「マンションは10年住んで売るのがタイミングとしてはベスト」といわれることがあります。これは、築10年の中古マンションは資産価値が高く、住み替えを検討する一つのタイミングといえるためです。購入から10年では、まだ住宅ローンが残っているというものの、市場での需要が高いため高値で成約する可能性もあります。
この記事では、新築から10年住んで売るのがなぜいいのかを紹介し、相場や売却時のポイント、売却のコツを解説します。
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目次
なぜ「マンションは10年住んで売る」のが良いといわれるの?

住宅ローンが残っている場合も多い中、なぜ「10年住んで売る」のが良いといわれるのでしょうか。その理由を詳しく解説します。
築10年前後のマンションは需要が高い
築10年前後のマンションは、設備や外観の劣化がまだ少なく、中古マンション市場で人気が高い物件です。また、購入者にとっての大きな魅力は、新築よりも価格が抑えられるため、購入しやすい点にあります。国土交通省のデータ「中古マンション築年帯別構成比率」をグラフ化したものを見てみましょう。

※REINS TOPIC(国土交通省)築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2024年)のデータにて、弊社がグラフを作成(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202502.pdf)
2024年の成約物件では、築6〜10年の割合は12.9%と、他の築年帯と比べても高いといえる比率を維持しています。これは、築10年前後のマンションに人気があり、需要が多いことを表しています。
ところが、築6〜10年の新規登録物件の割合はわずか7.0%です。つまり、買いたい人は多いのに、売りに出される数が少ない「売り手優位」の状態にあるといえます。築10年前後のマンションは、高く売れやすい需給バランスになっていることが、「10年住んで売るのが良い」といわれる理由になっています。
資産価値の下落が本格化する前のタイミング
築10年を超えると、マンションの資産価値は大きく下がり始めます。各部屋の設備の老朽化は10年が一つの目安です。また、マンションの大規模修繕の時期が近づくこともあり、11年目以降は買主がコストを意識し始める時期になります。
さらに、築浅と表現されるのも長くても10年間です。築10年はマンションにとっての節目といえるでしょう。実際のコスト面からは「築10年で売却した場合の値下がり額」と「賃貸の10年間の家賃」を比べると、お得感がリアルにわかるかもしれません。「住むこと」にかかった費用はあまり変わらないか、マンションを購入して売却した方がお得だったというケースもあります。築10年を超えると、資産価値が下がるため、この「お得」分はなくなってしまいます。
築10年は、10年間住んだにもかかわらず、資産としての価値がまだ高い時期です。そのため売却する場合は、効率の良いタイミングとなるのです。
ライフスタイルの変化が起こりやすい時期
マンション購入から10年が経つと、家族構成や働き方など、ライフスタイルに変化が現れる時期を迎えます。一般的に、以下のような変化が出てきます。
- 子どもの誕生や成長に伴い、間取りが合わなくなる
- 子どもの進学に合わせて学区を変えたい
- 転職や転勤で引越しが必要になる
- 子どもの独立によりコンパクトなマンションへ住み替えたい
- 親の介護のため実家に引越す
購入から10年経つと、住まいへのニーズが変わるため、売却や住み替えを検討する時期になります。
修繕費・管理費の増額が始まる前に売却できる
築10年は、大規模修繕前の時期にあたります。多くのマンションで、築後12~15年の間に大規模改修工事が行われるため、この時期の売却には、以下のようなメリットがあります。
- 修繕積立金の値上がり前に売却できる
- 大規模修繕中は、眺望・採光・外観の印象が悪くなるため、売却活動に向かない
- 修繕後は見栄えが良くなるが、修繕積立金が上がっている可能性がある
修繕積立金が上がる大規模改修前に売りに出せば、買主にとっても魅力的に映ります。築10年は、さまざまな要因を考えても、物件の魅力が高いタイミングといえます。
住宅ローン控除や固定資産税の優遇時期が終わる
築10年は、マンションを購入した際の税制優遇などが終了する節目でもあります。
- 住宅ローン控除は原則10年間(条件により最大13年間)で終了
- 固定資産税の軽減措置は、新築から5年間(長期優良住宅は7年間)で終了
- 【フラット35】Sを利用の場合の金利引下げ期間は購入後5年
優遇がなくなることで、支出が増えやすくなるため、このタイミングをきっかけに売却や住み替えを検討するケースがあります。負担が増える前に売却することで、売却代金と手元資金を、住み替え費用にも充てることができます。
築10年のマンションの売却価格の相場

築10年のマンションを売却する際、気になるのが相場価格です。ここでは、築10年のマンションの相場について解説します。
築10年での価格推移と値下がり率
マンションの価格は築年数とともに下落していくのが一般的ですが、築5年程度までは大きく下がらず、築10年までは緩やかな下落率となります。しかし、築10年を超えると下落率は20〜30%と、その幅が大きくなるのが一般的な傾向です。このことから、築10年はまだ資産価値が大きく落ちきっていない「売り時」といえるタイミングであることがわかります。
築10年の物件で、売却を検討している場合は、早めの行動がより有利な売却につながります。
【データで見る実例】横浜の価格事例
ここでは、横浜市戸塚区で実際に取引された、築10年の中古マンション(3LDK・70〜75平方メートル)の価格を見ていきましょう。
| 最寄り駅と距離 | 価格(万円) | 築年 |
| 戸塚 徒歩14分 | 4,700 | 2015 |
| 戸塚 徒歩12分 | 4,500 | 2014 |
| 戸塚 徒歩13分 | 4,700 | 2014 |
| 戸塚 徒歩4分 | 8,300 | 2014 |
| 戸塚 徒歩7分 | 7,000 | 2014 |
| 戸塚 徒歩9分 | 6,000 | 2015 |
| 踊場 徒歩12分 | 4,700 | 2015 |
※レインズマーケットインフォメーションにて横浜市戸塚区の成約物件より該当のデータを抽出、弊社で表を作成したもの(http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do)
まず、4,000万円台の取引価格がある一方、駅徒歩10分圏内は6,000万〜8,000万円台の事例もあり、立地条件により価格差が大きいことがわかります。戸塚区周辺の70~80平方メートルの新築マンションの平均相場は、約5,500万円です。立地やその他の条件により価格が異なるため、4,000万円台から1億円までの物件が分譲されています。
取引されている、築10年の物件は4,000万円台後半の物件が多く、価格の下落が緩やかなことが見てとれるでしょう。築10年のマンションを売るべきか迷っている場合は、まず不動産会社に相談し、いくらで売れるか査定してもらうことをおすすめします。
査定額に影響する3つの条件
マンションの査定額に影響する条件は主に以下の3つです。
- 駅からの距離とエリア:都心やその地域の中心部へのアクセスが良いエリアは査定額も上がる
- 室内と建物の状態:丁寧に使われている物件は評価が高くなる
- 階数や眺望:高層階や見晴らしの良い部屋は評価が高い
同じ築年数でもこれらの要素により、査定額に差が出てきます。
マンションを高く売るために知っておくべきポイント

築10年のマンションを少しでも高く売るには、売却の進め方や販売時期、内覧時の対応などがポイントになります。価格に影響するポイントを見ていきましょう。
査定は複数社に依頼し価格と不動産会社をチェック
マンションの売却価格を正確に知るには、複数の不動産会社に査定を依頼することが基本ですが、査定額は不動産会社により差があります。高い金額を提示した不動産会社が良いというわけではありません。査定を提示されたら内容を確認するとともに、下記を見極める必要があります。
- 価格の根拠の説明ができるか
- 有利な売却活動の提案ができるか
- 得意なエリアや物件を確認する
- 売却実績や担当者の対応力も比較する
売却で不動産会社が果たす役割は非常に大きいため、査定時にしっかりチェックを行い、信頼できる不動産会社を見つけましょう。
参考記事:【プロ監修】不動産売却|不動産会社の選び方・見極め方のポイント
売却タイミングは「春・秋」が狙い目
マンションは、2~3月と9~10月に需要が高まります。子どもの進級前のタイミングや転勤シーズンに合わせて動く買主が多いため、この時期は成約しやすい時期です。このタイミングに合わせて売り出すことで、より多くの買主の目にとまり、好条件で成約しやすくなります。
参考記事:【プロ監修】不動産売却のタイミングとは?市場・税金や控除・相続や生前贈与
内見対応のコツと「第一印象」の重要性
内見時の第一印象は非常に重要で、成約に大きく影響します。以下のポイントを意識しましょう。
- 室内は徹底的に片付け、清掃する
- 不要な家具や物を減らし部屋を広く見せる
- 明るく清潔感のある空間を演出する
物が多いと部屋が狭く見えるため、購買意欲が下がってしまいます。準備をしっかり行い、印象の良い部屋に整えましょう。
参考記事:マンション売却で内覧は重要!失敗しないためのポイントを解説
売却価格は相場と戦略で決める
売却価格は相場を見ながら、販売戦略を練って設定することが大切です。たとえば、価格では「値切りシロをプラスした価格設定」などの方法があります。ただし、相場より高すぎる場合は内覧の候補から外されるため、注意が必要です。
売却実績が豊富で、中古マンションが得意な不動産会社なら、効果的な戦略を提案してくれます。価格設定は不動産会社と相談しながら、慎重に行いましょう。
参考記事:土地の売却価格はどう決める?適正な価格を見極めるためのポイント
築10年のマンションを売る際の注意点

築10年のマンションを売る際は、住宅ローンの残債や税金など、事前に確認すべき点があります。売却前に理解しておきたい注意点を解説します。
住宅ローンの残債が査定額を超えている「オーバーローン」
ローンが残っている状態であれば、まず金融機関へ売却したい旨を相談し、残債についての打ち合わせを行います。売却にはローンを完済する必要がありますが、売却が残債を下回るケースを「オーバーローン」といいます。この場合は、以下の対応が必要です。
- 自己資金で不足分を追加し完済する
- 住み替えローンを利用し、次の住宅ローンに残債を組み込む
査定額とローン残債のバランスを必ず確認し、無理のない売却計画を立てましょう。
売却益にかかる税金のルールを事前に確認する
マンションを売却して利益が出るケースも考えられます。利益の額により「譲渡所得税」がかかることがあります。以下のポイントを事前に確認しましょう。
- 所有期間5年以下は短期譲渡となり、税率が約39%と高い
- 5年超え6年目からは長期譲渡となり、税率は約20%に軽減される
- 売却価格が購入価格を下回る(赤字)の場合は、譲渡所得税はかからない
- マイホームであれば控除が適用される場合がある
- 個人がマイホームを売却する場合、消費税はかからない
税金がかかるのは利益が出た時だけですが、売却前に所有年数や利益の有無を確認し、税理士や不動産会社に相談しておきましょう。
売却理由を整理しておく
マンションの内覧の際に、買主から売却理由を質問されるケースはよくあります。しかし、回答ができないと、買主は不安になるでしょう。そのため、家族構成の変化や住み替えなど前向きな理由を整理しておくことが大切です。嘘の理由を作る必要はありませんが、しっかり答えることで、安心感を持ってもらえます。
マンション売却の流れと準備・確認事項

マンションを売り出してから、買主が現れて売買契約までには時間がかかります。検討を始めた時から引き渡しまでの流れと準備や確認事項を、7つのステップで解説します。
| ステップ | 内容 |
| ① 売却の検討と相談 | ・不動産会社に、相談し査定を依頼する 【確認】ローンが残っている場合は、金融機関に相談し、残高の確認や完済方法を相談する 【準備】住み替えの場合は新居の資金計画も行う |
| ② 査定・不動産会社の選定 | ・現地調査による査定額を提示してもらう 【確認】内容を確認し不動産会社を選定する |
| ③ 不動産会社との媒介契約 | ・不動産会社と仲介を依頼する契約を結ぶ |
| ④ 売却活動と内見対応 | ・物件の価格を決める・不動産会社が広告する 【準備】売主は、内覧希望に備えて、部屋の掃除や片付けなどを行い、内覧時には対応をする 【確認】販売戦略の見直しを行いながら売却活動を継続する |
| ⑤ 売却決定 | 購入希望者が現れたら「購入申込書」が届き、条件交渉を行う |
| ⑥ 売買契約 | ・条件交渉が成立したら、売買契約を結ぶ、手付金が支払われる ・買主のローン審査はこの時に行われる |
| ⑦ 引き渡し・残金決済 | 【準備】引き渡しに備えて事前に引越しをする ・売買契約の締結後、1か月を目途に物件の引き渡しを行う ・手付金を引いた残金の決済、売却代金でのローン完済、抵当権抹消、名義変更がこの日に行われる |
まずは、大まかな流れをつかんでおきましょう。一般的に物件の売却には2~3か月かかりますが、築10年のマンションは人気があるため、早期に買主が現れる可能性もあります。内覧準備や住み替えの準備も不動産会社に相談しながら早めに行いましょう。
参考記事:
【図解】不動産売却の流れとポイント|査定調査~売却まで | ウスイホーム
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1976年創業のウスイホームは、横浜・湘南・横須賀エリアに密着した不動産会社です。地域での豊富な経験と、多くの不動産取引実績をもとに、お客様一人ひとりの状況に応じた最適な売却プランをご提案します。
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10年で売ることは選択肢の一つ、早めの相談で考える余裕を

築10年のマンションは、資産価値があまり下がっておらず、市場での需要が高いことから、売却時期の節目になります。ライフスタイルの変化など、さまざまな面で住み替えを検討する場合には、「10年住んで売る」ことは無理のない選択肢になります。
もちろん、売らないという判断も間違いではありません。どちらが自分にとって良いのかを迷った時は、不動産会社に早めに相談し、余裕を持って判断できるようにしましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアでマンション売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、マンション売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |