築20年の一戸建てを売却しようと考えたとき、「建物はどれくらいで売却できるの?」と疑問をお持ちになる方があるかもしれません。
実は、築20年の住宅は法定耐用年数の観点から資産価値は購入時の数パーセントまで下落します。しかし、土地に価値があることから立地条件などにより十分な売却価格が見込めるケースもあります。
この記事では、築20年の売却相場や後悔しない売却方法、注意点までをわかりやすく解説します。「できるだけ高く、スムーズに売却したい」という方はぜひ参考にしてください。
神奈川県で一戸建て売却をお考えの方へ
ウスイホームの一戸建て売却ならこちら
目次
築20年の一戸建ての売却相場

まずは、売却を考え始めたときに気になる「築20年の一戸建ての売却相場の目安」「なぜ建物の評価が低いのか」「どのようなケースが高値で売れるのか」を解説します。
築20年の一戸建て・売却相場の目安
まず、神奈川県の2025年1〜3月の中古一戸建ての築年帯別成約状況を、見ていきましょう。
| ~築5年 | ~築10年 | ~築15年 | ~築20年 | ~築25年 | ~築30年 | 築30年~ | 合計 | |
| 件数(件) | 122 | 172 | 144 | 152 | 187 | 161 | 396 | 1,334 |
| 前年同期比 | 43.5% | 34.4% | 29.7% | 28.8% | 83.3% | 49.1% | 142.9% | 63.7% |
| 価格 (万円) | 5,107 | 4,348 | 4,570 | 4,131 | 3,630 | 3,738 | 3,050 | 3,857 |
| 土地面積 \(平方メートル) | 116.6 | 118.1 | 136.3 | 136.2 | 136.4 | 144.8 | 184.1 | 147.4 |
参考:REINS TOPIC【2025年01~03月】より神奈川県のデータを抽出し、当社で表を作成
神奈川県における2025年1~3月の中古戸建て住宅市場では、築20年をこえる一戸建ての成約価格は3,630万円(築20〜25年)、3,738万円(築25〜30年)となっています。価格は土地の広さや条件によって異なりますが、平均すると3,000万円台後半が相場といえます。
成約件数は前年同期比で83.3%、49.1%といずれも大幅に増加しており、築20年までの物件と比べても十分な需要があるといえるでしょう。
平均土地面積は約136.2平方メートル、144.8平方メートルと広さも十分にあるため、更地にして新築を検討する買主からの需要も見込めます。
築20年だからといって売却が難しいわけではありません。相場や土地・建物の状態に応じた価格設定がポイントとなります。
建物の資産価値はなぜ低い?

築20年を過ぎた木造の建物は、法定耐用年数22年に近いもしくは過ぎてしまっていることから、一般的に、査定上の建物価値は数%程度と評価されてしまいます(上記表のオレンジ折れ線を参照)。そのため、売却価格は、ほとんど土地の評価のみで算出されるケースが多いのが実情です。
しかし、これはあくまで税務と査定上の話で、実際のところ築20年は十分住める状態の物件も多いといえます。建物のメンテナンスがきちんとされていれば、購入後すぐに住める住宅として一定の需要があります。新築や築浅物件に比べて、価格が手ごろなことから、築20年前後の物件は人気があるともいえるのです。
たとえ建物の価値がゼロに近いといわれても、売り方次第で買主にとって魅力的な物件としてアピールできます。
参考記事:戸建て売却が進まない理由と解決策|早期売却するための秘訣を解説
売却価格は「土地+立地条件」で決まる
築20年の一戸建ての売却価格は、「土地の価値」と「立地条件」によって大きく左右されます。
最寄り駅の利便性や家から駅までの距離、生活のしやすさなど、同じ築年数でもエリアによって価格に大きな差が生じます。また、土地の広さや形状、道路との接道状況も価格に影響する要素です。
さらに建物の状態が良ければ、リフォームして住める家を探している買主にとっては、魅力的な物件になるため、現地査定で建物がいくぶん評価される可能性も出てきます。売主は、土地の条件と建物の状態を総合的に考慮し、適正な価格を見極めることが重要です。
築20年一戸建ての相場の調べ方
一戸建てを売却する際、売却価格の相場を自分で調べる場合は、近隣で条件が似ている物件の価格を調べるのが基本です。
以下は、不動産業界のプロも使う信頼のおけるサイトです。
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産情報ライブラリ
これらのサイトでは、エリアや築年数、面積などで絞り込んで成約価格を調べられます。
また、現在販売中の物件情報は、不動産ポータルサイトで調べることが可能です。
価格だけでなく、写真やアピールポイントも掲載されているため、自分の物件を売却する際の参考にもなります。
これらを活用すれば、希望価格と市場価格の差も把握できます。相場を正しく理解することで、現実的な売却計画が立てやすくなるでしょう。
参考記事:戸建て売却の流れと注意点!売却を成功させるポイントを解説
築20年の一戸建てを売却する方法

築20年の一戸建てをスムーズに売却するためには、物件の特徴に合わせてターゲットを設定し、適切な売却方法を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な5つの売却方法を紹介します。
現状で売る
築20年の一戸建ては、物件を自分の好みに合わせてリフォームしたい買主や、購入価格を抑えてすぐに入居したい買主にとっては魅力的な物件です。そのため、「現状のままでの販売」はコストをかけずに行える有効な方法となります。
【現状販売のメリット】
- リフォーム費用不要で、売主の出費を抑えられる
- すぐに売却活動を始められる
- 買主にとっては、すぐに引っ越しも可能で、リフォームもしやすい物件といえる
なお、居住を前提に売却する場合は、内覧前に掃除や不用品の処分などを行い、好印象につなげましょう。
痛んでいるところだけをリフォームして売却する
築20年の一戸建てを売却する際に、すべてをリフォームする必要はありません。水回りや壁紙の汚れた箇所、床の傷みなど、買主の印象を悪くしやすい「痛んでいる部分」を最低限リフォームするのが効果的です。
【ポイント】
- リフォーム費用は売却価格に上乗せしにくい
- 全面改修などは、まずは不動産会社に相談を
- 現状販売で売り出し、反応がなければ部分リフォームを行う方法もあり
リフォームは費用対効果を慎重に考えましょう。
参考:横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム
古家付き土地として売却する
築20年でも家の傷みが激しい場合は、建物の価値や買主からの評価を期待せず「古家付き土地」として売却する方法があります。「古家付き土地」とは、建物は使えない前提で土地の価値に重点をおいて売り出す方法です。
【ポイント】
- 解体費用がかからない
- 買主が解体費用を負担するため、値引きを求められることがある
- 新築のための土地を探している人がターゲットになる
建物の状態が良くない場合に有効な売却方法です。
参考記事:古家付き土地の売却をスムーズに進める方法|高値で売るためのコツも解説
更地にして売却する
築20年の一戸建てを解体し、更地にして売却する方法もあります。
解体費用は売主の負担となりますが、買主はすぐに新築を建てられるため、早期売却につながる可能性が高まります。
| 【年をまたいでの更地の売却は要注意】 1月1日時点で更地の場合、住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が6倍になる可能性がある。 |
解体する場合は、タイミングや費用について不動産会社と相談しながら慎重に検討しましょう。
不動産会社に買取を依頼する
相続や転勤などで、一戸建てを早く売却したい場合は、不動産会社に「買取」を依頼するという選択肢があります。不動産会社が直接買主になるため仲介とは異なるメリットがあります。
【ポイント】
- 価格は市場相場よりやや低くなる傾向がある
- 現金化が早い
- 契約不適合責任が免除されるため売却後のリスクが少ない
- 築20年などの築年数を気にせずに売却できる
- 内覧や準備が不要なため、忙しい人に向いている
手間をかけずに早く、確実に売りたい場合は、非常に有効な売却方法といえます。
参考記事:【プロ監修】不動産の売却方法を解説!高く、早く売るためのコツから注意点まで徹底網羅
築20年の一戸建ての売却を成功させるコツ

築20年の一戸建てを納得のいく価格で売却するには、事前の準備とスムーズに売却するための対策が欠かせません。売却を成功に導くための具体的なコツを見ていきましょう。
事前に地域の類似物件の相場を把握しておく
築20年の一戸建てを売却する際は、地域の類似物件の相場を事前に把握しておきましょう。売却価格を把握することで、査定価格の確認や売却価格の設定、資金計画などが立てやすくなります。
事前の相場チェックは、売却を成功に導く第一歩です。
売却スケジュールは余裕を持って半年以上前からが理想
築20年の一戸建てを有利な条件で売却するには、余裕を持ったスケジュールが不可欠です。売却を開始してすぐに売れるわけではありません。理想は6か月前、遅くとも3か月前から売却計画を立てることをおすすめします。
売却を急ぐと「これを逃したらもう買い手が現れないかも」と不安になり、不本意な値引き交渉を受け入れてしまうことがあります。
しかし、余裕があれば、春や秋の購入希望者が多い時期に売りに出すことも可能です。
希望価格で売却を実現するには、余裕を持った計画的な準備が重要です。
ホームインスペクション(住宅診断)で家の状態を確認する
ホームインスペクションは、住宅診断の専門家が建物の劣化や不具合を調査し、報告書を作成してくれるサービスです。築20年の一戸建てに、「隠れた不具合があるのでは」という売主・買主双方の不安を解消してくれます。
建物の状態を売却前に把握できれば、あらかじめ対処も可能ですし、売却時に診断結果を買主に提示することで、買主に安心感や信頼感を持ってもらえます。
インスペクションの実施は、安心できる取引を実現する方法の一つです。
ハウスクリーニングや庭の整備で印象を良くする
築20年の一戸建てを売却する際、印象を左右する要素の一つに「清潔感」があります。
プロのハウスクリーニングを利用することで、自分では落としきれない汚れもきれいにし、清潔感を高めましょう。
また、庭や玄関が荒れていると、第一印象が悪くなります。外回りの整備も忘れずに行いましょう。
築年数が経った住宅の、手入れが行き届いている印象は内覧者に安心と好印象を与え、成約につながりやすくなります。
中古一戸建て売却に強い不動産会社を選ぶ
築20年の一戸建てを納得のいく価格で売却するには、中古戸建ての売却に強い地元の不動産会社を選ぶことが大切です。
築20年の物件は、新築や築浅の物件とは異なる特徴があります。経験豊富な地元の業者であれば、中古住宅売却のポイントやエリアごとのニーズをつかんでおり、売却成功の可能性が高まります。
また、「買取」も検討する場合は、仲介・買取の両方に対応した会社を選ぶと安心です。
不動産会社を選ぶ際は、複数社を比較し、物件や売主の事情に合った提案をしてくれる会社を見極めましょう。信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶことが、後悔のない売却につながります。
参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント
築20年一戸建て売却時の注意点

築20年の一戸建てを売却する際には、築年数特有のリスクや手続き上の注意点があります。売却を進めるために知っておきたいポイントを解説します。
住宅ローンが残っている場合
築20年の一戸建ては、住宅ローンが残っている可能性が高い時期です。売却を考えた場合は事前に金融機関への相談が必要です。売却のためには、ローンを完済する必要があるため、売却額で完済できるかどうかの確認が必須になります。
残債と売却額により3つのケースが考えられます。
| 【売却価格で完済できる場合】 残債を一括返済し、抵当権を抹消して売却可能 【完済できない場合】 不足分を自己資金で補うか、「住み替えローン」の利用を検討(審査あり) 【売却で利益が出た場合】 譲渡所得税の課税対象となるが、マイホームであれば、「3,000万円の特別控除」が適用できるケースもある |
ローン残債の状況次第によって売却の手続きが変わるため、早めの準備と金融機関・不動産会社への相談が重要です。
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に注意
築20年の一戸建てを売却する際は、「契約不適合責任」に注意が必要です。これは、契約書に記載されていない不具合が見つかった場合に、売主が責任を負うという制度です。修理や補償だけでなく、賠償責任も負うためしっかり理解しておきましょう。
リスクを減らすためには不動産会社とよく相談し、適切な対策を講じることが必要です。
- 建物の状態や不具合を正確に説明し、契約書に明記
- 必要に応じて、「契約不適合責任の免責」の特別条項を追加
- 既存住宅売買瑕疵保険(瑕疵保険)に加入を検討
インスペクションを実施することで、建物の不具合が明確になるため、契約書に記載が可能になります。築年数の経った物件ほど、不具合の説明や備えが重要です。
神奈川県で一戸建てを売却するなら、ウスイホームのインスペクションサービス「+U品質の家」の活用がおすすめです。
ウスイホームにご依頼いただく物件が条件を満たせば、インスペクション費用はウスイホームが負担します。診断結果が基準を満たせば「瑕疵保担保険」と「住宅設備保証」が付帯する大きなメリットが魅力です。買主の安心につながるうえ、売却後のトラブルリスクも大幅に軽減できます。
適合しなかった場合の修繕提案にも対応しており、売主にとって非常に心強いサービスです。
▼横須賀・湘南・横浜エリアでインスペクションについてのご相談はこちら▼
リフォームが必要かは不動産会社に相談がおすすめ
築20年の一戸建てを売却する際、リフォームについては不動産会社に相談するのがおすすめです。
リフォーム費用は売却価格に反映しにくく、過度に費用をかけても利益につながらないだけでなく、損失になる可能性があります。検討時のポイントは下記の2点です。
- 物件のアピールポイントを整理し、現状での売却を検討する
- 必要な場合のみ、費用を抑えて効果的な箇所に絞ってリフォームする
中古物件の販売経験が豊富な不動産会社であれば、的確なアドバイスが得られるため、無駄な出費を避けることができます。
築20年の一戸建ての売却はウスイホームへ

神奈川県で築20年の一戸建ての売却をご検討中の方は、ウスイホームへぜひご相談ください。
ウスイホームは1976年創業、横浜・湘南・横須賀エリアを中心に、長年の実績と信頼を積み重ねてきました。築20年の一戸建ての売却は、ぜひ当社にお任せください。
物件の状態や立地条件に応じて、最適な売却方法をご提案いたします。仲介だけでなく、買取やリフォーム提案も含めた柔軟なアドバイスが可能です。
「そろそろ売りたい」「まずは相場だけでも知りたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちしております。
▼横須賀・湘南・横浜エリアで戸建ての売却についてのご相談はこちら▼
神奈川の不動産(マンション・アパート・事務所・一戸建て・土地)売却 | ウスイホーム
築20年の戸建て売却は十分可能現状販売も有力な選択肢に

築20年の一戸建ては、立地条件と価格をしっかり検討することで、売却は十分可能です。
無理にリフォームをせず、現状のままでも売れるケースも多いのが、築20年の一戸建てです。まずは売却に向けて一歩を踏み出してみましょう。
築20年の一戸建てを高く、スムーズに売却するためには、売却相場を把握し、信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶことが大切です。プロのアドバイスを受けながら、自分に合った売却方法を選びましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建ての売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |