土地の売却を考え始めると、「固定資産税評価額は納税通知書でわかるから、これで土地価格の参考値はわからないだろうか」と思う方も多いのではないでしょうか。
売却を検討し始めた段階では、まずはおおよその価格を知りたいものです。
固定資産税評価額から公示地価水準に換算した参考価格は概算できます。
ただし、計算結果は実際の成約価格を示すものではないため、あくまで参考程度に考えましょう。
この記事では、固定資産税評価額と売却価格の違いや確認方法、固定資産税評価額から公示地価水準に換算した参考価格を計算する方法をわかりやすく解説します。
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目次
固定資産税評価額とは?売却価格との違いと確認方法

土地の売却価格を調べる際は、まず「固定資産税評価額」がどのようなものかを理解しておきましょう。
売却価格との違いや確認方法を知ることで、おおよその相場を把握しやすくなります。
固定資産税などの計算に使われる評価額
固定資産税評価額とは、市町村が土地や建物ごとに定める評価額です。
なお、東京都23区では東京都が評価・課税を行います。一方、土地の売却価格は、市場で実際に取引される価格(実勢価格)です。
土地の固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税などの税金を計算する基準として利用されます。
また、固定資産税評価額は原則として3年ごとに評価額が見直されます。
不動産市場の動向により変化する価格をすぐに反映するわけではありません。
このことから、固定資産税評価額と売却価格が同じではないことがわかります。
固定資産税評価額は、土地価格を考える際の参考値として活用しましょう。
固定資産税評価額を確認する3つの方法
固定資産税評価額は、次の3つの方法で確認できます。
| 確認方法 | 特徴 |
| 固定資産税納税通知書 | 毎年送付される通知書の「課税明細書」で確認できる |
| 固定資産評価証明書 | 市区町村役場で取得でき、評価額を証明する書類 |
| 固定資産課税台帳 | 所有者などが市区町村で閲覧でき、土地や建物の評価額を確認できる |
最も手軽に確認できるのは、毎年4~6月頃を目安に自治体から送付される固定資産税納税通知書を確認する方法です。
発送時期は自治体によって異なります。評価額は、納税通知書に添付されている「課税明細書」で確認できます。
自治体によって表記は異なり、「固定資産税評価額」のほか、「価格」や「当該年度価格」と記載されている場合もあります。
また、納税通知書に書かれている「課税標準額」は固定資産税を計算するための金額です。
土地価格の参考値を概算する際は、「固定資産税評価額」や「価格」「当該年度価格」と記載された項目を確認しましょう。
納税通知書が手元にない場合は、市区町村役場で固定資産評価証明書を取得したり、固定資産課税台帳を閲覧したりする方法もあります。どちらも所有者本人など一定の条件を満たす人が利用可能です。
固定資産税評価額から土地価格の参考値を概算する方法

固定資産税評価額を確認したら、公示地価水準に換算した参考価格を概算してみましょう。
計算方法はシンプルですが、実際の売却価格とは差が生じるため、あくまでも参考にしましょう。
固定資産税評価額から土地価格の参考値を概算する方法
固定資産税評価額を0.7で割ると、公示地価の評価水準に換算した場合の参考価格を概算できます。
固定資産税評価額は、地価公示価格の70%程度を評価水準の目安としているためです。ただし、この計算結果は実際の成約価格を示すものではありません。
土地の立地や形状、接道状況、市場の需給などによって、実勢価格とは大きな差が生じる場合があります。
なお、「固定資産税評価額を約1.4倍する」と紹介されることもありますが、どちらもほぼ同じ計算方法です。
| 例えば、固定資産税評価額が1,400万円の場合、1,400万円÷0.7=約2,000万円となり、公示地価水準に換算した参考価格は約2,000万円となります。 |
ただし、この計算はあくまで概算です。実際の売却価格は、周辺の取引状況や市場の需給、売却時期などによって変動するため、参考程度に考えましょう。
固定資産税評価額を基にシミュレーション
固定資産税評価額から公示地価水準に換算した参考価格を概算する際は、「固定資産税評価額÷0.7」の計算式を使います。代表的な評価額でシミュレーションすると、次のようになります。
| 固定資産税評価額 | 計算式 | 公示地価水準に換算した参考価格 |
| 700万円 | 700万円÷0.7 | 約1,000万円 |
| 1,050万円 | 1,050万円÷0.7 | 約1,500万円 |
| 1,400万円 | 1,400万円÷0.7 | 約2,000万円 |
| 2,100万円 | 2,100万円÷0.7 | 約3,000万円 |
固定資産税評価額が1,400万円の土地であれば、公示地価水準に換算した参考価格は約2,000万円です。
ただし、これは公示地価水準に換算した参考値であり、実際の売却価格を示すものではありません。
市場の需給や売却時期、土地の個別条件などによって、実際の売却価格は計算結果より高くなる場合も低くなる場合もあります。
正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼し、周辺の取引事例や市場動向を踏まえた査定額を確認しましょう。
固定資産税評価額と売却価格が異なる3つの理由
固定資産税評価額から公示地価水準に換算した参考価格は計算できますが、実際の売却価格とは一致しないことを認識しておきましょう。主な理由は、次の3つです。
| 【1】固定資産税評価額は原則3年ごとに見直されるため 市場価格が大きく変動しても、評価額にはすぐ反映されません。 【2】不動産市場の需給によって価格が変動するため 同じ地域でも、売却時期や買主の需要によって売却価格は変わります。 【3】売却時期や価格交渉の影響を受けるため 売却するタイミングや買主との交渉により、実際の成約価格が目安より高くなる場合も低くなる場合もあります。 |
固定資産税評価額とほかの土地価格の違い

土地には、その価格を何に使うかによって異なる価格があり、それぞれ算出方法が異なります。
固定資産税評価額もその1つで、売却価格を考える際は、それぞれの違いを理解しておきましょう。
一物五価とは?土地価格には5つの指標がある
土地には、それぞれ異なる役割を持つ5つの価格があり、1つのもの(土地)に5つの価格があるため「一物五価(いちぶつごか)」と呼ばれています。
| 土地価格の種類 | 主な用途 | 公表・決定主体 |
| 実勢価格 | 実際に売買される価格 | 市場(売主・買主) |
| 固定資産税評価額 | 固定資産税・都市計画税の算定基準 | 市町村 |
| 公示地価 | 土地取引の目安となる価格 | 国(土地鑑定委員会) |
| 基準地価 | 都道府県が公表する土地の標準価格 | 都道府県 |
| 相続税路線価 | 相続税・贈与税の算定基準 | 国税庁 |
このうち、売却価格を考える際の参考には、一般的に「実勢価格」「公示地価」「固定資産税評価額」の3つが使われます。
中でも、固定資産税評価額は納税通知書などで手軽に確認でき、0.7で割ることで公示地価水準に換算した参考価格を概算できます。
ただし、実際の売却価格を把握するには、周辺の成約事例や不動産会社の査定も確認する必要があります。
ニュースで見る「地価日本一」とは?
ニュースで「地価日本一」が話題になるのは年に3回あり、いずれも東京都中央区銀座の中央通り沿いが全国最高価格地点となっています。
「山野楽器前」や「鳩居堂前」といった名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
- 3月 公示地価日本一:銀座4丁目の山野楽器銀座本店前(2026年)
- 7月 路線価日本一:銀座5丁目の鳩居堂前(2026年)
- 9月 基準地価日本一:銀座2丁目の明治屋銀座ビル前(2025年)
これらの価格は、実際に売買される価格(実勢価格)ではありません。
それでも、2026年の公示地価最高地点では、はがき1枚ほどの面積が約100万円に相当する計算となり、日本の地価の高さを実感できるニュースとして注目されています。
売却価格を調べる際に最も参考になるのは実勢価格
土地を売却する際に最も参考になるのは、実際に取引された価格である実勢価格です。
固定資産税評価額から算出できるのは、公示地価水準に換算した参考価格です。実際の売却価格を示すものではありません。
より正確な売却価格を知りたい場合は、周辺の土地の成約価格を確認したうえで、不動産会社へ査定を依頼するのがおすすめです。
不動産会社の査定では、周辺の取引価格や市場動向を踏まえるだけでなく、その土地の特徴なども含めた査定額を提示してくれるため、実際の売却価格により近い価格を把握できます。
土地の売却価格をより正確に調べる3つの方法

固定資産税評価額から算出できるのは、公示地価水準に換算した参考価格です。
実際の取引価格もあわせて確認しましょう。ここでは、売却価格をより正確に把握する3つの方法を紹介します。
不動産情報ライブラリで過去の取引価格を調べる
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、実際に売買された土地の価格を無料で確認できます。
都道府県や市区町村、最寄り駅などの条件で絞って検索でき、㎡単価や土地の形状も記載されているため、自分に近い条件の取引事例を調べる際に役立つでしょう。
ただし、取引件数が少ない地域では参考データが限られるため、地域によっては参考にしにくいケースもあります。
取引価格は土地ごとの条件によって異なるため、掲載されている価格は参考情報として活用しましょう。
不動産ポータルサイトで現在の売り出し価格を確認する
SUUMOやHOME'Sなどの不動産ポータルサイトでは、現在売り出されている土地の価格を確認できます。
同じエリアや広さが近い土地を探せば、現在の市場でどのくらいの価格で売り出されているのかを把握できます。
ただし、掲載されている売り出し価格は売主の希望価格であり、実際に成約した価格ではありません。
価格交渉などによって売り出し価格と成約価格に差が生じる場合があるため、そのまま売却相場とは考えないようにしましょう。
過去の取引価格とあわせて確認すると、現在の市場動向を踏まえた価格の目安を把握しやすくなります。
不動産会社へ査定を依頼する
より正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社への査定がおすすめです。
査定では、過去の取引事例や現在の市場動向だけでなく、立地や形状、接道状況、周辺環境なども踏まえて価格を算出します。
そのため、固定資産税評価額や周辺の取引価格だけではわからない、自分の土地の条件を反映した査定額を確認できます。
また、査定を依頼すると、地域の需要や売れやすい価格帯、売却時の注意点などについてアドバイスを受けられるでしょう。
査定は通常無料です。複数の不動産会社へ査定を依頼して比較すれば、査定額や売却方針の違いも確認できるため、納得して売却を進めやすくなるでしょう。
固定資産税評価額から計算した目安価格は、売却価格を考えるための第一歩です。
不動産情報ライブラリやポータルサイトで相場を確認し、最終的には不動産会社の査定価格を確認すると、より納得感のある売却価格を設定できます
固定資産税評価額から売却価格を考える際の注意点

固定資産税評価額から土地価格の参考値を概算する際は、いくつか注意点があります。
計算結果だけで売却価格を判断しないよう、あらかじめ確認しておきましょう。
土地の条件によって売却価格は大きく変わる
固定資産税評価額から計算した金額は、あくまで公示地価水準に換算した参考価格です。
実際の売却価格は、土地の立地や形状、接道状況、周辺環境、売却時期などによって大きく変わります。
例えば、駅に近い土地や需要の高いエリアでは、計算した価格より高く売れる場合もあるでしょう。
一方で、形状が不整形であったり、接道条件が悪かったりする土地では、目安より低い価格になることもあります。
固定資産税評価額だけで売却価格を判断せず、周辺の取引価格や査定結果もあわせて確認しましょう。
0.7で割る方法は土地価格の参考値に限られる
固定資産税評価額を0.7で割って公示地価水準に換算した参考価格を計算できるのは、土地が対象です。
建物の固定資産税評価額は、公示地価を基準として算出されるものではないため、土地のように0.7で割って公示地価水準に換算した参考価格を求めることはできません。
そのため、土地と建物を売却する場合は、土地は固定資産税評価額を参考にできますが、建物は築年数や状態、リフォームの有無なども考慮して価格が決まります。
一戸建ての売却価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
土地の売却をお考えならウスイホームへ

土地の売却では、固定資産税評価額から公示地価水準に換算した参考価格を概算できますが、実際の価格は立地や形状、市場の動向などによって大きく変わります。
納得できる売却計画を立てるためには、地域の相場や土地の特性を踏まえた査定を受けることが大切です。
ウスイホームは、1976年の創業以来、横浜・横須賀・湘南エリアで地域に根差した不動産売買をサポートしてきました。
地域の市場動向を踏まえた査定はもちろん、売却に関する疑問や不安にも丁寧に対応いたします。
土地の売却をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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土地の売却価格は固定資産税評価額だけで判断しないことが大切

固定資産税評価額は、土地価格を考える際の参考値として活用できます。
0.7で割ることで公示地価水準に換算した参考価格を概算できますが、実際の売却価格は立地や形状、周辺の取引状況、市場の動向などによって大きく変わります。
売却価格をより正確に知るには、固定資産税評価額だけでなく、周辺の取引価格や公示地価なども参考にしながら、不動産会社の査定結果をあわせて確認することが大切です。
複数の情報を活用し、納得できる売却につなげましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアで多くの方々の土地売却をサポートさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、土地の売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |