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戸建て 排水管洗浄の必要性は?つまりの対処・手入れ法と交換時期

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戸建てのキッチン、トイレ、風呂場、洗面台、汚水マスの排水管は、予期せぬタイミングでつまりなどのトラブルを起こすことがあるため、排水管洗浄の必要性は高いといえます。

本記事では、戸建てで排水管のつまりが起こったときの対処法、プロの事業者に依頼する判断基準、日ごろのお手入れ・掃除法を解説します。

また、排水管の交換時期や、同時に検討したいキッチン、トイレ、風呂場、洗面台リフォームの事例、工事費用についても紹介します。戸建ての排水管トラブルで困ったときの参考にしてください。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)

【経歴】
ウスイホーム株式会社 取締役。

大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。

地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。
地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員

戸建ての排水管洗浄は不要?必要性とトラブルの原因

戸建の地下排水管の図

「戸建ての排水管洗浄は不要では?」と思う人もいるようですが、必要性は高いといえます。戸建ての排水について、一般的な構造やつまりが起こる原因を見ていきましょう。

戸建ての排水管の構造

まずはキッチンや風呂場から出た汚水がどのように流れていくのか、戸建ての排水管の構造を解説します(※)。

排水口:台所、風呂場、トイレ、洗面台など各所にある水が流れる排水管への入口

排水管:排水口から水が流れていく管

汚水マス:各排水管から流れてきた汚水を一時的に溜めておく場所。戸建ての敷地内にある

屋外排水管:敷地内にある汚水マスから公共マスへ汚水を流すための排水管

公共マス:周辺の戸建てから流れてきた汚水を一時的に溜めておく場所

公共の下水道:公共マスの汚水を、最終処理場まで流すための菅

※市町村や戸建ての状況によって、構造が異なることがあります。

参考:下水道の種類 国土交通省

戸建ての排水管トラブル 主な原因とは?

戸建ての排水管で汚れを目視して掃除ができるのは、一般的に「排水口」~「排水管」の入口付近までです。

この周辺の掃除ができていれば、排水管洗浄まで不要では?という声もありますが、目視できるところから先の排水管の状態を確認することは難しく、気づかないうちに汚れが蓄積して「つまり」や「におい」が生じる原因となります。

そのため、目で見えないところまで行き届くような排水管洗浄を行う必要性は高く、自分でできる範囲でよいので、定期的に掃除を行うことが大切なのです。

戸建てキッチンの排水管トラブル|対処法・掃除と手入れ法

キッチン排水口

キッチンの排水管のつまりは、流れ出た油分や食品カスが排水管に付着・蓄積されてぬめり汚れとなり、徐々に排水管を狭めて「つまり」の原因になると考えられます。固形物を落としてしまったときの対処法と合わせて、対策や手入れ・掃除法を紹介します。

戸建ての排水管|台所つまりの対処法

  • 固形物
    落としたものが目視で確認できる場合は、手袋をして手で取るか割りばしでつまんで取り出します。

棒状のもの(割りばしや排水口掃除用のワイヤークリーナーなど)の先に、ガムテープ(粘着面が外側になるようにして輪にする)をつけ、そこに張り付けるようにして取り出す方法も有効です。

「水で流す」という方法は、排水管の奥深い場所でつまったり、排水管の破損につながる可能性があるため基本的にNG。上記の対策でも取れない場合は、水のつまりの専門事業者(これ以降、プロの事業者と呼ぶ)を検討しましょう。

  • 油分や食品カス
    水の流れが悪いが水は流れる状態:ドラッグストアなどで市販されている排水管用パイプクリーナー(ジェル状や粉状の薬剤)を試します。1回で効果がない場合は、複数回行うのが効果的です。

水がつまって流れない・あふれている状態:ホームセンターなどで市販されている排水管用のワイヤークリーナー(ワイヤー状の長いブラシのような掃除道具)で物理的に汚れをかき出す、または、ラバーカップ(すっぽん)で水の流れを作る方法が有効です。

水が流れるようになったら、市販のパイプクリーナーで残ったつまりの原因や汚れを洗い流します。

  • 解消されないケース
    プロの事業者に依頼することを検討しましょう。自分で無理な対応をしすぎると、排水管自体を傷めたり破損させたりする可能性もあるため注意が必要です。
プロの水のつまり事業者がどこまで掃除する?相場は?

事業者やプランによって異なりますが、排水口〜排水管〜汚水マス〜屋外排水管(敷地内のみ)までが一般的な掃除範囲です。費用は、17,000円〜30,000円前後が相場とされています。

普段のお手入れ・掃除法

市販のパイプクリーナーで、1〜2カ月に1回を目安に定期的に排水管洗浄を行うのが効果的です。排水管の汚れを減らすために、以下の対策も並行して行いましょう。

  • フライパンや皿についたベタベタ汚れや食べカスは、水で洗い流す前にトイレットペーパーや古紙などで拭きとる
  • 排水口のごみ受けに排水口用ネット(ストッキング素材が◎)を設置する

戸建てトイレの排水管トラブル|対処法・掃除と手入れ法

トイレ

トイレのつまりが起こるのは、水に溶けない異物を流したときだけでなく、長年の使用で積み重なった汚れや尿石が排水管を狭くしているケースもあります。

戸建ての排水管|トイレつまりの対処法

ラバーカップ(すっぽん)か真空パイプクリーナーを使用します。すっぽんのカップのふちが水に浸かるように便器の排水口にかぶせ、繰り返し押したり引いたりをすると、つまりが改善され少しずつ水が流れるようになるでしょう。

水で流そうとして水を流すレバーを引くと、便器から水があふれる可能性があるためNG。ラバーカップなどで水のつまりを解消させてから、水を流しましょう。

普段のお手入れ・掃除法

トイレにも対応するパイプクリーナーで2〜3カ月に一度を目安に掃除をしましょう。「つまりやすいもの」を流さないように気をつけることも大切です。

【つまりやすいもの例】

  • 海外製のトイレットペーパー
    水に溶けにくい製品があるため注意しましょう。
  • 水に流せるお掃除シートや流せるブラシ
    実際には水に溶けにくいことが多いため、ごみとして処理する方が◎。
  • おむつ・生理用品・固形物
    流さずに、割りばしを使って急いでごみを拾いましょう。目に見えないところに流れてしまった場合は無理に流そうとせず、プロの事業者へ相談するのが適切です。

戸建て風呂場の排水管トラブル|対処法・掃除と手入れ法

風呂排水溝

風呂場の排水管つまりの原因で多いのは髪の毛、ひげ、ぬめり汚れ、石鹸カスです。排水口にごみ受けがあっても、細い髪の毛や細かいひげはすり抜けることが多く、排水管内に付着し他の汚れと絡み合ってつまりを引き起こします。

戸建ての排水管|風呂場つまりの対処法

髪の毛や小さくなった石鹸などつまりの原因がある程度予測できる場合は、ワイヤークリーナーで物理的にかき出すのが有効です。

原因が分からない場合は、ラバーカップや真空パイプクリーナーで水のつまりを解消する方法がおすすめです。

ラバーカップやワイヤークリーナーで取れない場合は、排水口から離れたところでつまっている可能性があるため、プロの事業者に依頼することをおすすめします。

普段のお手入れ・掃除法

市販のパイプクリーナーを使い、1〜2カ月のペースで定期的に掃除するのがおすすめです。風呂場の排水口にも対応する排水口用ネットは、つまりの予防策として有効でしょう。

戸建て洗面台の排水管トラブル|対処法・掃除と手入れ法

洗面台

洗面台の排水管つまりは、髪の毛やぬめり、石鹸カスが主な原因です。ヘアピンなど小物が気づかぬうちに落下して髪の毛などが絡みつき、水の流れを妨げることもあります。

戸建ての排水管|洗面台つまりの対処法

洗面台の排水管のつまりの解消も、ラバーカップか真空パイプクリーナーが役に立ちます。

排水管でも、洗面ボウルの下のS字トラップでつまっている可能性があるときは、S字トラップを外してつまったものを取り出すことも可能です。

ただし、外し方・戻し方が分からないときや、S字トラップから先につまりの原因がありそうなときは、無理せずプロの事業者に依頼しましょう。

普段のお手入れ・掃除法

洗面台は、ヘアピンやピアスを取り外したり、ひげを剃る機会が多いため、ごみ受けはもちろん、排水口ネット(ストッキング状が◎)を設置して、つまりの原因を流さない対策が有効です。

普段のお手入れは、こまめなごみ受けの掃除と、定期的にパイプクリーナーを使って排水管内のぬめりを取る掃除法がよいでしょう。

戸建ての汚水マス|掃除と手入れ法

おすいマンホール

戸建ての汚水マスの一般的な構造は、油汚れなどは上部に、食品カスなどの固形ごみはマスの下部に溜まるようになっています。そのため、汚れやごみが溜まりすぎると、つまりを起こす可能性が高いのです。1年に1度程度の頻度で、お手入れを行うことをおすすめします。 

【自分でできる掃除方法】

  1. 汚水マスのふたを開ける
  2. 汚水マスの表面や底に溜まっている油分やごみをひしゃくなどで取り除く
  3. ホースで水を流しながら、汚水マス付近の排水管の中を洗う(下流から上流に向かって洗浄)

自分でできる掃除法でも取りきれなかったり、つまりがひどい場合は、無理せずプロの事業者に依頼しましょう。

戸建ての排水管の寿命は何年?リフォームの見極め時期

排水管の寿命は一般的に20〜30年といわれています。劣化すると水漏れが起きたりするため、排水管の交換が必要になります。排水管の寿命とリフォームの時期について見ていきましょう。

排水管の寿命の見極め方法

以下のようなことが気になったら、排水管の寿命が来ているのかもしれません。

  • 排水管に水が流れると、コポコポ音がする
  • 水は流れるものの、排水管からのにおいが強くなった
  • 排水が流れにくくなった・つまりやすくなった
  • 排水管やその周辺で水漏れがする

家を建ててから20〜30年経過していて、上記のような現象がある場合は排水管の劣化や寿命がきているのかもしれません。

排水管のリフォームアイデアと工事費用

排水管のリフォームは可能です。

排水管のリフォーム費用は家の大きさや交換する排水管の長さによりますが、キッチンなど単体の箇所であれば30,000円前後〜でプロの水道事業者に依頼することが可能です。

家全体の場合は200,000円前後〜が目安で、家のリフォーム会社に相談する必要があるでしょう。

排水管の交換を考えるとき同時に検討したいのが、同じように劣化しているかもしれないキッチンやトイレなど住宅設備についてです。

設備の不具合や故障、ゴムパッキンの劣化による水漏れといったトラブルが出てくるころでもあるため、どこをどのように交換したり、リフォームしたりするのか、総合的に判断することが重要といえるのです。

この後からは、キッチン、トイレなど各場所ごとのリフォーム事例を紹介します。排水管の交換やリフォームを考える際の参考にしましょう。

▼排水管や水回りのリフォーム相談は、お気軽にこちらへ▼
神奈川県横浜・湘南・横須賀の新築・中古戸建て・リフォームはウスイホーム

リフォーム実例とアイデア①キッチンのリフォーム事例

キッチン

画像:【藤沢市の事例】築26年の古いキッチンをリフォーム|ウスイホーム
キッチンリフォーム工事の平均相場 100万円~120万円前後

システムキッチンにも寿命があります。コンロや換気扇、食洗器などの機器は10年前後〜、水道の蛇口からの水漏れや食器棚のネジがはずれるなどの不具合も15年前後から起こりはじめます。排水管トラブルの頻度が高まるようなら、リフォームも含めた計画を検討しましょう。

戸建てにもディスポーザーを設置できる?

ディスポーザーとは生ごみをキッチンの排水口から流すだけで、シンク下に設置した機器で粉砕処理してくれるシステムで、戸建てでは「機械処理タイプ(※)」を設置するのが一般的です。

設置には自治体への事前申請が必要で、初期費用(35〜40万円前後/耐用年数は約10年)と、電気代(1万円前後/年)がかかります。

※生ごみの固形物を機械内で粉砕後に乾燥させ、1/20くらいの体積まで減らすシステム。

リフォーム実例とアイデア② トイレのリフォーム事例

トイレ

画像:【藤沢市の事例】シンプルだけど清潔で機能的なトイレにリフォーム|ウスイホーム
トイレリフォーム工事の平均相場 25万円~40万円前後

便器自体は破損がなければ30年以上持ちますが、トイレの寿命は一般的に10〜20年が目安です。

タンク内のパーツやウォシュレットの寿命が7〜10年、排水管のトラブルやそれに伴う水漏れなどは20年前後から起こりやすくなります。汚れの落ちにくさ、においなどを感じたときも、リフォームを検討する時期といえるでしょう。

リフォーム実例とアイデア③ 風呂場のリフォーム事例

風呂場

画像:【横須賀市の事例】築45年のお風呂がホテルのようなリフォーム|ウスイホーム
風呂場リフォーム工事の平均相場 100万円〜200万円前後

お風呂のリフォーム時期は、床や壁の黒ずみや黒カビ、水垢など、目に見える汚れが普段の掃除で取れなくなったときが一つの目安で、20年目くらいから検討する人が多いようです。

10〜15年ごろから、排水の流れが悪くなる・つまりや悪臭が発生する、給湯器や浴室乾燥機(換気扇)の故障などの不具合が出始めます。

リフォーム実例とアイデア④ 洗面台リフォーム事例

洗面台

画像:【横浜市の事例】毎朝が楽しくなるおしゃれな洗面台へ|ウスイホーム
洗面台リフォーム工事の平均相場 20万円〜30万円前後

洗面台の寿命も20年前後が一つの目安とされています。

排水が悪くなる・悪臭がする、水漏れ、洗面台の汚れや水垢が掃除をしても取れない、周辺の壁にカビが出ているといったことがリフォームの目安となるでしょう。

戸建ての排水管も手入れは必要、排水管の劣化前にリフォームを

自宅の排水管がつまったり、水の流れが悪いと感じたら、ここで紹介した対処法や手入れ・掃除法を試してみましょう。自分で対応しても改善しないときは無理をせず、プロの事業者に依頼することをおすすめします。

戸建ての排水管や水回りのリフォームは、それぞれの箇所の寿命を考えながらベストな時期を見極めることが大切です。住まいの快適性を保ち、理想的な我が家を維持できるよう計画を立てましょう。

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執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。
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