古家がある土地の売却や建て替えを検討する際、戸建ての解体は避けて通れません。木造・鉄骨造・RC造など構造ごとに坪単価や相場は異なり、アスベスト含有建材の使用や埋設物の有無で、費用が大きく変動するケースもあります。
戸建ての解体費用は高いというイメージがあるかもしれませんが、費用を把握し、適切な工夫をすることで安く抑えることができます。
そこで今回は、30坪の戸建てを例に解体費用の目安や補助金の活用法など、戸建ての解体工事を検討する際に知っておきたい情報を詳しく解説します。
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目次
戸建ての解体費用の相場と内訳

戸建ての解体費用は、建物の構造や広さ、立地条件や時期によって異なります。まずは、解体費用の相場と坪単価、費用の内訳について解説します。
戸建ての構造と坪単価あたりの相場
戸建ての解体費用に大きな影響を及ぼすのは、建物の構造です。一般的な木造住宅は、比較的費用が抑えられ、1坪あたりの単価は約4~5万円が相場です。これに対して、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)は構造が強固な分、解体に時間がかかり重機作業や廃材処理のコストも上がるため、費用は高めになります。
以下表は、構造別の坪単価と30坪戸建ての解体費用の目安です。
| 構造 | 坪単価の相場 | 30坪の解体費用目安 |
| 木造 | 4~5万円 | 120万~150万円 |
| 鉄骨造 | 4~7万円 | 120万~210万円 |
| RC造(鉄筋) | 6~8万円 | 180万~240万円 |
築30年を超える建物では、構造の老朽化により慎重な解体が必要な場合があり、2006年9月1日以前築の建物ではアスベスト建材の調査・撤去費用も考慮に入れる必要があります。正確な費用を把握するためには、現地調査に基づいた見積依頼が不可欠です。
戸建て解体費用の内訳
解体のイメージは壊して撤去というシンプルなものですが、作業はいくつかに分かれています。
| 項目 | 内容 |
| 家屋調査 | 解体工事のための現地調査、築年数によりアスベスト建材の調査も |
| 本体工事費 | 建物を取り壊すための費用(人件費と重機使用料) |
| 付帯工事費 | カーポートや塀・庭・浄化槽などの埋蔵物の解体 |
| 足場・養生費 | 粉塵の飛散を防ぐための養生シートや足場の設置費用。 |
| 整地費用 | 解体後の土地を平らに整えるための作業費 |
| 廃棄物処理費 | 取り壊した建材を分別・搬出・処分するための費用。処理方法により変動 |
| 諸経費 | 管理のための人件費・届け出書類の作成・重機の運搬費など、事務的・雑費的な費用 |
上記の中には、解体する物件により必要のないものもあります。これらの費用が合計されて見積金額がでてきます。項目ごとの内訳を知っておくことで、適正な費用かどうかを判断しやすくなります。
解体費用を決める5つの要素
戸建ての解体費用は、さまざまな要素によって左右されます。以下に、費用に大きく影響する5つのポイントをまとめました。
| 1.建物の構造:木造より鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)のほうが費用が高くなる 2.建物の面積・階数:広い建物や2階建て以上の建物は、作業や廃材が増えるため費用も上がる 3.立地条件:道幅が狭く住機が入らない場合や、隣家と密接した場所では手作業が増え、追加費用が発生 4.残置物や地中埋設物の有無:家財が残っている、埋設物があるケースではその分撤去費用が必要 5.アスベストの有無:アスベストを含む建材は、特別な解体と処理が必要なため追加費用が発生 |
建物それぞれの条件によって、見積額は大きく変動するため、事前の現地調査が重要になります。
解体費用が高くなるケースと安くすむケース

戸建ての解体費用は、建物の状態だけでなく周辺環境によっても変動します。費用が高くなるケースと安くすむケースを具体的に紹介します。
【費用が高くなる】戸建て解体のケース
戸建ての解体費用が予想より高くなるケースには、以下のような条件があります。重なるほど費用が高くなります。
- 接道が狭い:大型重機が入れない場合は、手作業が増え、解体期間が長引き人件費が上がる
- 住宅密集地:隣家と密接している場合は騒音や振動に配慮が必要なため、慎重な手作業が必要に
- アスベスト:アスベスト含有の建材を使用している場合は、専門業者による除去と処理が求められる
- 地中埋設物:作業中に見つかった場合は、追加費用が発生(基礎下にガラや古い配管、浄化槽など)
- 庭や外構の付帯工事:建物以外の庭石・塀・カーポートなどにも解体・処分費がかかる
工事費が相場を大きく上回る場合は、見積もりの詳細を確認し、不明点は業者に確認しましょう。
【費用が安くなる】戸建て解体のケース
解体費用を抑えられるケースには、以下のような条件があります。
- 重機が入りやすく広い敷地:大型重機でスムーズに作業できるため、工期が短縮され費用の削減に
- 平屋や小さい建物:構造がシンプルで廃材も少ない場合は、解体・処分にかかる費用が低くなる
- 残置物がない:家具や家財などを自分で片づけておけば、その分の撤去費用は不要に
- 相見積もり:複数業者から見積もりを取り、条件や費用を比較してコストを抑える
事前の準備を行い業者選びの工夫をすることで、解体費用を抑えることが可能になります。
【税金が高くなる】更地にするケース
「とりあえず解体して更地にしておくか」と考えている場合は、注意が必要です。土地を更地にすると、固定資産税や都市計画税が高くなる可能性が非常に高いからです。
これは、住宅が建っている土地に適用される「住宅用地特例」が、解体後の土地には適用されなくなるためです。税額がこれまでの最大6倍になることもあります。固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日の土地の状態に基づいて課税されるため、年をまたいで更地にする場合は特に注意が必要です。解体のタイミングには十分気をつけましょう。
【見落としがちな解体費用】地中埋設物の撤去

解体工事で見落としがちなのが、地中に埋まった「地中埋設物」です。見積時には発見されず、工事中に判明して追加費用が発生するケースもあります。ここからは、地中埋設物について解説します。
地中埋設物とは?
地中埋設物とは、土の中に埋まっている建物の基礎コンクリート、古い浄化槽、井戸、配管、廃材などを指します。
施主もあることを知らないケースも多く、建物の解体後に初めて発見され、事前の見積もりには含まれていないのがほとんどです。そのため、撤去が必要になった際には追加費用が発生してしまいます。
「昔、古井戸があった」「水洗トイレの前は、浄化槽だった」などの情報があれば、あらかじめ伝えることが大切です。正確な見積もりを出してもらえます。
解体中にでてきた埋設物の撤去費用の目安と発生リスク
地中埋設物の撤去費用は、1平方メートルあたり12,000円~が目安です。
たとえば、大きな基礎コンクリートなどは重機での作業になり、浄化槽の場合は、清掃や消毒が必要になります。埋設物や量によって費用は異なりますが、数万円から数十万円の追加費用になるのが一般的といえるでしょう。
埋設物があるかどうかは事前には分かりにくいため、リスクとして想定しておくことが重要です。
解体業者とのトラブルを防ぐためのポイント
地中埋設物が発見された際にトラブルを防ぐためには、見積段階で「埋設物がでた場合の対応」について、確認しておく必要があります。それとともに、追加費用が発生する場合の上限金額を明示してもらうと安心です。
また、金属探知機などで事前調査や地盤診断を行っている業者であれば、ある程度の確認が可能なため、現地調査の内容にも注目しましょう。
事前の心構えと対策をしておくことで、予期せぬ出費やトラブルを未然に防げます。
解体工事の流れとスケジュール感の把握

戸建ての解体工事の、事前準備から完了までの全体の流れと必要な期間を把握しておきましょう。解体をスムーズに進められ、トラブルも回避しやすくなります。
戸建て解体工事の一般的な流れ
戸建ての解体工事は、いくつかのステップを踏んで進行します。おおまかな流れと期間の目安は以下のとおりです。
| 【1】現地視察〜見積(見積提示まで2週間前後) 構造・立地状況・残置物の有無などを現地調査後、見積もりが作成されます。2006年9月1日以前築の建物の場合、アスベストの調査も必要です。埋設物調査を行う業者もあります。 【2】業者との契約・近隣あいさつ(数日~約1週間) 費用や工期などに納得したら契約を締結。工事開始までに、近隣住民へ説明とあいさつ回りを行います。 【3】各種届け出(着工の1週間〜2週間前)解体の7日に行います。 【4】解体工事開始(2週間〜1か月程度)工期は、建物の広さや構造、立地条件などで変わります。足場の設置や養生をした後、建物の解体に着手し、続いて廃材の分別・搬出を行い、最後に整地をして完了です。 【5】建物滅失登記(解体後)解体が完了したら、法務局に建物の「滅失登記」を行います。申請は義務で、怠った場合は10万円以下の過料に処されることもあります。申請を土地家屋調査士などに委任する場合の代理申請諸費用は、4~5万円程度です。 |
一連の流れは、スムーズに進んでも2週間〜1か月程度が目安です。状況により工期は延びることもあるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
着工までにやっておくべき準備
解体工事が始まる前には、以下のような準備を進めておく必要があります。
- 電気・ガスの撤去・依頼:各社へ連絡し、撤去の手続きを行います。申し込みからメーターなどの撤去まで日数がかかりますので、早めの対応が重要です。
- 水道の停止は業者に確認してから:解体時に散水が必要なため、「水道は使える状態にしてほしい」との要望の場合があります。
- 残置物や家財の撤去:家具や生活用品を自分で処分しておくことで、解体費用を抑えることができます。
- 近隣へのあいさつと説明:工事中の騒音やホコリへの配慮に、着工前に周囲の住民へ説明・あいさつを行っておきましょう。トラブル防止にも一役買ってくれます。
解体費用を安く抑える方法や活用できる補助金

解体工事の費用をできるだけ安くしたいと考えた場合に、できる工夫と活用できる補助金制度について解説します。
解体費用を抑える5つの工夫
解体費用は工夫次第で抑えることが可能です。以下の5つの方法を取り入れてみましょう。
1.残置物は自分で処分
不用品・家具などを業者に任せると処分費がかかるため、自分で処分を。
2.庭木やフェンスをDIYで撤去
DIYで外構の一部や庭木を取り除いておけば、その分の解体費用を減らせます。
3.複数の業者から見積もりを取る
相見積もりを依頼して内容を比較し、納得できる業者を選びましょう。
4.解体業者に直接依頼する
ハウスメーカー経由より、中間マージンがない直接依頼のほうが割安になる場合があります。
5.閑散期を狙って交渉
依頼が少ない6~9月と12~1月に相談すれば、値引き交渉に応じてもらえる可能性もあります。ただし、1月1日が更地であれば、固定資産税が高くなるので注意が必要です。
活用できる補助金制度
戸建ての解体費用を抑える手段として、補助金制度の活用があります。適用条件を満たせば、大きな節約につながります。条件や受付期間は自治体により異なるため、必ず市区町村のサイトで確認しましょう。
ここでは、横浜市と横須賀市の戸建て解体の補助金を紹介します。
| 自治体 | 補助金名 | 主な適用条件(支給上限金額) |
| 横浜市 | 住宅除却補助制度 | 耐震性が低い・特定空き家など (建築時期により20~50万円) |
| 建築物不燃化推進事業補助 | 地震火災対策の重点対策地域内にある、旧耐震基準以前(※)の建築物など(上限150万円) | |
| 横須賀市 | 空き家解体費用助成事業 | 老朽度判定・市内の解体工事事業者に依頼など (上限35万円) |
| 旧耐震空き家解体助成事業 | 旧耐震基準以前・過去3年以上未使用の空き家など(上限15万円) |
※旧耐震基準以前は、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた建物
参考:空家を手放したい方へ(解体・売却に利用できる補助制度の紹介など) 横浜市
表には一部の条件のみ記載しています。事前に条件を調べ、補助金の適用が可能かを、見積段階で業者に相談がおすすめです。
補助金を解体に活用する際の注意点
補助金を活用する際には、以下の点に注意が必要です。
- 適用条件をしっかり確認し、必ず工事着工前に申請
- 補助決定までに数週間〜数か月かかることもあるため早めに申請する
- 自治体によっては、市内の解体業者に依頼などの制限がある
- 補助内容は自治体や年度で異なるため確認が必須
- 補助金は後から支給されるため、一旦支払いは全額自分で行う必要がある
補助金を申請する際は、条件を確認し、余裕を持ったスケジュールで申請を行いましょう。
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戸建ての解体は費用・期間・準備の計画がポイント

戸建ての解体費用は、解体する家の立地や構造、広さなどにより異なります。解体の相場とともに、費用を左右するポイントや費用を抑える工夫についてご紹介してきました。
スムーズに戸建て住宅を解体し、解体後に土地を活用できるよう、売却や新築など一貫して相談に乗れる不動産会社に相談をするのもおすすめです。
戸建ての解体が後悔なくできるように、費用やスケジュールを把握して、計画的に進めていきましょう。
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| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て購入のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを購入・検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |