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マンション売却時の築年数別注意点と成功法を解説

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マンション売却を検討する際に、築年数が売却価格にどう影響するかは、気になる点ではないでしょうか。20年、30年を経た中古マンションに買主が現れるのかと心配になるかもしれません。たしかに、築浅マンションと築年数を経た物件では、相場や売却時の注意点が異なってきます。この記事では、マンションの築年数と価格の関係や売却のコツを解説し、初めての売却でも安心して進められる情報をご紹介します。適切なタイミングと方法でより良い売却を目指しましょう。

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マンションの築年数と売却額の関係について

マンション売却時には、建物の築年数が価格に大きく影響します。これは、マンションの資産価値が建物を合わせたものだからです。まずは、築年数が売却額に与える影響と築浅マンションや中古マンションの相場、そして、売却タイミングについて見ていきましょう。

築年数が与える価格への影響

一般的にマンションは年数が経過するにつて資産価値は減少し、価格が下がります。そのため、築浅物件(※)といわれるマンションは高値で売買されることが多いといえます。しかし、10年、20年と年を経るごとに、価格は下がっていきますが、築30年を超える物件では価格の下がりが緩やかになり安定します。

実際の売却価格は、価格は築年数だけでなく、立地、管理状態、専有面積、間取り、共用設備などの影響を受けます。築年数は一つの目安に過ぎず、他の条件も含めた総合的な要素が価格に反映されます。

※築浅物件とは築浅の年数については明確な基準がなく、3~5年というケースもありますが、10年以下の物件も築浅と呼ばれる場合があります。

築浅マンションと中古マンションの相場比較

中古マンションの相場を比較すると、築年数とともに価格は下がり、新築を基準とした場合、以下のような価格推移が一般的です。

築年数新築を基準とした場合の一般的な相場
築1~10年・価格は約6~15%下落
・築浅マンションとして需要があり、比較的高値で取引されやすい。
築11~20年・価格は18~33%下落
・この期間の建物は、設備の老朽化やリフォームの必要性が価格に影響を与え始める
築21~30年・価格は33~50%下落
・建物自体の価値が低下し、土地の価格が売却価格に反映される傾向がある
築30年以上・価格の下落がほぼ止まり安定する
・建物よりも土地の価値が重視される段階だが、立地や専有面積、管理状態も価格に影響する

マンションの売り時の築年数は?

マンションの売り時を、築年数で考える場合の検討ポイントをご紹介します。

  •  ~築10年
    不動産市場が活況な時期には、築10年以内の物件は需要が高く、高値で売れる傾向がある
  • 築11~20年
    設備の老朽化がまだ軽微で、価格と状態のバランスが良いため、売却がしやすい時期。立地などの条件にもよるが、買主が現れやすい築年数といえる
  • 築30年以上
    価格は安定して下がらなくなる。自分の住みやすい部屋へリノベーションをするといった需要で購入されるケースもあるため、リフォームなしでも売却できる

築年数がたっていても、立地や間取り、管理状態が良ければ、高値で売却できる可能性も十分あります。市場の動向や物件条件に応じたタイミングを見極めることが、高値で売るコツともいえるでしょう。

参考記事:【プロ監修】不動産売却のタイミングとは?市場・税金や控除・相続や生前贈与       

築年数別で紹介するマンション売却の注意点やコツ

マンションの売却時には、築年数別に注意するべき点が異なります。ここでは、それぞれの時期で確認が必要なポイントと、売却を成功させるためのコツを解説します。

築10年以内のマンションを売却する際の注意点

築浅のマンションは、市場の状況により高値で売却できる可能性があります。中でも築5年程度であれば、リフォームの必要が少なく、早期の売却が期待できるでしょう。ただし、注意点が2つあります。

一つ目は、住宅ローンの残債です。売却額がローン額に満たない場合は、マンション売却後に、残債が残るため注意が必要です。また、ローンを支払い中の場合は、売却時に金融機関に相談する必要があります。

二つ目は、所有期間の確認です。売却益が出た場合、所有期間が5年以下か超えるかで譲渡所得税が大きく変わります。売却年の1月1日時点で、所有期間が5年以下の場合、39.63%の税率が適用され、5年を超えると20.315%の低い税率が適用されます。所有期間を考慮した売却タイミングが重要です。

築11~20年のマンションで高く売るためのコツ

築11~20年のマンションは新築より安価ですが、まだ、経年の劣化が目立ちにくいという特徴があります。そのため、買主にとって魅力的な選択肢となります。築11~20年のマンションを売却する際のコツは、大規模改修をはさんだ売却時期の検討です。

築12~15年頃に大規模修繕が行われることが多く、修繕後の売却はマンションの印象を良くし、高値での売却につながる可能性があります。しかし、大規模修繕の後に、積立金の増額がある場合は、購買意欲に影響を及ぼすかもしれません。

早めに不動産会社に相談して、地域性や需要を検討して売却時期を決定しましょう。

築21~30年のマンション売却を成功させるポイント

築21~30年のマンションは、価格が下がりやすい傾向にありますが、築30年以内の物件は新耐震基準を満たしているため、買主にとっては安心ポイントになります。物件に魅力を感じてもらうための工夫をしましょう。

一つ目は、ハウスクリーニングの活用です。内装をプロにきれいにしてもらうことで、物件の印象を良くするのが効果的です。売却のためのリフォームは慎重に検討しましょう。

二つ目は、インスペクション(住宅診断)を行い、設備や構造の状態を明確にすることです。買い手に安心を与え、売却をスムーズに進められます。

これらの工夫で、築21~30年のマンションに魅力を感じてもらいやすくなります。

築31年以上のマンション売却時の注意点

中古マンション市場では、築30年以上の物件が成約全体の約40%を占めており、一定数の需要があります。また、立地条件が良い場合は、築年数に関係なく、買主が現れやすいというのもこの時期のマンションの特徴です。

古いと思っているマンションでも、建築が1982年(昭和56年)以降であれば、新耐震基準に適合しています。2022年の税制改正により、新耐震基準に適合していれば住宅ローン控除の対象になりました。買い手が住宅ローン控除を利用できる場合、購入の後押しをしてくれる可能性があります。

築50年以上のマンションでは個人購入が難しいケースが多く、不動産会社の買取の検討をおすすめします。

参考記事:【プロ監修】不動産を売却する方法・コツ・注意点

参考:REINS TOWER「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」

中古マンションのベストな売り時について

中古マンションの売却は、売主の生活の変化によるケースが多いといえます。売却完了までの時間に余裕がある場合は、市場の動向や、所有期間などを考えることも重要です。売却タイミングを決める際に参考にしたいポイントを解説します。

所有期間と税金の関係

マンションの売却で利益が出なかった場合は、税金はかかりませんが、利益が出た場合には税金(譲渡所得税)が発生します。その物件の所有期間に応じて税率が異なります。

所有期間税率とポイント
5年以下(短期譲渡所得)・税率は39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)
5年超(長期譲渡所得)・税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)
10年超所有軽減税率の特例・譲渡所得6,000万円までは14.21%(所得税10%・住民税4%・復興特別所得税0.21%)
・6,000万円を超えた部分には20.315%(長期譲渡所得と同じ税率)

保有年数により、税率が大幅に異なるため、マンション売却で利益が出る場合は、保有年数を必ず確認しましょう。

参考記事:不動産売却でかかる税金一覧とポイント解説

ライフイベントと売却タイミング

マンション売却のタイミングは売主の生活に合わせた住居の変更が多いといえます。それ以外の時期では、マンションの大規模修繕が売却を検討する時期といえるでしょう。

  • 子どもの進学や独立:子どもの進学先の近所へ引っ越すケースや、子どもの独立により、こぢんまりした住みやすい家への住み替えなど
  •  定年退職や転勤:生活拠点の変更のためにマンションを売却するケースは多い
  • マンションの大規模改修:マンションの大規模修繕や設備交換が近い場合、実施される前に売却することで、費用の負担が避けられる。

売却相場の見極めも必要

マンションの売却を考え始めたら、地域のマンションの売却価格を不動産ポータルサイトなどで調べ、把握しておきましょう。また、不動産市場が上昇傾向か、停滞しているかを見極めることも、売却タイミングを選ぶためにはかかせません。

有利な時期を選べるよう、早めに不動産会社に相談して、準備を始めることが大切です。売却予定が決まっている場合は、遅くとも6か月前には査定を依頼し、準備に取り掛かりましょう。

参考記事:マンションを売るなら知っておきたい!売却の流れと成功のコツ

修繕積立金や設備の状態を確認

大規模修繕の予定がある場合、計画を把握しておきましょう。修繕後には、修繕積立金が上がる可能性があります。

買主は、修繕積立金や共益費をマンション購入後に、毎月支払わなくてはなりません。値上げ前の負担が少ない時期に売却することで、買主にとって購入のハードルが下がる可能性があります。

また、給湯器などの設備に老朽化がある場合は、事前に修理または交換することで、買主に好印象と安心感を与えることができます。

築年数が長いマンションを高く売る方法

築年数が長いマンションを高額で売却をしたい場合には、立地や利便性のアピールが大切ですが、それ以外にできることがあります。買主にとって魅力になる、安心して購入してもらうためのポイントをご紹介します。

リフォームの必要性は

築年数が長いマンションを売却する際、リフォームは慎重に検討しましょう。

その理由は、リフォーム費用を価格に反映させるのが難しいことです。費用を売却価格に上乗せできるケースは少なく、結果的に手元に残るお金が減ることになります。

また、中古物件を購入してリフォームしたい買主の場合、すでにリフォームされた物件は、購入対象から外すかもしれません。リフォームよりも、その分価格を下げて買いやすくするという方法を検討するといいでしょう。

リフォームが必要かどうかを見極めるには、経験の豊富な不動産会社の意見を参考にするのがおすすめです。

参考記事:マンション売却時にリフォームは必要?必要かどうかの見極め方を解説

インスペクションで買主に安心感を

中古マンションを売却する際には、インスペクション(住宅診断)の活用がおすすめです。

インスペクションは、専門家が建物の劣化状況や修繕の必要性を診断し、客観的な評価を行うサービスです。
築年数が長い物件では、設備や構造の老朽化に不安を持つ買主が多いため、診断結果を提示することで安心して購入してもらえます。

インスペクション済みのマンションであれば、他の物件との差別化につながることもメリットです。築年数がネックになりやすいマンションでも、安心感をアピールして売却活動をスムーズに進められるでしょう。

インスペクションの費用は 一般的に5万円程度です。

▼ウスイホームのインスペクションについて▼
神奈川のインスペクション(建物状況調査) | ウスイホーム

マンションの築年数が不動産会社の査定額に与える影響

マンションの適切な売却額を知るための第一歩が査定です。査定は不動産会社の窓口で相談して依頼するのがおすすめです。依頼を受けた不動産会社は、現地訪問調査で実際にマンションを確認して行います。

一般に築年数が長いほど、査定額は下がります。これは築年数が、建物や設備の劣化や老朽化の状態を判断する基準になるためです。また、20年、30年前のマンションの場合は、間取りや内装のデザインが流行遅れになっているという理由も値段が下がる理由として考えられます。

訪問調査ではさまざまな要素を考慮できるため、築年数などの客観的な基準だけに頼らず、適切な査定が行われます。

査定が出たら、価格の根拠を尋ね、丁寧に説明してくれる会社に売却を依頼しましょう。査定額は会社ごとに異なります。高額査定が必ずしも最良の選択肢ではなく、適正価格を提示し、価格の根拠をきちんと説明できる不動産会社が望ましいといえます。

参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント

マンションの売却でお悩みならウスイホームにご相談を

マンションの売却を検討中で、リフォームや価格設定に迷っている方は、ぜひウスイホームにご相談ください。ウスイホームは横須賀・湘南・横浜エリアを中心に、地域密着型の不動産会社として、豊富な実績と市場の知識を活かし、売却成功に向けた最適なサポートを提供します。

ウスイホームには、インスペクション診断に適合した住まいを「+U品質の家」として独自の瑕疵保証保険や住宅設備保証を付けるシステムもあります。家の状態を把握することで、売主様にも買主様にも安心いただける売買が可能です。

お悩みの解決と、安心できる売却活動を進められるよう、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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神奈川の不動産(マンション・アパート・事務所・一戸建て・土地)売却 | ウスイホーム

築年数ごとのマンション売却のポイントを把握しておこう

築年数に応じた価格変動や注意点を解説しました。築年数に応じた実践的な対策を立て、売却のタイミングを見計らうことが、マンション売却を成功に導きます。

築年数が長い物件でも、不動産会社の適切なアドバイスやインスペクションを受けることで、安心して売却ができます。不安があれば、まずは不動産会社に相談し、最適な売却戦略を立てていきましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアでマンション売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、マンション売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact