マンションを売却したあと、「確定申告を自分でするのは難しそう」と感じる方もいるのではないでしょうか。
確定申告には専門的な言葉や計算もあり、何から始めればよいのか迷う方も少なくありません。
しかし、申告に必要な情報や書類を準備しておけば、自分で手続きを進めることも可能です。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、画面の案内に沿って自分で申告書を作成できます。
この記事では、マンション売却後の確定申告が必要なケースや必要書類、譲渡所得の計算方法、スマホを使った申告の流れまでわかりやすく解説します。
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目次
マンション売却の確定申告は自分でできる

難しそうに思えるマンション売却後の確定申告ですが、国税庁の作成コーナーを使えば税理士の手を借りずに自分で進めることが可能です。
画面の案内に沿って必要事項を入力すると、譲渡所得や税額が自動で計算され、申告書を作成できます。
確定申告書等作成コーナーは、スマートフォン(スマホ)とパソコンのどちらにも対応しています。
作成した申告書の提出方法は、e-Taxでの送信、郵送、税務署への持参の3通りです。
ただし、取得費がわからない、相続や共有名義が関係する、複数の特例を利用するなど、判断が複雑なケースでは税務署や税理士への相談も検討しましょう。
マンション売却で確定申告が必要か確認しよう

マンション売却後に確定申告が必要かは、売却益や損失の有無、特例の利用によって異なります。まずは、自分に申告が必要か確認しましょう。
売却益が出た場合は原則確定申告が必要
マンションを売却して利益が出た場合は、原則として確定申告が必要です。
売却時の利益にあたる「譲渡所得」は、次の式で計算します。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
「取得費」は購入代金や購入時にかかった費用、「譲渡費用」は売却時の仲介手数料などです。詳しくは後ほど解説します。
譲渡所得は、給与所得などとは分けて税額を計算する「分離課税」のため、年末調整を受けている会社員でも、譲渡所得が発生すれば原則として確定申告が必要です。
3,000万円特別控除などを使う場合も確定申告が必要
マイホームの売却では、要件を満たすと3,000万円特別控除などの特例を利用できます。
ただし、特例の適用を受けるには、必ず確定申告が必要です。
マンション売却で利用できる主な特例は次のとおりです。
| 主な特例 | 概要 |
| 3,000万円特別控除 | マイホームの譲渡所得から最大3,000万円を控除 |
| 10年超所有軽減税率の特例 | 所有期間10年超のマイホームの軽減税率 |
| 特定の居住用財産の買換え特例 | 一定のマイホームを買い換えた際に課税を繰り延べ |
| 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例 | 支払った相続税の一部を取得費に加算 |
特例ごとに適用要件や必要書類が異なるため、事前に確認しましょう。
売却損が出た場合は申告不要だが特例の利用には申告が必要
マンションを売却して譲渡損失が出ても、原則として確定申告は必要ありません。
ただし、一定の要件を満たすマイホームの売却で譲渡損失が出たときは、「損益通算」や「繰越控除」を利用し、税負担を抑えられることがあります。
これらの特例を利用するにも確定申告が必要です。
確定申告の期限を確認する
マンションを売却して確定申告が必要な場合は、売却した年の翌年に行います。
所得税の確定申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。
期限が土日・祝日にあたる場合は、翌平日となります。
申告時期になってから購入時の書類を探し始めると、時間がかかります。
必要書類の準備は売却中から始めておきましょう。
作成コーナーを利用する前に必要書類を準備する

確定申告書等作成コーナーでスムーズに入力できるよう、マンションの売却や購入、申告に必要なほかの所得・控除に関する書類を準備しましょう。
マンションの売却・購入に関する書類を準備する
作成コーナーでは、マンションの売却価格や取得費、譲渡費用などを入力します。
申告書に添付する書類とは別に、まずは入力内容を確認するため、次の書類や資料を手元に準備しましょう。
| 書類・資料 | 主に確認する内容 |
| 売却時の売買契約書 | 売却価格・契約日など |
| 購入時の売買契約書 | 購入価格・購入日、土地・建物の内訳など |
| 仲介手数料などの領収書 | 購入時の費用・売却時の費用 |
| 登記事項証明書 | 所在地・不動産番号など |
【重要!】長年所有しているマンションや相続した物件では、購入時の売買契約書が見つからないケースもあるため、早めに探しておきましょう。
給与などほかの所得・控除に関する書類を準備する
確定申告では、マンション売却による譲渡所得だけでなく、給与や年金など、その年に申告するほかの所得についても入力します。
会社員なら源泉徴収票、公的年金等を受給している人は、公的年金等の源泉徴収票を準備しましょう。
個人事業主は、青色申告決算書や収支内訳書が必要です。
また、医療費控除や生命保険料控除などを申告する場合は、控除に必要な資料もそろえておきます。
e-Taxで申告する場合はマイナンバーカードなどを準備する
e-Taxを利用する際は、主に次のものを準備します。
- マイナンバーカード(マイナカード)
- マイナカードの読み取りに対応したスマホ
- マイナカードの各種パスワード
- マイナポータルアプリ(事前にインストール)
パソコンで申告書を作成する場合も、マイナカードの読み取りにスマホを利用できます。
なお、申告書を印刷して提出する場合は、マイナカードがなくても確定申告書等作成コーナーで申告書を作成できます。
特例の添付書類と不動産番号を確認する

特例を利用するときは、必要な添付書類を確認しておきましょう。
登記事項証明書の添付が必要な手続きでも、土地や建物の「不動産番号」を入力することで、添付を省略できる場合があります。不動産番号は登記事項証明書などで確認できます。
また、e-Taxでは、添付書類によってはPDF形式のイメージデータで提出できます。利用する特例について、必要書類の提出方法をあわせて確認しておくとスムーズです。
マンション売却の譲渡所得と税額を確認する
作成コーナーへ入力する前に、マンション売却による譲渡所得の計算方法と税率を把握しておきましょう。仕組みを知っておくと、入力する金額や計算結果を確認しやすくなります。
譲渡所得の計算方法を確認する
マンション売却による譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
取得費には、マンションの購入代金や購入時の仲介手数料などが含まれます。
ただし、建物は経年によって価値が減少するため、建物部分は、購入代金から減価償却費相当額を差し引いて取得費を計算します。
譲渡費用は、売却時の仲介手数料や売買契約書の印紙代など、マンションを売るために直接かかった費用です。
特別控除を利用する場合は、さらに控除額を差し引いて課税譲渡所得を求めます。
作成コーナーでは、必要事項を入力すると計算結果が表示されます。
所有期間によって税率が異なる
マンションの譲渡所得にかかる税率は、売却した年の1月1日時点の所有期間によって異なります。
| 区分(所有期間) | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税等 | 合計税率 |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
税額は作成コーナーで計算されるため、自分で計算して入力する必要はありません。
ただし、所有期間は適用される税率に関わるため、購入時期を確認しておきましょう。
確定申告書等作成コーナーで自分で申告する流れ【スマホ版】

確定申告書等作成コーナーは、スマホとパソコンのどちらからでも利用できます。
ここでは、スマホ用の入力例をもとに、マンションを売却した場合の申告の流れを5つのステップで紹介します。
①確定申告書等作成コーナーへアクセスする
国税庁の確定申告書等作成コーナーへアクセスし、「作成開始」から進みましょう。
e-Taxを利用する場合は、画面の案内に沿ってマイナカードを読み取り、ログインしてください。
申告書を印刷して郵送または持参する場合は、提出方法の選択画面で書面提出を選び、画面の案内に沿って作成します。
ここからは、e-Taxを利用する流れを解説します。
②申告する所得をすべて選択する
申告する所得の選択画面では、マンション売却による「土地・建物等の譲渡(売却)」のほか、給与や年金など、その年に申告する所得をすべて選択します。
年末調整済みの給与も確定申告では入力が必要です。マイナポータル連携を利用すると、給与所得などの一部の情報を自動入力できます。
③売却したマンションの情報を入力する
「土地・建物等の譲渡所得」の入力画面では、準備した売買契約書や領収書などを確認しながら、画面の案内に沿って入力します。主な入力内容は次のとおりです。
| 1.譲渡価額の内訳等の入力 売却したマンションの所在地、売却代金、売買契約日などを入力します。 【共有名義の場合】共有者ごとに申告し、共有者の人数や持分割合などを入力します。 2.取得費の入力 マンションの購入金額や購入日、土地・建物の内訳などを入力します。 ・土地・建物の内訳がわからない場合は、画面に表示される計算方法を確認しましょう。 ・建物の取得費は、入力内容をもとに減価償却費相当額が計算されます。 3.譲渡費用の入力 売却時の仲介手数料や売買契約書の印紙代など、売却のために直接かかった費用を入力します。 次に、ここまでの入力内容が表示されるため、誤りがないか確認しましょう。 4.適用する特例の入力 特例を利用する場合は、「特例の適用に関する質問」に回答し、該当する特例を選択して必要事項を入力します。 |
取得費自体がわからないときは、後述する注意点も確認しましょう。
④入力内容と税額を確認する
マンションの売却情報の入力が完了すると、譲渡所得の計算結果が表示されます。
入力した売却価格や取得費、譲渡費用に誤りがないか確認しましょう。
続いて所得や所得控除を入力すると、最終的な納付税額が表示されます。
納税が必要な場合は納付方法を選択します。その後、氏名・電話番号・マイナンバーを入力し、送信準備へ進みましょう。
⑤e-Taxで送信して送信結果を確認する
送信前に申告書の帳票イメージを表示し、入力内容を最終確認します。問題がなければe-Taxで送信しましょう。
送信後は「送信結果の確認」画面で、正常に受け付けられたことを確認します。
申告書の控えや受付結果は保存しておきましょう。エラーが表示された場合は、内容を確認して修正・再送信します。
マンション売却の確定申告を自分でするときの注意点

作成コーナーを使えば自分で申告できますが、取得費や特例の判断を誤ると税額に影響する可能性があります。
迷いやすいポイントと、専門家への相談を検討したいケースを確認しておきましょう。
取得費がわからない場合は税額が高くなる可能性がある
購入時の売買契約書や当時の書類が見つからず取得費がわからない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。
ただし、概算取得費が実際の取得費より少なければ、譲渡所得が大きくなり、税額が高くなる可能性があるため注意が必要です。
取得費がわからないからとすぐに5%で計算せず、まずは購入時の売買契約書や領収書など、購入価格や費用を確認できる資料を探しましょう。
利用できる特例を確認してから申告する
各特例には、それぞれ適用要件があります。国税庁のWebサイトなどで、必ず要件を確認してから申告しましょう。
また、特例によって必要な添付書類も異なります。適用要件とあわせて必要書類を確認し、早めに準備しておくことが大切です。
複数の特例を利用できそうな場合は、併用できるかの確認が必要です。
判断が難しいケースは税務署や税理士に相談する
作成コーナーは申告書の作成をサポートしてくれますが、特例を利用できるかなど、個別の税務判断まで自動で行ってくれるわけではありません。
特に、次のようなケースでは税務署や税理士への相談を検討しましょう。
- 取得費がわからず、概算取得費以外の方法を検討したい
- 相続したマンションを売却したい
- 共有名義で取得費や売却代金の整理が複雑
- 複数の特例を利用したい
- 譲渡損失の特例を利用したい
判断に迷ったまま申告を進めないためにも、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
マンション売却の査定ならウスイホームへ

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マンション売却後は早めに確定申告の準備をしよう

マンション売却後の確定申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、自分で進めることができます。
スムーズに申告するためには、売買契約書や取得費・譲渡費用を確認できる資料を早めにそろえておくことが重要です。
取得費がわからない、利用できる特例の判断が難しいなど、自分で申告することに不安がある場合は、税務署や税理士への相談や依頼を検討しましょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアでマンション売却のお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、マンション売却を検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |