土地を売却する際、「名義変更は契約時にするの?」「亡くなった親の名義のままでも売却できる?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
土地の売却では、売主から買主への所有権移転登記が必要です。
さらに、相続登記が済んでいない、登記上の住所・氏名が現在と異なるといったケースでは、売却に向けて別の登記も必要になります。
この記事では、土地売却で必要になる名義変更の種類や事前に確認するポイント、所有権移転登記の流れ・必要書類・費用までをわかりやすく解説します。
神奈川県で土地売却をお考えの方へ
ウスイホームの土地売却ならこちら
目次
土地売却で必要になる名義変更(登記)は3種類

土地売却における「名義変更」とは、一般に売主から買主へ所有権を移す「所有権移転登記」を指します。
ただし、売却する土地が亡くなった人の名義であったり、登記上の住所・氏名が現在と異なっていたりすると、所有権移転登記を進められません。
そのため、登記の状況に応じて、所有権移転登記の前に相続登記や住所・氏名変更登記が必要です。
売却時に必要になる可能性がある主な登記は次のとおりです。
| タイミング | 必要になる登記 | どのようなケース? |
| 売却時 | 所有権移転登記 | 売主から買主へ土地の所有権を移す |
| 所有権移転登記の前提 | 相続登記 | 土地が亡くなった人の名義になっている |
| 所有権移転登記の前提 | 住所変更登記・氏名変更登記 | 登記上の住所や氏名と現在の住所・氏名が異なる |
住所・氏名変更登記は、売買による所有権移転登記とあわせて決済日に申請することも可能です。
一方、亡くなった人名義の土地では、相続人の確認や遺産分割協議、必要書類の収集に時間がかかるケースもあるため、早めに準備を始めましょう。
【注意!】
住所・氏名変更登記は2026年4月1日から義務化され、変更日から2年以内に申請する必要があります。
2026年3月31日以前に変更していたケースでも、未登記であれば2028年3月31日までに対応が必要です。
正当な理由なく申請を怠ると、5万円以下の過料の対象になる可能性があります。
相続登記や住所・氏名変更登記が必要になるケースは、後ほど詳しく解説します。
土地を売却する前に登記名義を確認しよう

土地の売却を考え始めたら、まず登記上の所有者や住所・氏名を確認しましょう。
登記内容が現在の状況と異なっていると、相続登記や住所・氏名変更登記などの手続きが必要です。
土地が自分の名義になっているか確認する
土地の所有者は、登記事項証明書の「権利部(甲区)」で確認できます。
売却を検討し始めた段階で、次の点を確認しておきましょう。
- 自分の名義になっているか
- 亡くなった親や祖父母などの名義ではないか
- ほかの人との共有名義になっていないか
自分が所有していると思っていても、相続登記をしておらず、亡くなった親や祖父母の名義が残っていることがあります。
特に先祖代々受け継いできた土地では、数代にわたって相続登記がされておらず、相続人の確認や必要書類の収集に時間がかかるケースがあります。
また、共有名義の土地全体を売却するには、共有者全員の同意が必要です。
登記簿の住所・氏名が現在と一致しているか確認する
土地が自分名義になっていても、登記上の住所・氏名が現在の情報と一致しているか確認が必要です。
引っ越しによって住所が変わっているほか、結婚や離婚などに伴う姓の変更が登記されていないこともあります。
登記上の住所・氏名と現在の情報が異なるときは、売買による所有権移転登記の前提として住所・氏名変更登記が必要です。手続きや注意点は、次章で詳しく解説します。
相続登記や住所・氏名変更登記が必要になるケース

ここでは、相続登記や住所・氏名変更登記が必要になるケースと注意点を解説します。
相続した土地は名義変更しないままでは売却できない
亡くなった人の名義から、買主の名義へ直接変更(所有権移転)することはできません。
売却するには、いったん、相続登記を行い、土地を取得する相続人へ名義を変更する必要があります。
複数の相続人がいる場合は、遺言書の有無を確認し、必要に応じて遺産分割協議を行います。
土地を売却して代金を分ける「換価分割」を選ぶ場合は、遺産分割協議書に代表者が換価目的で相続登記することや売却代金の分配方法を明記したうえで、便宜上、代表者1人の名義に相続登記して売却する方法があります。
実際の売却代金も、協議内容に従って分配します。
▼兄弟で相続した土地の分け方や売却手続きを詳しく解説(関連記事)▼
兄弟で相続した土地を売却するには?分け方や手続き、もめない進め方を解説
【注意!】
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
引っ越しや結婚後は住所・氏名変更登記が必要
引っ越しや結婚・離婚などで住所・氏名が変わった場合は、現在の情報と一致させるための住所・氏名変更登記が必要です。
ここでは、変更登記の必要書類や手続きの注意点について解説します。
複数回転居している場合は過去の住所を確認する
住所変更登記では、登記上の住所から現在の住所までのつながりを証明できる公的な書類が必要です。
1回の転居なら住民票で確認できますが、複数回の転居や姓が変わっている場合は、戸籍の附票や住民票の除票、戸籍謄本などを取得し履歴をつなぐ必要があります。
「住民票の除票」は過去に住んでいた市区町村で、「戸籍の附票」は住所地ではなく本籍地の市区町村で取得します。
転居の回数や本籍地の変更がある場合など、状況によって必要な書類や取得先の役所が異なるため、取得方法が不明な場合は事前に司法書士へ確認するとスムーズです。
必要書類や手続きは司法書士に確認する
通常、仲介を依頼した不動産会社が登記情報を確認するため、必要な手続きを案内してもらえます。
自分で書類を集めるのに不安がある場合は、不動産会社を通じて司法書士を紹介してもらうと安心です。
住所・氏名変更登記の手続きはもちろん、戸籍の附票や住民票の除票といった書類の取得を任せることも可能です。
司法書士へ依頼する際の費用については、後ほど解説します。
売却予定がある場合はスマート変更登記を待たずに申請する
2026年4月から「スマート変更登記」が始まりました。
所有者があらかじめ検索用情報を申し出ておくと、その後に住所や氏名が変わった際に、法務局が変更を確認し、本人の了解を得たうえで職権による変更登記を行う仕組みです。
職権で変更登記が行われるため、登録免許税はかかりません。
ただし、法務局による住所等の変更情報の確認は2年に1回以上の頻度で行われるため、売却などですぐに変更登記が必要な場合は、職権による変更を待たずに申請しましょう。
土地売却による所有権移転登記の流れと必要書類

土地の買主が決まったら、売買契約を締結し、決済・引き渡しへと進みます。
所有権移転登記は、一般に決済日に残代金の支払いとあわせて手続きを行います。
登記の流れと売主が準備する書類を確認していきましょう。
土地売却から所有権移転登記までの流れ
土地を売却しても、売買契約を締結した時点で所有権移転登記を行うわけではありません。
売買契約後は、決済・引き渡し日に司法書士が本人確認や必要書類をチェックし、登記申請ができる状態であれば残代金の支払いへ進みます。
| ステップ | 内容 |
| ①売買契約を締結 | 売買価格や引き渡し日などの条件を確認して契約を締結し、手付金を受け取る |
| ②必要書類を準備 | 決済日までに売主・買主が登記に必要な書類をそろえる |
| ③【決済日】司法書士が本人・書類を確認 | 本人確認や登記関係書類の確認を行う |
| ④【決済日】残代金を受け取る | 買主から売主へ残代金が支払われる(通常は銀行振込) |
| ⑤【決済日】土地を引き渡す | 土地や関係書類などを引き渡す |
| ⑥【決済日】所有権移転登記を申請 | 司法書士が法務局へ申請する |
登記上の住所・氏名が現在と異なる場合は、住所・氏名変更登記を所有権移転登記とあわせて申請することもできます。
また、抵当権が残っている土地では、抵当権抹消登記をあわせて申請することもあります。
売主が準備する主な必要書類
土地の決済・所有権移転登記にあたり、売主は主に次の書類などを準備します。
| 主な書類など | 用途・ポイント |
| 登記識別情報通知または登記済証(権利証) | 土地の登記名義人であることを確認 |
| 印鑑証明書 | 発行から3か月以内のもの |
| 実印 | 登記関係書類への押印に使用 |
| 固定資産評価証明書等 | 登録免許税の計算に使用 |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 司法書士への委任状 | 登記手続きを司法書士へ依頼する際に使用 |
| 売却代金の振込口座 | 通帳やキャッシュカードなど口座情報を確認できるもの |
登記上の住所・氏名と現在の情報が異なるときは、住民票や戸籍の附票、戸籍謄本などが必要になることもあります。
必要書類は土地や登記の状況によって異なるため、売却が決まったら不動産会社や司法書士へ早めに確認しておきましょう。
登記識別情報通知や権利証が見つからないときも、まずは司法書士へ相談してください。
必要な名義変更をしないと土地の売却手続きが進まない
土地が亡くなった人の名義になっていると、相続登記をせずに買主へ所有権移転登記をすることはできません。
また、登記上の住所・氏名と現在の情報が異なるときも、住所・氏名変更登記が必要です。
売却直前に必要な登記が判明すると、書類の収集などに時間がかかり、予定していた決済日に間に合わないおそれがあります。
特に相続人が多いケースや複数回転居している人は、早めに登記情報を確認し、不明点があれば不動産会社や司法書士へ相談しましょう。
土地の名義変更にかかる費用と司法書士へ依頼する範囲

土地の名義変更では、登録免許税や必要書類の取得費用がかかります。
また、司法書士へ登記手続きを依頼する際は、別途報酬も必要です。
ここでは、土地売却に伴う登記費用と司法書士へ依頼できる手続きについて解説します。
所有権移転登記には登録免許税がかかる
土地の売買による所有権移転登記には、登録免許税がかかります。
税額は、原則として固定資産税評価額をもとに計算します。
土地売買による所有権移転登記の税率は本則2%ですが、2029年3月31日までに登記を受ける場合は1.5%の軽減税率が適用されます。計算方法は以下のとおりです。
登録免許税=固定資産税評価額×1.5%
たとえば、固定資産税評価額が1,000万円なら、登録免許税は15万円です。
売買による所有権移転登記の登録免許税は、一般に買主が負担します。
ただし、法律で買主負担と決められているわけではないため、実際の負担については売買契約の内容を確認しましょう。
司法書士へ所有権移転登記を依頼する場合は、登録免許税とは別に、5~10万円程度の司法書士報酬が目安です。
住所・氏名変更登記にも費用がかかる
住所・氏名変更登記を自分で申請する場合は、不動産1個につき1,000円の登録免許税がかかります。
土地は1筆を1個として数えるため、土地1筆なら1,000円、3筆なら3,000円です。
また、土地1筆と建物1個の住所を同時に変更すると2,000円となります。
住所と氏名を同時に変更する場合、同じ不動産について1件の申請で行えば1,000円です。
このほか、住民票や戸籍謄本などを自分で取得する場合は各数百円程度がかかります。
司法書士へ住所・氏名変更登記を依頼する際の報酬の目安は、1~3万円程度です。
なお、前述したスマート変更登記によって法務局が職権で変更登記を行う場合は、登録免許税はかかりません。
土地の名義変更は自分でできる?
土地の名義変更は、自分で法務局へ申請することもできます。
ただし、土地売却に伴う所有権移転登記は、司法書士へ依頼するのが一般的です。
売買の決済では、司法書士が売主・買主の本人確認や登記関係書類をチェックし、所有権移転登記を申請します。
住所・氏名変更登記や抵当権抹消登記が必要であれば、あわせて依頼することも可能です。
仲介による土地売却では、不動産会社が司法書士を紹介・手配してくれることが多いため、売主が自分で探す必要がないケースが多いといえます。
また、住宅ローンを利用する売買では、金融機関などが司法書士を指定することもあります。
相続登記が済んでいない、登記上の住所が古いなど、必要な手続きがわからないときは、まず売却を依頼する不動産会社へ相談しましょう。
必要に応じて司法書士と連携しながら、売却に必要な登記を進められます。
土地売却の名義変更に不安があるならウスイホームへ

土地の売却では、登記上の所有者や住所・氏名が現在の情報と一致していることが重要です。
相続登記が済んでいない、引っ越し後に住所変更登記をしていないときは、別途手続きが必要になります。
ウスイホームは、1976年の創業以来、横浜・湘南・横須賀エリアを中心に、地域密着で不動産に関するご相談を承っています。
「売りたい土地が亡くなった親の名義のまま」「何度か引っ越したけれど登記はそのまま」という方も、まずはお気軽にウスイホームへご相談ください。
お客様の状況にあわせて丁寧にアドバイスいたします。
▼横浜・湘南・横須賀エリアで土地売却についてのご相談はこちら▼
神奈川県の不動産売却はウスイホーム(マンション・アパート・事務所・一戸建て・土地)
土地を売却する前に登記名義と住所・氏名を確認しよう

土地を売却するときは、売主から買主への所有権移転登記が必要です。
また、土地が亡くなった人の名義なら相続登記、登記上の住所・氏名が現在と異なっていれば住所・氏名変更登記も必要になります。
相続人が多い、複数回転居しているといったケースでは、書類の準備に時間がかかることもあります。
土地の売却を考え始めたら早めに登記情報を確認し、名義変更でわからないことがあれば不動産会社や司法書士へ相談しましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアで多くの方々の土地売却をサポートさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、土地の売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |