兄弟で相続した土地は、早めに分け方や売却方法について話し合いましょう。
「土地はどう分ければいい?」「売却した代金はどう分ける?」「何から手続きを始めればいい?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
土地は現金のように均等に分けることが難しく、分け方を誤ると、相続人同士のトラブルや売却手続きの長期化につながる可能性があります。
本記事では、兄弟で相続した土地を分ける4つの方法や売却の流れ、もめずに手続きを進めるポイントをわかりやすく解説します。
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目次
兄弟で親の土地を相続するときの基本ルール

兄弟で土地を相続する場合は、相続の基本的なルールを理解しておきましょう。
相続する土地の売却をスムーズに進めるためにも、最初に押さえておきたいポイントを解説します。
兄弟の法定相続分は原則として平等
親が亡くなり、子どもである兄弟姉妹が土地を相続する場合、法定相続分は原則として平等です。
親に配偶者と子ども2人がいる場合は、配偶者が2分の1、子どもは残り2分の1をそれぞれ均等に分けるため、各4分の1が法定相続分となります。
| 相続人 | 法定相続分 |
| 配偶者 | 1/2 |
| 子ども2人 | 各1/4 |
| 子ども3人 | 各1/6 |
ただし、遺言書がある場合は、原則としてその内容に従います。
また、法定相続分は「各相続人が、必ずその割合どおりに土地を取得しなければならない」という意味ではありません。
相続人全員が合意すれば、一人が土地を相続し、他の人が預貯金を多く受け取るなど、法定相続分とは異なる分け方をすることも可能です。
【ポイント】
- 法定相続分は、あくまで遺産を分ける際の目安
- 土地は均等に分けることが難しいため、兄弟間でもめる原因になりやすい
土地の売却前には遺産分割協議と相続登記が必要
遺言書がない場合は、土地をどのように分けるかを相続人全員で話し合う遺産分割協議を行います。話し合いで決まった内容は、遺産分割協議書として書面にまとめます。
遺産分割協議書は、相続人全員が話し合いの内容に合意したことを証明する書類です。相続登記の際に必要となるため、作成して保管しておきましょう。
自分たちで作成も可能ですが、内容に不安がある場合や、相続登記を依頼する場合は、司法書士へ相談すると安心です。
【ポイント】
- 兄弟全員の意思が一致しているうちに、売却や分割方法を決めて早めに手続きを進める
- 共有名義の土地を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要
- 「とりあえず共有名義」にすると、将来相続人が増えて全員の意思をまとめるのが難しくなり、売却や活用がしにくくなる可能性がある
土地の相続で兄弟がもめやすい理由

土地は現金のように簡単に分けられず、売却した場合の価格についても意見が分かれやすいため、兄弟間で意見が対立しやすい財産です。ここでは、土地相続をめぐるトラブルの原因を見ていきましょう。
相続財産の大半を土地が占めている
相続財産の多くを土地や建物が占めている場合、公平に分けることが難しくなります。
預貯金が少なく土地だけが残されているケースでは、一人が土地を取得すると、ほかの兄弟との取得額に差が生じやすくなります。その差額を現金(代償金)で補う場合は、土地を取得する人にまとまった現金を用意しなければなりません。
土地は「売却して現金で分けたい」「残しておきたい」「どうやって分けるか」といった点で意見が分かれやすく、もめる原因になりやすいといえます。
土地の評価額や売却価格に対する考え方の違い
兄弟それぞれで、土地の価値に対する考え方は異なります。例えば、「実家は高く売れるはず」と考える人もいれば、「早く売却して現金化したい」と考える人もいます。
また、一人が土地を取得して代償金を渡す場合は、取得する側は低い評価、現金を受け取る側は高い評価を主張しがちです。
感情だけで話し合うのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼し、相続人がそろって話を聞くなど、客観的な情報をもとに話し合いましょう。
寄与分や特別受益について主張がある
寄与分や特別受益を主張する相続人がいると、遺産分割協議がまとまりにくくなります。
| 修正の要素 | 理由(例) |
| 寄与分 | 私は親の介護を長年してきた。相続分を多く受け取りたい |
| 特別受益 | 兄は家を建てるときに土地をもらったのだから、その分を考慮してほしい |
「介護したから必ず多くもらえる」「生前贈与があったら必ず相続分が減る」というわけではありません。
話し合いで解決できない場合は、弁護士に相談し、家庭裁判所に「遺産分割調停」の申し立てを検討するという方法があります。
土地を売るか残すかで意見が分かれる
売却して現金で公平に分けたい人と、実家や先祖代々の土地を残したい人がいると、話し合いがまとまりにくくなります。
また、実家に住み続けたい兄弟と、売却して現金で分けたい兄弟がいる場合も、意見が対立しやすいケースです。
さらに、将来値上がりすると期待して保有したい人と、早く現金化したい人で考え方が分かれるケースも少なくありません。
遺産分割前の土地や共有名義となった土地全体を売却するには、原則として相続人または共有者全員の合意が必要です。
ただし、遺産分割によって一人が単独で取得した後は、その人の判断で売却できます。それぞれの事情や希望を共有し、早めに方向性を決めると、その後の手続きを進めやすくなります。
相続した土地を兄弟で分ける4つの方法と特徴

相続した土地の分け方には、主に4つの方法があります。それぞれ特徴や向いているケースが異なるため、まずは違いを確認しておきましょう。
| 分割方法 | 特徴 | 向いているケース |
| 現物分割 | 土地を分筆する、または土地ごとに取得者を分ける | 土地が大きく、分けても利用できる |
| 代償分割 | 一人が土地を取得し、他の兄弟へ代償金を払う | 土地を残したい人がいる |
| 換価分割 | 土地を売却し、手取り額を分ける | 現金で公平に分けたい |
| 共有分割 | 兄弟の共有名義にする | 一時的に共有する必要がある場合 |
それぞれメリット・デメリットが異なるため、土地の状況や相続人の希望に応じて、相続人全員で十分に話し合いながら適した方法を選びましょう。
土地をそのまま、または分筆して分ける「現物分割」
現物分割とは、土地をそれぞれの相続人ごとに分ける方法です。
土地が複数ある場合は、それぞれ別の土地を取得します。一つの土地しかない場合は、分筆して複数の土地に分けることも可能です。
ただし、分筆後に土地の形状や面積が変わると資産価値が下がる場合があります。また、分筆する場合は、境界確定や測量費用がかかるほか、接道条件なども確認しなければなりません。
現物分割は公平に分けることが難しいケースもあるため、事前に不動産会社や土地家屋調査士へ相談しましょう。
相続した土地を分けて売却する方法や、分割と分筆の違いについては、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:土地は分割して売却可能?遺産相続や売却で活用しよう
土地を取得した人が代償金を支払う「代償分割」
代償分割とは、一人が土地を相続し、ほかの兄弟へ代償金を支払う方法です。実家を残したい場合や、分筆できない土地を相続する場合に利用されます。
土地は売却せずに済みますが、土地を取得する人は代償金を支払うための現金が必要です。
代償金の金額を決めるためには、土地の評価額について相続人全員が納得できるよう十分な話し合いを行いましょう。
土地を売却して現金で分ける「換価分割」
換価分割とは、相続した土地を売却し、その代金を相続人で分ける方法です。
土地を現金化するため、公平に分けやすく、将来の管理や固定資産税の負担もなくなります。]
一方で、売却代金から仲介手数料や測量費など、売却にかかる費用を差し引いた手取り額を分けるため、金額は売却価格より少なくなります。
相続人の一人を代表者として売却し、売却代金を分けるケースが多いため、遺産分割協議書に換価分割を行うことを明記しておきましょう。
兄弟の共有名義にする「共有分割」
共有分割とは、一つの土地を兄弟の共有名義にする方法です。
共有名義になっても、土地を区切ってそれぞれが所有するわけではなく、一つの土地を共同で所有します。
手続きを進めやすい点がメリットですが、共有名義の土地を売却や活用する際には、原則として共有者全員の同意が必要です。
さらに、相続が繰り返されると共有者が増え、将来土地を売却したり活用したりするときに話し合いがまとまりにくくなります。「共有名義」にすることは慎重に検討しましょう。
共有名義の土地を売却する具体的な方法や注意点については、以下の記事でも詳しく解説しています。
参考記事:共有名義の土地売却方法と注意点を解説|費用や税金についても解説
兄弟で相続した土地を売却する流れと注意点

兄弟で相続した土地を売却するには、相続手続きから売却、確定申告まで順番に進める必要があります。
ここでは、はじめて相続を経験する方にもわかりやすいよう、6つのステップで手続きの流れを解説します。
【ステップ1】遺言書の有無を確認する
遺言書がある場合は原則その内容を優先するため、最初に確認を行います。
●遺言書があるか確認する
亡くなった方が遺言書を残しているか確認しましょう。遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って遺産を分けます。
●公正証書遺言・自筆証書遺言の違い
自宅や貸金庫などで自筆証書遺言を発見した場合は、原則として家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
封印されている遺言書は勝手に開封してはいけません。公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言については検認が不要です。
【ステップ2】相続人を確認する
次に、誰が相続人になるのかを確認します。
●誰が相続人か確認する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ、誰が法定相続人になるのかを確認します。
相続人が一人でも漏れたまま遺産分割協議を行うと、その協議は無効になる可能性があるため注意が必要です。
遺産分割前の土地を売却する場合や、換価分割の方法を決める場合は、原則として相続人全員の合意が必要です。
遺言や遺産分割協議によって一人が単独取得した後は、その人が売却手続きを進められます。早い段階で相続人を正確に確認し、不明な点がある場合は司法書士などの専門家へ相談しましょう。
【ステップ3】遺産分割協議を行う
相続人が確定したら、土地の分け方を相続人全員で話し合います。これを遺産分割協議といい、「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」のうち、どの方法で分けるかを決めます。
●換価分割に決まったら
売却して現金で分ける場合は、合意内容を遺産分割協議書へ記載し、相続人全員が署名・押印します。後の相続登記や売却手続きでも必要になるため、大切に保管しておきましょう。
●売却時の役割分担を決める
- 窓口は誰が担当するか:不動産会社との連絡窓口を決めておきましょう。
- 費用はどうするか:仲介手数料や測量費、解体費などを誰が立て替えるか、売却後の精算方法を決めておきましょう。
【ステップ4】相続登記を行う
遺産分割協議がまとまったら、土地を取得する人の名義へ変更する相続登記を行います。
●土地を取得する人の名義へ変更する
土地を売却するには、原則として相続登記が必要です。換価分割で売却する場合は、相続人の一人を代表者として名義変更し、その後に売却するケースもあります。
●手続きはどうやって行う?
遺産分割協議書や戸籍、印鑑証明書などの必要書類を準備し、法務局で手続きを行います。司法書士へ依頼することも可能です。
【注意】2024年4月1日から相続登記が義務化され、原則として、相続によって土地を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。制度開始前に発生した相続で未登記の土地も対象です。
【ステップ5】土地を売却する
相続登記が完了したら、土地の売却を進めます。まずは複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額や販売方法を比較したうえで依頼先を選びましょう。
●不動産会社と媒介契約を結ぶ
売り出し金額などを不動産会社のサポートを受けながら決めていき、売却活動を行います。売却活動の状況は、兄弟全員でこまめに共有しておくと安心です。
●売買契約・決済・引渡し
契約から引渡しまでは、現金決済の場合は1~3週間程度、住宅ローンを利用する場合は1~2か月程度が一般的です。
【ステップ6】確定申告を行う
土地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年に確定申告が必要です。
●税金はいつ払う?
所得税は、原則として土地を売却した翌年の確定申告期限までに申告・納税します。住民税は確定申告の内容をもとに計算され、普通徴収の場合は一般に6月ごろ納税通知書が届きます。
給与からの特別徴収では、原則として6月以降の給与から徴収されます。
相続した不動産を売却した後の確定申告については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:相続不動産を売却したら確定申告は必要?税理士に依頼した場合の費用相場も紹介
●特例で節税できる?
相続税を納めた場合は「取得費加算の特例」が使える可能性があります。
被相続人が住んでいた一定の空き家や、その家屋を取り壊した後の敷地を期限内に売却した場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる可能性があります。
ただし、対象財産を取得した相続人が3人以上の場合、控除上限は一人当たり2,000万円です。建築時期や利用状況、売却額などにも要件があります。
※いずれも適用には期限や要件があるため、不動産会社や税理士へ確認しましょう。
相続した土地の売却時期と利用できる税制上の特例については、以下の記事で詳しく紹介しています。
参考記事:3年以内に相続不動産を売却すると税金が安くなる?利用できる特例も紹介
相続した土地の売却をお考えならウスイホームへ

1976年創業のウスイホームは、横浜・湘南・横須賀エリアに密着した不動産会社です。
相続した土地の査定や売却相談はもちろん、兄弟で相続した土地の売却にも対応し、地域相場を踏まえた査定や、換価分割を見据えたご提案など売却をサポートします。
ウスイホームでは、相続した土地の売却相談にも対応しており、必要に応じて司法書士や税理士など専門家への相談をご案内できます。
相続した土地の売却をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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兄弟で相続した土地は早めに売却方法を話し合いましょう

兄弟で相続した土地は、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4つの方法から状況に合った方法を選び、相続人全員で話し合って決めることが大切です。
売却する場合は、遺産分割協議や相続登記など、順番に手続きを進める必要があります。
また、「共有名義」にすると、将来の売却や相続で手続きが複雑になる可能性もあります。
まずは不動産会社などの査定を受けて土地の価値を把握し、客観的な価格をもとに分割方法や売却について話し合いを進めましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアで多くの方々の土地売却をサポートさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、土地の売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |