土地を売却する際に気になることの一つに、売却益にかかる税金があります。所得税や住民税、印紙税、登録免許税などの具体的な金額を知りたい方も多いのではないでしょうか。また、税金を抑えるための特例や控除が活用できるかどうかも重要なポイントです。
本記事では、1,000万円で土地を売却した際にかかる税金の計算方法を詳しく解説するとともに、節税のための特例や費用の確認方法についてもご紹介します。
土地を売却した際に、手元に残るお金を最大化するために、税金に関してしっかり把握しておきましょう。
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1,000万円の土地売却でかかる税金とは?
土地を売却した場合、譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別税)が課税されるほか、印紙税や登録免許税なども発生します。土地を1,000万円で売却した場合にかかる税金の概要を見ていきましょう。
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不動産売却編 あなたにかかる税金は~前編~【いっしょに不動産Vol.11】
不動産売却編 あなたにかかる税金は~後編~【いっしょに不動産Vol.12】
売却利益に対する所得税と消費税について
土地を売却した際、売却益(利益)を譲渡所得と呼び、譲渡所得税所得税が課税されます。また、譲渡所得税は売却する土地の所有期間に応じて税率が異なり、短期保有(5年以下)では税率が高く、長期保有(5年以上)は税率が下がります。売却時には、保有期間の確認を行いましょう。
一方、消費税は土地の売却価格にはかかりませんが、不動産会社に支払う仲介手数料や登記関連の手続き費用には消費税が課されます。総費用を計算する際にはこれらの消費税分も考慮が必要です。
その他かかる税金:印紙税と登録免許税
土地売却の売買契約書に貼る印紙が印紙税に当たります。印紙税は契約書の金額に応じて課税され、1,000万円の土地売却の場合、税額は10,000円です(2027年3月末までは軽減税率が適用され5,000円)。
また、売却に関連する手続きとして、抵当権の抹消や名義変更が必要な場合があり、登録免許税が発生します。抵当権抹消の登録免許税は、不動産1件につき1,000円程度です。名義変更の登録免許税は、一般的に買主が負担します。
1,000万円の土地売却時の税金の計算方法
1,000万円で土地を売却する際、税額を把握するためには、譲渡所得の計算が重要です。ここでは、具体的な計算方法や税率の適用、控除の活用について解説します。
【STEP 1】譲渡所得の計算方法
譲渡所得を計算するには、土地の売却価格から取得費や譲渡費用を差し引く必要があります。取得費とは何かから、取得費が明確でない場合の対処法や、計算に必要な書類についても把握しておきましょう。
譲渡所得税をシミュレーション
税金は、売買額ではなく譲渡所得と呼ばれる利益にかかります。まずは、譲渡所得の計算方法を確認しましょう。
譲渡所得は以下の計算式で求められます。 譲渡所得 = 売却価格 - 取得費- 譲渡費用 |
取得費は、購入した際の土地の代金とその取得にかかった費用(仲介手数料・印紙代・登録免許税など)を合算したものです。譲渡費用は売却時にかかる費用になります(仲介手数料・印紙代・登録免許税・測量費など)。
【内訳例】 ・売却価格:1,000万円 ・取得費:500万円(土地代金475万円 ・仲介手数料他25万円) ・譲渡費用:40.6万円(仲介手数料39.6万円・税込み、印紙 代1万円) 【計算例】 売却価格が1,000万円の場合の具体例を上記の計算式に当てはめます。 譲渡所得 = 1,000万円 -500万円 -40.6万円=459.4万円 |
1,000万円で、取得費が500万円のとき、譲渡所得は459.4万円となります。この譲渡所得を基に次の段階で税額を計算していきます。
取得費が不明な場合
代々受け継がれてきた土地や古い時期に購入した土地を相続したなどの場合には、書類がなく取得費が不明なケースも考えられます。その際は、売却価格の 5% を取得費として計上するルールが法令で定められています。
【内訳例】 ・売却価格:1,000万円 ・取得費(不明なため5%を計上):50万円 ・譲渡費用:40.6万円(仲介手数料39.6万円・税込み、印紙代1万円) 【計算例】 譲渡所得=1,000万円-50万円-36.5万円-1万円=912.5万円 |
実際の取得額が5%を超えている場合でも、契約書や領収書がない場合は5%での計算になるため、書類を探すことが重要になります。
【STEP 2】課税譲渡所得に対する税率適用
譲渡所得に対して、譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)が課税されます。譲渡所得税は所有期間により税率が異なるため、5年前後の保有期間の場合はしっかり確認が必要です。
所有期間による税率の違い ・短期(5年以下)の譲渡所得税率は39.63% (所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%) ・長期(5年超)の譲渡所得税率は20.315% ( 所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%) |
相続で取得した場合は、被相続人の所有期間を引き継げるため長期保有になることが多いでしょう。所有期間の違いは、税額に大きな影響を与えるため、売却時はもちろん、計算時にも注意が必要です。
【STEP 3】1,000万円の売却額の譲渡所得税と住民税の算出
譲渡所得税は、譲渡所得に適用される税率を掛けて算出します。次に、売却代金が1,000万円の場合の具体的な税額の計算方法を確認していきましょう。
譲渡所得税他をシミュレーション
【STEP 1】で算出した「売却代金が1,000万の譲渡所得」を基に、税額を計算してみましょう。
譲渡所得 | 税率 | 譲渡所得税 | |
---|---|---|---|
取得費500万円(短期保有) | 459.4万円 | 39.63% | 182.06万円 |
取得費500万円(長期保有) | 459.4万円 | 20.315% | 93.327万円 |
取得費が不明(長期保有) | 912.5万円 | 20.315% | 185.374万円 |
ケースにより、金額が倍近く異なるのがわかります。
特別控除を受けた場合のシミュレーション
不動産を売却した場合に活用できる、特別控除を適用した場合、税額が大幅に減少するケースをご紹介します。
たとえば、3,000万円の特別控除を適用すると、3,000万円までの譲渡所得の場合、税金はゼロになります。
計算例 譲渡所得:459.4万円 - 3,000万円 = 0 譲渡所得:913.5万円 - 3,000万円 = 0 |
このように、控除を活用することで税負担がなくなったり大幅に軽減されたりする可能性があります。
次の章では、特別控除の種類や概要について解説しますので、ぜひチェックしてください。
1,000万円の土地売却時は特別控除を活用して税金対策を
土地売却時には、特別控除を活用することで税金を大幅に減らし、手元に残るお金を最大化できます。これらの特例には適用条件や期限があるため、最新の情報を確認して計画的に進める必要があります。
相続した土地の売却に利用できる特例(空き家3,000万)
相続した空き家を売却する際に使えるのが、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。この控除を利用すると、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。ただし、土地だけを相続した場合には活用できません。要件に適合した空き家を相続し、更地にして売却する場合に適用が可能になります。
【主な要件】
・昭和56年5月31日以前に建築された住宅
・相続開始時点で被相続人が一人で居住していたこと
・耐震基準を満たした建物として売却するか、更地にして売却すること
・相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
【注意点】
更地にすると固定資産税が上がるため、更地にするタイミングに注意が必要です。
取得費加算の特例(相続から3年10か月以内)
土地を相続した際に支払った相続税を、売却時の取得費に加算できる「取得費加算の特例」があります。この特例を活用することで、譲渡所得を減らし支払う税金を軽減できます。
【主な要件】
・納付した相続税のうち、売却した土地に対応する税金のみ取得費に加算できる
・相続開始から3年10か月以内に土地を売却
・その財産(不動産)を取得した人に相続税が課税されていること
【注意点】
3年10か月の期限を過ぎると特例を利用できないため、売却計画を早めに立てることが重要です。
また、「3,000万円の空き家控除」との併用はできず、選択する必要があります。「居住用財産の3,000万円特別控除」との併用は可能です。
平成21年、22年購入の土地に適用できる1,000万特例
「平成21年・22年取得の土地に適用できる1,000万特例」は、リーマンショック後の景気対策として創設された特例です。この特例では、該当する土地の譲渡所得から1,000万円を控除でき、大きな節税効果があります。
【主な要件】
・平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地であること
・平成21年中に取得した土地を平成27年以降に売却、または平成22年中に取得した土地を平成28年以降に売却した場合に適用
・相続、遺贈、贈与などにより取得した土地等ではないこと
【注意点】
この特例は該当する土地を所有している場合に限られます。購入時期と売却時期を確認し、該当する場合は税務署や不動産会社に相談することをおすすめします。
居住用財産の3,000万円特別控除
「居住用財産の3,000万円特別控除」は、マイホームを売却する際に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。通常、この特例は家と土地に適用されますが、居住していた建物を取り壊して更地にして売却する場合にも利用が可能です。
【主な要件】
・売却する土地が、直前までまたは過去に居住していた家の敷地であること
・家屋を取り壊した場合、売却までに更地にしてから1年以内に譲渡すること
・居住しなくなった日から3年目の12月31日までに売却すること
・他の特例(買い換え特例など)を同時に利用しないこと
【注意点】
他の特例と併用できる場合とできない場合があるので、併用する場合は確認が必要です。
この特別控除を利用すると、その前後2年間は住宅ローン控除を利用できないため、どちらが得になるかを事前に検討しましょう。
土地売却で発生する税金以外の費用も要チェック
土地の売却時には税金以外にもさまざまな費用が発生します。これらの費用を事前に把握し準備しておくことで、手元に残る金額を正確に見積もれます。1,000万円の売却代金を想定しながら、主な費用を確認しましょう。
不動産仲介手数料
不動産仲介手数料は、土地を売却する際に不動産会社へ支払う費用です。仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、売却価格に応じて計算されます。
仲介手数料は以下の計算式で求められます。 仲介手数料=(売却価格 × 3% + 6万円)+ 消費税 売却価格が1,000万円の場合で計算してみましょう。 仲介手数料=1,000万円 × 3% + 6万円+ 3.6万円(消費税)=39.6万円 |
仲介手数料は、売却が成立したときにのみ支払う仕組みで、初期費用や途中での支払いは発生しません。
測量や解体など追加費用の確認
土地を売却する際には、測量や上屋の解体にかかる費用が発生するケースがあります。
測量費用は、土地の境界を明確にし、確定測量図を作成するために必要な費用です。すでに測量図がある場合は、作成の必要はありません。ない場合は、引き渡し日までに準備が必要です。
測量の範囲や土地の状況により費用が異なるため、30〜100万円程度と幅があります。
土地だけを売却する場合、建物が残っているケースでは、解体費用が発生します。
解体費用は建物の構造や規模によりますが、木造で坪4〜5万円、鉄筋コンクリート造では坪4〜8万円が目安です。解体後には整地費用もかかるため、見積もりを取り、全体の予算をしっかり把握することが重要になります。
埋設物の撤去にも注意が必要です。土地を整地した際に地中から古い配管やコンクリートなどが見つかる場合があり、その撤去費用が追加で発生するケースもあります。
また、 売却後に埋設物が発見された場合、損害賠償や契約解除になる可能性もあります。土の中の確認は難しいものの、専門家に相談するなど可能な限り確認しておくことが重要といえます。
税金はいつ払うか
土地を売却した際の譲渡所得税は、売却が完了した翌年の確定申告で申告し、納付します。確定申告期間は通常2月16日〜3月15日ですので、譲渡所得がある場合は忘れないように申告しましょう。所得税は確定申告時に納付し、住民税は5月末から6月ごろに市区町村から納付書が届きますので、分割または一括で納付します。
特別控除を適用後に税金がゼロになる場合も申告が必要ですので、注意しましょう。
申告に必要な書類には、売買契約書や取得費を証明する購入時の契約書など書類が必要です。また、譲渡費用の領収書などを事前に揃えておきましょう。不備があると申告が遅れ、追徴課税や延滞税が課されます。不明点があれば早めに不動産会社や税理士などの専門家に相談すると安心です。
1,000万円で土地を売却する際は税金も考慮しよう
土地を1,000万円で売却する際の譲渡所得税の計算の仕方を解説しました。手元に残る金額を最大化するためには、譲渡所得税の負担を減らすことが重要です。税金の仕組みを知り、特別控除の活用を検討しましょう。
取得費加算の特例や3,000万円特別控除などの特例が使えるかもしっかり確認しましょう。土地売却の成功には、税金や特例について正確に把握し、計画することが重要です。不動産会社や税理士に相談しアドバイスを活用して売却をスムーズに進めましょう。
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監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |