戸建て売却

築40年の一戸建ての売却ポイントは?売却相場と売却成功のコツも解説

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築40年の一戸建ての売却を考え始めると、「売却相場はどれくらいだろう」「売れるだろうか」といった不安を持つ方も多いのではないでしょうか。

築40年の物件でも、売却できる可能性は十分あります。ただし、築古の一戸建ての売却相場では、建物の価値はほぼゼロと評価されるのが特徴です。そのため、売却価格を左右するのは土地の価格であることを理解しておきましょう。

この記事では、築40年の一戸建ての売却相場と売却方法、そして、高く売るためのコツを解説します。不動産会社への相談前にぜひご一読ください。

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築40年の戸建てにも需要はある!

出典:国土交通省「既存住宅市場の整備・活性化に向けて・成約時の築年数(建築年別)」

国土交通省の「売買成約時の築年数」のグラフを見ていきましょう。築40年前後を含む「1981~1999年(築25~40年程度・緑の部分)」は、割合に変動はあるものの、2024年も一定の取引が行われています。

築40年よりも古い、築75~45年程度(1950~1980年・オレンジの部分)の成約割合も安定しているため、それより築年数が浅い築40年前後の一戸建ても引き続き需要があることがわかります。

このデータからも、築年数が進んでも、十分に売却は可能であるといえるでしょう。ただし、木造の中古物件は築22年をこえたあたりで、建物の価値はゼロとみなされます。これは法定耐用年数の22年を過ぎてしまうためです。この年代の一戸建ては建物の評価がほとんどないため、査定時の価格は主に土地の価値となります。こうした事情が、築40年の一戸建ての売却価格に影響していることを理解しておきましょう。

築古の住宅は、リフォームをして居住を考える人や、建て替え用の土地としてのニーズもあります。「築40年だから売れない」とは限りません。ターゲットに合わせた売却戦略を立てることで、所有する一戸建てのスムーズな成約が期待できます。

築40年の一戸建ての売却相場の調べ方と実例

築40年の一戸建てを売却する際、まず気になるのが「いくらで売れるのか」という点です。おおよその売却価格を把握できれば、売却の計画も立てやすくなります。ここでは、売却相場の調べ方を紹介します。

一戸建ての売却相場を調査できる無料サイト3選

物件があるエリアの一戸建ての売却相場を調べるのに役立つ、信頼できるサイトを3つご紹介します。いずれのサイトも無料で利用できます。

  • 路線価(国税庁):固定資産税などの税金計算の基準。実勢価格よりやや低めになっている
  • REINSマーケット情報:過去に取引された取引価格を調査できる。近隣の相場確認に最適
  • 不動産情報ライブラリ:不動産の取引価格、地価公示等の価格情報を提供

これらのサイトでは、細かい条件で絞り込みができます。まずは、物件のある地域の評価額や近隣物件の取引価格を調べることから始めましょう。

【実例】横浜市の売却相場を見てみよう

築40年の一戸建てはどのくらいの価格で売られているのか、国土交通省の不動産ライブラリで得た事例を紹介します。横浜市内で、2024年に取引された物件を「築40年前後、敷地面積100~120平方メートル」で絞り込み、ピックアップしました。

・横浜市保土ケ谷区(星川駅 徒歩10分)
【築41年・木造・土地面積100平方メートル・床面積100平方メートル】3,600万円
・横浜市港南区 (下永谷 徒歩9分)
【築42年・木造・土地面積105平方メートル・床面積85平方メートル】 2,000万円
・横浜市鶴見区(鶴見 徒歩24分)
【築42年・木造・土地面積120平方メートル・床面積95平方メートル】 1,100万円

参考:不動産情報ライブラリ

1件目の星川駅は快速が止まる利便性の高い駅で、徒歩10分という立地から、築41年でありながら3,600万円の売却価格です。3件目のJR鶴見駅も利便性の高い駅ですが、物件は駅からの距離が徒歩24分と遠いため、土地面積が広いにもかかわらず、価格は抑えられているといえるでしょう。

築古物件に限らず不動産は、アクセスや立地、生活の利便性、土地の形状や広さなどさまざまな要因で価格が変動します。売却する物件価格を正確に知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

築40年の一戸建てを売却する5つの方法

築40年の一戸建ては、状態や立地によっていくつかの売却方法が考えられます。代表的な5つの方法を紹介しますので、それぞれのメリット・デメリットを理解し、売却する物件に合った方法を見つけましょう。

①古家付き土地としてそのまま売る

築40年の一戸建てを「古家付き土地」としてそのまま売却に出す方法です。土地の価値を重視しての売却になり、古家を購入して自分好みにリフォームしたいというニーズに合致します。買主が、自分で建物を解体し、更地にする可能性もあります。売主にとっては、解体費用をかけずに売却できるのがメリットです。

建物の状態が悪くても、立地や土地の広さが魅力であれば、買い手が見つかる可能性は十分にあります。

参考記事:古家付き土地の売却をスムーズに進める方法|高値で売るためのコツも解説

②解体して更地にして売却する

築40年の一戸建てを解体して更地にしてから売却する方法で、建物の老朽化が進んでいる場合に有効です。更地にすることで、新築を考えている買主にとっては、すぐに建築に取り掛かれるという大きなメリットになります。

ただし、木造住宅の解体費用は、1坪あたり3〜5万円が相場で、30坪の場合はおおよそ100~150万円かかります。また、注意したいのが固定資産税です。1月1日時点で建物がなく土地だけの場合、住宅用地特例が適用されません。その場合は、固定資産税が最大6倍になります。売却が年をまたぐ場合、解体のタイミングに十分注意しましょう。

参考記事:【プロ監修】戸建ての解体費用とは?費用・期間・注意点を解説

③リフォーム・リノベーションして売る

リフォームを行い、築40年の古さを消して売却する方法もありますが、慎重な判断が必要です。実際のところ、リフォームの費用を売却価格に上乗せするのは難しく、費用を回収できず手元に残る金額を減らすことになります。実施する場合は、水回りなどの最低限の補修にとどめるのが賢明です。

「自分でリフォームしたい」というニーズもあるため、リフォーム済みだと購入候補から外されてしまう場合もあります。リフォームを行うかどうかは、不動産会社と相談して決めることをおすすめします。

横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム

④空き家バンクを活用する

築40年の一戸建てが空き家になっている場合、登録を検討したいのが、地方自治体が運営する「空き家バンク」です。空き家所有者と居住者をマッチングさせる仕組みですが、市場で売却するより、安い価格設定が一般的です。

不動産会社を介さず直接契約を結ぶため、仲介手数料が不要なケースが多く、コストを抑えられますが、契約トラブルのリスクがあります。売買時は不動産会社に仲介の依頼もできるため、不動産会社に相談がおすすめです。

⑤不動産会社に買取してもらう

早く・確実に売却したい場合に有効な方法は、不動産会社の「買取」です。市場で売却する場合は、いつ売れるかわからないというデメリットがありますが、買取であれば1週間程度で売却が完了するケースもあります。

また、買主が不動産会社のため仲介手数料が不要で、売却後の契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を問われる心配がなく、売却後のトラブルを避けられます。売却価格が相場より2〜3割程度安くなる傾向がありますが、売却スピードや安心感を優先したい人には、非常に有効な選択肢です。

▼ウスイホームの社員が本音で教える、不動産の売却方法について(動画)▼

不動産売却編 2つの売却方法【いっしょに不動産Vol.8】

築40年の家でも「売れやすい」条件

築40年の一戸建てでも、条件が良ければ短期で売れるケースもあります。どのような条件が売却価格が高くなり、売れやすいのかを下記にまとめました。

  • 立地が良い物件…駅近で、学校・商業施設が徒歩圏内にあるなど、利便性が高いエリアは需要が高く売れやすい
  • 土地の条件が良い…形が整っている、接道状況が良い、日当たりや風通しが良いなど
  • 建物の状態が良い…定期的な修繕やリフォーム履歴があると、好印象。外壁や屋根、設備の状況も内覧で確認されるため、事前に点検する
  • 外観デザインが魅力的…好みが合う買主からは評価されやすい。
  • 境界が確定している…隣地とのトラブルのリスクが少なく安心

こうした条件が、築40年の一戸建ての価格を左右し、売却スピードにも影響を及ぼします。

参考記事:戸建て売却が進まない理由と解決策|早期売却するための秘訣を解説

築40年の一戸建てを少しでも高く売る5つのコツ

築40年の一戸建てでも、査定額や売却価格を上げる工夫が可能です。少しでも高く売るための5つのコツを紹介します。

既存住宅売買瑕疵保険に加入する

築古の一戸建てを売却する際、「既存住宅売買瑕疵保険」に加入できれば、買主への大きな安心材料になります。築年数が古い住宅は「見えない不具合があるのでは?」という不安がつきものですが、保険に加入していれば、万が一の不具合にも対応してもらえるという信頼感につながります。

ただし、保険加入には新耐震基準を満たしている必要があり、建物の検査も必要になります。無条件に加入できるわけではないことに注意が必要です。

ホームインスペクション(住宅診断)を行う

ホームインスペクションとは、専門の一級建築士が建物の状態をチェックし、劣化状況や補修の必要性などを調べることです。

築40年の一戸建ては、「老朽化による不具合があるのでは」と買主が不安を感じやすいものです。そのような場合に、ホームインスペクションの診断結果があれば、買主は安心して購入を検討できます。

費用は一般的に5~7万円程度です。買主の安心感や信頼感が得られ、家に大きな問題がないことがわかれば、価格交渉も控えてもらえる可能性が高くなります。これらを考慮すれば、ホームインスペクションは価値のある診断といえるでしょう。

参考:横浜・湘南・横須賀のインスペクション(建物状況調査)| ウスイホーム

土地の境界を明確にしておく

古い一戸建てでは、隣地との境界があいまいなケースが少なくありません。境界があいまいなままでは、将来トラブルになる可能性があり、非常に購入しづらい物件といえます。売却前には土地の境界を確定しておきましょう。

境界確定は、土地家屋調査士に依頼します。費用がかかりますが、買主も安心して購入を検討でき、売却もスムーズに進みます。

複数社に査定を依頼し、価格と対応を比較する

築40年の一戸建てを少しでも高く売りたい場合は、不動産会社選びが重要です。査定は複数社に依頼し、査定額を比較・検討したうえで、適正な価格を提示してくれる会社を選びましょう。査定価格は不動産会社によって異なります。いたずらに高い査定額には注意し価格の根拠を明確にしてもらいましょう。

査定時の対応や説明の丁寧さは、信頼できる不動産会社を見極める材料になります。しっかりとコミュニケーションをとり、信頼できる不動産会社をパートナーにしたいものです。

築古戸建て売却の実績がある会社を選ぶ

不動産会社によって、得意分野は異なるため、築古戸建ての売却実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。築40年の住宅は売り方やアピールポイントが独特なため、古家の販売に慣れている会社の方が高値で売却できる可能性があります。

また、対象エリアの取引に強い会社であれば、地域の相場や買主層に合わせた提案ができるため、売却成功の可能性も高まります。実績のある会社を選ぶことで、安心して任せられるでしょう。

参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント

築40年の家を売る際の2つの重要な注意点

築40年の一戸建てを売る際には、重要な注意点が2つあります。一つ目は、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)です。

これは、売却後に建物の不具合が見つかり、その不具合が契約書に記載がない場合に、売主が責任を負うことをさします。不具合があった場合には、修繕費や撤去費を請求される可能性があります。

このリスクを避けるために、契約時には不動産会社と契約内容をしっかり確認し、免責特約を盛り込めるかどうかを検討しましょう。2つ目は、再建築不可物件ではないかの確認です。

再建築不可の物件の場合は、建物を解体してしまうと再建築ができず、更地としての売却も難しくなります。

これは、建築基準法に定められた接道義務を果たしていない場合に該当し、「幅4m以上の道路に2m以上接している」かを必ず確認しておきましょう。

また、用途地域など法的な規制がある地域かどうかの確認も重要です。この2つの重要な確認ポイントを押さえ、リスクを軽減しながら売却を進めることが大切です。

築40年の一戸建ての売却はウスイホームへ

1976年創業のウスイホームは、横浜・湘南・横須賀エリアに密着し、地域の築古一戸建ての売却も数多くサポートしてきました。築40年以上の物件で不安をお持ちの場合にも、経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたします。

また、ウスイホームでは、ホームインスペクション(住宅診断)も実施可能。建物の状態を正確に把握し、安心して売却できる体制が整っています。地域の特性を踏まえた適切な価格設定や売却戦略をご提案し、納得のいく売却をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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築40年でも一戸建ては売却可能!早めの相談が成功のカギ

築40年の一戸建ては、建物の価値がほぼゼロになりますが、「土地」に価格がつくため、売却は十分可能です。更地や古家付き、買取など、状況に応じた売却方法を選び、それに合わせた売却戦略を立てることが成功のポイントです。

築古住宅の売却に強い不動産会社に早めに相談し、売却相場を把握して、適切な査定と効果的な売却のアドバイスを受けましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建ての売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact