家購入は人生の中で大きなイベントの一つです。大きな喜びに包まれて新しい生活を始める友達や親・兄妹、子ども、会社の同僚へ、心のこもったお祝いを贈りましょう。
本記事では、家購入のお祝いで贈る金額について、友達、兄妹や親戚、親から子ども、子どもから親、会社の同僚という立場の違いごとに平均相場を紹介します。
お祝いとして贈るおすすめの品物やNGギフト、熨斗(のし)のマナー、お祝いのメッセージについても解説します。
また、家購入のお祝いを受け取った側の「お返し(内祝い)」におすすめの品物、文例やマナーについても紹介します。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
家購入のお祝い|贈るタイミングは?
家購入のお祝いを贈るタイミングは、新居に招かれたときに手渡しするか、引っ越しから1〜2カ月を目安に配送するのが理想です。
引っ越し直後は忙しいため、受け取る側が落ち着いた頃合いを見計らうことがポイントです。ただ、時間がたちすぎると、お祝いの気持ちが伝わりにくくなるため、あまり間をあけすぎないようにしましょう。
後から知った場合でも、知った時点で速やかにお祝いを贈れば問題ありません。手渡し時はもちろん、配送の場合もお祝いの言葉をカードや手紙で添えることで気持ちが伝わります。
家購入のお祝い|平均相場はどれくらい?
家購入で贈るお祝いは現金でお祝い金を贈る場合と、品物を贈るケースがあります。まずは、お祝い金を贈るケースから考えます。
家購入のお祝いの平均相場は、贈る相手との関係性によって変わるため、「友達」「兄妹や親戚」「親子」「会社関係」のケースごとに、一般的な相場の目安を見ていきましょう。
友達
友達への家購入のお祝いは、5,000〜10,000円が、一般的な相場とされています。
現金を贈るのは失礼かもしれないと気になる場合は言葉を添えましょう。例えば「いろいろ考えたけど、好みのものを選んでほしい」「ご家族が喜ぶものに使ってほしい」など伝えれば気持ちが伝わり喜ばれるでしょう。
兄弟 ・姉妹・親戚
兄弟・姉妹・親戚へ贈る家購入お祝いは「10,000〜30,000円」が、一般的な相場とされています。
ただし、お祝いを贈る側が「年上(例:伯父から甥っ子へのお祝い)」、「社会的な地位や立場がある」といった場合の相場は、30,000円〜50,000円が目安とされます。
過去にお祝いをもらったことがあれば、その金額を参考にするのも最適です。兄妹や親戚同士で、お祝いの金額を事前に相談し合わせておくのも得策でしょう。
子ども世帯(親から子どもへ)
親から子どもへ贈る家購入のお祝いは「50,000〜100,000円」が目安です。
注意点として、親から子どもへのお祝いは一般的な相場額よりも、これまでの家族の慣習や考え方、状況の方が優先される傾向があるため、家族によって異なることがあります。
例えば、子どもが結婚している場合は、パートナー側の親戚との兼ね合いに配慮する必要があります。
他には、家購入の資金援助的な意味合いで100万円などまとまったお祝いを贈るケースもあるでしょう。この場合は贈与税に関係してくるため、注意が必要です。
●贈与税はいくらから、かかる?● 2024年3月時点では、年間110万円であれば通常贈与税はかかりません。 また、住宅資金として援助することを考えている場合はお祝いとしてではなく、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与(2024年12月31日まで)」に関する非課税措置を利用することで、500万円等まとまった金額を非課税で贈与することができます。 注意点として、税法は条件によって適用の可否が変わったり、年度によって見直しや変更が行われたりするため、必ず事前に国税庁のHPなどで内容を確認することが必須です。 |
参考:
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
親世帯(子どもから親へ)
成人していても両親と同居しているようなケースでは、子どもから親に対してお祝い金を贈ることは少ないです。しかし、結婚して両親と別居しているケースでは、配偶者を含めた夫婦からのお祝いとして、「50,000〜100,000円」を目安としたお祝いを贈ることが多いです。
義両親の場合はパートナーと相談し、義両親の慣習や状況に適したお祝いを贈るのが最適です。
まとまった金額を用意できない場合は、レストランで食事会を開催するなどして、引っ越しで疲れた両親をねぎらうといった心遣いも喜ばれるでしょう。
どのような場合も、子どもという立場であることを意識し、無理のない範囲で両親が喜ぶお祝いを考えるのがポイントです。
会社関係は目上の人に注意・連名のケースも
会社関係の人に対する家購入のお祝いは、個人で贈る場合とグループで贈る場合で金額が異なります。
職場内の数名〜部署単位の連名でお祝いを贈る場合、1人当たりは3,000円前後が相場といえます。個人単位で贈る場合は、10,000円が目安となるでしょう。
注意が必要なのは、目上の人へ贈るお祝いです。目上の人へのお祝いに現金は失礼とする考えを持つ人がいるためです。このような懸念がある場合は、品物(ギフト)を贈る方が無難といえるでしょう。
家購入のお祝い|おすすめのギフト・NGギフトは?
次に、家購入のお祝いにふさわしいギフトを見ていきましょう。お祝いにNGな品物についても解説します。これらを知って、家購入のお祝いに心から喜ばれるギフトを選びましょう。
おすすめギフト
- カタログギフト
目上の人のお祝いなど、金額を高めに設定したいときにおすすめなのがカタログギフトです。相手の趣味や嗜好を考慮せずに贈れるため、贈る側の負担も軽減するでしょう。 - 時計
「長く時を刻む」「時が長く続く」というポジティブな意味合いから、家購入のお祝いにおすすめなのが、置時計です。 - シンプルで飽きがこないデザイン、電波時計など機能性が高い時計、クリスタルガラスの高級感がある時計など、小ぶりで趣味を選ばないデザインが好まれる傾向です。
- 高級なスイーツやお酒
家主の趣味や嗜好が分からない場合は、高級なスイーツ、紅白ワイン、食べ物のカタログギフトも◎。予算に合わせやすいため、贈る側も選びやすいメリットがあります。
遠方の親戚や友人に贈る場合は、その地域でしか購入できない高級なお菓子や果物なども良いでしょう。
- 鉢植えの花や観葉植物
鉢植えの植物は「長く根を張る」という意味合いから、家購入のお祝いに最適です。 - ただし、共働きで忙しい家庭など手入れが難しそうなケースでは、届いてそのまま飾れるアレンジメントフラワーがおすすめ。緑のスポンジに水をやるだけで維持できるので、手入れも簡単です。
NGギフト
家購入のお祝いで避けたいNGギフトは、「火事を連想させるもの」「新居に傷を付ける恐れがあるもの」が挙げられます。代表的な例は以下の通りです。
- キャンドル(火に関連する)
- 赤いインテリア(火を連想する)
- 額絵(趣味に違いが出やすい/壁に穴をあける必要がある)
- 床に敷く絨毯(踏みつけるという意味合いがある)
- 包丁(縁を切るという意味合いがある)
額絵をはじめとするNGギフトも、家主の趣味や希望に合っていれば喜ばれるギフトになるため贈るのに問題はありません。
外国の人に贈る場合は、その国の文化を調べることが必要です。例えば、中国では先ほどおすすめとして紹介した「置時計」はNGとされています。理由は中国語の発音で「死」に関連する言葉と発音が近いためです。
いずれの場合も、心配な場合は家主に事前に確認したり、品物を選んだ気持ちを伝えたりすることで、トラブルを避けることにつながるでしょう。
家購入のお祝い|ご祝儀袋 熨斗のマナー
家を購入した人へお祝いを贈る際に気を付けたいポイントとして、ご祝儀袋や品物につける熨斗(のし)のマナーがあります。ポイントを詳しく解説します。
家購入のお祝い 熨斗の結び方のマナー
家購入のお祝いで使う熨斗(のし)は「紅白の蝶結び(花結び/もろ縄結び)」を選ぶのが一般的です。
蝶結びはほどいても結びなおしができるため、「何度でもよいことが起こるように」という願いが込められています。
家購入のお祝い|熨斗(のし)の表書きのマナー
お祝いを贈る際の熨斗(のし)のマナーについて、「表書き」「氏名」に分けてそれぞれのマナーを解説します。
【表書き】
- 御新築祝/新築御祝 :新築の戸建て・マンション・店舗
- 御新居祝/御引越祝:中古の戸建て・マンション・店舗
- 御祝:共通
中古戸建ての場合は新築ではなく「御新居」「御引越」と記載するのがポイントです。新築か中古か分からない場合は、シンプルに「御祝」と記載しましょう。
【名前書き】
- 個人:フルネームを記載
- 夫婦:熨斗の中央に夫のフルネーム、左隣に妻の下の名前(フルネームでも可)を記載
- 連名(3名以内):熨斗の中央に目上の人の苗字(フルネームでも可)、左隣に他の人の苗字(フルネームでも可)を記載
- 連名(3名以上):熨斗の中央に代表者のフルネーム(苗字でも可)、左隣に「外一同」と記載。別紙に全員の氏名を書いて添える
- 会社:熨斗の中央に、役職名と代表者のフルネーム、右隣に株式会社を含む会社名を記載(役職名、会社名は代表者名より小さめに記載)
家購入のお祝い|贈るときのメッセージ
家購入のお祝いを贈る際には、短い文章でよいのでメッセージを添えましょう。直接手渡しする場合の口頭で伝えるメッセージの文例とポイント、郵便や配送する場合に添えたいメッセージの文例を紹介します。
手渡しするときのメッセージ
手渡しするときは、あまり深く考えすぎずシンプルに「おめでとう」のお祝いの気持ちを言葉にしましょう。
お祝いのメッセージ例
「ご新居完成(ご新居へのお引越し)、誠におめでとうございます。すばらしいご新居での生活が幸せいっぱいなものとなりますよう心より願っております。」
ポイントは「苦労」や「お金」に関する話題を避けることです。「新居をかまえるまでにはご苦労があったでしょうが、これからが楽しみですね」「お金が大変だったでしょうが、お幸せに」などです。つい言いたくなりそうな言葉ですが、余計なことにつながるためお祝いの言葉としては避けましょう。
遠方・配送でお祝いを贈る場合
遠方など家を訪ねずに配送するケースでも、お祝いと新居での幸せを願う言葉を添えることで、思いが伝わります。
お祝いのメッセージ例
「ご新居完成(ご新居への御引越)、誠におめでとうございます。新しい生活での、ご家族皆様の希望にあふれた笑顔が目に浮かぶようです。すばらしいご新居での生活が幸福に満ちたものになりますよう心よりお祈り申し上げます。」
親戚や友人など親しい間柄の場合は、「新しい家での生活は落ち着かれたでしょうか。いつか、すばらしいご新居を拝見させてくださいね。」といったメッセージをプラスしてもよいでしょう。
家購入のお祝い|お返しのマナー・ポイント
ここでは視点を変えて、家購入のお祝いを受け取った側の立場にたって、お祝いに対するお返しのマナーについて解説します。贈る側としても、今後の参考として目を通しておくとよいでしょう。
お返しは必要?平均相場は?
家購入のお祝いを受け取った場合、お返しをするのが一般的です。お返しの相場は受け取った金額や品物の1/3〜半額程度とされています。
お返しでは現金を避け、感謝の気持ちを形にした品物を贈るのがマナーです。新居の披露を兼ねて食事会に招く場合は、そこでのおもてなしでお返しとします。
注意する点は、目上の人へのお返し額です。
通常は、受け取った金額や品物の1/3以内の金額に抑えます。理由は、目上の人からのお祝いに対して半額以上で返すのは、自分が「同等」であることをアピールすることにつながり、失礼にあたるためです。
感謝の気持ちとともに「これからもご指導ください」といったメッセージを添えて、お礼の品を贈りましょう。
お返しのタイミングは?
お祝いを受け取ったら、お礼の言葉をすぐに伝えましょう。
配送の場合は受け取った当日〜その週末までに、電話やメッセージで感謝の言葉を伝えましょう。
お返しの品物を贈るタイミングは、お祝いを受け取ってから2カ月以内が目安です。
お祝いをいただいた人のリストを作っておくと、お礼の連絡やお返しに漏れが出にくくなり安心です。
お返しにおすすめのギフト
お返しには、感謝の気持ちを込めた「内祝い」としてお返しの品物を贈ります。
「高級なタオル」「高級なスイーツ」「高級なお酒」「高級なお肉」など、少し高級で実用的な商品が喜ばれます。
お祝いの金額が高額だった場合は、カタログギフトも考慮に入れるとよいでしょう。ただし、カタログギフトや商品券を贈ってくれた相手に対して同じようなもので返すのは、「贈り返す」という意味合いになるため避けるのが無難です。
この場合は「高級ブランドの食器」「高級ブランドの置時計」「高級な一輪挿し」など、邪魔になりにくい小ぶりで高級な品物でお返しするのがおすすめです。
お返し時のメッセージ
お返しの品物を贈るときに添えるメッセージは「お祝いをいただいたお礼」「新居での生活が落ち着いたこと」「今後もよろしくお願いします」という3つのポイントを漏らさず伝えましょう。
【お返しのメッセージ例】
「いつもご支援を賜りまして誠にありがとうございます。このたびは心温まるお祝いを頂戴しましたことに、深く御礼申し上げます。
新居での生活が一層うれしくなり(快適になり・楽しくなり)、〇〇様のお心遣いに家族一同、心より感謝しております。
新居での生活もようやく落ち着いてまいりました。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
心ばかりではございますが、内祝いをお送りいたします。
今後とも末永くお付き合い(ご指導)いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」
家購入のお祝いは心からの気持ちを込めて
家を購入した人へ贈るお祝いの金額相場、おすすめの品物、贈る際の文例やマナーと、お祝いを受け取った側のお返し(内祝い)のマナーやおすすめの品物、文例について紹介しました。
本記事を参考に、幸せを分かち合えるような心のこもったお祝い、お返し(内祝い)を贈り、これからのお付き合いや絆をさらに深めていきましょう。
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執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |