土地売却

相続した不動産の評価額はどう調べる?土地・建物の計算方法をわかりやすく解説

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不動産の相続が発生したら、相続税の計算に使う評価額を調べる必要が出てきます。

「どうやって調べるの?」「借地がある場合は?」など、調べ方や計算方法に迷う方もいるでしょう。

相続税を計算する際の不動産の価額は、土地や建物の種類、利用状況などに応じた方法で算出します。

宅地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額を基準にするのが基本です。

本記事では、相続した土地・建物・マンションの相続税評価額の調べ方や計算方法、借地権や賃貸不動産の評価、2027年から予定される評価方法の見直し、自分で調べる際の注意点をわかりやすく解説します。

相続した不動産は「相続税評価額」で評価する

不動産を相続した場合、相続税を計算するために、土地や建物の価額を算出する必要があります。

ただし、「相続税評価額」という金額があらかじめ不動産ごとに決められているわけではありません。

宅地なら路線価、建物なら固定資産税評価額といった計算のもとになる数値を調べ、公的な評価ルールに沿って算出します。こうして求めた価額が「相続税評価額」です。

土地と建物では、相続税評価額の基本的な計算方法が異なります。

  • 宅地:路線価方式または倍率方式
  • 建物:固定資産税評価額を基準に評価する

ただし、土地の形状や利用状況、権利関係によって評価方法が変わることもあります。具体的な計算方法は、後ほど詳しく解説します。

相続税評価額と市場価格・固定資産税評価額の違い

不動産の価格には、相続税評価額のほかに「固定資産税評価額」や「市場価格」などがあります。

それぞれ目的や算出方法が異なるため、同じ不動産でも金額は同じとは限りません。

評価額・価格主な用途
相続税評価額相続税・贈与税の計算
固定資産税評価額固定資産税などの計算、建物の相続税評価など
市場価格実際の不動産市場で売買される価格
不動産会社の査定価格売却できると予想される価格の目安

なお、相続税評価額は、不動産の市場価格を示すものではありません。

土地の場合、相続税評価額より市場価格のほうが高くなることも多いため、売却を検討する際は不動産会社の査定を受けて市場価値を確認してみましょう。

相続税の計算には相続税評価額、売却の検討には査定価格というように、目的に応じて確認する価格を使い分けることが大切です。

土地の相続税評価額を調べる方法

ここでは、宅地の相続税評価額を調べる基本的な方法を解説します。

宅地は、その地域に路線価が設定されているかどうかによって、原則として「路線価方式」または「倍率方式」で評価します。

路線価がある宅地は「路線価方式」で計算する

路線価が設定されている地域の宅地は、「路線価方式」で相続税評価額を計算します。

路線価とは、道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額です。

路線価は、公的な路線価図・評価倍率表で確認できます。

路線価図では「200D」のように表示され、数字の単位は1,000円です。「200」であれば、1㎡当たり20万円を意味します。

相続税評価額を調べる基本的な手順は、次のとおりです。

手順確認する内容
1.路線価を調べる土地が接する道路の路線価を路線価図で確認する
2.土地の面積を調べる固定資産税の課税明細書や登記事項証明書などで地積を確認し、登記上の面積と実際の面積が異なる場合は実際の面積をもとにする
3.補正の必要性を確認する土地の奥行きや間口、形状、道路との接し方などを確認する
4.評価額を計算する路線価と土地面積、必要な補正率などを使って算出する

路線価や面積、必要な補正の有無を確認できれば、おおよその相続税評価額を自分で計算できます。

路線価方式の計算例と補正の注意点

土地の形状などによる補正が必要ない場合、基本的な計算式は次のようになります。

路線価×土地面積=相続税評価額

【計算例】
路線価が1㎡当たり20万円、土地面積が150㎡の場合は、次のとおりです。
20万円×150㎡=3,000万円

このケースでは、土地の相続税評価額は3,000万円です。

ただし、実際の土地はすべて同じ条件ではありません。

奥行きが長い、間口が狭い、形がいびつな不整形地であるなど、土地の形状や接道状況によっては補正が必要です。

公的に定められた補正率を使って、このような土地の利用しにくさなどを評価額に反映します。補正率がある場合は、次の式が基本になります。

路線価×土地面積×補正率=相続税評価額

補正の種類や計算方法は土地によって異なるため、正確な評価が必要な場合は税理士などの専門家に相談しましょう。

路線価がない宅地は「倍率方式」で計算する

路線価が設定されていない地域の宅地は、「倍率方式」で相続税評価額を計算します。

倍率方式では、その宅地の固定資産税評価額に、地域ごとに定められた評価倍率を掛けます。

固定資産税評価額×評価倍率=相続税評価額

固定資産税評価額は、自治体から送付される固定資産税の課税明細書などで確認できます。

課税明細書が見つからない場合は、不動産所在地の市区町村で固定資産評価証明書を取得して確認することも可能です。

相続人が取得する際は、相続関係を確認できる書類などが必要になることがあるため取得時は事前確認しましょう。

評価倍率は、公的な「評価倍率表(一般の土地等用)」で確認できます。

都道府県、「評価倍率表」の「一般の土地等用」、市区町村の順に選び、該当する町名と地目に対応する倍率を確認します。

【計算例】
固定資産税評価額が1,000万円、評価倍率が1.2倍の場合は、
1,000万円×1.2=1,200万円

となり、相続税評価額は1,200万円です。

なお、評価倍率表の宅地欄に「路線」と記載されている地域は、倍率方式ではなく路線価方式で評価します。

倍率方式の計算自体はシンプルですが、固定資産税の課税明細書を見る際は、「固定資産税評価額」と「課税標準額」を取り違えないよう注意しましょう。

建物・マンションの相続税評価額を調べる方法

建物は固定資産税評価額を基準にします。分譲マンションは土地と建物を分けて評価し、一定のマンションでは補正も必要になります。

戸建てなどの建物は固定資産税評価額を基準にする

戸建て住宅や店舗、事務所、倉庫などの建物は、原則として固定資産税評価額をそのまま相続税評価額として使用します。

固定資産税評価額は、自治体から送付される固定資産税の課税明細書や、自治体の窓口で取得できる固定資産評価証明書で確認できます。

ただし、被相続人が第三者に貸していた建物は「貸家」として、固定資産税評価額から借家権割合と賃貸割合を反映した金額を差し引いて評価します。

敷地については「貸家建付地」として評価し、詳しくは後ほど解説します。

分譲マンションは土地と建物を分けて評価する

マンションの建物部分は、その住戸の固定資産税評価額を基準にします。

土地部分は、マンションの敷地全体を路線価方式または倍率方式で評価し、敷地権の割合を掛けて算出します。

敷地全体の評価額×敷地権の割合=土地部分の評価額

敷地権の割合とは、マンションの敷地全体に対して各住戸が持つ土地の権利の割合です。

敷地の面積や敷地権の割合は、購入時の売買契約書や登記事項証明書などで確認できます。

ただし、2024年1月1日以後に相続・贈与などで取得した一定の居住用分譲マンションでは、土地部分と建物部分に「区分所有補正率」を掛けて評価する場合があります。

区分所有補正率の計算には、築年数や総階数、所在階、敷地持分などが関係します。

補正が必要かどうかの判定や計算は複雑なため、正確な相続税評価額を確認したい場合は、税理士などの専門家へ相談しましょう。

借地権・貸宅地・貸家建付地は利用状況によって評価が変わる

土地を貸している場合や借地権がある場合は、所有者が自由に利用できないなどの事情を反映して評価します。

代表的な評価方法を見ていきましょう。

借地権・貸宅地は権利関係を反映して評価する

土地を借りて建物を所有している場合、その土地を利用する「借地権」も相続税の課税対象となる財産です。

一方、自分の土地を他人に貸して借地権が設定されている土地を「貸宅地」と呼びます。

ここでは、一般的な借地権を前提とした計算方法を示します。

土地・権利の状態計算方法
自用地(自分で使っている土地)路線価方式・倍率方式で評価
一般的な借地権(借りている土地の権利)自用地としての価額×借地権割合
貸宅地(一般的な借地権が設定された土地)自用地としての価額−借地権の価額

借地権割合は地域ごとに定められており、公的な路線価図などで確認できます。

路線価図では「200D」のように路線価の数字の後にアルファベットで表示され、Aは90%、Bは80%、Cは70%、Dは60%というように割合が決められています。

たとえば、自用地としての価額が3,000万円、借地権割合が60%なら、それぞれの評価額は次のとおりです。

借地権:3,000万円×60%=1,800万円
貸宅地:3,000万円−1,800万円=1,200万円

アパートなどの敷地は「貸家建付地」として評価する

自分の土地にアパートなどの建物を建て、その建物を第三者に貸している場合、その敷地は「貸家建付地」として評価します。

土地そのものを他人に貸している「貸宅地」と異なり、貸家建付地は、自分が所有する土地に自分の建物を建て、その建物を貸している土地です。

貸家建付地は、原則として借地権割合や借家権割合、賃貸割合を使って次のように計算します。

自用地としての価額−(自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=貸家建付地の価額

【計算例】
自用地としての価額が3,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%の場合は、
3,000万円−(3,000万円×60%×30%×100%)=2,460万円

となります。

【違いに注意!】
・借地権割合→路線価図などで確認(地域によって異なる)
・借家権割合→該当年分の公的な財産評価資料で確認(近年は全都道府県で30%)
・賃貸割合→相続開始時点の賃貸状況をもとに計算

不動産の相続税評価額を自分で調べる際の注意点

路線価や固定資産税評価額を使えば、自分で相続税評価額の目安を調べられます。

ただし、不動産の状況によっては評価が複雑になるため、次の点に注意しましょう。

相続税評価額は相続開始時点の状況をもとに評価する

相続税の財産評価は、原則として相続開始時、つまり被相続人が亡くなった時点の状況をもとに行います。

たとえば、貸家や貸家建付地では、相続開始時点の入居・空室状況などを確認する必要があります。

相続後に不動産の利用状況が変わっても、変更後の状態をもとに評価するわけではありません。

また、土地を路線価方式で評価する場合は、相続が発生した年分の路線価を使用します。

固定資産税評価額についても、相続税の評価に使用する年度を確認しましょう。

2027年から一定の貸付用不動産の評価方法を見直す方針が示されている

2027年1月1日以後に相続などで取得する財産については、被相続人などが課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築した一定の貸付用不動産について、評価方法を見直す方針が示されています。

対象となる不動産は、課税時期の通常の取引価額に相当する金額で評価する方針です。

課税上の弊害がない場合は、取得価額をもとに地価の変動などを考慮して計算した価額の80%相当額で評価できる取扱いも示されています。

また、一定の契約に基づく権利の対象となっている貸付用不動産については、取得時期にかかわらず通常の取引価額に相当する金額で評価する見直しも示されています。

一定の経過措置もあるため、対象となるか判断が難しい場合は税理士などの専門家に確認しましょう。

評価方法や補正の適用漏れに注意する

土地の評価では、路線価方式・倍率方式を選ぶだけでなく、土地の形状や接道状況に応じた補正が必要になることがあります。

また、借地権や貸宅地、貸家建付地では、利用状況や権利関係を反映して計算します。

自分で相続税評価額を調べる際は、その不動産に必要な評価方法や補正を見落とさないよう注意しましょう。

評価が複雑な不動産を自己判断しない

基本的な路線価方式や倍率方式であれば、自分で相続税評価額の目安を計算できます。

一方、以下のケースでは評価が複雑なため、注意が必要です。

  • 不整形地や複数の道路に接する土地
  • 権利関係が複雑な土地(借地など)
  • 賃貸不動産
  • 一定の分譲マンション

評価を誤ると相続税額にも影響するため、判断が難しい場合は税理士などの専門家へ相談しましょう。

売却を検討していて市場価格を知りたい場合は、不動産会社への査定依頼が適しています。

相続した不動産の売却や活用は不動産会社に相談できる

相続税評価額と、実際に不動産市場で売買される価格は異なります。

相続した不動産の売却や活用を考える際は、相続税評価額だけでなく、市場価値も把握して今後の活用方法を検討しましょう。

相続した不動産の売却や活用については、不動産会社へ相談する方法があります。

土地や建物を今後どうするか迷っている場合や、売却できる価格を知りたい場合は、査定や相談を活用して検討しましょう。

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相続した不動産は評価方法を確認して相続税評価額を把握しよう

相続した不動産の評価方法は、種類や利用状況によって異なります。

宅地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額を基準にするのが基本です。

借地権や貸宅地、貸家建付地などは、権利関係や利用状況も評価額に反映されます。

また、2027年からは一定の貸付用不動産について評価方法を見直す方針が示されています。

基本的な土地の評価額は自分でも調べられますが、補正が必要な土地や一定の分譲マンションなどは計算が複雑です。

判断が難しい場合は、税理士などの専門家に相談して正確な相続税評価額を確認しましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、横浜・湘南・横須賀エリアで不動産売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、不動産売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact

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