長年住んできた家の売却を考えたときに、「築50年の一戸建ては売るのが難しいかもしれない」と、不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
たしかに、築古の物件の売却相場は低くなる傾向にあります。しかし、ご安心ください、条件によっては売却も十分に可能です。
この記事では、築50年の一戸建ての相場や売却のコツ、税金の注意点など、築古物件の売却時に知っておきたい知識をご紹介します。まずは、不安を取り除き、売却への一歩を踏み出しましょう。
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目次
築50年の一戸建ての売却相場

築50年の一戸建てを売却する際、気になるのは「いくらで売れるか」でしょう。建物の評価が低くても、立地や土地の条件によって価格は大きく変わります。
実際の売却価格事例から見る相場
横浜市内で、2024年に実際に取引された「敷地面積100~120平方メートル程度」の物件のデータを、見ていきましょう。
| ・横浜市保土ケ谷区(上星川駅 徒歩4分) 【築49年・軽量鉄骨造・土地面積115平方メートル・床面積100平方メートル】 5,200万円 |
| ・横浜市鶴見区(生麦駅 徒歩8分) 【築52年・木造・土地面積105平方メートル・床面積105平方メートル】 3,500万円 |
| ・横浜市港南区(上永谷駅 徒歩7分) 【築51年・木造・土地面積100平方メートル・床面積85平方メートル】 1,900万円 |
| ・横浜市磯子区(根岸駅 18分) 【築52年・木造・土地面積105平方メートル・床面積95平方メートル】 1,500万円 |
| ・横浜市戸塚区(藤沢駅 徒歩30~60分) 【築51年・木造・土地面積105平方メートル・床面積50平方メートル】 920万円 |
| ・横浜市南区(京急弘明寺 徒歩9分) 【築50年・木造・土地面積105平方メートル・床面積85平方メートル】 350万円 |
参考:不動産情報ライブラリ
同じ築50年前後の物件でも、立地によって売却価格は大きく異なることがわかります。
築50年前後の一戸建ての場合、建物自体の法定耐用年数は終わっており価値はほぼゼロと見なされますが、実際には構造(軽量鉄骨造、木造など)や面積により差が出ています。
なお、最後の物件データは駅近であるにもかかわらず、著しく低価格です。
これは、建物の状態や土地の形が悪い場合や、周辺環境に問題があるケースが考えられます。また、転居や相続で売却を急いだ場合も、売却価格が低くなる可能性があります。
同じ面積の物件でも条件により価格が大きく異なることから、早めに不動産会社に査定を依頼し、より正確な売却予想価格を把握することが大切です。
築50年の家の価値、建物の評価は「ゼロ」が基本
築50年の木造一戸建ては、法定耐用年数を大きく超えているため、建物の評価は基本的に「ゼロ」となります。

上記のグラフは、木造一戸建ての建物の築年別査定価格の低下率です(オレンジ線)。築22年までは税法上の減価償却よりも価格の低下は早いものの、築22年を境に値下がりは緩やかになり、30年を過ぎるとほぼ横ばいとなっています。
築50年の一戸建てでは、建物の価値はほぼ評価されず、売却額の大部分は「土地」の価格です。新築を計画している買主にとっては、建物の解体費用が別途かかる物件と見なされることがあります。
売却時にはこの点を理解し、現実的な価格を設定することが重要なポイントになります。
状態や立地次第では建物に価値がつくことも
築50年の一戸建てでも、構造や状態次第では、建物に価値が認められ値段がつくケースがあります。鉄骨造は木造よりも建物の価値を評価される可能性が高く、丁寧に手入れされた家や、趣のある古民家なども、一部の買主に高く評価される場合があります。
また、下記のような建物は高値での売却ができる可能性があり、一概に、「築古の住宅には価値がない」とは言い切れません。
- リフォーム済みで即入居可能な状態
- 利便性の高い駅の近くなどの立地
- 賃貸など収益物件としての需要がある地域
売却前に建物の状態を正確に把握し、不動産会社に査定を依頼しましょう。予想以上の高値で売れる可能性もあります。
参考記事:戸建て売却が進まない理由と解決策|早期売却するための秘訣を解説
築50年の一戸建てを売却する方法

築50年の一戸建ての売却には、さまざまな方法があります。建物の状態や立地、買主のニーズを考え、売却方法を選びましょう。ここでは築古物件を売却する代表的な5つの方法を解説します。
古家付き土地としてそのまま売却
築50年の一戸建ては、「古家付き土地」としてそのまま売却する方法が一般的です。「古家付き土地」で売却する際の特徴は以下の通りです。
【メリット】
- 解体費用が不要
- 再建築可能な土地であれば、買主が建て替え目的で購入しやすい
- そのまま住居として利用されることもある
【デメリット】
- 買主が解体費用を支払うため、売却価格は安くなる傾向に
建物が古くても、立地や土地の形状が良い場合や利便性の高い駅の近くなど、物件が少ないエリアであれば、早期に売却ができる可能性があります。解体や整地の手間を省きたい売主におすすめの方法です。
参考記事:古家付き土地の売却をスムーズに進める方法|高値で売るためのコツも解説
建物を解体して更地として売却
築50年の一戸建てを解体し、更地にして売却するという方法もあります。整地された土地のみの状態にすることで、すぐに新築工事を始めたい買主が購入を決断しやすくなります。ただし、以下の点に注意が必要です。
【注意点】
- 売却前に解体費用が必要(解体費用は木造30坪程度で100万~150万円が目安)
- 解体後売れないまま翌年に持ち越すと、固定資産税が最大6倍になる
すぐに売却できる見込みがある場合や、土地のみの方がスムーズに売却できると判断される場合に適した選択肢です。費用と固定資産税のリスクには十分注意しましょう。
参考記事:【プロ監修】戸建ての解体費用とは?費用・期間・注意点を解説
リフォーム・リノベーションして売却
築50年の一戸建てでも、リフォームやリノベーションを行えば、そのまま売却できる可能性があります。水回りや設備、外壁・内装がきれいになれば、内覧時のイメージはアップします。生活がイメージしやすくなり、購入を検討しやすいでしょう。ただし、この方法には注意点があります。
【注意点】
- リフォーム費用を売却価格に上乗せするのは難しい
- 自分でリフォームしたい買主には敬遠される
クリーニングや補修など、簡単なリフォームでも印象が良くなり、十分な場合もあります。まずは、リフォームを行うかどうかも、不動産会社に相談しながら検討することが大切です。
参考:横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム
不動産会社に直接買い取ってもらう
築50年の一戸建てを「不動産会社に直接買い取ってもらう」方法もあります。不動産会社が買主となるため、すぐに現金化できます。また、仲介手数料が不要で、「契約不適合責任」が免除されるため、契約後に建物の不具合が見つかってもトラブルにはなりません。ただし注意点もあります。
【注意点】
- 市場で売却するより2〜3割ほど安くなるのが一般的
- 買い取ってもらえない物件もある
「急いで売却したい」「周囲に知られずに売りたい」という方には適していますが、売却価格を重視する場合は、よく検討する必要があります。
▼ウスイホームの社員が本音で教える、不動産会社に買い取ってもらう方法について(動画)▼
不動産売却編 2つの売却方法【いっしょに不動産Vol.8】
自治体などの、空き家バンクに登録する
築50年の一戸建てを売却する方法として、「空き家バンク」を活用する選択肢もあります。
空き家バンクは、各自治体が運営する空き家情報のマッチング制度です。登録に費用がかからず、空き家を探している人に広く物件を見てもらえます。
【メリット】
- コストがかからない
- 空き家を探している移住希望者などに見てもらえる
ただし、契約や価格交渉に自治体はかかわりません。トラブルを避けるためには、不動産会社に空き家バンクを通じた売買であることを伝え、仲介を依頼するのが安心です。
築50年の一戸建ての売却を成功させるコツ

築50年の一戸建ても、ポイントを押さえれば、スムーズな売却が可能です。買い手に、安心して購入してもらえるコツをご紹介します。
土地の境界線を明確にしておく
一戸建てを売却する際に、土地の境界線を明確にしておくことは非常に重要です。境界確定をしていない場合は、隣地とのトラブルが発生する可能性があり、買主にとっては大きな不安材料です。
【境界の確定】
- 土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行う
(費用は30万〜100万円程度が目安。土地の状況により異なる) - 測量図や登記簿を準備しておく
- 境界標(杭)を設置しておくと安心
土地の境界が確定していることで、買主は安心して購入できるため、売買成立の可能性も高まります。
内覧では正直に建物の状態を伝える
売主は建物の古さが気になるかもしれません。しかし、購入希望者に建物や土地の状態を正直に伝えることが大切です。不具合を隠して、後から発覚した際に責任を問われるトラブルになる可能性があります。現状をきちんと伝え、契約書に残すことがトラブル防止になります。
【情報の整理のコツ】
- 雨漏り・傾き・白アリなど、気になることを整理してリストにしておく
- 修繕・リフォーム履歴を提示する
正直な説明で安心感と信頼感を持ってもらいましょう。
参考記事:内見とは? 持ち物やチェックポイント、内見できない場合の対処法も解説
相場を自分でもチェックする
一戸建てを売却する際は、自分自身でも相場感を持っておきましょう。不動産会社から提示された査定額が妥当かどうかを判断する際に役立ちます。
【プロも使う不動産相場の調査サイト】
- REINSマーケットインフォメーション:過去の取引事例の調査
- 不動産情報ライブラリ:市区町村別の価格分布の調査
- 不動産ポータルサイト:現在売りに出ている近隣の物件価格を調査
インターネットサイトを活用して、自分の物件と条件が近い事例をピックアップし、相場を把握しておきましょう。
築古住宅の売却に強い不動産会社を選ぶ
築50年の一戸建ての売却の依頼時には、築古の物件の売却が得意な不動産会社を選びましょう。物件がある地元の不動産会社は、地域のニーズや相場に詳しく、物件を探している人の情報を持っているといえます。
【不動産会社選びのポイント】
- 古家の売却実績があるかホームページなどで確認
- 担当者に「これまでの事例」や「販売戦略」を質問し対応を確認
- 売却の選択肢を提示し、適切なアドバイスをしてくれる会社を選ぶ
信頼できる不動産会社を選ぶことが、納得のいく売却につながります。
参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント
築50年の一戸建て売却時の注意点

築古の一戸建てを売却する際には、チェックしておくべき重要な事柄があります。
まず確認したいのが、「接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接しているか)」を果たしているかどうかです。この条件を満たしていない場合「再建築不可物件」となり、今ある建物を壊すと、新たに建物を建てることはできません。
また、売主には「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」があります。売却後に建物や土地の不具合がわかった場合、通常1年間は売主が責任を問われます。契約時に「契約不適合責任を免除する特約」をつけ、トラブルを未然に防ぎましょう。
さらに、築古の一戸建ては売却に時間がかかるのが一般的です。早めに不動産会社に依頼して、売却活動を始めることが大切です。こうしたリスクや手続きを事前に把握し、不動産会社に相談しながら安心して売却できるようにしましょう。
相続した築50年の一戸建てを売却する場合の節税対策

相続した築50年前後の一戸建てを売却する場合には、「空き家特例」を活用して節税できる可能性があります。必ず売却を検討する段階で制度を確認しましょう。
▼ウスイホームの社員が本音で教える、不動産売却にかかる税金について(動画)▼
不動産売却編 あなたにかかる税金は~前編~【いっしょに不動産Vol.11】
不動産売却編 あなたにかかる税金は~後編~【いっしょに不動産Vol.12】
相続直後の売却なら「空き家特例」が使える可能性がある
相続した一戸建てには、「被相続人の居住用財産を売ったときの特例(空き家特例)」が使える可能性があります。これは、一定の条件を満たせば、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円までを控除できる特例です。
【主な適用条件】
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された一戸建て住宅
- 建物を取り壊して更地にするか、耐震リフォームを実施する(売買が成立した、翌年の2月15日までに、売主か買主が行う)
- 相続開始から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する
この特例が利用できれば、売却時の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。適用要件が細かいため、税理士や不動産会社に相談がおすすめです。
参考記事:相続した不動産をスムーズに売却!流れ・税金・注意点まで解説
税金負担を抑えるための事前相談が大切
築50年の一戸建てを相続したケースでは、取得費(その一戸建ての購入価格と購入費用)が不明なケースが多く、売却益の計算は、概算取得費と呼ばれる「売却代金の5%」で計算します。その結果、実際の取得費で計算するよりも高額な譲渡所得税が発生するケースがあります。
相続した不動産を売却する場合は、早めに税理士に税金対策を相談することが大切です。
参考記事:一戸建てを売却するとどれくらいの税金がかかる?基本知識と特例を解説
築古一戸建ての売却でお悩みならウスイホームにご相談を

長年住み慣れた家や、相続で引き継いだ一戸建ての売却の検討をされる際には、さまざまな迷いや、わからない点が出てくるものです。築50年の物件は、家の状態が気になるため、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
ウスイホームは、お客様のお悩みを丁寧にお伺いし、安心して売却できるようにサポートいたします。1976年創業のウスイホームは、横浜・湘南・横須賀エリアで多数の物件の売却実績があります。ご相談だけでも承りますので、お気軽にご連絡ください。
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築50年の一戸建ては「売れる」、まずは信頼できる業者に相談を

築50年の一戸建ての売却は、一般的な物件とはやや異なる点もありますが、決して売れないわけではありません。
土地の価値や条件次第でしっかりと価格がつき、売却できるケースもあります。
築古の売却相場を理解し、物件に合った売却方法を選ぶことが、スムーズな売却につながります。
まずは、築古住宅の売却実績が豊富な不動産会社に相談することが第一歩です。アドバイスを受けながら、ご自身の物件に最善の方法を見つけていきましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで戸建て売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建ての売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |