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【プロ監修】戸建ての自転車置き場|おしゃれ・屋根・ないときに後付けする工夫概要

公開日: 最終更新日:
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戸建て住宅に自転車置き場を作ると、生活が便利になるだけでなく自転車の保護にもなります。

そこで、新築戸建て・中古戸建ての自転車置き場に必要なスペースを解説。おしゃれで機能的な自転車置き場にするためのアイデアとして、室内に設置するときのポイント、室外に置くときの屋根付き、テント式、物置、自転車スタンド、軒下など自転車置き場の種類ごとに役立つ工夫を紹介します。

自分たちのスタイルや希望にあった自転車置き場を検討してみましょう。

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新築戸建て・中古戸建ての自転車置に必要なスペース

戸建て住宅に自転車置き場を設ける場合、必要なスペースを事前に考えることが大切です。

自転車の一般的なサイズは「JIS規格」で、全長190cm以下、幅60cm以下と上限が決まっています。

この規格を基準に考えると、一台あたりの幅を60cmとして、スムーズに出し入れできるように奥行きも十分に取る必要があるでしょう。以下にポイントと、標準的な自転車等のサイズを解説します。

  • 家族が複数の自転車を使用している場合、台数分の駐輪スペースが必要
  • 子どもの自転車は数年後には大人用のサイズになるため、大人サイズで算出するのがポイント
  • 原付バイク、大きなバイク、最近流行りのキックボード(キックスケーター・キックスクーター)を置く場合も、それぞれのサイズに合わせた奥行きと余裕を持った幅を設ける

自転車置き場を考える際は、将来的な家族構成の変化や、自転車の種類の変更も想定しながら、柔軟に対応できるスペースを確保しましょう。

自転車のタイプ全長全幅
大人用自転車(20~27インチ)160~190cm40~57cm
電動自転車160~190cm40~60cm
子ども用自転車(14~20インチ)100~160cm40~57cm
折りたたみ自転車(折りたたみ時)75~85cm30~40cm
原付バイク(50cc)170~190cm55~75cm
バイク(250cc)200~230cm70~92cm
キックボード (小学校高学年~大人)90~130cm45~66cm

※ここでは代表的なサイズを紹介しています。サイズはメーカーや型番などによって異なります。

戸建て注文住宅|自転車置き場を設置するときの工夫

この後は、自転車置き場を設置する際の工夫でも、戸建ての注文住宅のケースと、建売住宅や中古住宅を購入する際のケースに分けてポイントを紹介します。

まずは、戸建ての注文住宅を設計する際に取り入れたい自転車置き場のデザインや機能面でできる工夫を紹介します。

おしゃれな自転車置き場デザインのポイント

おしゃれな自転車置き場のデザインは、設置場所選びから始めましょう。

一般的には玄関近くの室外にカバーをかけて置く方法をイメージしますが、以下のポイントを中心に、限られた敷地内で効果的に配置することが大切です。

  • 自転車利用者の使い勝手を考慮した場所。多くが出入りしやすい玄関周辺だが、室内も選択肢に入れるのが◎
  • 玄関や通路などに自転車置くことで、自転車を利用しないときの人の出入りを邪魔しないように配慮
  • おしゃれに設置するなら、自転車置き場を作る場所のエクステリアと調和するよう素材や色選びに注意を払う
  • 庭や建物とのテイストがマッチするデザイン選びが、おしゃれ感をアップさせる

屋根付きの駐輪スペースは「サイクルポート」などとも呼ばれます。シンプルさや、高級感など、自分の好みを明確にして、施工の依頼先と相談することが大切です。

室内に設置する際は自転車スタンドで工夫する      

室内に自転車置き場を設置する戸建ても増えています。

独立型自転車スタンド
玄関などに自転車の前輪を固定できる自転車スタンドを置くことで、室内に自転車置き場を設けることができます。

近年では、玄関の脇に2帖前後の広さの「シューズクローク」を設置する戸建てが増えています。家族の靴やベビーカーなどを置くためのスペースですが、そこに自転車スタンドを設置して自転車置き場とする方法がおすすめです。

自転車スタンドがあれば不安定な自転車を安定して置けたり、1台分のスペースで2台の自転車を上下に置けたりするものもあるため、スペースの有効活用も叶うでしょう。

自転車スタンドはポールタイプの1台用で、幅45cm×奥行30cm×高さ70〜110cm前後で、10,000円前後から購入できます。このデザインの場合に必要な広さの目安は以下の通りです。設計の段階で十分に検討しましょう。


  • 自転車または自転車スタンドの幅(45cm前後)+人が出入りできる幅(横向き30cm〜前向き55cm前後)
  • 奥行き
    自転車の奥行き(160cm前後)+自転車スタンドの奥行き(20〜30cm前後)+人が出入りできる幅(横向き30cm〜前向き55cm前後〜)

参考として、ワイヤー状の小型の自転車スタンド(幅38cmx奥行き30cmx高さ24cm前後〜。3,000円前後)もあります。好みのデザインや置くスペースの広さなどに応じて、上手に選びましょう。

壁掛けタイプの自転車スタンド
オーダーメイドで設計できる注文住宅であれば、ガレージや玄関、リビングなど希望する場所に、壁掛けタイプの自転車置き場を設置することが可能です。

なかでも高級なマウンテンバイクは、玄関やリビングに飾るように置くのもおしゃれでおすすめです。

室内に設置を希望する場合は住宅を設計する早い段階で相談することで、壁の強度を強めたり、汚れが落ちやすい壁紙や床材に変更することが可能です。希望する場合は、早めに相談してみましょう。

室外に置く場合の工夫は屋根付きを検討 

自転車を室外に置く場合は、風雨や直射日光から守らなくてはなりません。そのための工夫として、屋根付きの自転車置き場があります。

注文住宅の外構を設計する段階で、駐車スペース全体に屋根を設置して自転車置き場を確保するパターンや、庭の一部などに自転車専用の屋根付きスペースを設計するパターンなどがあります。

この後に解説する「建売戸建て・中古戸建て自転車置き場がないときに後付けする」の中でも、いくつかのアイディアを紹介しています。予算や自転車の台数などに応じて、総合的に計画しましょう。

自転車の盗難防止(防犯対策)

玄関先や駐車スペースなど室外に自転車を置く場合は、盗難防止対策を忘れてはいけません。

自転車本体の盗難防止には、ワイヤーロックや自転車を入れるとロックされる自転車スタンドなどがおすすめです。

また、近年ではサドルなど部品の盗難も増えています。自転車置き場を設置する場所として、出入りは不便になりますが道路から見えにくい場所に設置するのもアイディアのひとつといえるでしょう。

監視カメラやセンサー付き照明などの設置も検討し、自転車の盗難から守りましょう。

建売戸建て・中古戸建て自転車置き場がないときに後付けする

建売や中古の戸建てに自転車置き場がない場合、後付けで設置することが可能です。自転車置き場をどこに、どう設置するのか考える際のポイントや、設置場所・デザインなどのアイディアを紹介します。

自転車置き場をどこにどう設置する?   

自転車置き場を後から設置する際には、家の敷地の条件と将来的な自転車の台数を考えて検討する必要があります。

家族構成の変化や、子どもの成長に伴う大きさや台数の変化、バイクや電動キックボードなど自転車以外の乗り物が増えることなどを見越してスペースを確保する必要があるのです。

また、居住地域の気候を考えた自転車置き場づくりは非常に重要なポイントです。

雨の多い地域では、天候の影響から自転車を守るためにしっかりした屋根付きの自転車置き場が安心です。

一方で、台風や雪が多い地域では簡易的な屋根付きスペースは破損する可能性があります。この場合は風にも丈夫な物置などを検討するのが効果的でしょう。

十分なスペース、気候条件などさまざまな要素をふまえて、長期的な視点で自転車置き場を作りましょう。       

自転車置き場のデザイン|屋根付き

自転車置き場のデザインにおいて、屋根付きの独立タイプは雨や紫外線から自転車を守るのに最適です。

  • 簡易タイプ
    軽量なポールと撥水性のある生地の屋根でできた簡易タイプがあります。紫外線や雨などから自転車を守ります。費用も10,000円前後から購入でき、設置も手軽にDIYで設置できるのが魅力です。
  • 耐久性タイプ
    雪が多く降る地域や台風が多い地域には、アルミ製の支柱とポリカーボネートの屋根などでできた耐久性タイプをおすすめします。

本体費用は80,000円〜で、設置にはコンクリートなどの基礎に支柱を埋め込む作業が必要です。設置を事業者に依頼した場合は工事費として40,000円〜プラスでかかりますが、耐雪性や強風対策を考慮したい場合は、検討してみることをおすすめします。

自転車置き場のデザイン|テント式

テント式の自転車置き場は、雨や紫外線から自転車を守ると同時に、乱雑に置かれがちの子どもの自転車もすっきりと収納できるのが長所です。

多くのメーカーからさまざまなモデルが発売されていますが、人気なのは軽量で設置しやすいタイプです。

テント部分は撥水性のある生地でおおわれており、価格は大人用自転車が2台程度置けるタイプで10,000円〜購入できます。

選ぶ際には、耐候性や耐雪性や、開口部の開け閉めのしやすさも考慮しましょう。

自転車置き場のデザイン|物置

物置タイプの自転車置き場は、雨や紫外線はもちろん、台風や雪への対策としてもおすすめです。鍵付きであれば、盗難対策としても有能といえるでしょう。

一般的な物置を自転車置き場として利用することもできますが、物置と自転車置き場が一体となったようなモデルもあります。

特徴は、物置と地面との間に段差が少なく自転車を出し入れしやすい点。大きめのサイズを選べば、大型の自転車やバイクにも対応できます。

大型の物置を設置する場合は、基礎のコンクリート工事が必要になることもあるため、自転車置き場の必要な広さと物置の大きさを十分に検討しましょう。

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おすすめ記事:戸建ての物置に何を入れる?サイズ・おすすめ種類・置き場所

自転車置き場のデザイン|自転車スタンド

先ほどの「戸建て注文住宅|自転車置き場を設置するときの工夫」でも紹介しましたが、自転車スタンドは、自転車置き場を後付けする際にも有効です。

自転車スタンドを利用することで、自転車を安定して決まった位置に置くことができたり、スペースを効率的に使用することが可能になります。

屋外に設置するタイプや、室内に設置するタイプなど、理想の形を探してみましょう。 

自転車置き場のデザイン|軒下

軒下を自転車置き場として利用する方法は、既存のスペースを有効活用できるよいアイデアです。

軒が浅い場合でも、自転車スタンドを軒下に設置したり、屋根付きの独立タイプを設置すれば、雨風への強度を高められます。

そもそも自転車置き場は必要?神奈川県のデータ

神奈川県の自転車利用率(全国比較)
参照:神奈川県自転車活用推進計画(2020年3且)|神奈川県より


自転車置き場を考える際、意外にスペースを取るなどして設置を迷うことがあるかもしれません。そこで、神奈川県のデータから、自転車の利用率などを確認してみましょう。

神奈川県で通勤通学の自転車利用は8人に1人

神奈川県では、通勤・通学時に自転車を利用する人の割合が約11.9%で、これは約8人に1人に相当します。国勢調査の「通勤・通学手段調査(平成22年)」の結果から、神奈川県は全国で19位と中間くらいの順位でした。

過去20年間で多くの都道府県で自転車利用率が減少傾向にある中、神奈川県は大阪府、東京都、京都府に次いで利用率が増加している地域の一つです。

このデータからの仮説になりますが、電車や車の利用率が高い都心部で、自転車の利用率が上がっている様子が伺えます。今後の健康志向とも重なり、都心部では自転車の利用率は維持、または上がっていくかもしれません。

参考:神奈川県自転車活用推進計画(2020年3且)|神奈川県

湘南・相模原は自転車利用が多い

神奈川県内では、日常生活を含めての自転車利用率は約30.7%で、10人に3人が普段から自転車を使用しています。

とくに相模原市では37.8%、湘南エリアでは37.6%と、県内で高い利用率を示しています。これらの地域は比較的平坦で自転車利用に適しており、日常の移動手段として自転車が積極的に利用されていると考えられるでしょう。

もしも、これから新築戸建ての建築や中古戸建ての購入を検討していて、自転車の利用を考えているのであれば、坂や階段が少ない、駅前に十分な台数が停められる駐輪場があるなど、地域の特性も考慮して選ぶことをおすすめします。

参考:神奈川県自転車活用推進計画(2020年3且)|神奈川県

自転車で10分はどれくらいの距離まで行ける?

一般的に駅から徒歩10〜15分以内の物件では、通勤や通学等の際、徒歩のみの利用が多いといわれています。

一方で、駅から10〜15分以上になると、自転車や原付バイク、バスなどの利用が増えると考えられます。徒歩10分で移動できる距離は、不動産の表記ルール(※)に従うと800mです。

では、自転車を利用した場合の10分ではどれくらいの距離まで行けるのでしょうか。

自転車の移動時間について国土交通省の基準とされる時速15kmで換算すると分速で250mとなり、自転車を使って10分で移動できる距離は約2500m(2.5km)になると考えられます。これはあくまで目安となる距離で、雨の日の利用や子どもを乗せた場合など条件によって変わります。

しかし、自転車の利用を前提として戸建て物件を探す場合は、同じ駅から10分でも徒歩の約3倍の範囲で探すことができるといえます。今後、物件を探すのであれば、自転車利用も想定した条件についても検討してみましょう。

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参考:
「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」(第5章第1節10条10項)
第14回 駅から自転車で10分のアクセスの推進 (公)自転車駐車場整備センター

戸建て住宅の自転車置き場は使い勝手よく自転車を守れるものを

自転車の利用は通勤通学だけでなく、日常のちょっとした外出にも重宝するため、使い勝手のよい自転車置き場を設けて、自転車を天候や盗難のリスクから保護することが大切です。

自転車置き場の設置を検討する際は、使いやすさ、耐久性、置く場所や広さなど総合的に考え、理想の自転車置き場を目指しましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)

【経歴】
ウスイホーム株式会社 取締役。

大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。

地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。
地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員

新築戸建て・中古戸建ての自転車置に必要なスペース

執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact