不動産売却つなぎローンとは、資金が必要な場合に、売却予定の不動産を担保にして一時的に資金を借り入れるローンです。新居の購入資金や相続時に急ぎ現金が必要な場合や事業資金など、売却してからでは間に合わないというケースで利用されます。
借り入れた元本は担保となった不動産の売却時に返済する仕組みですが、利用には条件があります。また、注意点も多いため、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、不動産売却つなぎローンの基本的な仕組みや利用ケース、活用時のポイントを解説します。売却予定の不動産があり、急ぎで資金が必要な場合には、つなぎローンの活用を検討しましょう。
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不動産売却つなぎローンとは
不動産売却つなぎローンとは、今必要な資金を調達するために、売却予定の家を担保に入れて資金を調達するローンです。
今住んでいる住まいを売却して次の物件を購入したい場合などで、売却の決済を待たずに、先に資金を調達できるため資金繰りがスムーズになります。まずは、仕組みを見ていきましょう。
不動産売却つなぎローンの仕組み
不動産売却つなぎローンは、売却する不動産がある際、買主が現れて決済が完了するまでの間に、一時的に資金の融資を受けられる仕組みのローンです。
通常、不動産売却を決めて決済・引き渡しが完了するまでには、数か月から場合によっては1年ほどの期間がかかります。長く買主が現れない場合や、資金が必要なタイミングに間に合わない場合に、つなぎローンが役立ちます。
つなぎローンの仕組みは以下のとおりです。
- 売却予定の不動産を担保に、売却完了前に資金を借りる
- 借入後、不動産売却が完了するまで利息のみを返済し、元本は売却が完了したタイミングで一括返済する
- 融資期間は通常、短期(半年~1年)に設定され、資金調達を急ぐケースで活用されることが多い
- 期限内に不動産の売却をするのが前提。売却が完了しなかった場合は、返済の延長交渉が考えられるが、金利の支払い期間が延びることになる
つなぎローンを活用することで、不動産売却前に必要なタイミングで資金を確保でき、売却後に返済するため、資金繰りをスムーズに行えます。
不動産売却つなぎローンと他のローンとの違い
不動産売却つなぎローンと一般的な住宅ローンには、いくつかの大きな違いがあります。
【資金用途の違い】
住宅ローンは、購入する住宅を担保にして、住宅購入のために長期で資金を借りるものです。 一方、つなぎローンの利用目的は、住宅購入に限定されず、売却予定の不動産を担保とした一時的な資金調達を目的とします。資金は自由に利用可能で、事業資金など住宅購入以外の目的にも使えます。
【返済期間の違い】
住宅ローンは一般的に20~35年と長期間にわたり、返済します。つなぎローンは短期で、売却予定の不動産を担保にして資金調達を行います。
【金利の違い】
つなぎローンの金利は通常、住宅ローンよりも高めに設定されています。これは短期間の融資というリスクや金融機関のコストに基づいています。
つなぎローンは不動産の売却前の資金調達に特化した短期ローンです。住宅ローンや不動産担保ローンとは目的や返済期間などが異なるという特徴を理解しておきましょう。
不動産売却つなぎローンを活用できるケース
不動産売却つなぎローンは、売却する不動産があるが、買主が現れるのを待つと、資金が間に合わないケースに活用できるローンです。売却前に金融機関より借り入れ、資金を確保して新居の購入や事業資金などに使うことができるのです。
不動産売却つなぎローンがどのようなケースで有効なのか、具体的に見ていきましょう。
不動産の売却が待てず、急ぎ現金が必要なとき
不動産の売却には通常、数か月から場合によっては1年以上の時間がかかることがあり、今すぐにまとまった資金が必要な状況では、間に合わないこともあります。
不動産は急いで売却しようとすると、大幅な値引きが必要になり、希望価格での売却ができない可能性があります。そのような場合に、不動産売却つなぎローンを活用すれば、現金をすぐに調達でき、余裕をもって販売活動を行えるでしょう。
ただし、つなぎローンには期間の制限があり、その期間内に売却を完了させる必要がある点には注意が必要です。
新居購入を先に進めたい場合
多くの人が自宅を買い替える場合に、現在の住まいを売却して、その資金を頭金や購入費用に充てたいと考えます。しかし、現在の住まいがまだ売れていない状態で、購入したい物件が見つかった場合、資金が間に合いません。
このような場合に不動産つなぎローンを活用すれば、今の物件が売れるのを待たずに、新居の購入資金を確保でき、購入手続きをスムーズに進められます。
気に入った物件を逃さずに購入できるだけでなく、売却後に新居を購入した場合に必要な仮住まいの手配や、二度の引っ越しが不要になる点も大きなメリットといえるでしょう。
相続時の代償金・税金の支払い
不動産を相続した際にも、不動産売却つなぎローンは活用できます。相続時には、相続税や代償金など大きな支払いが発生するケースがあります。しかし、売却先が決まり決済が完了するまでに時間がかかるため、現金が間に合わないことも起こってしまうのです。
そのようなときに、つなぎローンを利用することで、必要な現金を調達し、税金の支払いや相続の分割をスムーズに行うことが可能になります。
代償金とは? 代償金とは、遺産分割時に不動産や美術品など分けにくい財産を、複数の相続人で相続するときに使われる「代償分割」で支払われる現金のことです。ひとりがその財産を相続し、他の相続人と合意した金額を支払うという方法です。 |
不動産売却つなぎローンを活用するメリット
不動産売却つなぎローンを活用すると、売却前の不動産を担保にして、必要なタイミングに間に合うように資金を調達できるため、資金繰りがスムーズになります。
ここでは、つなぎローンを利用することで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
不動産の売却前に資金調達できる
不動産売却つなぎローンを利用すると、売却予定の不動産を担保にして、売却の決済を待たずに資金を調達することが可能です。たとえば、新居購入の頭金や生活費など、急な現金が必要な時期に対応できます。
また、用途が比較的自由で、売却による資金が入る前に借り入れた資金を利用できます。ただし、金融機関によっては、使い道に制約を設けているケースもあるため、金融機関を選ぶ際の確認事項にしましょう。
売却のための時間を確保できる
不動産売却つなぎローンの利用により、売却に時間をかけて取り組めます。大幅な値引きをして急いで売る必要はなくなり、腰を据えて売却活動ができるからです。
必要な資金を調達するために、不動産を売り急ぐと、大幅な値引きが必要になるケースも多いです。しかし、不動産売却つなぎローンにより、資金調達ができれば、本来の適切な価格で買主を探す時間ができてきます。こうした余裕のある売却活動が、より良い条件での取引を可能にしてくれるのです。
売却までの返済は利息のみ
不動産売却つなぎローンでは、借り入れたローンの元本返済は、不動産が売却された後に行います。売却完了までの間は利息のみを支払うケースが一般的です。
これにより、売却活動中は毎月の返済負担が軽減され、資金面で余裕が生まれるでしょう。また、つなぎローンの融資期間は、通常半年から1年程度が多いため、売却を焦らずに売買活動を進められます。
時間的な余裕だけでなく、金銭的な余裕も生まれるため、新居購入や事業などを計画的にスムーズに進める助けとなってくれます。
不動産売却つなぎローンを活用するデメリット
不動産売却つなぎローンには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
つなぎローンを活用する際に考慮すべきリスクや注意点を確認し、許容できるデメリットかどうかを判断しましょう。
つなぎ融資を取り扱っている金融機関が少ない
つなぎ融資は、一般的な住宅ローンや事業ローンに比べて、取り扱っている金融機関が少ないのが現状です。そのため、借り入れの条件や融資額、利息や融資期間などの選択肢が限られる可能性があります。
自分の条件に合った融資を受けるためには、複数の金融機関を比較検討する必要がありますが、専門的な知識が必要なケースもあるかもしれません。売却を依頼する不動産会社など信頼できるプロに相談し、適切な金融機関を紹介してもらうとよいでしょう。
融資期間内に売却できないケースもある
不動産売却つなぎローンの融資期間は、通常半年から1年程度に設定されますが、この期間内に不動産の売却が完了しないケースもあります。
売却が予定どおりに進まない場合、金融機関に延長を交渉することは可能です。しかし、その際には金利の負担が増える点に注意しなければいけません。長期間にわたって利息を支払うことになり、支払額が当初の予定より増えるリスクがあります。
そのため、売却活動の見直しや、不動産会社との相談が必要となることもあるでしょう。
必ずしも希望額で売れるとは限らない
不動産売却つなぎローンを利用すれば、売却にかける時間に余裕ができますが、融資期間には限りがあります。買主が現れないのに、希望の価格で売却するのは得策ではありません。
期限が近付くほど、希望の価格で売却できないリスクが出てきます。売却活動の初期段階から計画的に進め、不動産会社と連携し、最適なタイミングで売るための対策をとることが重要です。
不動産売却つなぎローン活用の際のポイント
不動産売却つなぎローンを活用する際には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。スムーズな資金調達や売却を進めるためにも、特徴や注意点、融資までにかかる時間などの確認は怠れません。以下では、つなぎローン利用時に押さえておきたいポイントを解説します。
不動産売却つなぎローンを利用する際の注意点
不動産売却つなぎローンを利用する際に注意しておきたいポイントを以下にまとめます。
【金利が高め】
つなぎローンは通常の住宅ローンに比べて金利が高く設定されています。期間が長くなると支払う利息の負担が大きくなるため、借り入れ期間を短く計画することがポイントです。
【手数料や諸費用がかかる】
つなぎローンには金利だけでなく、事務手数料や保証料などの諸費用が発生します。この費用がローン総額に追加されるため、事前に費用や借り入れの総額を確認し、資金に余裕をもたせておくことが大切です。また、売却益が出た場合は、譲渡所得税が発生するため事前に確認し、計画に含めておきましょう
【売却スケジュールをしっかり立てる】
つなぎローンは期間内に不動産を売却し、売却代金で元本を返済することが前提です。売却のスケジュールと売買活動をしっかり計画し、期限前に慌てなくてもいいようにしましょう。
【万が一売却できなかった場合の対策を確認する】
予定どおりに売却できなかった場合に備え、延長が可能か、金利や手数料がどうなるかを事前に確認しておくこともポイントです。売却が長引いた際のリスクをしっかり把握し、対策を立てておきましょう。
つなぎローンの融資実行までにかかる時間
つなぎローンの融資実行までには、通常1~2週間程度かかるとされています。書類の準備やローン審査が必要なため、資金調達を急ぐ場合には、早めに動き出すことが重要です。売却に関する書類や、担保にする不動産関係の書類と情報を、事前に準備することで、手続きの時間を短縮できるでしょう。
また、金融機関によっては、審査に時間がかかるケースもあります。複数の金融機関に問い合わせるなど、時間を確認しながら進めるのもポイントです。資金が間に合うよう、融資実行までのスケジュールをしっかりと把握しておきましょう。
住宅ローンが残っている場合につなぎローンは利用できる?
住宅ローンが残っている場合でも、不動産売却つなぎローンを利用することは可能です。
住宅ローンが残っている家を売却して新居を購入する場合に「住み替えローン」が使われるケースがありますが、つなぎローンとは仕組みが異なります。住み替えローンは、自宅のローンの残債と新居購入資金を合わせて借りる仕組みで、ローン期間は長期です。
一方、つなぎローンでは、融資された資金で住宅ローンを完済してしまいます。そのため、売却活動はローンを完済した状態で行うことになります。
売買の決済が完了し、代金が入った時点で、借入金を返済するため、資金の全体の計画を立てておくことが重要です。
つなぎローンは、住宅ローンが残っていても活用できる柔軟な手段として検討できます。
まずはウスイホームで資金計画のご相談を
ウスイホームは、横須賀・横浜・湘南エリアで45年以上の実績をもつ地域に根ざした不動産会社です。不動産売却や購入、リフォーム、資産管理に関する幅広いサポートを提供しています。
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つなぎローンは不動産売却が前提、しっかり理解して有効活用しよう
不動産売却を前提とした「つなぎローン」は、現在の住まいを売却して新居を購入したい方や、売却前に資金が必要な方にとって、非常に有効な方法です。
借り入れた資金はさまざまな用途に活用でき、売却を待たずに資金を確保できる大きなメリットがあります。
事前に信頼できる不動産会社に相談し、自分の状況に合った資金計画を立て、不動産の売買活動を進めることで、大きな安心と余裕が生まれます。つなぎローンをしっかりと理解し、賢く活用しましょう。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |