戸建ての表札は、家の印象を左右する重要な要素です。訪れる人が表札で名前を確認するために、必ず見ることを考えれば「家の顔」といえるかもしれません。おしゃれな表札を適切な位置に取り付けることで、家全体の印象を高めます。
表札なしでは郵便物が届かない心配がありますが、防犯上の理由で表札を出したくない場合もあるでしょう。
本記事では取り付け方や場所の工夫などを紹介。おしゃれに戸建ての表札を設置するためのポイントを紹介します。ぜひ、参考にしてください。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
戸建ての表札はなしでもいい?基本は設置が◎
表札がなくても郵便物が配達されるケースが実際にありますが、基本的には表札をつけて苗字を表示するのが適切といえます。
戸建てで表札がない場合に考えられる代表的なリスクは以下の通りです。
- 配達物や宅配便が正確に届かないリスクがある
- 救急車や警察に連絡をするような緊急時に、自宅がすぐに見つからない可能性がある
- 近隣住民との関係性に影響を及ぼす可能性がある
大手通販業者の楽天ではメール便などのサービスはポストに表札がない場合は基本的に利用できないと注意喚起しています。
民間の宅配業者の担当者が変わったときなどに配達物が届かないというケースがあるでしょう。また、戸建て住宅の場合は、近隣住民に「仮住まい」と思われたり、人によっては「怪しい」などと警戒されてしまうようなケースもゼロではないようです。
しかし、女性の一人暮らしや高齢者のみの世帯では、フルネームを記載した表札は防犯上好ましくないといえます。
表札を設置する際には、安全性や周囲との関係も考慮することが大切なのです。これらの点を踏まえて、表札をおしゃれにそして安全に設置するためのポイントを見ていきましょう。
戸建ての表札をおしゃれにするための基礎知識
表札はただ名前を示すものではなく、その家に住む人の雰囲気が現れるともいわれています。我が家らしいデザインで自分や家族らしさを表現するための基礎知識として、「素材」「文字のデザイン」「装飾・配色」の3つの視点から解説します。
素材の選択
表札の素材選びで雰囲気は大きく変わります。家の外観や好みに合った素材が、表札作りのカギになります。人気のある素材の特徴を見ていきましょう。
- 天然石
天然石やみかげ石など。伝統的かつ重厚な印象を与える - ステンレス
さびにくく耐久性が高い。シンプル・モダンなデザインになり、スタイリッシュな印象に
- タイル
ナチュラルで温かみのある質感。素朴なやわらかい印象。手作り感のある雰囲気も
- アクリル・ガラス
透明感があり、軽やかでモダンな印象。光を通すため、表札に独特の輝きをもたらす
- 木製
純和風なスタイル。温もりのある印象を与える素材。墨書きや彫刻・浮かし彫りなど、和風はもちろん、洋風でも多様なデザインがある
文字のデザイン
表札に刻むフォントにより、重厚感やエレガントさなどを表現できます。フォント選びだけでなく、文字の大きさや色などのデザインにこだわれば、その戸建てに住む人の個性を表現できるでしょう。
- フォント選び
表札の印象はフォントによって大きく変わる。明朝体やゴシック体、流れるような筆記体、筆文字を思わせる行書体など、さまざまなフォントがある。漢字に限らず、英語やひらがなを選ぶのもアリ - 文字の大きさとバランス
文字の大きさや間隔は、視認性も考慮して配置するのがポイントに - 文字色
表札の素材や色味とのコントラストを考える。デザイン性だけでなく、読みやすさとのバランスを考えるのも大切
装飾や配色
表札に装飾や目を引く配色を上手に取り入れるのもおしゃれです。戸建ての表札をいっそう引き立たせることで、訪問者によい第一印象を与えられます。
- イラストを加える
家の特徴や家族の趣味にちなんだイラスト、自然のモチーフや幾何学模様などを入れてもユニーク - 色を考える
家の外壁やドアの色と調和する色選びが、統一感のあるおしゃれな外観を作る - デコレーションパーツを加える
金属やガラス、陶器などのデコレーションパーツを加えて表札に立体感を出す
戸建ての表札おしゃれな取り付け位置・アイデア6選
表札の取り付けに厳格なルールは存在しないため、自由に設置することが可能です。ただし、一般的な取り付け位置や高さは存在します。自分たちの表札を考える際の参考になるアイデアを紹介します。
基本の取り付け位置・高さは160cm
表札の基本的な取り付け位置は、大人の視線で自然と見やすい160cm前後といわれています。
独立型ポストに設置する場合は、やや低めの100cm〜160cmの間で調整し、ポストなど全体のバランスを考えて調整するのが一般的です。
門扉の外に設置すると見やすい表札に
門や塀の外側、門柱に設置する表札は、来訪者にとって見やすいデザインといえます。
外壁やブロック塀に、郵便受けの差入口がある場合、その上部に表札を設置するデザインは多くの戸建てで見られます。
外壁に郵便受け(差入口)と表札を設置することで、郵便配達員など家族以外の人が門の中に入る機会を減らすため、防犯が気になる際にも考えたいデザインです。
玄関ドア横に設置は伝統的・二世帯住宅の表札にも
戸建ての玄関ドア横に表札を設置する方法は伝統的なデザインといえます。来訪者がチャイムを押す際に、表札が自然と目に入るのが特徴です。
このデザインでは表札を玄関ドアの右側へ置くのが一般的ですが、引き戸やドアの開閉方向などに応じて左側に設置することもあります。
二世帯住宅などで世帯主ごとに表札を分けたい場合にも、玄関ドア横に設置する方法は有効です。
独立型ポスト・宅配ボックスと一体型はおしゃれな印象
庭の入り口や、玄関までのアプローチの途中に設置する独立型ポスト。そこに表札を取り付けるスタイルは、独立型ポストのデザイン性とあいまって自分たちらしさをおしゃれに表現する表札に仕上がるでしょう。
最近は、宅配ボックスを設置する戸建てが増えていますが、宅配ボックス・郵便受け・表札を1つにした独立型ポストを設置すれば、おしゃれさはもちろん実用性が高いデザインになります。
照明と組み合わせて華やかに
表札と照明を組み合わせることで夜間でも表札を照らし、来訪者におしゃれな印象を与えることができます。独立型ポストに照明機能を追加するのも人気です。
新築やリフォーム時に表札と照明の設置を考える際は、門灯や玄関までのアプローチにも統一感のある照明を設置すると、家全体がおしゃれで華やかな印象になります。総合的なデザインを検討してみましょう。
ドアの上やドアにかける
伝統的な和風の玄関や引き戸では、玄関ドアの上に表札を取り付けることがあります。この場合、表札は高めの180cmくらいの位置に設置することになります。
表札を設置する場所がない場合や、防犯上表札を出したくない(必要なときだけ出したい)ようなときは、ドアプレートにして玄関のフックにかけるのもおすすめです。
戸建ての表札|防犯対策 アイデア4選
表札は配達などに必要ですが、防犯の観点から注意点もあります。防犯対策を4つ紹介します。
家族全員の名前は載せない
表札に家族全員の名前を載せることは、不審者に対して個人情報を与えることになるため、防犯上NGと認識しましょう。
家族構成やフルネームを知られないことが防犯上の安心につながるため、苗字のみを掲示するのが主流です。
区別が必要な二世帯住宅の場合は世帯主だけフルネームを記載したり、「田中(隆)」「田中(浩)」のように、下の名前の一部だけを掲載する方法もあります。
女性の一人暮らしは苗字のみが基本
女性の一人暮らしの表札はフルネームを避け、苗字のみを掲載することが防犯上望ましいです。
表札のデザインも女性であることを感じさせるかわいい色や文字は避け、無機質でシンプルなものを選ぶことをおすすめします。
さらに個人情報を最小限にしたい場合は、漢字ではなく、アルファベットにするのも得策です。同じ苗字でも漢字を伏せられるという効果が期待できます。
また、男性(父親や兄弟など)の名前を意図的に表札に加えることで、安全性を高めるという対策もあります。単身者用や女性用アパートやマンションでは、かえって不審がられるためおすすめできませんが、状況に応じて検討してみましょう。
表札と防犯カメラの組み合わせもおすすめ
犯罪者の多くは下見の段階で表札を確認するという指摘があります。
そのため、表札の近くに防犯カメラを設置することで「防犯対策ができている家」という印象を与えることができ、犯罪の抑止力につながる可能性があるのです。
ただし、カメラ設置にあたっては、通行人や隣家へのプライバシーにも配慮が必要です。カメラで録画した画像は必要以上にチェックしないなど、セキュリティ対策とプライバシー保護とのバランスを取りながら、安全な住環境を目指しましょう。
表札に見慣れない落書きがあったら要注意
表札に見慣れない落書きやシールがある場合は、犯罪者が残したマークの可能性があるため注意が必要です。
理由は、これらのサインが家族構成や帰宅時間などの情報をメモしたり、仲間内で共有するために記載されているケースがあるためです。落書きを発見した場合は速やかに消去し、防犯対策を強化しましょう。
このような落書きの有無にかかわらず、すぐに取り組める防犯対策として、「照明タイマー(設定した時間になると自動的に部屋の明かりを点灯させる商品)」や「補助錠(窓や玄関ドアに後から設置できる鍵)」があります。
怖がり過ぎる必要はありませんが、負担にならない程度の防犯対策をはじめましょう。
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表札のお手入れ・メンテナンス方法
表札を長くきれいに使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。表札のお手入れポイントとして、素材ごとのお手入れポイントやお手入れに適した期間を紹介します。
- 石
雨上がりの日などに乾いた古布やきれいな雑巾で拭くのが基本。汚れがひどい場合は、水拭きを行う - ステンレス
水分や汚れを定期的に拭き取りサビや腐食がないか点検する。手で触ったところに皮脂が付くと変色する可能性があるため、定期的な掃除が必要。掃除の際は傷がつかないようやわらかい布で - タイル
汚れやカビは付きにくいが、定期的に水拭きなどして汚れを拭く - アクリル
変色や劣化を防ぐために定期的に拭き掃除をする。できる範囲で直射日光や高温を避けることも大切 - ガラス
市販のガラスクリーナーがおすすめ。スプレー後、きれいな布で拭きとるのが基本 - 木製
天然の木材には、設置時に防水塗料などをしておくのがおすすめ。定期的に木材専用の防水塗料やスプレーを塗布してカビや腐敗を防ぐのがポイント
掃除の頻度は、通常は雨上がりの日や汚れが気になるとき、季節の変わり目などが一般的です。
ただし、道路に面した家では表札に排ガスやほこりが付きやすい環境のため、2カ月に一度を目安に掃除を行いましょう。沿岸部では塩風を受けるため、月に一度はお手入れをして塩分を拭きとることが大切です。
※汚れがひどいときの掃除法
石やタイルの表札の汚れがひどい場合におすすめするのが、中性洗剤液による掃除です。中性洗剤液の作り方は、1Lの水に中性洗剤を数滴程度が適量です。
洗剤液に浸して硬めに絞った布で表札の汚れを拭き取ります。その後、洗剤を完全に拭き取るために、水拭き+乾拭きを行うのが理想です。
注意点として、中性洗剤液は素材や条件によって、変色やシミを残すことがあります。掃除をする前に、目立たないところで数滴たらし問題ないことを確認しましょう。
戸建ての表札はおしゃれと防犯の両立を
戸建ての表札は、家の雰囲気を表現する大切な要素です。
表札の素材、文字や色などのデザイン、設置場所などにその家の個性が出るため、細部にもこだわることで、我が家らしくおしゃれな表札に仕上がります。
表札を設置する際はデザインだけでなく、見やすさや機能、防犯対策などについても考えることが重要です。おしゃれで実用的な表札を目指しましょう。
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執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |