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【プロ監修】戸建て玄関おしゃれなデザイン|ドア・ポーチ・リフォーム

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戸建て住宅の玄関は、家の顔ともいえる大切なスペースです。おしゃれで機能的な玄関であれば使いやすく、出かけるときも帰宅時も快適です。

本記事では、新築やリフォームを考えている方に向けて、理想の玄関を作るためのポイントを紹介。玄関ドアの選び方から、ポーチ、靴棚、照明まで、トータルコーディネートするためのコツをプロの視点で解説します。快適で魅力的な玄関づくりのヒントにぜひお役立てください。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)

【経歴】
ウスイホーム株式会社 取締役。

大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。

地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。
地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員

おしゃれな玄関にするポイント|玄関ドア

おしゃれな玄関にするポイント|玄関ドア

まずは、玄関のイメージを左右する、玄関ドアについてみていきましょう。デザイン、素材、色、機能の各ポイントを紹介します。

玄関ドアの種類|デザイン

玄関ドアのデザインは、家の顔となる重要な要素です。最初に決めるべきは玄関ドアの種類で、一般的な戸建て住宅では以下の5つのタイプから選ぶことが多いです。

  • 片開き
    玄関ドアが1つの一般的でシンプルなスタイル
  • 片袖FIX
    玄関ドアの片側(片袖)に採光窓などと呼ばれる固定式の窓があるドア。明るさと開放感がある
  • 両袖FIX
    玄関ドアの両側(両袖)に採光窓などの固定窓を持つ。バランスのよい外観
  • 親子開き
    片袖にあたる部分が固定ではなく鍵式の子扉になっていて、鍵を開けることで観音開き(玄関ドアと、片袖にあたる部分の両方が開く)になる。機能性とデザイン性を兼ね備えている
  • 引き戸(スライド式)
    左右にスライドすることで開閉する。省スペースでモダンな印象を与える。力の弱い人でも開閉しやすい

玄関ドアの種類|素材

玄関ドアの素材選びは、耐久性とデザインのバランスが鍵です。

  • 木製
    温かみのある自然な外観が魅力
  • ステンレス
    モダンな外観と高級感がある。高い耐久性で塩害にも強い
  • スチール
    丈夫で、防火・防犯性が高い
  • アルミ
    軽量で開け閉めが楽。ほかの素材に比べ安価

素材を選ぶ際には見た目のデザイン性だけでなく、機能面にも十分に配慮しましょう。たとえば、海で有名な神奈川県の湘南地域のように塩害が懸念される地域では、塩害に強いステンレス製の玄関ドアなどを検討することをおすすめします。

玄関ドアの種類|色・ドアノブ・鍵

玄関ドアの色やドアノブ、鍵にも違いがあります。

  • 玄関ドアの色
    家の顔となる玄関は、その色味で全体の雰囲気を左右します。明るい色は開放感や温かみのある雰囲気、暗めの色は落ち着いたスタイリッシュな印象を与えます。住宅の外装の色とのバランスも考慮しつつ、自分の理想とするイメージを表現してみましょう。
  • 玄関のドアノブのデザイン
    最近の戸建ては、プッシュプルハンドル(縦長のハンドルを押すことで開けるタイプ)、レバーハンドル(横長のハンドル式レバーを下に押して開けるタイプ)が主流です。
  • 鍵の性能
    鍵の数や種類によってセキュリティレベルが変わります。近年の戸建てでは、ひとつの玄関ドアに2つの鍵をつけるワンドアツーロックが増えています。

おしゃれな玄関にするポイント|玄関ポーチ・玄関たたき・上り框

おしゃれな玄関にするポイント|玄関ポーチ・玄関たたき・上り框

玄関ポーチとはドアの外側でチャイムを鳴らすときに立つところ、玄関たたきとはドアを開けた内側の土間、靴を脱ぐところをいいます。上り框(あがりかまち)とは、玄関たたきから靴を脱いで家にあがる際の段差の部分をいいます。それぞれのデザインや素材についてみていきましょう。

玄関ポーチの種類|デザイン・素材

玄関ポーチは足元の部分とはいえ範囲が広く、家の印象を左右します。また、雨風の影響を強く受ける場所なので、耐久性や掃除などメンテナンスのしやすさなども考慮することが大切です。

  • タイル
    色や模様が豊富でたたきと合わせたコーディネートが可能
  • モルタル
    シンプルかつモダンな雰囲気で門からのアプローチと揃えられる
  • コンクリート
    スタイリッシュで現代的、リーズナブルで掃除がしやすい 

  • 自然な風合いがあり、デザイン性を持たせれば高級感もある。和風にも洋風にもデザイン可能
  • レンガ
    クラシカルで温かみがある。コンクリートの周りをふちどるようなデザインに使っても魅力的

玄関たたき・上り框の種類|デザイン・素材

玄関たたきと上り框は、玄関から室内へ入ったときの第一印象になるため、室内のイメージとの統一感を考慮しましょう。玄関ポーチと同じ素材でデザインすることが多いです。

  • タイル
    色の選択肢が多く耐久性が高い
  • モルタル
    シンプルでモダンな外観を作り出せる
  • コンクリート
    現代的で耐久性が高く、掃除もしやすい
  • 玉砂利
    自然な美しさと独特の足触りをもたらし、日本的な玄関のイメージを作り上げる。玄関ポーチに和風な石階段などを使用した際に、おすすめのデザイン。

上がり框について
一般的には玄関を上がったところの床や廊下とマッチする素材やデザインが選ばれます。雨の日などに汚れやすい箇所のため、拭き掃除やしやすい素材やデザインをおすすめします。

おしゃれな玄関にするポイント|靴棚・シューズボックス

おしゃれな玄関にするポイント|靴棚・シューズボックス

新築や玄関のリフォーム時であれば、玄関ドアや玄関のたたき、上がり框と統一感のある備え付け(作り付け)の靴棚・シューズクロークの設置が可能です。

玄関の靴棚・シューズボックスの種類|デザイン

備え付けのシューズボックスの魅力はなんといっても、玄関ドアなどとの統一感です。

  • 扉付きタイプ
    靴を隠し、玄関をすっきりみせる 
  • オープンラックタイプ
    収納や取り出しが容易で、靴を展示するように楽しめる 
  • 壁一面の靴棚
    大容量で、家族が多い場合や靴の量が多い家庭向き

靴棚の上に、季節のオーナメントや花などを飾れるスペースを作るのもおすすめです。靴棚の下には、普段用のサンダルなどを隠せるオープンスペースを用意すると、玄関をすっきり維持できるでしょう。 

玄関の靴棚・シューズクロークの種類|デザイン

シューズクロークとは靴用のクローゼットとして、玄関エリアに作る1〜2畳ほどの小部屋のようなスペースをいいます。シューズクロークに備え付けのオープン靴棚を作れば、靴の収納が簡単で風通しもよいため、靴の管理が楽になります。

床材は玄関たたきと同素材にして土足で入れるようにすれば、ベビーカーや子ども用の自転車などを置けるので、玄関周りの整理整頓が容易になるでしょう。

おしゃれな玄関にするポイント|窓

おしゃれな玄関にするポイント|窓

玄関に窓があれば、光や風が入る明るい玄関を作れます。窓の大きさや種類、玄関につける網戸の選び方をみていきましょう。

玄関の窓の種類|デザイン・大きさ

玄関の窓は、換気や明りとりという機能面、玄関全体の印象を演出するデザイン面という2つの目的で設置されることが多いです。

引き違いの一般的な窓は、明り採りだけではなく窓の開け閉めが簡単で換気が容易にできる点がメリットといえます。

開閉できない明りとり用の採光窓も、玄関ドアや脇の片袖FIX部分、壁面、足元などに設置することで明るい印象の玄関を演出できます。

玄関に設置する窓は防犯性の高いCPマークの窓(※)にするなど、防犯面にも配慮しましょう。

おすすめ記事:戸建て住宅でできる防犯対策|防犯カメラ・グッズ・リフォーム

※参考:防犯合わせガラス(CPマーク)マークについて_板硝子協会

玄関網戸の種類|デザイン 

玄関の換気を主な目的とする場合や、玄関に窓を設置するスペースがない場合は、玄関ドアでも、片袖FIXの固定部分のガラスが上下に開いて、光と同時に風をとり入れられるデザインを選ぶのもおすすめ。 

また、玄関ドアの内側に網戸式の内ドアを設置する方法もあります。工務店などに依頼して設置する固定タイプでは、鍵付きでセキュリティ面でも安心な製品もあります。

取り外し可能で後付けできるタイプも市販もされており、使わないときは取り外せるため気軽に設置できるでしょう。

おしゃれな玄関にするポイント|照明

おしゃれな玄関にするポイント|照明

玄関に欠かせないのが照明です。デザインや機能面について見ていきましょう。

玄関の照明の種類|デザイン

玄関照明の外灯(がいとう)と、玄関内に設置する照明について解説します。

  • 外灯:玄関の壁に設置するウォールライト
    玄関の壁面に、自分で選んだ外灯を設置するケースです。個性を演出できたり、好みのデザインが選べたりするのが特徴です。
  • 外灯:玄関のひさしに設置するダウンライト
    玄関のひさし(玄関ドアの上に設置される小さな屋根)に設置したダウンライトから光を照らすため、玄関ポーチ全体を明るく照らせます。照明はひさし部分に埋め込まれているため、すっきりとしたデザインが実現します。
  • 外灯:機能面
    最近の玄関用の外灯では、人の動きを検知して自動で点灯・消灯する「人感センサー式」、設定した時間に自動で点灯・消灯する「タイマー式」の照明などが人気です。
  • 玄関の内側(玄関のたたき部分)の照明
    新築戸建ての場合は、室内全体の照明を選ぶ際に同時に決めることが多いです。
  • リフォームの場合は、玄関ドアや玄関たたきなどのイメージにあった照明を選びましょう。機能面では、節電対策や、電気交換の頻度が減るLEDライトがおすすめです。

玄関の照明の種類|門灯のデザイン

門灯やアプローチの照明は、デザイン性だけでなく、夜間の安全性を考慮することをおすすめします。安全性とは、つまづき転倒しないための安全面と、泥棒が潜みやすい暗がりを減らすという防犯面との2つの意味があります。

機能面では、自動点灯センサー付き屋内から操作ができるリモコンがついた門灯などもあります。

おしゃれな玄関にするポイント|宅配ボックス・洗い場

玄関横に、「宅配ボックス」や「洗い場」の設置もおすすめです。

戸建てに設置する宅配ボックスは、一般的に100サイズの荷物が入る大きさが目安です。100サイズとは、縦×横×高さを足した合計が100cmの大きさをいいます。おおよその目安として、縦・横・高さすべてが30cmくらいの四角い段ボールをイメージすると分かりやすいでしょう。

洗い場は、ペットのいるご家庭、ガーデニングが趣味のご家庭、汚れた靴や車の洗車を頻繁に行うご家庭、神奈川県の湘南地域のように海が近い地域などで特に活躍します。必要性に応じて検討してみましょう。

おしゃれな玄関にするまでの流れ

おしゃれな玄関にするまでの流れ

ここからは、おしゃれで自分好みの玄関を作るための一般的なプロセスを解説します。 

※状況によって異なることがあります。

①玄関の広さを決める

新築戸建てでは各部屋の設計を行うときに、玄関の広さも同時に設計します。

玄関エリアの広さは、家族の人数、ペットやベビーカー、車いすの有無といった生活スタイルや、家全体のデザインとの調和を考慮しましょう。

②玄関ドアを決める

玄関のリフォーム時、新築でも規格住宅などの場合は、すでに玄関の広さは決まっているため、玄関ドアを選ぶところからはじめます。

まずは、ドアの種類や色、ドアの素材、ドアノブ(ハンドル)などのデザインを一つひとつ決めます。

断熱性能(エネルギー効率アップ)、防犯性能、塩害など地域や土地の条件に応じた機能面についても慎重に検討しましょう。 

③玄関ポーチを決める

一般的に、玄関ポーチと玄関たたきは、同素材や同デザインを選ぶことが多いです。外からドアを開けて中に入ったときに空間につながりを持たせるためです。

素材選びでは、おしゃれなデザインも大切ですが、掃除のしやすさや汚れが目立ちにくい素材や色味、耐久性なども選択基準に入れることをおすすめします。 

④靴棚や窓を決める

靴棚は、後から購入して設置することも可能ですが、玄関のインテリアとして統一感を出したい場合は、玄関ドアと同時に備え付けを検討するのがよいでしょう。とくに、靴が多い家庭では、壁全面を利用した靴棚やシュークロークの設置が有効です。

壁全面など大き目の靴棚を計画する場合は、窓とのバランス調整が必須になります。靴の収納、採光、換気との間でちょうどいいバランスで調整しましょう。 

⑤玄関の照明を決める

基本的な玄関周りのデザインや素材が決まったら、外灯や門灯選びに移ります。

ここまでで、おおよその玄関のテイストやイメージが固まっているので、それらに合わせたデザインのものを選びましょう。安全面や機能面も含めた総合的な視点で選んでいきましょう。 

【実例】玄関のリフォームの費用と工期

【実例】玄関のリフォームの費用と工期

玄関のリフォームを考えている場合に、気になるのは費用と工期です。
リフォームの範囲や、選択する材料・性能などによって異なりますが、一般的なケースで目安を紹介します。

  • 玄関ドアの交換
    工期:約1日程度~
    ・費用:30万円前後~
    ・ポイント:ドアの種類や素材、鍵の性能(スマホで開閉できるスマートキー/防犯性のが高いディンプルキーなど)などで費用が変わってきます

参考:たった1日でできた断熱性能の高い玄関ドアへのリフォーム_ウスイホーム

  • 玄関全体のリフォーム(玄関ポーチ・玄関ドア・玄関たたき・窓・照明など)
    工期:3週間~1か月前後
    ・費用:100万円前後~
    ・ポイント:素材やデザイン、リフォームする範囲(広さ)などにより費用が変わります

参考:玄関全体のフルリフォーム成功例_ウスイホーム

玄関の鍵の交換
・工期:数時間~半日程度
・費用:4万円前後~
・ポイント:鍵だけの交換も人気です。防犯性の高い最新のディンプルキーなどに交換できます

また、今ある1つ鍵の玄関ドアのまま、2つ鍵(ツーロック)にするリフォームすることも可能です。費用は、玄関ドアの素材による工期の違いや選ぶ鍵などによって異なるため、事業者に相談しましょう。

玄関リフォームでは、安い工事費用に惹かれがちです。しかし、家の顔となるおしゃれな玄関を作るためには、デザインや素材、機能面などの相談にも丁寧に応じてくれる工務店やハウスメーカー、リフォームを扱う不動産会社などを選びましょう。 

東京でリフォーム会社をお探しの方は、下記の会社も参考にしてみてください。
参考:東京都のリフォームや屋根修理ならリフォームアズ株式会社

おしゃれな玄関で家のデザイン性を高めよう

玄関は家の顔になるため、玄関ポーチ〜玄関ドア〜玄関たたきまで、総合的にバランスのとれたデザインを目指し、家全体のデザイン性を高めましょう。

同時に、長く生活していく上では、素材や機能面とのバランスも重要です。決めることが多く大変かもしれませんが、家族それぞれが思い描く玄関について楽しみながら話し合いデザインしていきましょう。

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執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact