
収納スペースにゆとりを持たせ、暮らしやすさを高める方法として注目されているのが「ウォークインクローゼット」の後付けリフォームです。衣類はもちろん、バッグや季節家電、大型の荷物までまとめて収納でき、住空間をすっきり整える効果が期待できます。
そこで今回は、ウォークインクローゼットを後付けする際の工事内容や費用の目安、設置時の注意点まで、わかりやすく解説します。住まいに合った快適な収納スペースづくりに、ぜひお役立てください。
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目次
ウォークインクローゼットとは

ウォークインクローゼットとは、人が中に入って動ける広さを備えた収納スペースです。一般的なクローゼットは「開けて取り出す収納」ですが、ウォークインクローゼットは「中に入って選ぶ収納」といえるでしょう。
洋服はもちろん、バッグや小物、スーツケースなどの大きめの荷物もまとめて収納できるため、室内がすっきり片付くというメリットがあります。広さによっては、季節家電やシーズンオフの布団なども収まります。
出入口が2箇所以上あるウォークスルータイプは、部屋と部屋や廊下との間に設置され、通り抜けも可能なクローゼットです。
ウォークインクローゼットにリフォームする際の工事と費用相場

ウォークインクローゼットを後付けで設置する際は、工事の内容や費用について把握しておくことが重要です。使えるスペースの有無や、間取り変更の必要性によって工事内容は異なり、それに応じて費用も変動します。ここでは、工事の流れや設置場所別の費用相場、マンションでの注意点などについて解説します。
ウォークインクローゼットにするための工事とは?
ウォークインクローゼットをリフォームで設置するには、まずスペースの確保が必要です。そして、工事の内容は、「活用できる部屋があるか」「壁の撤去や新設が必要か」など、設置場所によって変わります。
以下に、リフォームの基本的な流れをまとめました。
1)計画を立てる 収納したいものや量、生活動線を考慮して、ウォークインクローゼットの広さや設置場所を決めます。一般に、以下のような方法で場所を確保します。 ・空き部屋・納戸などの活用 ・寝室や廊下の一部を間仕切り壁で仕切り、新たにスペースを確保 ・既存の壁を撤去し、壁を新設する間取り変更工事でスペースを確保 2)施工を行う ・スペースを確保し、必要に応じて間仕切り壁を設置 ・床や壁などの内装仕上げ ・照明や換気扇などの設備工事 ・出入口の扉の設置 ・棚やハンガーパイプなど収納設備の取り付け |
ウォークインクローゼットは、設計により使い勝手が大きく変わるため、設計段階からリフォーム業者へ相談しながら計画することをおすすめします。
リフォーム内容別の費用目安
ウォークインクローゼットのリフォーム費用は、工事内容や設置場所によって異なります。以下に、主なリフォーム内容ごとの費用目安をまとめました。
設置場所 | 費用の目安 | 備考 |
押し入れを改造 | 20万~30万円程度 | 押し入れは1畳ほどのため、通常ウォークインにはならない |
空き部屋を活用(洋室)(和室) | 20万~45万円 | 設備、収納棚などの取り付け |
55万~100万円 | 扉の交換、天井・床のクロス張替え、 畳のフローリング化を含む | |
間仕切り壁工事で新設 | 35万円~ | 広さにより大きく異なる |
広さと仕上げ材や収納設備のグレードによって費用は変動するため、見積もり時にしっかり確認しましょう。
リフォーム費用が高くなるケースとその理由
ウォークインクローゼットのリフォーム費用は、工事内容により異なりますが、費用が高くなる要因には、以下があります。
- 和室を改装する場合:洋室化にコストがかかる
- 間取り変更を伴う工事:壁の撤去・新設の費用がかさむ
- 断熱材や換気設備の追加:ウォークインクローゼット内の湿気対策が必要
- 給排水管工事が発生する場合:玄関横などに設置し、手洗いを追加するなど
- 内装や収納設備へのこだわり:素材・デザイン・グレードにこだわるとコストが上がる
こだわるほど、コストがかかるため、必要なものから優先順位をつけて検討することがポイントです。
マンションでウォークインクローゼットの後付けはできる?
マンションでもウォークインクローゼットを後付けで設置することは可能です。間取りや構造によって制限はありますが、使っていない部屋の転用や、部屋の一角に間仕切り壁を作るといった方法で設置します。
ただし、一般的に管理組合への申請が必要で、外壁に穴を開けるような、新たな換気扇の取り付けは難しいため注意が必要です。
マンション特有の制約を踏まえたうえで、リフォーム会社と相談しながら進めることが重要です。
DIYの費用と難易度|プロ施工との違い
ウォークインクローゼットの設置をDIYで行えば、施工費が抑えられるため、コスト面では魅力的です。また、押し入れを改造して、ツッパリ棒やパイプハンガーを使えば簡易的な衣類収納のスペースは確保できます。DIYなら施工費は数千円~数万円といったところでしょう。
ただし、プロの施工とは、使いやすさや耐久性、仕上がりの美しさに大きな差があります。天井までの空間を活用した棚の設置は、DIYでは難易度が高いこともあげられます。
さらに、換気や湿気対策がないとカビやにおいの原因になるため、使いやすく、長く使える収納にしたい場合は、プロに依頼するのが安心といえるでしょう。
場所別のウォークインクローゼット活用アイデア

ウォークインクローゼットは、衣類の収納用に寝室に併設するだけでなく、大容量の収納を活かし、さまざまな場所に設置できます。設置場所ごとの活用アイデアをご紹介します。
・玄関横:靴・傘・コート・アウトドア用品・ベビーカーなど、外出時に使用するアイテムをまとめて収納。帰宅後すぐに片付けられるため、玄関周りをすっきり。 ・キッチン横:食品のストックや調理家電・季節ものの食器などの収納に便利なパントリーとして活用。 ・洗面脱衣所横:タオルや下着など家族の着替えをまとめて収納できるため、入浴や洗濯の動線が短くなり、家事の手間を軽減。 ・廊下のデッドスペース:家族共有の収納スペースや、日用品のストック置き場として活用。 ・リビング近く:家族全員で使うファミリークローゼットとして、日常的に使用する衣類や小物を収納。リビングからのアクセスが良いため、家族の生活動線が効率的に。 |
どこに何を収納するかを考え、住まいの間取りやライフスタイルに合わせたウォークインクローゼットの設置がおすすめです。収納力の向上だけでなく、生活空間がすっきりするため、生活の質が高まります。
ウォークインクローゼットにリフォームする際に注意すること

ウォークインクローゼットを快適に使うには、単に収納スペースを増やすだけでなく、生活動線や湿気対策、照明・コンセントの配置まで、細かなポイントに配慮することが大切です。設置場所や収納方法を誤ると、使いにくい空間になるおそれもあります。ここでは、後悔しないための注意点を解説します。
設置場所と生活動線を考慮する
ウォークインクローゼットを快適に使うためには、生活動線への配慮が重要です。寝室に隣接していれば、起床後や就寝前の着替えがスムーズになり、支度時間が短縮できます。
また、ウォークスルータイプのクローゼットは、2方向から出入りできるのが特徴です。たとえば「寝室→クローゼット→洗面室」といった動線の流れで、朝の支度や帰宅後の着替え、洗濯物の収納が無理なく行える利点があります。
逆に、生活動線を無視して設置してしまうと、「わざわざ行かなければならない収納」になり、せっかくリフォームしたクローゼットも活用しにくくなります。
設置場所の検討時の課題は、家族の1日の動きをイメージして、動線を考えることといえるでしょう。
通気・湿気対策を必ず行う
ウォークインクローゼットは湿気がこもりやすい空間です。通気・湿気対策が不十分だと、収納したものにカビが発生するおそれがあります。リフォーム時は、以下の点に注意が必要です。
・換気扇の設置:空気の流れを作り、湿気を外へ ・小窓の設置:自然換気と明るさの確保 ・調湿建材の活用:調湿機能のある壁材や床材を使う |
北側に設置する場合は、とくに湿気に注意が必要です。サーキュレーターや除湿器の活用も含め、湿気対策はしっかり行い、快適で長く使えるウォークインクローゼットにしましょう。
照明・コンセントの位置も重要
ウォークインクローゼットを快適に使うには、照明とコンセントの配置に注意が必要です。以下のポイントを押さえておくと便利です。
・照明:天井がすっきりするダウンライトを多めにつけるか、全体を広く照らすシーリングライトを ・人感センサー付きライト:出入り時に自動で点灯・消灯するため便利 ・コンセントの設置:アイロン・掃除機・除湿器などの使用を考え、使いやすい位置に設ける |
後から追加や変更が難しいため、計画時に、照明とコンセントについて検討することが大切です。使い勝手が大きく変わります。
収納計画をしっかり立てる
ウォークインクローゼットを有効活用するために、計画段階で「何をどう収納したいか」を明確にして、使いやすいレイアウトを考えましょう。
・基本は、ハンガーにかける、引出し収納、置く収納の3つ ・収納するものの種類と量により、収納方法のバランスを考える ・棚、ハンガーは可動式にしておくと収納スタイルの変化に対応できる |
収納計画を立てる際は、「どれだけ入れるか」ではなく「どう使うか」も大切です。クローゼットは、いっぱいに詰め込むのではなく、ゆとりを残した収納にしましょう。スペースに余裕があると取り出しやすく、片付けもラクになります。
ウォークインクローゼットの種類

ウォークインクローゼットとひと口にいっても、形状や収納方法にはさまざまなタイプがあります。設置スペースの広さや動線、収納したいものの種類によって、適したレイアウトは異なります。ここでは、代表的なレイアウト別のタイプと、収納方法による種類をご紹介します。
レイアウト別の主なタイプ
限られたスペースを有効に使うために、ウォークインクローゼットのレイアウトは重要です。代表的なレイアウトタイプを紹介します。
レイアウト | 特徴 |
【I型】片側に収納を配置 | 一方の壁にハンガーパイプや棚を設置するタイプ。省スペースなため、1.5畳程度から設置可能 |
【II型】両サイドを活用 | 両側の壁に収納を設けるタイプ。収納量が多いのが特徴。両端を出入口にすれば、ウォークスルータイプに |
【L字型】角を活用 | 片側と突き当たりの壁を収納にするタイプ。コーナーには使用頻度の低いものを収納するなどの工夫で収納力をアップ |
【コの字型】3面すべてを活用 | 3畳以上の広さが望ましいレイアウトです。収納量が多く、家族全員分の衣類や小物、季節用品まで収納したい方におすすめです。 |
ライフスタイルや間取りに合わせて、最適なレイアウトを選びましょう。
収納方法による種類
ウォークインクローゼットの収納方法は、使い勝手や収納量を左右するポイントです。以下のような収納タイプがあります。
・ハンガー+可動棚:洋服や小物を効率的に収納できる定番スタイル。 ・収納ユニットを活用:造作家具のように仕上がる ・市販の引出し式衣装ケースを活用:衣類や小物の収納に、配置や数の変更が柔軟 |
ライフスタイルや予算に応じて、最適な収納方法を選びましょう。
ウォークインクローゼットのリフォーム事例

ウォークインクローゼットのリフォームは、収納力と使いやすさを両立させる住まいづくりに効果的です。しかし、実際にどのような仕上がりになるのか、具体的なイメージが湧きにくい方も多いのではないでしょうか。ここでは、押し入れをクローゼットに変更した事例や、寝室に隣接した便利なウォークスルータイプの事例をご紹介します。
押し入れからクローゼットへ(費用:20万円)
マンションでのリフォームで、見た目と機能性の両立を実現した事例です。
「押し入れを洋風の収納に変えたい」とのご要望を受け、クローゼットへリフォームしました。
三枚連動の引き違い扉を採用し、開け閉めがしやすい仕様に。内部には枕棚を設け、収納力も大幅にアップ。部屋の天井と床(別費用)も洋風に一新しおしゃれな部屋になりました。
寝室に隣接するウォークインクローゼット(費用:50万円)
寝室と廊下、洗面室の3方からアクセスできるウォークスルータイプのリフォーム事例です。
使いやすい動線を意識した配置で、内部には可動棚を多く取り入れ、ハンガーパイプの位置も自由に調整可能です。収納棚の幅やポールの本数などは、丁寧に打ち合わせを重ねて設計。また、ロボット掃除機の充電スペースも確保するなど電源の位置にも配慮しています。
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1976年創業のウスイホームは、横浜・湘南・横須賀エリアを中心に、住まいのリフォームを数多く手がけてきました。経験豊富なスタッフが丁寧にお話を伺い、ご希望やライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案いたします。
押し入れのクローゼット化や、間取り変更を伴う本格的な工事も対応可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
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ウォークインクローゼットのリフォームで、収納問題を解決へ

ウォークインクローゼットの後付けリフォームは、住まいの収納力を向上させ、日々の暮らしをより快適にしてくれます。設置場所や間取りに応じて自由にレイアウトを選べるほか、衣類や小物だけでなく、季節家電や日用品まで収納できる点が大きな魅力です。また、動線や湿気対策、照明・コンセントの配置といった細部にも配慮することで、長く快適に使える空間を実現できます。
費用や工事の内容は設置条件によって異なりますが、目的やライフスタイルに応じた計画を立てることで、より満足度の高い収納空間づくりが可能です。収納にお悩みの方は、ウォークインクローゼットのリフォームをぜひ検討してみてください。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。知識・経験ともに豊富な社員が在籍しており、横浜・湘南・横須賀エリアで数多くのリフォームを行っています。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、リフォームやリノベーションを検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |