格安で譲渡する方法があります。

どうしても手放せない場合は、一定の要件を満たすことで「相続土地国庫帰属制度」を使い、国に土地を引き取ってもらうことも可能です。

引き取り手を自ら探す必要がない反面、以下の点には注意しましょう。

  • 相続・遺贈により取得した土地の処分にのみ利用可能(解体費用はご自身で負担)
  • 審査手数料や負担金(原則20万~)がかかる
  • 土地を手放すまでに時間がかかる

また、手放さずにリフォームを施して戸建て賃貸として貸し出し、家賃収入を得る活用法もありますが、初期の修繕費がかかるだけでなく空室リスクも伴うため、周辺の賃貸需要の調査が必須になります。

参考記事:【プロ監修】不動産の売却方法を解説!高く、早く売るためのコツから注意点まで徹底網羅

参考サイト:法務省 「相続土地国庫帰属制度について」

実家を放置するリスクとは?

「処分の仕方がわからない」「とりあえずそのままにしておく」と空き家を放置すると、所有しているだけで大きな損害につながります。

建物は人が住まなくなると劣化が一気に進み、金銭面や法律面で重い負担を背負うことになります。

ここからは、実際にどのようなリスクがあるのかを一つずつ確認していきましょう。

固定資産税が最大6倍に跳ね上がる

空き家の放置で最も大きなリスクが、土地の固定資産税の上昇です。

本来、人が住む家が建っている土地には「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用され、200㎡以下の部分について固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1に減額されています。

管理を怠って庭木の繁茂や建物の破損が進むと、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」に指定されます。

指定後に改善の勧告を受けると住宅用地の特例から除外されるため、翌年から土地の固定資産税が実質最大6倍(都市計画税は最大3倍)までに上がります。

維持費がかかり続ける

誰も住んでいない実家であっても、所有権がある限り毎年以下のようなコストが発生し続けます。

・固定資産税・都市計画税
特例が効いていても年間数万〜数十万円の支払いが発生する

・火災保険料・地震保険料
空き家は防犯・防災上のリスクから保険料が高くなりやすい

・庭木の剪定・除草費用
隣家への越境を防ぐため、業者へ委託すると1回数万円かかる

・定期的な交通費・巡回代行費
実家へ通う旅費や、管理会社へ巡回を頼む毎月の費用

・建物の修繕費
瓦の飛散や雨漏りなど、近隣へ被害を出さないための最低限の補修代

所有期間が長引くほど出費が積み重なるため、不要なコストを抑えるためにも早めの処分を検討しましょう。

過料や強制代執行(解体)

老朽化が著しく倒壊の危険などがある空き家は、空き家対策特別措置法に基づき、自治体から段階的な行政指導の対象となります。

指導や勧告に従わずにいると、自治体から期限付きの命令が出され、この命令を無視した場合は50万円以下の過料が科される仕組みです。

さらに放置を続けた場合、自治体が所有者に代わって建物を強制的に取り壊す「行政代執行」へと進みます。

解体にかかった数百万〜1,000万円以上の費用はすべて所有者に請求され、支払えない場合は預貯金や所有財産が差し押さえられるリスクを伴います。

また、飛散した瓦や外壁が通行人に怪我をさせた際には、民法上の損害賠償責任を負う点にも注意が必要です。

実家処分はいつ動くのが正解? 最適なタイミングと時期

実家を損なく円滑に手放すには、不動産市場の動向や税法上の期限から逆算してスケジュールを組む必要があります。

動くべき具体的な時期や期限を把握しておきましょう。

【売却時期】春の繁忙期の2~3か月前

不動産市場で最も取引が活発になるのは、進学や就職、異動に伴う引っ越しが増える「2月〜3月(春)」です。

売り物件成約報告件数の動向

出典:「2026不動産業統計集」より、ウスイホーム広報チーム作成

この需要が高まる時期に売り出すため、2〜3か月前には準備をスタートするのが理想です。

春の繁忙期を狙うなら前年の11月〜12月頃から、不動産会社への相談や不用品の片付けに着手します。

査定から媒介契約、写真撮影や室内整理までには一定の時間がかかるため、直前になってから動いたのでは売り時を逃してしまうことになります。余裕を持って準備を進めましょう。

【納税・特例期限】相続税納付の「10か月」と節税特例の「3年以内」

相続した実家を処分する場合、税制上の重要な期限が2つあります。

相続税の納付期限(10か月以内)

相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内に、申告と納税を済ませなければなりません。

実家を売却した代金で税金を納める予定なら、この10か月以内に買主との契約から代金決済までを完了させる必要があります。

空き家の3,000万円特別控除(3年目の12月31日まで)

相続した空き家を売った際の譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。

この制度を利用するには、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を終えることが条件となります。

期限の間際になって売り出すと、焦りから相場より大幅に安値で買い叩かれるリスクもあります。相続が発生したらすぐに計画を立て始めるようにしましょう。

【解体時期】固定資産税の増税を避ける「1月1日」の調整

建物を壊して更地で売り出す場合は、解体工事を完了させる日付に注意しなければなりません。

土地の固定資産税は、毎年1月1日時点の土地の使われ方によってその年の税額が決まります。

年内に解体を終えて1月1日に更地になっていると、住宅用地の特例が外れ、その年の固定資産税が増額されることになります。

買主がまだ決まっていない段階で解体を進めるなら、工事の完了時期が年明けの「1月2日以降」になるよう調整しましょう。

少し時期を調整するだけで、翌年1年分の税金の増加を防ぐことができます。

参考記事:今、家を売るべき?不動産売却のベストタイミングと避けるべき時期

実家を処分する全体の手順8ステップ

実家を手放す手続きは、法的な権利関係の整理から売り出し準備、買主との売買契約、引き渡し後の税金申告まで多岐にわたります。

全体像を把握し、いつまでに何を行うべきかを事前に整理しておくことで、予期せぬトラブルや無駄な費用・税金の発生を防ぐことができます。

ここからは、相続した実家を売却・処分する際の基本的な8つのステップを詳しく解説します。

ステップ1:遺言確認・遺産分割協議・名義変更(相続登記)

相続した実家を処分する最初の段階では、不動産の所有権を法律上明確にする作業が必要です。

亡くなった親(被相続人)の名義のままでは売買契約を結べないため、最初に遺言書の有無を確認します。

遺言書がない場合は、法定相続人全員で実家を誰が相続するのか、または売却代金をどのように分けるのかを話し合う「遺産分割協議」を行います。

合意に至った内容は「遺産分割協議書」として作成し、相続人全員による押印が必要です。

その後、管轄の法務局にて不動産の名義を被相続人から相続人へ書き換える「相続登記」を申請します。

名義変更には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書、固定資産評価証明書などが必要となります。

なお、2024年4月から相続登記は義務化されており、所有権の取得を知った日から3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料の対象となるため、専門家へ相談しながら手際よく完了させましょう。

ステップ2:書類収集・購入時の売買契約書探し

名義変更と並行して、不動産の査定や売却に必要な書類を準備しておきましょう。

主な書類は以下の通りです。

  • 登記識別情報通知(従来の権利証)
  • 購入時の売買契約書一式
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書
  • 建築確認済証
  • マンション・戸建て購入時のパンフレット
  • 固定資産税の納税通知書

とくに確認しておきたい重要な書類は、親が過去にその実家を購入した際の「売買契約書」や「領収書」です。

売却後に納める譲渡所得税は、売却価格から購入時の価格(取得費)や売却にかかった費用(譲渡費用)を差し引いた純利益(譲渡所得)に対して課税されます。

当時の売買契約書を紛失して取得費が証明できない場合、税法上のルールにより売却価格の5%(概算取得費)で計算され、高額な税金を払うことになります。

例えば、3,000万円で売れた実家の取得費は150万円とみなされ、残りの2,850万円が課税対象です。

できるだけ税金による支出を抑えられるように、通帳の引き落とし履歴、当時のパンフレット等も含め、取得費を裏付ける資料を探しておきましょう。

必要となる書類やそのタイミングについても事前に不動産会社に確認の上、早めに準備しておくとスムーズに進みます。

参考記事:【プロ監修】不動産売却の必要書類一覧|取得方法や費用まで徹底解説

ステップ3:不動産会社への査定依頼と「媒介契約」の選び方

必要書類が揃い始めたら、地元の不動産事情や相場に精通した不動産会社へ査定を依頼します。

査定にはデータ上で概算を出す「机上査定」と、現地を訪問して建物の劣化状態や敷地環境、道路状況を確認する「訪問査定」があります。

正確な売却見込み額や売り出し価格を決めるためには、複数社に訪問査定を依頼して比較検討することが大切です。

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、売却活動に関する媒介契約を結びます。

媒介契約には以下の3つの形式があり、それぞれ特徴が異なります。

一般媒介契約

複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できる。買主を自分で見つけることも可能。

幅広く周知できる反面、各社の販売優先度が下がったり窓口が分散したりするデメリットがある。

専任媒介契約

1社のみに依頼する形式。2週間に1回以上の活動報告義務と、指定流通機構(レインズ)への7日以内の物件登録が義務付けられる。

自力で買主を探すことも可能で、売買の窓口を一本化して手厚いサポートを受けたい場合に適している。

専属専任媒介契約

1社のみに依頼する形式で、自力で買主を見つけた場合でも依頼先を通す必要がある。

1週間に1回以上の報告義務と、レインズへの5日以内の登録義務があり、積極的な販売活動が期待できる。

実家の売却では、境界確定や残置物処理など専門的なサポートを伴うケースもあるため、信頼できる1社と「専任媒介契約」または「専属専任媒介契約」を結ぶのが一般的です。

参考記事:【プロ監修】不動産の売却方法を解説!高く、早く売るためのコツから注意点まで徹底網羅

ステップ4:隣家との境界確認(確定測量)

戸建てや土地の売却において、隣接する敷地との境界線が曖昧なまま取引を行うと、引き渡し後に「ブロック塀の所有権」や「配管の越境」などを巡って買主と隣人との間でトラブルに発展するおそれがあります。

そのため、現在の不動産取引では「確定測量図」の交付が売買契約の要件とされるのが通常です。

現地に境界標が見当たらず、過去の信頼できる測量図が保管されていない場合は、土地家屋調査士に確定測量を依頼します。

確定測量では、官民境界(道路や水路との境)および民民境界(隣地との境)について、隣地所有者立ち会いのもとで確認を行い、境界確認書(筆界確認書)に双方で署名・押印します。

隣人との日程調整や役所での手続きを含め、確定測量の完了には目安として1か月〜3か月程度の期間と、30万〜100万円前後の費用がかかります。

売却時期が遅れる原因となりやすいため、販売活動の開始と同時に着手しておきましょう。

ステップ5:室内・庭の不用品整理と仏壇・神棚の処分

見学(内覧)に訪れる購入検討者に好印象を与え、早期成約につなげるためには、家の中や庭に残された大量の生活用品や家具(残置物)の整理が欠かせません。

まずは親族が集まり、貴金属、預金通帳、権利書、思い出の品などの貴重品を捜索・形見分けします。

残された大量の家財は、自治体の粗大ゴミ収集を利用して段階的に処分するか、遺品整理・不用品回収の専門業者に一括で撤去を依頼します。

業者に依頼する場合は、必ず複数社から現地見積もりを取り、作業範囲や処分費用を比較検討してください。

また、実家に設置されている仏壇や神棚は、そのままゴミとして処分するのは心理的な抵抗が大きいものです。

仏壇は菩提寺や専門業者に相談して魂抜き(閉眼供養)※を行い、神棚は神社にお札を納め、お焚き上げを依頼します。

庭木の伐採や庭石の撤去、放置された自動車・バイクの廃車手続きなども、引き渡し期日までに計画的に進めましょう。

※魂抜き(閉眼供養)…仏壇等を処分する前に僧侶の読経により、ご先祖の魂を抜いてもらう儀式のこと。

ステップ6:販売活動・内覧対応・売買契約

媒介契約を結んだ不動産会社が、レインズへの登録、ポータルサイト(SUUMOやHOME'Sなど)への物件掲載、新聞折り込みチラシやポスティングなどの販売活動を行います。

問い合わせが入ると、実際の物件を見学する内覧が行われます。

居住していない空き家であっても、定期的に訪問して空気の入れ替えを行い、水回りの清掃や除草を徹底しておくことが重要です。

内覧時にはすべての部屋の照明をつけ、室内を明るく清潔に見せる工夫が印象を大きく左右します。

購入検討者から「購入申込書(買付証明書)」が提示されたら、希望購入価格、手付金額、引き渡し希望日、契約条件の交渉を行います。

条件面で双方が合意に至れば、重要事項説明を経て売買契約を締結し、売主は買主から手付金(売買代金の5%〜10%程度)を受け取ります。

参考記事:内見とは? 持ち物やチェックポイント、内見できない場合の対処法も解説

ステップ7:残置物撤去・最終清掃・引き渡し

売買契約の締結から実際の引き渡しまでの期間は、一般的に1か月〜2か月程度です。

売主はこの期間内に、契約条件に沿って引き渡しの準備を完了させなければなりません。

まずは室内や庭にある残置物を完全に搬出し、簡易的な清掃を行いましょう。

更地渡しで契約した場合は、解体業者に依頼して建物の取り壊し工事を終わらせ、解体完了後に建物滅失登記を申請します。

引き渡しの数日前には、買主・不動産会社の立ち会いのもとで現地確認を行い、境界標の位置や設備の状況、契約通りの状態になっているかを最終チェックします。

引き渡し当日は、買主が利用する金融機関などに売主・買主・不動産会社・司法書士が一堂に会して決済を行います。

買主から売買代金の残額が振り込まれたことを確認した後、固定資産税や都市計画税の日割り精算を行い、不動産会社へ仲介手数料の残金を支払います。

司法書士がその場で所有権移転登記の申請書類を確認し、売主が物件の鍵や関係書類一式を渡すことで、引き渡し手続きが完了します。

ステップ8:売却翌年の確定申告と納税

実家の引き渡しが完了しても、すべての手続きが終わったわけではありません。

物件を売却した翌年の原則2月16日〜3月15日の間に、所轄の税務署へ確定申告を行う必要があります。

売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合は、確定申告によって譲渡所得税および復興特別所得税、住民税の納付額が決定します(住民税は売却翌年の6月以降に納付)。

計算時には、売買契約書の控え、仲介手数料や解体費用の領収書など、経費を証明する書類を提出します。

また、税金がかからないケースであっても注意が必要です。

「相続空き家の3,000万円特別控除」や「取得費加算の特例」といった税制上の優遇措置を適用して課税額をゼロにする場合でも、特例を受ける前提条件として確定申告が必須となります。

申告を行わないと無申告とみなされ、本来受けられるはずの控除が適用されず追徴課税を受けるリスクがあるため、期日までに手続きを完了させましょう。

参考記事:

相続不動産を売却したら確定申告は必要?税理士に依頼した場合の費用相場も紹介

【図解】不動産売却の流れ7ステップ!期間・事例・事情別の注意点まで解説

実家の処分・解体費用と使える税制特例

実家を処分する過程では、家の中の片付けや建物の取り壊しなど、まとまった持ち出し費用が発生することがあります。

あらかじめ費用の目安を把握し、国が用意している税制上の特例や自治体の補助金制度を活用することで、手元に残る資金を増やすことが可能です。

ここでは、処分にかかる費用の相場と、負担を軽減するための対策を解説します。

家財道具処分と建物解体費用の相場一覧

実家を手放す際、直面しやすいのが家財の整理と建物の解体にかかる費用です。それぞれの目安は以下のようになります。

【建物解体費用の目安】 建物の構造によって坪単価が異なります。一般的な30坪の住宅を解体する場合の目安は以下の通りです。

  • 木造:坪あたり4万〜6万円(総額約120万〜180万円)
  • 鉄骨造:坪あたり5万〜7万円(総額約150万〜210万円)
  • 鉄筋コンクリート造:坪あたり6万〜9万円(総額約180万〜270万円)

※前面道路が狭く重機が直接入れない場合や、アスベストの除去作業が必要な場合は、追加費用が発生します。

【家財道具処分費用の目安】 

不用品回収業者や遺品整理業者に一括で依頼した場合、間取りや物量に応じて費用が変動します。

  • 1DK〜2LDK:10万〜25万円程度
  • 3LDK〜4LDK:20万〜40万円程度
  • 一軒家丸ごと(5LDK以上):35万〜60万円以上

自治体の粗大ゴミ収集を利用してご自身で少しずつ処分を進めておくことで、業者への委託費用を大幅に抑えられます。

参考記事:戸建て解体費用はいくらかかる?相場・注意点・補助金まで解説

売却益にかかる税金を抑える「3,000万円特別控除」

相続した実家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常はその利益に対して約20%の譲渡所得税等が課税されます。

しかし「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができ、税額をゼロに抑えられる可能性があります。

主な適用条件は以下の通りです。

  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた旧耐震基準の住宅であること
  • 亡くなった親が直前まで一人で住んでいたこと(老人ホーム等に入所していた場合の例外あり)
  • 相続から売却まで、居住や賃貸などの用途に使われていないこと
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 耐震リフォームをして売却するか、解体して更地として売却すること(※買主が購入した翌年の2月15日までに解体や耐震改修を行う場合も対象)
  • 売却代金が1億円以下であること

なお、相続人が3人以上いる場合は1人あたりの控除額の上限が2,000万円となるなど細かな条件が設定されているため、売却前に不動産会社や税理士へ確認しておきましょう。

参考記事:【専門家監修】不動産売却の税金はいくら?かからないケースや計算方法・いつ払うかの時期を解説

参考サイト:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

自治体の「空き家解体・家財処分補助金」の活用

各市区町村では、倒壊の恐れがある空き家の放置を防いだり、地域の不動産流通を促したりする目的で、解体や家財処分の費用を補助する制度を設けています。

【解体費用の補助金】

老朽化が進み、危険性が高いと認定された空き家を解体する際、費用の一部(数十万円〜上限100万円程度)が支給されます。

例として、横須賀市の空き家解体費用助成事業では、空き家解体工事の費用の2分の1(上限35万円まで)が補助されます。

参考サイト:空き家に対する解体助成制度|横須賀市

【家財処分費用の補助金】

自治体が運営する「空き家バンク」への登録などを条件に、室内の不用品処分や清掃にかかる費用の一部(数万〜十数万円程度)が補助されます。

これらの制度を利用する場合は、業者と契約・着工する前に自治体へ事前申請し、交付決定を受ける必要があります。

すでに解体や片付けを始めてしまった後では補助金を受け取ることはできません。

希望する場合は、事前に必ず実家のある自治体の空き家対策窓口で制度の有無や内容の確認が重要です。

【田舎・築古】売れない・処分できない原因と対策

「交通の便が悪く買い手がつかない」「建物が古すぎて需要がない」といった理由で売却が進まない実家であっても、手放す選択肢がないわけではありません。

売れ残っている原因を正しく把握し、物件の状態や立地に合わせた対策を行っていくことが重要です。ここからは実家が売れない4つの原因と対策をご紹介します。

実家が売れない4つの原因

実家がなかなか売買に至らない場合、主な原因は次の4つが挙げられます。

それぞれの状況に応じて見直しを行いましょう。

価格が周辺相場と合っていない

思い入れや過去の購入価格にとらわれて相場より高く売り出していると、検討対象から外れてしまいます。

直近の取引事例や周辺物件の売り出し価格を確認し、市場価値に見合った設定を設定しましょう。

立地や地域のニーズに合わない売り方をしている

交通の便が悪いエリアや人口減少が進む地域では、個人向けの一般仲介で売り出しても買い手が見つかりにくくなります。

買主を探す仲介から、不動産会社が直接買い取る「買取」へ切り替えるなど、立地条件や地域の需要に合わせた売買手法を選ぶ必要があります。

室内や庭の状態が悪く印象を下げている

古い家具や生活用品が残されたままだと、内覧時の印象が悪くなり検討が進みません。

不用品を処分して室内を整理するか、思い切って建物を解体し「更地渡し」の条件に変更することが効果的です。

再建築不可や境界不明などの法的な問題がある

接道義務を満たしておらず建て替えができない土地や、境界線が曖昧な物件は買主が敬遠します。

確定測量を行って境界を明確にするか、隣地の所有者に買い取りを打診するといった対応が必要になります。

関連記事:土地が売却できない原因と特徴|対処法を知って売れない土地から脱却

ウスイホームの相続した実家の売却事例

ここでは、ウスイホームの相続実家の売却事例をご紹介します。

空き家の処分や老朽化した物件の売却など、目安としてご参考にしてください。

横須賀の相続した実家の売却事例

①横須賀市・50代男性の売却事例

物件種別戸建て
間取り3DK
専有面積60㎡
築年数約40年
売却価格約1,200万円
売却期間約2か月
売却時期2026年3月

⓶横須賀市・60代女性の売却事例

物件種別戸建て
間取り4LDK
専有面積約130㎡
築年数約30年
売却価格2,600万円
売却期間約6か月
売却時期2026年4月

横浜市の相続した実家の売却事例

①横浜市旭区・60代男性の売却事例

物件種別戸建て
間取り3LDK
専有面積約80㎡
築年数約30年
売却価格約2,700万円
売却期間約2か月
売却時期2026年3月

⓶横浜市金沢区・60代女性の売却事例

物件種別戸建て
間取り4LDK
専有面積約45㎡
築年数約60年
売却価格800万円
売却期間約2か月
売却時期2026年4月

湘南の相続した実家の売却事例

①藤沢市・50代女性の売却事例

物件種別戸建て
間取り4LDK
専有面積約180㎡
築年数約30年
売却価格約6,500万円
売却期間約2か月
売却時期2026年1月

⓶逗子市・50代女性の売却事例

物件種別戸建て
間取り2SLDK
専有面積約95㎡
築年数約20年
売却価格約3,000万円
売却期間約3か月
売却時期2025年4月

実家処分に関するよくある質問

Q1. 実家が処分できない・売れない時はどうすればいいですか?

A. まずは売れない原因を客観的に見直しましょう。 

価格設定が相場とズレていないか、室内の残置物が内覧者の印象を悪くしていないかを確認し、必要に応じて価格の改定や「更地渡し」への条件変更を行います。

それでも一般市場で買い手がつかない場合は、現状のまま直接買い取ってくれる不動産会社への売却に切り替えるのも有効な選択肢です。

立地が極端に悪い田舎の物件や再建築不可の土地など、業者による買取も難しい場合は、次のような方法も検討してみてください。

・隣地の所有者へ買い取りや引き取りを打診する
・自治体が運営する「空き家バンク」を活用する
・要件を満たして「相続土地国庫帰属制度」を利用し、国へ引き渡す

Q2. 売れない家を相続放棄したらどうなりますか?

A. 実家だけの放棄はできず、預貯金などすべての財産を手放すことになります。

また、放棄の時点でその実家に住んでいるなど「現に占有している場合」は注意が必要です。

2023年4月施行の改正民法により、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで「保存義務」が残るためです。

長年誰も住んでいない空き家であれば原則として放棄後の責任は免れますが、占有していた場合は、放置した家が倒壊して通行人に怪我をさせた際などに損害賠償を問われるリスクがあります。

一見売れないと思える古い家でも、地域密着の不動産会社であれば売却や買取ができるケースもあるため、大切な預貯金まで手放す前に、まずは一度相談してみることをおすすめします。

Q3. 実家を処分することに対し、親族から「悲しい」「寂しい」と反対されたらどうすればいいですか?

A. 思い出が詰まった実家の売却は感情的な対立を生みやすいため、まずは具体的な維持コストやリスクを数字で共有することが大切です。

実家をそのまま残した場合に毎年かかる固定資産税や火災保険料、修繕費などを算出し、その費用と管理の手間を「誰が負担するのか」を話し合います。

あわせて、放置して特定空家に指定された場合の増税リスクや、老朽化によるご近所トラブルの危険性も伝えてください。

Q4. 不用品や残置物(家具・人形・車など)は、それぞれどのように処分すればいいですか?

A. 一般的な家具や家電製品は、自治体の粗大ゴミに出すかリサイクルショップを活用するのが、最も費用を抑えられる方法です。

思い入れのある人形や仏具、写真などは、そのまま捨てることに抵抗がある場合、神社やお寺に「魂抜き」や「お焚き上げ」を依頼すると心理的な負担を和らげることができます。

放置された自動車やバイクは、面倒な名義変更から解体まで一括して代行してくれる廃車買取業者へ任せると手間がかかりません。

もし家中に大量の不用品が溢れている場合は、ご自身で処理すると膨大な時間と労力がかかってしまうため、専門の遺品整理業者や不用品回収業者に一括撤去を依頼することをおすすめします。

Q5.実家処分について相談したい時、どこに問い合わせるのがおすすめですか?

A.抱えているお悩みの種類や段階によって、相談すべき専門家は異なります。

不動産の現在の価値や売却・買取の方法を知りたい場合は不動産会社、名義変更(相続登記)の手続きは司法書士、遺産分割をめぐる親族間のトラブルは弁護士、譲渡所得税の計算や特例の申告は税理士や税務署が適切な窓口となります。

現実にはこれらのお悩みが絡み合っているケースが多いため、どこから手をつけるべきか迷う場合は、まず地元の不動産会社に相談してみると良いでしょう。

士業などの専門家ネットワークと提携している不動産会社であれば、窓口をたらい回しにされることなく、解決までの道筋を一括して整理してもらえます。

相続した実家の売却ならウスイホームにご相談を

相続した実家の売却や税金のお悩みは、地域密着のウスイホームにお任せください。 

1976年の創業以来、横浜・横須賀・湘南エリアで40拠点以上を展開しており、地域特有の事情に精通した豊富な売却実績がございます。

古家付きでの現状売却から建物解体、迅速な買取、家財・不用品の処分手配まで、お客様のご状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。 

義務化された相続登記や税金のお悩みはもちろん、専門知識が必要となる「借地権・底地」などの複雑な権利関係も、提携する司法書士や税理士と共にワンストップでスムーズに解決へ導きます。

「とりあえず実家の現在価値を知りたい」「処分するか活用するか迷っている」という段階からのご相談も大歓迎です。

お客様にとって最善の選択肢をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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後悔しない「実家じまい」は手順・費用・タイミングの整理から

実家は放置が長引くほど、固定資産税の急増や維持費、老朽化に伴うトラブルといった負担が大きくなります。

現状売却・更地・買取の中からご事情に合った方を選び、需要期や税制特例の期限(相続後3年以内)から逆算して動くことで、無駄なコストを減らすことができます。

また、補助金や税金の控除制度を適切に活用すれば、自己負担を大幅に抑えることも可能です。

想定される売却額から解体や片付けの見込み費用を差し引き、手元に残る金額を把握したうえで、不動産会社の無料査定や個別相談を利用しながら最適なプランを立てていきましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建ての売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact

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