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【2025年版】床下断熱リフォームの費用・工法・補助金について|断熱材や施工後の効果も解説

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「冬になると床からの冷えがつらい」「暖房をつけてもなかなか部屋が暖まらない」といったお悩みに効果的なリフォームが床下断熱です。床下に断熱材を入れることで、床下からの冷えを室内に寄せ付けず、足元からの冷えを防ぎます。

そこで今回は、床下断熱リフォームの費用相場や工法の種類、費用負担を軽くしてくれる補助金など、暮らしやすい住宅を実現するための知識をわかりやすく解説します。

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床下断熱のリフォームにかかる費用相場

床下断熱リフォームを検討する際、気になるのが費用です。まずは、床下断熱の費用相場や内訳、費用に影響する要因について解説します。

床下断熱の費用相場はどれくらい?

床下断熱リフォームの費用は、施工方法や住宅の状態、使用する断熱材の種類によって異なります。一般的には、1平方メートルあたり約4,000円〜10,000円程度が相場です。以下に、施工方法ごとの費用目安をまとめました。

張り付け工法
断熱材を床下から直接張り付ける方法で、1平方メートルあたり約4,000〜5,000円程度と比較的安価。
吹き付け工法
発泡ウレタンを床下に吹き付ける方法で、1平方メートルあたり約8,000〜10,000円と費用はやや高め。
床材を剥がして行う施工
床を一度解体して部屋側から断熱材を施工する方法で、下記の工程を伴うため高額になります。20坪の家を想定すると、約110万からが相場になります。
1. 既存の床材の撤去費用(約20万円~)
2. 新しい床材の材料費と施工費(約70万円~)
3. 断熱材の費用と施工費(約20万円~)

部屋側からの施工はフルリフォームや床の張り替えリフォームの際に行われることが多く、一般的には、貼り付け工法か吹き付け工法による施工です。

床下断熱リフォームの費用は、使用する断熱材の種類や住宅の築年数、床下の高さや作業しやすさなどにも左右されるため、まずは現地調査をしてもらい正確な見積もりを取ることが大切です。

費用に影響する主な要因

床下断熱リフォームの費用は、住宅の状態や施工条件によって変動します。施工費用に影響を与える主なポイントは以下になります。

・断熱材の種類と性能
ウレタンフォームは吹付して発泡させるため密閉性が高く高性能な分、費用が高めです。グラスウールは比較的安価ですが、施工に手間がかかるケースがあります。

・床下の状態
床下に湿気が多く結露やカビが発生している場合や、シロアリ被害があるというケースでは、断熱工事前に補修や防虫対策をするため、追加費用が発生します。

・施工面積と工事の難易度
施工面積が広くなるほど、費用は高くなります。また、床下が低い場合や、配管が多いなど施工に手間がかかる場合は、費用が高くなるケースもあります。

施工前には現地調査と見積もりを依頼して、使用断熱材や工法を業者と相談しましょう。

床下断熱工事はDIYできるか

コスト削減のために、DIYで床下断熱工事を行えるかを検討する方がいるかもしれませんが、おすすめできません。

たとえば、グラスウールを貼り付ける場合を考えてみましょう。狭い空間での採寸・カットした断熱材の運び込み・取り付け(タッカーを使用)といった作業を床下に寝転んで行うため、非常に体力を使います。

また、壁に対して気流を止めるための断熱材の設置など、住宅の構造に関する知識も必要で、床下の湿気や劣化の状態により、修繕も必要です。

無理をせず、まずは専門業者に相談し、見積もりを取ることをおすすめします。

床下断熱リフォーム依頼の流れ

床下断熱リフォームを依頼する際の一般的な流れは以下のとおりです。

1.相談・見積もり依頼:業者に相談し、見積もりを依頼(通常無料)
2.現地調査と正式見積もり:業者が床下の状態を調査し、数日後に見積もりが届く
3.契約・施工日の調整:内容に納得できたら契約し、工事日を決定(契約時に支払い条件を確認する)
4.施工開始:工事は一般的に数日で完了
※貼り付け工法・吹き付け工法の施工は床下からのため、住みながらの工事が可能

床下断熱のリフォームに活用できる補助金

床下断熱リフォームでは、一定の条件を満たせば国や自治体の補助金制度を活用できる場合があります。ここでは、活用できる補助金である「子育てグリーン住宅支援事業」の内容を見ていきましょう。

2025年対応の補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」

2025年に床下断熱リフォームを検討している方に、確認をおすすめするのが、「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金制度です。「子育て」とついていますが、子どもがいない世帯でも申請でき、条件を満たすリフォームに補助金が支給されます。必ず計画段階で条件などを確認しましょう(2024年とは条件が異なっているため注意)。

この補助金では、指定された「3つの必須工事カテゴリー」のうち、2つの省エネリフォームを行う必要があります。

 ①~③のうち2つを行うと上限40万円、3つを行うと上限60万円の補助に申請ができます。
なお、床断熱への補助金は、最大105,000円です。

区分カテゴリー要件
必須
工事
①開口部の断熱改修(窓・扉)2つ以上のカテゴリーの必須工事
※2つ以上を行った場合のみ補助対象(※同一カテゴリーの工事を複数行っても1つと数えます)
②躯体の断熱改修(断熱工事はここ)
③エコ住宅設備の設置(給湯器・節水トイレなど)

引用:対象要件の詳細【リフォーム】|子育てグリーン住宅支援事業【公式】

必須工事の他に、子育て対応改修など5つの任意改修区分もあります。リフォームをする場合は、一緒に行えるものを確認してみましょう。

注意点としては、申請条件を満たす工事であることと、事務局に登録をしているリフォーム業者に工事を依頼する必要があります。

また、自治体でも、床断熱リフォームに補助金制度を設けているところがあります。居住自治体のサイトなどで確認がおすすめです。

補助金を活用した賢いリフォームのために行うこと

床下断熱リフォームに補助金を活用するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 無料相談・見積もりの際に補助金が使えるか確認
  • 補助金の申請に詳しい業者を選ぶ
  • 補助金によってはその補助金の登録業者であることが条件の場合もある

早めに補助金が活用できるとわかれば、予算に余裕が持てるでしょう。そして、多くの補助金は、申請を業者が代行する仕組みです。補助金制度に詳しい業者に依頼することで、安心して任せられます。

床下断熱のリフォーム方法/工法

床下断熱リフォームには、住宅の構造や施工のしやすさに応じて選べる3つの工法があります。それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。

床下から断熱材を敷き詰める(充填工法)

床下の根太(ねだ)と呼ばれる木材の間に、断熱材を敷き詰める充填工法は、多く利用される施工方法の1つです。以下のような特徴があります。

メリット・施工方法が比較的シンプルで、コストを抑えやすい
・床下工事のため、住みながらの工事が基本
デメリット・隙間ができる場合があり、そこから冷気が入り込むリスクがある
・断熱材を敷き詰める精度が性能に大きく影響するため技術が必要

コストと施工の手軽さを重視する場合に適した工法といえます。高い断熱性能を希望する場合は、吹き付け工法との比較を行いましょう。

床下から断熱材を吹き付ける(ウレタンフォーム)

ウレタンフォームなどの発泡断熱材を床裏に直接吹き付ける工法は、気密性・断熱性の高さが特長です。

メリット・細かい隙間も埋めるため、高い気密性と断熱性能を確保できる 
・床下の形状が複雑な住宅でも施工が可能
デメリット・費用はやや高めで、充填工法よりもコストがかかる
・一度施工すると撤去が難しい

寒冷地など気密性を重視したい住宅に最適ですが、施工業者の技術力が仕上がりを左右します。

室内側から床を剥がして断熱材を入れる

室内側から床材を剥がして断熱材を敷き詰め、再度床を貼る施工方法です。床の張り替えなどのリフォームと同時に行うのが理想で、以下の特徴があります。

メリット・断熱材を均一に敷けるため、断熱効果が高く、仕上がりがきれい
・床下の状況を確認しやすく、補修もしやすい
デメリット・工期が長くなる、費用は最も高い
・家具の移動や仮住まいが必要になる場合もある

床リフォームを検討している際におすすめの工法です。

床下断熱リフォームで使われる断熱材の種類

床下断熱リフォームでは、施工方法に応じてさまざまな断熱材が使用されます。主に使われる発泡プラスチック系と繊維系の断熱材の特徴や選ぶ際のポイントを解説します。

発泡プラスチック系断熱材と繊維系断熱材

床下断熱で使用される断熱材には、大きく分けて発泡プラスチック系と繊維系の2種類があります。それぞれの特徴を理解して、適切な素材を選びましょう。

 素材名特徴
発泡プラスチック系硬質ウレタンフォーム断熱性・気密性・耐衝撃性に優れ、吹き付け施工にも対応
押出法ポリスチレンフォーム強度と防湿性、断熱性に優れ、床下にも多く使用される(ボード状)
ビーズ法ポリスチレンフォームコストを抑えつつ断熱性も確保できる(発泡スチロール)
フェノールフォーム 高い断熱性能、防湿性を持つが価格はやや高め
繊維系グラスウール安価で施工実績が多いが、経年劣化が起こりやすい
ロックウール耐火性が高い、グラスウールより重く曲げにくい
セルロースファイバー防音効果がある、エコ素材(原料は古紙)だが、高い

断熱材を選ぶ際のポイント

断熱材を選ぶ際は、断熱性能だけでなく以下にあげる実用面のポイントも重視しましょう。

  • 湿気や結露に強いか:床下は湿気がこもりやすい
  • 施工性は高いか:しっかり気密させるために施工のしやすさは重要
  • 耐久性・メンテナンス性:交換の手間やコストを押さえられる
  • 価格と性能のバランス:予算に合うコストパフォーマンスの高い素材を選ぶ

床下断熱リフォームで得られる効果とメリット

床下断熱リフォームを行うことで、断熱性能の向上や生活の快適性、省エネ効果など大きなメリットが得られます。

まず、考えられる断熱性能の向上効果は、床面の温度が保たれるため足元の冷えの軽減です。また、床からの冷気の侵入防止により、暖房効率が高まり光熱費の削減にも貢献します。床下の結露やカビの発生を防止できるため、住宅の長寿命化にもつながるでしょう。

生活の快適性向上では、床からの外気温の侵入を防げるため、冬は暖かく、夏は冷房が効きやすい快適な住環境が実現します。温度差によるヒートショックのリスクも軽減するため、健康面でも安心です。

ただし、断熱は保温効果のためのもので、暖房ではない点は理解しておきましょう。

床下断熱リフォームのポイント|業者選びと事前確認事項

「やってよかった」と感じられる床下断熱リフォームをするためには、業者選びが重要です。また、スムーズに調査と見積もりを業者に依頼できるように、相談までに確認しておくポイントもご紹介します。

業者選びのコツ

床下断熱を成功させるためには、技術力のある業者選びが大切です。以下が重要なポイントです。

・地域の気候に合った提案
気温や湿気など気候は地域によって異なるため、地元の気候特性を理解した業者が理想です。
・施工実績
床下は狭いため、施工がしにくい場所。床下断熱の経験が豊富な業者は、住宅の状況に応じて柔軟な対応をしてくれます。
・補助金制度に対応できるか
補助金申請をサポートしてくれる業者なら、費用を抑えたリフォームが実現しやすくなります。

技術力や知識に加え、丁寧な説明と対応力も業者選びの重要な判断材料です。

施工前に確認しておきたいこと

床下断熱リフォームの相談を行う前に、床下の点検口があるか、位置はどこかを確認しておくと見積もりがスムーズに進みます。

通常、キッチンや脱衣所など水回り付近の床に設置されていることが多いです。また、収納スペースなど、目立たない場所に設置されるケースもあります。キッチンに床下収納庫がある場合は、収納部分を引き上げて取り外すことで床下に入れる場合もあります。

床下の状況は現地調査時に見てもらえますが、シロアリやカビなどが発生している場合は、工事前に補修や防虫対策を行う必要があることを認識しておきましょう。

床下断熱をお考えならウスイホームにご相談ください

ウスイホームは1976年の創業以来、横浜・湘南・横須賀エリアを中心に、地域密着型の住まいづくりをサポートしてきました。

新築・リフォームはもちろん、不動産仲介や住環境全般のご相談も承っています。床下断熱リフォームに関しても、現地調査・見積もりの無料相談をしております。

また、補助金制度の活用についてもアドバイスいたしますので、「費用が不安」「どの工法がいいかわからない」といった方も、どうぞお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたします。

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横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム

床下断熱リフォームで、住まいの快適性と省エネ効果をアップ

この記事では、床下断熱リフォームの費用相場と工法や断熱材の種類について、また、費用負担を軽くする補助金について解説しました。

床下断熱は、冬場の足元の冷えや結露の解消、さらに光熱費の負担軽減に役立ちます。快適さと省エネを両立するために、信頼できるリフォーム業者に相談し、床下の現状確認と見積もり取得から始めましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。知識・経験ともに豊富な社員が在籍しており、横浜・湘南・横須賀エリアで数多くのリフォームを行っています。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、リフォームやリノベーションを検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact