一戸建て

戸建てのごみ置き場トラブルと対処法|家の前・不法投棄・掃除

公開日: 最終更新日:
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戸建て住宅のごみ出しは日々の生活に欠かせないものです。しかし、ごみ出しにまつわる、ごみ置き場などにおけるさまざまなトラブルが住民を困らせています。

家の前のごみ置き場への不法投棄や掃除の問題、遠いごみ置き場への対応、ごみを荒らすカラスなど、自分が気を付けるだけでは解決できない問題が多いのがその原因です。

本記事では、これらの一般的なトラブルを紹介し、神奈川県横浜市や藤沢市の事例を交えた対処法と、戸建てでの快適なごみ管理のポイントを解説します。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)

【経歴】
ウスイホーム株式会社 取締役。

大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。

地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。
地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員

戸建てのごみトラブルで困った どんな問題が起きている?

戸建て住宅のごみは、決められた日時に決められた種類のごみを出すのが決まりですが、ここでのルールやマナーなどを巡って、多くの場所でトラブルも起きています。いまごみのトラブルで困っている人も自分だけではないかもしれません。戸建てのごみトラブルで、多いものを見ていきましょう。

※本記事では、街の中にある地域ごとの団体について(地域によっては自治会といいますが)「町内会」と呼び、都道府県や市区町村などの公的な行政機関のことを自治体と呼びます。

ごみをどこ・いつ出していいいか分からない

戸建て住宅のごみ出しは、「決められた場所」「決められた曜日」「決められた時間帯まで」に捨てる必要がありますが、引っ越してすぐなど、ごみをどこにいつ出していいのか分からず困るケースがよく見られます。

一般的には、可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみ(リサイクル)・粗大ごみなどの種類ごとに定められた分別法と収集日がありますが、自治体などの地域ごとにごみの分別法やルールが異なるため混乱が起こります。

ごみ出しの曜日や分別、ルールを間違えるとごみは回収してもらえず、その場に残されてしまうため、ごみの取り残しといった問題にもつながってしまうのです。

町内会加入が必須・家の前がごみ置き場に

地域によって、町内会への加入がごみ出しの前提条件とされることがあります(※)。その結果、町内会の加入を巡るトラブルになったり、加入していない住民のごみが取り残されたりする問題が起こることがあります。

また、引っ越してみたら、事前の相談なしに自宅前が町内会の共同ごみ置き場に指定されていたというケースも。

共同ごみ置き場は臭いや害虫の懸念があるため、定期的な掃除が欠かせません。一般的に、共同ごみ置き場の清掃は、町内会内の当番制で行われることが多いのですが、共働き世帯で掃除が夜になってしまうケースや、忘れてしまう住民も少なくないため、町内会の問題になるケースが多く見られます。

※地域や自治体によっては、基本的なごみ出しルールを守れば自治会(町内会)の参加の有無にかかわらず、ごみを回収してくれるところもあります。

不法投棄・時間外に出すなどマナー・ルール違反

不法投棄やマナー・ルール違反のトラブル事例もあります。

  • 町内会の住民以外がごみ置き場に不法投棄を行う
  • 夜間や、ごみ収集時間後のごみ出し
  • 不法投棄や夜間のごみ出しなどで放置されたごみが、カラスなどの野生動物を呼び、ごみが散乱してしまう
  • ごみの分別ルールを理解していない住民や、資源ごみなどのリサイクル法を知らない住民などがごみを適切に捨てず、ごみが取り残される

意図的・意図的ではないを問わず、これらのマナーやルール違反が、地域全体の負担となり住民間のトラブルにも発展することがあります。

ごみ置き場が家から遠い

戸建て住宅では、ごみ置き場が自宅から遠いことが問題になるケースもあります。たとえば、小さな赤ちゃんがいる世帯や自分の体調が悪い際には、重たいごみを持って遠いごみ置き場まで運ぶことは想像以上の負担になるのです。

ごみ置き場に関する要望は個人単位ではなく、多くの場合、町内会を通じて自治体との交渉が必要になることから、すぐの解決に至らないのが実情です。

ごみ置き場に関する問題は日々の生活に影響するにもかかわらず、改善が難しいケースが少なくありません。

ごみ置き場のカラスなどの害獣被害

戸建て住宅のごみ置き場では、カラスや野良猫、ねずみなど野生動物による被害が起こることがあります。

カラスはごみ袋を破って中身を散らかすことも珍しくなく、ごみが散乱する事態にまで発展します。

カラスや野生動物からの被害を防ぐために、多くの地域では、ごみ置き場にネットをかぶせるなどの工夫を行ってごみを出しています。

ごみを出すときにひと手間かかりますが、被害を防ぐために地域の住民が力を合わせている成功事例のひとつといえるでしょう。

ごみ置き場トラブルの対処法~神奈川県の事例

ごみ置き場に対する自治体の例として神奈川県の事例を紹介します。同時に、ごみ置き場のトラブルなどに上手に対処するためのポイントを解説します。

※2024年2月時点の神奈川県横浜市や藤沢市の事例です。条例やルールは地域によって異なり、改正も行われるため、ひとつの事例として参考にしましょう。

ごみの分別種類や収集日は自治体が決めている

ごみの分別のルールや収集日は、市町村などの自治体が、地域の状況に合わせて決めるのが一般的です。

たとえば、「可燃ごみ」「不燃ごみ」「資源ごみ」という分別が多いですが、横浜市では「燃やすごみ(=可燃ごみ)」「プラスチック(=資源ごみ)」「ビン・缶・ペットボトル(=資源ごみ)」に分別し、自治体によって指定された曜日に出します。

「不燃ごみ」とされる「割れた食器」や「古くなった蛍光灯」などは、燃やすごみの日に新聞紙などに包んで個別の袋に入れて出すというルールです。

【ポイント】
自治体によって分別法やルールが異なるため混乱することもあります。しかし、多くの自治体のホームページには、ルールなどが記載され自分で調べることが可能になっています。

資源循環局などごみを担当する部署に電話で聞くことも可能なので、分別ルールなどに迷ったら、まずはホームページなどで確認してみましょう。

参考:横浜市ごみと資源の出し方・分け方|横浜市

ごみ置き場などは町内会が管理

先ほど分別法や収集日は自治体が決めるとお伝えしましたが、ごみ置き場の管理は町内会が担うことが一般的です。

横浜市でも町内会単位で、ごみ置き場の管理・維持が行われています。自治体がごみの分別法やごみ出しの曜日を変更した場合も、町内会経由で周知されるのが一般的です。

【ポイント】
同じ町内会ならどこでもごみを出していいわけではなく、基本的には自分の戸建てエリア・班ごとに町内会から指定されたごみ置き場があり、そこにごみを捨てるというのがほとんどです。

そのほか、細かいごみの出しのルール(カラスよけネットをかける、割れた食器は個別にして見えるように出すなど)など、地域ごとのルールやマナーで困った場合も、町内会に確認してみましょう。

ごみ置き場を清潔に維持管理していくために、町内会単位で掃除当番の割り当てがある地域も多いです。

町内会とのつながりを面倒に感じることもあるかもしれませんが、自分の家の敷地内や近くで、ごみ出しのトラブルが発生した場合、最初の窓口となるのは町内会の会長や環境委員が一般的です。無理なくできる範囲でOKなので、適度なご近所付き合いの維持をおすすめします。

※戸建てでも賃貸物件の場合は、管理会社への相談も選択肢のひとつとなります。

各自治体で対応が違う点に注意

各自治体によってごみの取り扱いに関する対応は大きく異なります。自治体によって異なる例として神奈川県の横浜市と、同じ神奈川の藤沢市・大和市の違いを取り上げてみましょう。

横浜市では、スーパーなどのレジ袋や市販の透明(半透明)の袋に入れて、町内会内にあるごみ集積場所に出します。

藤沢市や大和市では、可燃ごみ・不燃ごみは「指定の有料の袋」に入れる必要があります。ごみを出す場所は、道路に面した「自宅敷地内(戸別収集)」です。

このように、ごみ出しのルールは自治体によって大きく異なるため、町内会などへの確認や連携が重要です。

【ポイント】
神奈川県藤沢市などで進んでいるごみの戸別収集は、住民から「自宅前に出せて便利」などと好評だといいます。

その一方で、指定の有料袋を購入する必要があったり、段ボールなどの資源回収は引き続き町内会が指定したごみ置き場に出すといった注意点もあります。

引っ越し先を探している最中であれば、候補となる自治体のごみ出しルールを事前にチェックし、自分にあったごみ出しルールの自治体を選択肢に入れるのもよいでしょう。

不法投棄は自治会経由であれば行政が対応することも

自治体や不法投棄の状況によって異なりますが、町内会のごみ置き場に放置された不法投棄は、個人ではなく町内会経由の相談であれば、自治体が処理などの対応をしてくれることがあります。

【ポイント】
先ほど紹介した藤沢市などの戸別収集のケースでは、自宅の敷地内にごみを捨てる(=ごみ置き場がある)形式のため、仮に自宅の敷地内のごみ置き場に不法投棄された場合、敷地の所有者に責任が発生するとの認識が一般的です。

不法投棄に関する対応も自治体などによって異なる点を理解し、地域で管理するごみ置き場で起きたトラブルについては、まずは町内会に相談するのが基本といえるでしょう。

戸建てでごみを保管するための工夫

マンションでは24時間ごみ出し可能なケースもありますが、戸建てでは自治体の収集に合わせたごみ出しが必要です。ごみの日まで自宅でごみを上手に保管するための工夫を紹介します。

ごみの分別に合わせたごみ箱数の用意が便利

戸建て住宅におけるごみの分別と保管には、ごみの分別ごとにごみ箱を用意すると、ごみ出しの日の忙しい朝でも、スムーズにごみが捨てられるようになります。ポイントは以下の通りです。

  • リビングなどに置くメインのごみ箱は、ごみの分別ごとに分けるのが◎。各ごみ箱は同じシリーズのデザインのものを選ぶと統一感が出て、ごみ箱の悪目立ちを低減できる
  • 室内に複数のごみ箱を置くスペースがない場合は、屋外に設置できるカチッとフタが閉まるタイプのごみ箱を使うのも◎
  • 家族の部屋ごとに設置するごみ箱の数は、なるべく減らす方がごみ出しは楽に。部屋ごとのごみ箱は小さめのビニール袋などで代用し、家族には、リビングや台所にあるメインのごみ箱に自分で都度捨てるよう協力してもらう方法がおすすめ

自分の家族や生活スタイルに合うごみの分別・保管方法、捨て方を見つけていきましょう。

参考:プラスチック製品の日用品メーカー|リス公式オンラインショップ

生ごみは堆肥にするのも◎

コンポストという専用の容器を使い、生ごみを堆肥に変えることで、生ごみの量を減らす方法があります。

コンポストでできた高品質の堆肥は、ガーデニングや家庭菜園に使うことができ、無農薬で環境にやさしい野菜や花を楽しめます。

生ごみを堆肥化することは、環境への配慮と自家製肥料というメリットはもちろん、生ごみが減ってごみ捨てが楽になるという長所があります。実用的かつ持続可能な選択肢といえるでしょう。

※すべての生ごみが堆肥に適しているわけではなく、タケノコの皮や貝殻など、微生物によって分解されにくい素材は避ける必要があります。

夏の生ごみ対策は「冷凍」がおすすめ

夏の生ごみは腐敗が進みやすく、室内はもちろん、屋外のごみ箱においても周囲に不快な臭いを拡散させます。

なかでも、玉ねぎやニンニクなどの臭いが強い野菜、肉や魚は腐敗しやすく強い臭いを放ちます。このような臭い対策としておすすめなのが、生ごみは捨てるときまで冷凍しておくという方法です。

腐敗する前の「調理してすぐ」や「食べ終わってすぐ」状態でビニール袋に密閉して冷凍してしまえば、臭いや菌の繁殖を少なくできます。

夏の生ごみ対策には、細かな注意と工夫が必要です。ごみを適切に管理しましょう。

戸建ての一般的なごみ出しのルール

これまで、ごみ出しトラブルやごみ出しルールなどについて解説してきました。最後に、細かい分別ルールなどは異なりますが、多くの自治体に共通する一般的なごみ出しルールをまとめます。

収集日と収集時間を守る

 一般的に、可燃ごみ(生ごみ)は週2回、その他のごみは週1回や隔週での収集が多いようですが、自治体や町内会の収集カレンダーなどを確認し、指定された日に、指定されたごみを出しましょう。

また、実際にごみの回収に来る時間が昼間や午後でも、ごみ出しの時間は朝8時~9時ごろまでというのが一般的なルールです。

特に、夜間のごみ出しは、放火やカラス・ねずみなどによるごみ荒らしなどのリスクがあるため避ける必要があります。

ごみ出しの袋に指定がある自治体も

先ほども少し触れましたが、自治体によって、ごみ出しに使用する袋を有料化して指定している場合があります。

ごみの種類や量に応じて、異なる大きさや色の違う袋を用意し、自治体で販売しているケースが多いようです。

また、黒い袋を禁止し中身が確認しやすい半透明の袋を使うことを、ルールとしている自治体もあります。

指定されたごみ袋を使うことが、自治体のごみ処理システムをスムーズに機能させるために重要になっています。

粗大ごみや粗ごみは有料

粗大ごみや特定の大きなごみの処理は、ほとんどの地域で有料です。

事前に地域のごみ処理センター(資源循環局など)へ予約を行い、ごみの大きさや種類によって指定された金額の回収シールを有料で購入。ごみ出しの当日に、回収シールをごみに貼り付けて出す方式が多いようです。

粗大ごみというと大きなごみをイメージするかもしれませんが、たとえば小さい子どもが使う「小さいパイプ式のイス(豆チェア)」でもフレームが金属の場合は、粗大ごみ扱いになることがあります。

通常のごみとして出した後に、取り残されるなどして粗大ごみと分かったら、速やかに引き取り、自治体の粗大ごみルールに応じた対応を行いましょう。

ごみ置き場の掃除

ごみ置き場の掃除は、清潔さを保つために必要な作業です。多くの場合、町内会が中心となり順番に掃除の担当を分担しています。

仕事などでどうしても掃除に参加できない場合は町内会に相談し、代替の方法や対応策を確認することが大切です。あくまで無理のない範囲で、上手に取り組んでいきましょう。

戸建てごみ置き場トラブルの回避にはルールを守ることから

戸建て住宅の生活で、自治体のルールに従ってごみを出すことは、快適で清潔な住環境を維持する上で大切な役割を果たします。

住民それぞれが責任を持って行動することがトラブルを未然に防ぎ、地域全体の美化に役立ちます。

もしも、住んでいる地域のごみ出しに関するトラブルで悩んでいるのなら、一人で悩まずまずは町内会に相談してみましょう。近隣住民の中にも同じ思いで困っている人がいるかもしれません。

地域の人と協力しながら、快適な住環境を守っていきましょう。

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執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。
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