戸建て売却

築30年の家は売れない?一戸建てのリアルな売却相場と損しない売り方とは

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築30年の一戸建ての売却を検討する際に、「もう古いし、資産価値がないのでは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

たしかに年数が経った建物の評価は下がりますが、土地には価値があるため、立地条件によっては十分に売却が可能です。

古家は中古住宅として活用したいという需要もあり、売り方次第で納得のいく売却ができる可能性もあります。

この記事では、築30年の一戸建ての売却相場や売却方法、成功のポイントを詳しく解説します。

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築30年の一戸建ての売却相場

まず、神奈川県の2025年1〜3月の中古一戸建ての築年帯別成約状況を、みていきましょう。

~築5年~築10年~築15年~築20年~築25年~築30年築30年~合計
件数(件)1221721441521871613961,334
前年同期比43.5%34.4%29.7%28.8%83.3%49.1%142.9%63.7%
価格
(万円)
5,1074,3484,5704,1313,6303,7383,0503,857
土地面積
(平方メートル)
116.6118.1136.3136.2136.4144.8184.1147.4

参考:REINS TOPIC【2025年01~03月】より神奈川県のデータを抽出し、当社で表を作成

上記の表から、築30年前後の物件も活発に取引されていることがわかります。築25〜30年では161件、築30年以上では396件が成約しており、築30年超の成約件数は前年同期比142.9%と大幅な増加です。これは「築年数が古くても売却できる」ことを示しています。

築30年の物件では、建物の資産価値がゼロとみなされることが多く、売却価格は土地の価値や立地条件に大きく左右されます。都市部では、築古でも土地に十分な価格がつくケースも多いのです。

売却価格をみると、築25〜30年の物件の平均成約価格は3,738万円、築30年以上の物件の平均成約価格は3,050万円となっています。平均価格を築浅物件と比べると1,000万~2,000万円程度の差にみえますが、築年数が古くなるほど、一戸あたりの土地面積が大きくなっていることに注意が必要です。

また、状態の良い物件やリフォーム済みの建物は、そのまま住める中古住宅として需要があります。築年数だけで売却を諦めず、相場を把握して、売却方法を検討することが大切です。

参考記事:

【プロ監修】不動産の売却方法を解説!高く、早く売るためのコツから注意点まで徹底網羅

戸建て売却が進まない理由と解決策|早期売却するための秘訣を解説

築30年の一戸建てを売却する方法

築30年の一戸建てを売却するには、建物の状態や土地の立地に応じて、ターゲットを設定し、それぞれに適した売却方法を選ぶことが重要です。築古の物件を売却する5つの方法を解説します。

家を残したまま「古家付き土地」で売却

築30年の一戸建てを売却する際、「古家付き土地」として売却する方法があります。これは、土地そのものの価値を重視し、建物の価値はほぼ考慮せずに価格を設定します。

「古家付き土地」のメリットは、建物を解体せずにそのまま売却活動ができるため、すぐにでも売却を開始できる点です。また、売主は解体費用を負担する必要がないため、コストを抑えられます。

さらに、築30年であっても、状態が良ければ、中古住宅を探している買主の目に留まる可能性もあります。

参考記事:古家付き土地の売却をスムーズに進める方法|高値で売るためのコツも解説

ニーズが合えば売れやすい「更地」

宅地の需要の高いエリアでは、建物を解体して「更地」にする方が売れやすくなるケースがあります。更地であれば、買主は土地の購入後、すぐに建築に取り掛かれるためです。

ただし、更地にするためには建物を解体し、整地が必要です。木造の場合、解体費は一般的に1坪あたり3〜5万円が相場で、30坪の建物なら約100〜150万円、場合によっては200万円前後になることもあります。

立地や買主のニーズに合わせた売り方で、売却がスムーズに進むケースは多くみられます。地域のニーズに詳しい不動産会社に相談し、慎重に検討しましょう。

参考記事:【プロ監修】戸建ての解体費用とは?費用・期間・注意点を解説

「リフォーム」は不動産会社に相談

築30年の一戸建ては、建物の状態が良ければ「住める家」として売却できる可能性があります。その際には、長年の使用で痛みがちな、水回りや内のリフォームを行っておくことで、内覧時の印象が良くなります。

ただし、リフォーム費用を売却価格に上乗せするのは難しいのが実状です。また、「自分好みにリフォームしたい」と考えて、物件を探す買主も多いため、リフォームを行わない方がよいケースもあります。

リフォームではなく、プロによる清掃で見た目の印象を良くする方法もあるため、リフォームについては不動産会社に相談することをおすすめします。

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不動産会社の「買取」

築30年の一戸建てを早く売却したいという場合、不動産会社の「買取」は有力な選択肢です。買取には、以下の特徴があります。

  • 売却完了まで最短なら1週間程度
  • 仲介手数料が不要
  • 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が免除されるため、売却後のトラブルリスクが軽減

ただし、仲介で一般の買主に売る場合と比べると、売却価格は低くなる傾向にあります。価格よりもスピードや安心感を重視したい方に適した方法といえるでしょう。

また、買取ができない物件もあるため、まずは信頼できる不動産会社に買取について相談してみましょう。

▼ウスイホームの社員が本音で教える、不動産の売却方法について(動画)▼

不動産売却編 2つの売却方法【いっしょに不動産Vol.8】

自治体などの「空き家バンク」の活用

築古の一戸建てを売却する方法として、自治体が運営する「空き家バンク」を活用するという選択肢もあります。古民家や田舎暮らしを希望する移住者などを対象に物件を紹介する仕組みで、マッチすればスムーズな売却も期待できます。

ただし、空き家バンクがない自治体や、登録に時間がかかる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

注意点としては、通常自治体は売買には介入しないため、トラブルが発生するリスクがあることです。

契約時には信頼できる不動産会社に依頼するなど、リスクを軽減する対策を取ることをおすすめします。

築30年の一戸建ての売却を成功させるポイント

築30年の一戸建てを、スムーズに売却するには、価格設定やターゲットの見極め、売り方が重要です。そのためには、相場の把握や信頼できる不動産会社選びが欠かせません。それらのポイントをみていきましょう。

地域で似た物件の相場を事前に把握

築30年の一戸建ての相場価格では、売りたい金額と、実際に取引されている価格に差があるケースが少なくありません。相場を理解することで、現実的な価格設定や売り方の検討がしやすくなります。

【相場を調べる方法】

  • 不動産ポータルサイトで、エリア・築年数・広さ・立地が近い物件の価格をチェック
  • レインズ(REINS)マーケットインフォメーションで近隣の成約事例を調査する
  • 不動産会社に査定を依頼する

不動産会社の査定では、現地調査を行い、その物件の売却価格を見積もって提示してくれます。その価格の妥当性を判断するためにも、事前に近隣の似た物件の相場を把握しておくことが大切です。

インターネットのサイトを活用して自分で調べることも、スムーズな売却への第一歩となります。

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ホームインスペクションで信頼性を高める

築古の一戸建てを売却する際に、買主の信頼感を高める方法に、ホームインスペクションの実施があります。これは、専門の建築士が建物の劣化状況や不具合をチェックし、報告書としてまとめてくれる住宅診断です。

【ホームインスペクションのメリット】

  • 専門家が建物を診断するため、売主・買主双方の不安を軽減できる
  • 診断結果の提示により、買主は安心して、購入を検討できる
  • 売却後のトラブルの防止につながる

費用は5〜7万円程度が一般的ですが、安心感や信頼性の向上に大きく貢献します。築年数が経過している築30年の一戸建てでは、物件の状態に対する安心感が購入の決め手となります。

参考:横浜・湘南・横須賀のインスペクション(建物状況調査) | ウスイホーム

内覧に向けてハウスクリーニングを活用する

建物を残したまま売却する際は、購入希望者が内覧で建物内外を確認することになります。
築30年でも家の状態が良く、居住を目的とした購入が見込まれる場合には、プロのハウスクリーニングがおすすめです。

【ハウスクリーニングのメリット】

  • 素人では取れない室内や水回りの汚れが除去できる
  • リフォームより安価
  • 汚れを理由にした値引き交渉が減ることが期待できる

また、不要な家具や物を片付けて家を広く見せることも大切です。

清潔で広く感じられる空間は、購入希望者に良い印象を与えるため、内覧者の購入意欲が高まり、売却がスムーズに進む可能性があります。

空き家の場合は家財を撤去する

売却する一戸建てが空き家の場合、売却の準備段階で、家財をすべて撤去しておきましょう。家具や生活用品が残っていると、「築30年の古い家」「片付けが大変」というマイナス面を強調してしまいます。

不要なものがなければ、建物本来の広さがわかり、採光も良くなるため、広々と明るい印象になります。内覧時には「すぐに住めそう」「管理や掃除がきちんとされている」という印象が大切です。

売却活動の前に建物の中の整理・撤去を行いましょう。

戸建の売却実績が豊富な不動産会社に依頼する

築30年の一戸建てを売却する際は、不動産会社選びが非常に重要です。築古物件は、新築や築浅の物件とは異なる専門知識と売却戦略が必要なため、中古物件の売却実績が豊富な不動産会社に依頼すると安心です。

【不動産会社を選ぶポイント】

  • 築30年以上の一戸建ての販売実績が豊富か
  • 地域の相場やニーズに詳しいか
  • 買取と仲介の両方に対応しているか
  • 相続物件の場合は、その売却や手続きに詳しいか

幅広い知識を持ち、依頼した物件に最適な提案ができる不動産会社を選びましょう。

参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント

築30年の一戸建て売却時の注意点

築30年の一戸建てを売却する際には、築古物件ならではの注意点があります。売却後のトラブルを防ぐためにできる手続きなど、事前に知っておくべきポイントを解説します。

契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に注意

築30年に限らず、一戸建てを売却する際に注意したいのが「契約不適合責任」です。これは、売却後に契約書に記載のない不具合(雨漏りやシロアリ被害など)が見つかった場合に、売主が修理や賠償の責任を負うというものです。

【契約不適合責任への備え】

  • 売買契約時に「契約不適合責任を免除する条項」を盛り込む
  • 住宅瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)に加入して、万が一の不具合に備える

築年数が古い物件では、買主だけではなく、売主にも「隠れた不具合があるのでは」という不安があります。不動産会社と十分に相談し事前に備えをしておきましょう。

土地の境界を明確にして、トラブル防止

一戸建てを売却する際は、将来のトラブルを予防するためにも、土地の境界を明確にすることが非常に重要です。築30年の物件の場合、境界があいまいなケースも多く、買主の不安につながります。

【境界に関する対応】

  • 境界が確定済みの場合は、「境界確認書」や「測量図」などの書類を準備
  • 境界が不明な場合は、土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を実施し書類を作成

隣家とのトラブルの原因になりかねない「境界が確定していない物件」は、購入の決断が非常にしにくい物件といえます。

境界確定測量を行い、買主が安心して購入できる環境を整えましょう。

更地で売る場合は固定資産税の課税時期に注意する

築30年に限らず、一戸建てを解体して更地で売却する場合は、固定資産税の課税タイミングに注意が必要です。

固定資産税の請求は4月~5月に郵送されてきますが、課税の基準日は毎年1月1日現在の土地の状態で判断されます。

建物を解体してしまうと、それまで適用されていた「住宅用地の特例」がなくなり、固定資産税が最大6倍になることがあります。

【更地にする際のポイント】

  • 解体と売却の時期を調整する
  • 年内に解体し、年をまたいでの売却活動はおすすめできません

解体する場合は、固定資産税の課税日を考えたスケジュール管理を行いましょう。

参考記事:一戸建てを売却するとどれくらいの税金がかかる?基本知識と特例を解説

査定は複数依頼する

築30年の一戸建てを売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼してみましょう。査定は通常無料で行われるため、手間はかかりますが費用は発生しません。査定額の比較検討は、非常に大切です。

【査定額の比較ポイント】

  • 複数社から査定額を取り、自分で調べた相場と比較し、価格の根拠をしっかり聞く
  • 高い査定額は必ず理由を聞く
  • 重要なのは「適正な価格」。市場価格とかけ離れていては売れ残る可能性も

媒介契約を依頼してほしいために、高めの査定を出す業者もあります。査定額の理由を丁寧に説明してくれる信頼できる業者を選びましょう。

参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント

築30年の一戸建て売却はウスイホームへ

築30年の一戸建てを安心して売却したいとお考えの方は、ウスイホームにぜひご相談ください。ウスイホームは1976年創業、横浜・湘南・横須賀で、長年地域の不動産取引に寄り添ってきました。

築古物件の売却実績も豊富で、仲介・買取の両面からお客様に最適な売却方法をご提案できます。築30年の一戸建ても、売り方次第で価値を引き出せます。まずはお気軽にご相談ください。

▼横須賀・湘南・横浜エリアで戸建ての売却についてのご相談はこちら▼

神奈川の不動産(マンション・アパート・事務所・一戸建て・土地)売却 | ウスイホーム

売却成功のカギは「相場把握・信頼できる業者選び・物件の見せ方」

築30年の一戸建ては、土地の資産価値や手入れ状態によっては十分に売却可能です。
成功のポイントとなる地域の売却相場や売却方法について解説しました。まずは自分で相場を把握し、経験豊富で信頼できる不動産会社に依頼することが大切です。

一人で売却について悩むより、不動産会社の経験や知識を活用して、最適な売却方法を検討しましょう。築年数だけで判断せず、「物件の魅力を引き出す見せ方」を意識して売却の準備を進めましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建ての売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact