
リフォームを検討する際に、工事期間中の仮住まいや荷物の移動などは、できれば避けたいとお考えの方は多いといえます。自宅に住みながらリフォームができるのか、どのような工事に仮住まいが必要なのか、不安や疑問が出てくるのではないでしょうか。
そこで今回は、生活への影響を最小限に抑えたいとお考えの方に向けて、住みながら可能なリフォーム工事や注意点、費用相場、ストレスを減らす段取りのポイントを解説します。キッチンやトイレ、部屋の内装工事など具体的なケースを交えながら、住みながらリフォームを進めるための情報をお届けします。
住みながらリフォームはできる

住みながらのリフォームは可能です。ただし、工事の内容や規模によって向き・不向きがあります。たとえば、キッチンや浴室・トイレなどの水回り設備の交換や、壁紙や床などの内装リフォームの部分的な工事であれば、住みながら進められるケースがほとんどです。
一方で、家全体のリフォームやスケルトンリフォーム、耐震補強工事、大規模な間取り変更や配管を伴う工事などは、工期も長く生活への影響が大きいため、住みながらの施工は難しくなります。
住みながらのリフォームを検討する場合は、工事の範囲を確認し、生活に支障が出ない計画を立てることがポイントです。
住みながらリフォームできる範囲と難しいケース

住みながらリフォームが可能かどうかは、工事の内容や範囲によって決まります。ここでは、住みながらでも対応できる工事と、仮住まいや一時的な外泊が必要になるケースについて解説します。
住みながらリフォームしやすい工事
住みながらでも、進められるリフォームには、以下のような工事があります。
・内装リフォーム(壁紙・床・天井)
部屋ごとに作業を進めることが可能です。作業中の部屋は使えませんが、基本的に荷物の移動だけで対応できます。住みながらの施工に向いています。
・部分的なキッチン・トイレ・浴室リフォーム
水回りのリフォームは、それぞれ単体の取替工事であれば、半日~3日程度です。最も困るのはトイレかもしれませんが、工事が長引く場合は、仮設トイレの設置などで対応が可能です。
・外壁・屋根・外構リフォーム
作業は屋外で行われるため、室内生活への支障が少なく、居住を続けながら進められるリフォームです。
・戸建ての一部(例:1階のみ)をリフォーム
リフォームの内容によりますが、2階で生活空間が確保できる場合は、そこで過ごすことで、工事中も自宅で生活ができる可能性は高いといえます。
工事の範囲や、期間、工事内容によっては、住みながらでもリフォームが行えます。
住みながらリフォームが難しい工事
住みながらのリフォームが難しい工事には、以下のようなケースがあります。
・スケルトンリフォーム(フルリノベーション)
建物の骨組みだけを残して壁や水回りも解体します。居住スペースがなくなるため、仮住まいが必要です。
・家全体の間取り変更
構造変更を伴う場合は、壁の解体をするため、生活スペースの確保が難しいといえます。住みながらの工事はほぼ不可能です。
・水回りの大規模リフォーム
配管工事や場所の変更を伴うキッチン、浴室、トイレなど水回り全体のリフォーム工事は、数日間、水が使用できなくなるケースがあります。生活に支障が出るため、住みながらの対応が難しい場合が多いといえます。ただし、水回り全体のリフォームでも配管工事がない設備の取り替えなどの場合は、その日の工事が終わった後は、水が使える可能性があります。
これらの工事では、騒音・ホコリ・振動を伴うため、大きなストレスを感じることもあります。事前に、仮住まいの手配などを検討する必要があります。
住みながらリフォームの費用と相場

住みながらリフォームを行う場合、養生費や工期延長による追加費用が発生する場合があります。工事内容別の費用相場や、コストに影響するポイントを見ていきます。
リフォーム費用相場
住みながらのリフォームでは、通常の工事費に加えて、追加コストがかかる場合があります。生活するスペースを確保しながら工事を進めるため、生活場所を保護するための養生をしなくてはなりません。そのため、工期が延びて人件費が増え、総額が高くなる可能性が出てきます。
以下に、主なリフォーム内容ごとの一般的な費用相場をまとめました。
リフォーム内容 | 相場 |
キッチンリフォーム | 約50万~150万円 |
浴室リフォーム | 約100万円前後 |
トイレリフォーム | 15万~50万円程度 |
内装リフォーム(壁紙と床張り替え) | 約10万~30万円(6~8畳の一部屋) |
フルリフォーム(スケルトンリノベーション) | 約500万~2,000万円 |
住みながら工事を行う場合は、上記に、追加費用がかかりますので、費用がかさむ可能性があることを念頭に置いておきましょう。事前に、見積もりで費用をしっかり確認することが重要です。
費用を左右するポイント
住みながらのリフォームは、仮住まいと引っ越しが不要なため、その分の費用を抑えられるのが利点です。しかし、工事費用そのものは、使用する設備や材料のグレードによって大きく変わります。
たとえば、システムキッチンや浴室の設備をハイグレードにすると費用は跳ね上がりますし、内装材もデザイン性や機能性によって価格が異なります。費用を抑えたい場合は、設備などを選ぶ際にコストを意識しながら選ぶことが大切です。
また、同じ工事を依頼したとしても、リフォーム業者ごとに内容やスケジュール、対応範囲に差があります。適正な価格と信頼できる業者を見極めるためには、複数の業者に相見積もりを取り、内容をしっかり比較検討することが重要です。費用を左右するポイントを理解し、納得できるリフォームを進めましょう。
住みながらリフォームのメリット・デメリット

住みながらのリフォームには、費用を抑えられるメリットがある一方で、生活への影響やストレスといったデメリットもあります。ここからは、住みながらリフォームのメリット・デメリットについて解説します。
メリットは費用と安心感
住みながらリフォームをする最大のメリットは、仮住まいの費用を抑えられることです。とくにファミリー世帯では、一時的とはいえ家族全員が引っ越さなくてはなりません。仮住まい探しや引っ越しは費用的にも精神的にも大きな負担になるため、自宅に住み続けることは大きな安心につながります。
また、工事の進行を自分の目で確認できるため、完了時の納得度も高くなります。現場で職人と直接話ができることで、細かな要望を伝えることも可能です。さらに、子どもや高齢の家族の通学・通院など、日々の生活ペースを崩さずに済むことも、住みながらのリフォームの魅力のひとつです。
住みながらリフォームは、費用面・心理面の両方で安心感があるのがメリットといえるでしょう。
デメリットはストレスと工事期間
家族が居住している家のリフォームでは、昼間は、工事をする横で生活をすることになり、家族にストレスがかかります。まず、あげられる原因は「騒音とホコリ」です。工事中は、ドリル音や振動の発生があり、ホコリが立ちます。小さな子どもやアレルギーの方には負担になる可能性が高いといえるでしょう。
また、生活空間を確保しながらの施工では、工事を数か所並行して行えないケースがあり、通常よりも工期が長引く傾向があります。その間、業者の出入りがあるため、プライバシーが保ちにくいかもしれません。
キッチン・浴室・トイレなど水回りのリフォーム期間中は、それぞれが使えなくなります。代替手段に、コインランドリーや近隣の銭湯を利用するなどの工夫が必要になる点も、住みながらリフォームのデメリットといえるでしょう。
住みながらリフォームの工事期間の目安

住みながらリフォームを進める際は、事前に工事スケジュールをしっかり確認しておきましょう。どの部屋がいつ使えなくなるのか、水回りがいつからいつまで使用不可になるのかを把握することで、準備を整えられます。工期は、内容や広さによっても異なりますが、以下に一般的な日数をまとめました。
リフォーム箇所 | 工期目安 |
キッチン | 2~7日 |
浴室 ユニットバス全体の交換 | 3~5日(在来工法からユニットバスは7日前後) |
トイレ | 半日~1日(位置変更の場合は3~7日) |
内装(壁紙) | 1~2日 |
内装(床張り替え) | 3日前後 |
屋根・外壁リフォーム | 2~4週間(面積・工事内容により異なる) |
外構 玄関 | 1日~2週間(玄関・塀・フェンスなど) |
工事のスケジュールを把握した柔軟な対応が、住みながらのリフォームをスムーズに進めるカギとなります。
住みながらリフォームする際の注意点

住みながらリフォームでは、事前の準備と段取りが生活のしやすさに直結します。生活のストレスを軽減しながらリフォームを進めるために、以下をしっかり計画しましょう。
・使えない部屋や水回りがある期間の工夫
生活に支障が出そうな日は、一時的にホテルや実家などへ外泊するという方法もあります。
・家具や荷物の整理・移動
工事期間中に家具や荷物を頻繁に移動させるのが手間になる場合は、使わない家具や荷物は事前に片付けておくのが理想的です。レンタル納戸やトランクルームの活用や、物置自体をレンタルして庭に設置すれば、収納スペースが確保しやすくなります。
・水回りの代替手段を準備
トイレや浴室のリフォーム時には、使えない日が出るため、近くの銭湯やトイレが使える箇所のチェックをしておくと安心です。トイレの工期が数日にわたる場合は、仮設トイレの設置を検討しましょう。
計画的に準備を進め、住みながらリフォームの環境を整えていきましょう。
住みながらリフォームする際の困りごとと対策

リフォーム工事中は、普段の生活とは異なる環境になり、「困りごと」が発生しやすくなります。予測されるものには、事前に対策を講じておきましょう。
・騒音・振動・ホコリへの対応
工事中は音や粉じん、ホコリが発生する可能性があります。影響を受けるのは家族だけではありません。近隣への挨拶も事前に行いましょう。とくにマンションでは、予測していない離れた部屋で、音が大きく響くこともあるため注意が必要です。挨拶や説明を代行してくれるリフォーム業者もあるため、見積もり時に相談しましょう。
・プライバシーの確保
工事中は業者の出入りが頻繁になります。在宅ワーク中や小さなお子様がいる家庭では、静かなスペースの確保に努めましょう。また、貴重品は必ず鍵のかかる場所に保管するか、持ち出しておくことが安心です。
・ペットの居場所問題
騒音や人の出入りに敏感なペットには大きなストレスがかかります。短期間であればペットホテルや知人に預けるなど、ペットにとって安全な場所を確保しておきましょう。対策を事前に取ることで、安心して住みながらリフォームを進めることが可能になります。
住みながらリフォームが難しい場合の対策

耐震工事やスケルトンリフォームなど、工事の規模が大きかったり、家全体を一度に解体したりといった場合は、住みながらの施工が難しいといえます。住み続けることにこだわるより、仮住まいや、外泊を計画しましょう。
数か月にわたる工事では、賃貸を借りて家具や荷物ごと引っ越すという方法が、最もストレスがないでしょう。短期間であれば、一時的に実家や短期賃貸マンションなどを利用することで、生活のストレスを大幅に軽減できます。水回りが数日使用できない場合などに有効な方法といえます。
工程や工期を確認する際に、作業音が出る期間のチェックもしておきましょう。必要に応じて滞在計画を立てると安心です。住みながらのリフォームが難しい場合は、柔軟に対応することで、スムーズに工事を進められます。
住みながらリフォームのご相談はウスイホームへ

住みながらのリフォームをご検討中の方は、ぜひウスイホームにご相談ください。1976年創業以来、横浜・湘南・横須賀エリアに根ざした地域密着型のサービスで、多くのお客様の住まいづくりをお手伝いしてきました。住みながらリフォームが可能かどうかの判断や、工事工程の工夫、仮住まいの物件探しまで、的確なサポートをいたします。
「まずは、どのような感じになるか話を聞いてみたい」という方も大歓迎です。お住まいに関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
▼横須賀・湘南・横浜エリアで住みながらのリフォームについてのご相談はこちら▼
横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム
工事の規模とライフスタイルに合わせたリフォーム計画を立てよう

住みながらのリフォームは、工事の進行に合わせて計画を立てることで、無理なく実現できるケースが多いものです。部分的な設備交換や水回りのリフォーム、内装の変更など、多少の不便は伴うものの、住みながらの施工が可能です。一方で、スケルトンリフォームや間取り変更、耐震工事の場合には、仮住まいの検討が現実的です。
工事業者との丁寧な打ち合わせと事前準備で、リフォームをスムーズに進められます。困りごとに対する対策を早めに講じ、暮らしに無理のないリフォーム計画を立てていきましょう。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |