
屋根は住まいを守る大切な部分ですが、見えない場所のため気づかないうちに劣化が進んでいるかもしれません。屋根は10年前後を目安にメンテナンスの必要があります。しかし、「リフォームが必要なのかわからない」「費用の予測ができない」というのが実のところではないでしょうか。
本記事では、屋根リフォームの種類や費用相場、適切なタイミングについて解説します。さらに、屋根リフォームを成功させるためのポイントや、補助金についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みいただき適切な屋根リフォームを行うためにお役立てください。
屋根のリフォーム工事の種類

屋根のリフォームには、劣化の程度や目的に応じて3つの工法があります。1つ目は「屋根塗装」、2つ目は「既存の屋根を覆うカバー工法」、3つ目は「全面的に葺き替える方法」です。それぞれに特徴と費用が異なります。各リフォームについて詳しく見ていきましょう。
屋根塗装
屋根塗装は、屋根材を保護するためのリフォーム方法です。一般的に屋根材は7~15年で劣化します。屋根の塗装がはがれると防水性能が低下し、雨漏りや下地(野地板など)の腐食のリスクが高まります。適切なタイミングで塗装を行うことで、屋根を長持ちさせられるのです。
屋根塗装のメリット
- 紫外線や雨風から屋根を守り屋根の耐久性を向上させる
- 色あせた屋根を塗り替え美観をアップさせる
- 遮熱・断熱塗料を使用することで、夏の暑さを軽減できる
屋根塗装のデメリット
- 雨漏りや屋根が腐食している場合には塗装だけでは対応できない
塗料の種類と特徴
塗料には種類があり、それぞれ価格や耐久性が異なります。安い塗料を使えば全体の費用は下がりますが、次回のメンテナンスまでの期間が短くなります。
塗料の種類 | 価格 | 耐久年数 |
アクリル | 安価 | 8年程度 |
ウレタン | 安め | 7~10年 |
シリコン | 中程度 | 10~15年 |
フッ素 | 高め | 12~20年 |
無機 | 高価 | 15~20年 |
屋根塗装を検討する際は、耐久性や予算、次回の塗装までの期間を考慮し、適切な塗料を選べるよう、リフォーム会社に相談しましょう。
屋根カバー工法(重ね葺き)
屋根カバー工法(重ね葺き)は、今ある屋根を撤去せず、その上に新しい屋根を重ねるリフォーム方法です。新築から20~30年が経過し、屋根の表面が劣化してきた場合に行われます。
屋根カバー工法のメリット
- 既存の屋根を撤去しないため、工事期間が短縮され廃材も出ない
- 二重構造になることで、断熱性や防音性がアップ
屋根カバー工法のデメリット
- 既存の屋根の上に屋根を重ねるため、屋根が重くなり耐震性への影響が懸念される
- 屋根の下地が劣化している場合は、「葺き替え工法」で下地を取り換える必要がある
屋根カバー工法は、比較的費用を抑えながら屋根の耐久性を高められます。まずは、屋根の状態を確認することが大切です。
屋根葺き替え
屋根の葺き替えは、古い屋根材や下地をすべて撤去し、新しい屋根を張り替えるリフォーム方法です。多くの場合、新築から20~30年以上が経過し、屋根全体の劣化が進んでいる場合に検討されます。
屋根葺き替えのメリット
- 下地まで新しくするため、耐久性・防水性が向上し雨漏りなどの問題が解決しやすい
- 素材を変更した場合は、家の外観イメージを一新できる
- 軽い屋根材を選ぶことで、耐震性を向上できる
屋根葺き替えのデメリット
- 屋根材の撤去を行い新しく作り直すため費用が高い
- 撤去作業があるため、工事期間が長くなる
他の工法に比べ、屋根葺き替えは費用と工期がかかりますが、新しくなることで耐久性が向上します。雨漏りや、屋根の腐食など劣化が激しい場合や、耐震性を高めたい場合に検討したい工法です。
屋根の部分補修
屋根全体ではなく、リフォームで部分的な補修をするケースもあります。よくある補修の費用相場は下記になります。
部分補修 | 費用 |
屋根棟の修理 | 6万〜20万円 (釘・貫板・棟板金の交換でそれぞれ費用が異なる) |
雨漏りの修理 | 数万円~150万円(原因により、部分修理~屋根の交換が考えられる) |
瓦のズレ・割れの部分補修 | 5万円~ |
瓦屋根の漆喰の補修 | 8万円~30万円(「詰め増し」か「詰め直し」かによっても異なる) |
【注意】いずれの場合も状況・範囲により費用が異なります。足場代は別途かかります。
部分補修のメリット
- 費用を抑えて、短期で工事ができる
部分補修のデメリット
- 屋根の下地の腐食や範囲の劣化には対応できない
屋根のリフォームの工事費用相場

屋根リフォームの費用は、屋根の広さや使用する材料によって大きく異なります。ここでは、代表的なリフォーム方法ごとに目安となる相場を紹介します。
工法 | 費用 |
屋根塗装 | 40万~80万円(塗料の種類や屋根の広さによる) |
屋根カバー工法(重ね葺き) | 80万~200万円(使用する屋根材による) |
屋根葺き替え | 60万~250万円(屋根材による) |
雨漏り補修 | 3万~50万円(範囲や補修方法による) |
破損の修理 | 数万円~数十万円(修理内容や範囲による) |
リフォームの費用は、状態によっても変動します。塗装が適切か、カバー工法が適切かなど、まずは専門業者に、状態の確認と見積もりを依頼しましょう。
費用に影響を与える要素は広さや屋根材
屋根リフォームの費用は、さまざまな要素によって決まります。ここでは、費用に大きな影響を与えるポイントを確認しましょう。
要素 | 内容 |
屋根の面積 | 屋根が広いほど必要な材料が増え、施工時間もかかるため人件費も高くなる |
屋根材の種類 | スレート屋根:比較的安価で、耐久性は15~20年ガルバリウム鋼板:価格は中程度、軽量で耐久性は約20~40年日本瓦屋根:費用は高めで、耐久性が高く約50年 |
足場代 | 屋根工事では足場を組む必要があり、階数によって足場代は変わる。10万~30万円程度の費用が必要 |
地域性・立地 | 都市部では人件費が高くなる傾向がある |
屋根リフォームにかかるその他の費用
屋根リフォームでは、材料や工事費の他に発生する費用があります。後から追加の費用が発生しないように、見積もりの際に費用を確認しましょう。
屋根の廃材の処分費用
屋根の葺き替え工事をした場合は、古い屋根材の撤去・処分費用が必要です。30坪の住宅の屋根の処分費用で約30万円~となります。
工事後の保証
見積もり時に、工事後の保証の有無を確認しておきましょう。保証が不安な場合は、「リフォーム瑕疵保険」に加入してもらうのも一つの方法です。発注者が施工事業者に依頼して業者が保険に加入します。保険料は発注者が支払うことが多いようです。
これらの費用も事前にチェックし、リフォームの費用を正しく把握することが大切です。
屋根のリフォームをするタイミング

屋根は日々、紫外線や雨風にさらされており、徐々に劣化していきます。屋根の劣化を予測し劣化サインに気が付いたら、早めにリフォームを行いましょう。
屋根の劣化サイン
屋根の劣化は、見た目の変化として現れます。早めに異常を発見することが屋根を長持ちさせるポイントになります。以下のような劣化に気づいたら、早めに屋根のリフォーム業者に相談が必要です。
屋根材 | 劣化のサイン |
瓦屋根 | 棟(屋根の頂部)の歪み、瓦の割れやズレ、瓦を固定している漆喰の破損 |
スレート屋根 | 釘の浮きやサビ、色あせやコケ・カビの発生、かけ・割れ |
金属屋根 | 屋根材の浮きやはがれ、傷・サビの発生、色あせ |
その他 | 雨どいのつまり、変形、破損 軒天(軒の裏側)の変色・変形、はがれ |
屋根リフォームの推奨時期
屋根材は種類によって耐久性が異なるため、リフォーム時期を予測してメンテナンスを行うことがポイントです。一般的な屋根材ごとのリフォームの目安を確認しましょう。
スレート屋根(10~15年)
10年前後で色あせやひび割れが発生しやすくなり、徐々に劣化が激しくなる、早めのリフォームがおすすめ
瓦屋根(15~20年)
瓦自体は長持ちするが、固定している漆喰や棟瓦が劣化するため、定期的な補修メンテナンスが必要
ガルバリウム鋼板屋根(15~20年)
耐久性は高いが、塗装などのメンテナンスが必要。20年を超えるとサビや塗装の劣化が進む。海沿いの住宅では、とくに早めのメンテナンスを。
屋根を適切な時期にリフォームを行うことで、家全体の耐久性を維持できます。
季節ごとの施工の注意点
一般的に屋根のリフォームは、 春・秋がベストシーズンといわれますが、時期は決めつけずに、業者と相談して最適な時期を選ぶことをおすすめします。これは、屋根の状態や地域の気候によって、最適な施工時期が異なるためです。
冬は、雪が多い地域では施工が難しく、寒冷地では塗料が乾燥しにくいため、工事が長くなることもあります。また、 梅雨・秋の長雨には注意が必要です。梅雨時期は雨が多く、秋は10月頃に雨が続く時期があります。
リフォームの緊急度や地域の天候の特性を考慮しながら、適切なタイミングで工事を進めましょう。
屋根リフォームを成功させるためのポイント

屋根リフォームは高額な工事です。後悔しないためのポイントをしっかり押さえることが大切です。信頼できる業者選びや適正価格の見極め、補助金は使えるかなど、リフォームのための具体的な方法を見ていきましょう。
信頼できる業者を選ぶ
屋根リフォームの成功には、信頼できる業者選びが非常に重要です。以下のポイントをチェックし、安心して依頼できる業者を見極めましょう。
- 豊富な施工実績があるか:公式サイトなどで、リフォームの施工事例の写真を確認
- 保証・アフターサービス:工事後の保証期間、点検やアフターサービスの有無、充実度を確認
- 補助金や保険の活用の知識:補助金や保険を使う場合は、提出資料の知識はあるか
- 口コミ・評判をチェック:インターネットサイトや地元の評判を確認する
- 丁寧な対応か:説明がわかりやすく、質問に丁寧に回答してくれるか
これらのポイントを意識して業者を選びましょう。
3社から見積もりを取る
屋根リフォームを検討する際は、3社程度から相見積もりを取ることをおすすめします。複数の見積もりを比較することで、適正価格を理解でき、高額な請求を避けられます。見積もりを比較する際は以下をチェックしましょう。
まずは、「一式」ではなく、項目別に詳細が記載されているかを確認します。 使用する塗料や屋根材の種類、グレードが記載されていれば、耐久性や費用が理解しやすい見積もりになっています。 何の工事にどれくらいの費用がかかるのかを理解し比較する材料にできます。
また、適切な足場代が見積もりに含まれているかは、追加の請求を防ぐためにも確認が必要です。 施工費用以外の「諸経費」の内訳が明確かどうかも重要なポイントです。
複数の業者の見積もりを比較すれば、施工内容やサービスの質、業者の丁寧さも見極めやすくなります。見積もりは不明点を質問して、慎重に検討しましょう。
補助金・助成金を活用する
インターネット広告で「屋根塗装の補助金がもらえる」というものを目にしたことがあるかもしれません。しかし、全国的な補助制度はほとんどないのが実情です。稀にですが、実施している市町村がありますので、居住地の役所に問い合わせるのが確実です。
屋根の葺き替えでは、家全体もリフォームするケースで、耐震リフォームや省エネリフォームが、活用できる場合があります。業者を選ぶ際に相談してみましょう。
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屋根の塗装やリフォームをご検討中であれば、ウスイホームにお任せください。 1976年の創業以来、横浜・湘南・横須賀エリアで、地域に密着したリフォーム・リノベーションを手がけてきた豊富な実績があります。 長年の経験と確かな技術で、お客様のお住いの屋根を調査し、適切な屋根リフォームをご提案いたします。
家を長く良い状態で保つためにも屋根のメンテナンスは重要です。劣化が気になるケースや、リフォームの費用・工法について相談したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、お待ちしております。
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横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム
屋根のリフォームで家を長持ちさせよう

屋根リフォームは、家を守り、長持ちさせるために欠かせない重要な工事です。適切なタイミングと費用で屋根をリフォームできるように、ポイントを解説しました。
費用はリフォームの種類や工法、材料価格によって異なります。事前に相場を把握し、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、適正価格での施工が可能です。
信頼できる業者を選び、最適な屋根リフォームを行うことで、住まいの耐久性を高めていきましょう。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |