豆知識

手付金とは?不動産売買で失敗しないための基礎知識と注意点を徹底解説

公開日: 最終更新日:
earnest-money-1

「手付金」という言葉を聞いたことがあっても、その正確な意味や目的については、住宅購入を検討する段階ではじめて意識する方も多いのではないでしょうか。

手付金は、不動産売買における一連の手続きの中で、契約の成立や履行に関わる重要な費用の一つです。

金額の相場や支払いのタイミング、契約解除時の取り扱いなど、事前に理解しておきたい点がいくつもあります。

本記事では、住宅購入における手付金の基礎知識と注意点について、わかりやすく解説します。

手付金とは?不動産売買における基本をわかりやすく解説

住宅の購入を検討する際に支払う「手付金」は、契約の流れや内容に関わる重要な費用です。

金額の相場や支払いのタイミング、契約解除時の扱いなどを正しく理解することで、取引時のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

ここでは、手付金の基本的な役割と他の費用との違いをわかりやすく解説します。

手付金とは何か

手付金とは、売買契約を結ぶ際に、買主が売主に対して支払うお金のことです。

売買代金の一部として位置づけられ、契約が成立したことを示す意味合いがあります。

そのため、契約が予定どおり進んだ場合には、最終的に売買代金へ充当されるのが一般的で、途中で返金されるものではありません。

ただし、住宅ローンの審査が通らなかった場合など、あらかじめ特約が設けられているケースでは、返還されることもあります。

不動産取引では、契約締結日から物件の引き渡し日までの間に手付金を支払うのが通例です。

このように手付金は、契約内容を双方で確認し、取引を進めていくための重要な手続きの一つであり、個人間の売買でも、不動産会社を介した取引でも支払われることがあります。

手付金と混同しやすいお金との違い

住宅購入に関連する費用の中には、手付金と混同されやすいものが複数あります。以下に、「頭金」「内金」「申込証拠金」との違いについて、それぞれの特徴を解説します。

頭金との違い

手付金は売買契約を結ぶ際に買主が支払う費用であり、契約の成立を示すものです。

一方で、頭金は住宅購入に際してローンを利用する場合に、購入代金の一部を自己資金で支払うためのお金です。

頭金は契約時ではなく、物件の引き渡し時やローン実行時に支払われることが多く、主に住宅ローン借入額を抑える目的で使われます。

一般的に、頭金が多いほど毎月の返済額が少なくなり、ローンの返済計画が立てやすくなります。

内金との違い

内金とは、売買契約が成立した後に、買主が売主に支払う代金の一部を指します。売買代金にあらかじめ含まれるお金で、前もって支払う「前払い金」のような位置づけです。

法律で明確な定義はなく、契約書の中でどのように取り扱うかが記載されて決まるのが一般的です。

手付金との大きな違いは、「契約を途中で解除できるかどうか」という点にあります。

手付金には、買主が放棄したり売主が倍額を返すことで契約を解除できるしくみがありますが、内金にはそのような効力はありません。

また、契約書によっては手付金と内金の区別があいまいな場合もあるため、それぞれの金額や役割が明確に記載されているか、契約前にしっかり確認しておきましょう。

手付金と内金・申込証拠金の違い

申込証拠金(予約金とも呼ばれます)は、買主が購入の意思を示すために、契約前の段階で支払うお金です。

多くの場合、「購入申込書」の提出とあわせて支払われ、物件を一時的に仮押さえする目的で使われます。

他の希望者に物件を取られないようにする役割を持っていますが、これはまだ正式な契約ではありません。

申込証拠金の有効期間は、一般的に7日〜10日程度とされており、その期間内に契約がまとまらなかった場合は、宅地建物取引業法に基づき返金されるのが一般的です。

また、購入の意思が申込書の内容で十分に確認できると判断される場合は、申込証拠金そのものが求められないケースもあります。

手付金が持つ3つの役割と法的な意味

手付金には、契約の成立を示すだけでなく、解除や違反時の対応に関する重要な意味があります。

不動産取引の現場では「証約手付」「解約手付」「違約手付」の3つの考え方があり、それぞれの仕組みを理解しておくことで、契約時の不安やトラブルの防止につながります。

ここからは、それぞれの手付金が持つ役割と法的な意味について見ていきましょう。

契約成立の証となる「証約手付」

証約手付とは、売買契約が成立したことを示すための手付金です。

買主と売主の合意があった証拠として扱われ、手付金の授受が行われた時点で契約が成立しているとみなされます。 

実務上は、契約書への署名・押印と手付金の支払いが完了した段階で正式な契約とされます

。後から「契約はしていない」と主張することはできず、法的にも強い効力を持ちます。

一定条件で契約解除できる「解約手付」

解約手付とは、契約成立後でも一方的に契約を解除できる手付金のことです。

買主が契約をやめたい場合は手付金を放棄し、売主がやめたい場合は手付金の2倍を買主に返すことで解除できます。

これは民法第557条に基づく制度で、柔軟な取引を可能にするためのルールです。

なお、いつまでこの解除が可能なのかといった期間は契約書に記載されているため、事前にしっかり確認しておく必要があります。

契約違反に備える「違約手付」

違約手付とは、契約成立後に代金の未払いなどの契約違反があった場合、ペナルティとして没収や倍返しの対象となる手付金です。

ただし、現在の不動産売買では、手付金だけでは損害を補いきれないこともあるため、手付解除期間を過ぎた後の違反に備えて、あらかじめ違約金を契約書で定めておくのが一般的です。

違約金は売買代金の10〜20%程度に設定されることが多く、支払済みの手付金はその一部として扱われます。

なお、手付金を違約手付として扱うには契約書への明記が必要で、記載がない場合は原則として解約手付とみなされます。

契約違反時にどのような金銭的負担が発生するかは、契約書の該当項目を事前にしっかり確認しておくことが大切です。 

手付金はいくら必要?

手付金は不動産売買において重要な費用の一つですが、その金額や支払方法、自己資金の準備など、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。

ここからは、手付金に関する基本的な疑問について解説します。

手付金の相場

手付金の一般的な目安は、売買代金の5〜10%程度とされています。

なかには20%前後の例もありますが、高すぎると契約解除時の負担が大きく、資金計画にも影響を与えるため注意が必要です。

一方、相場より低すぎると売主が契約に不安を感じ、解除されやすくなる可能性もあります。

十分な手付金を準備できない場合でも、ローン審査の通過など購入意志を裏付ける材料があれば、売主側と条件を相談できることもあります。

必要に応じて不動産会社に相談しながら、現実的な金額で話を進めていきましょう。

手付金を支払うタイミングと方法

手付金は、売買契約を結ぶタイミングで支払うのが一般的です。支払方法は現金または銀行振込が多く、住宅ローンには基本的に含めることができません。

そのため、契約前にあらかじめ現金で準備しておく必要があります。 

手付金の支払後には、領収書や預かり証などを発行してもらい、書面で記録を残しておくことが大切です。

不動産会社が仲介に入っている場合でも、口頭のやり取りだけで済ませず、証拠として書面を保管するようにしましょう。

手付金は住宅ローンで払える?自己資金が必要?

先述の通り、手付金は基本的に住宅ローンで支払うことはできません。

というのも、住宅ローンの融資は売買契約が正式に成立した後に実行されるため、契約時に必要となる手付金には、まだローンの資金が使えないのです。

そのため、手付金はあらかじめ自己資金として用意しておく必要があります。

資金が不足しそうな場合は、早めに不動産会社へ相談し、支払時期の調整などが可能か検討することも一つの方法です。

いずれにしても、手付金の目安は住宅購入計画の初期段階で把握し、無理のない範囲で資金計画を立てておくことが大切です。

契約解除したら手付金はどうなる?買主・売主それぞれのケースで解説

売買契約を解除する場合、手付金がどう扱われるかは、解除の理由やタイミング、そして「買主と売主のどちらが解除を申し出るか」によって異なります。

ここでは、買主と売主それぞれの立場から、契約解除時の手付金の扱いについて具体的に解説します。

買主から契約解除する場合(手付放棄)

買主の都合で契約を解除する場合、支払った手付金は原則として返金されません。

これは「解約手付」として扱われるためで、買主は手付金を放棄することで、契約を一方的に解除できます。 

ただし、売買契約に明記された解除期限内であることが前提です。期限を過ぎた解除は「債務不履行」とみなされ、別途損害賠償の対象となることもあります。

契約書に記載された解除条件や期限を事前に確認しておくことが、トラブルを避けるうえで非常に重要です。

売主から契約解除する場合(手付金の倍返し)

売主が契約を解除する場合、買主から受け取った手付金を返すだけでは解除はできません。

先述の通り、解約手付としての取り扱いであれば、受け取った手付金の倍額を買主に支払うことで、契約を解除できます。

この制度は民法第557条に基づいたもので、売主からの一方的な解除を制限するために設けられたルールです。

解除のタイミングや条件については、契約書に具体的な記載があるのが一般的なので、あらかじめ確認しておくことが大切です。

解除できる期限

手付金を使って契約を解除できるのは、「解除できる期限内」であることが前提です。

民法上は「履行に着手するまで」とされていますが、実際の取引では、「契約日から◯日以内」「引き渡しの◯日前まで」など、契約書に具体的な期日が定められているケースが一般的です。

この期限を過ぎると、手付金を放棄したり、2倍の金額を支払って契約を解除したりすることはできなくなります。

その場合、契約違反とみなされ、別途対応が必要となる可能性があります。

解除を検討する際は、契約書の内容を確認し、期限内かどうかをしっかり把握しておくことが重要です。

手付金トラブルを防ぐために知っておきたいポイント

手付金は不動産契約において重要な役割を果たしますが、タイミングや内容を誤解しているとトラブルの原因になることもあります。

ここでは、手付金にまつわるリスクを防ぐために、事前に押さえておきたいポイントを解説します。

手付金が返還されない主なケース

手付金は、原則として返金されないものとされています。特に、契約後に買主の都合で解除する「手付解除」の場合は、支払った手付金を放棄することになります。

また、解除の期限を過ぎていたり、契約違反(債務不履行)に該当した場合には、手付金が没収されたり、損害賠償を求められる可能性もあります。 

不動産売買でこうしたトラブルを避けるためには、契約時の説明をしっかりと受け、不明な点があればその場で質問し、納得したうえで契約を進めることが重要です。

ローン特約・特約条項でリスクを軽減する

住宅ローンが通らなかった場合でも、契約を解除できる「ローン特約」が契約書に盛り込まれていれば、手付金が返還されることがあります。

特約は契約書ごとに内容が異なるため、記載の有無や条件を事前に確認することが重要です。

特にはじめての住宅購入では、住宅ローンの審査結果が読みにくいため、ローン特約の有無が取引リスクを左右します。

多くのケースでは、不動産会社が用意する契約書に標準で盛り込まれていますが、念のため契約前に確認しておきましょう。

安心な取引のために不動産会社が果たす役割

不動産会社は、契約の流れや手付金の取り扱いについて丁寧に説明する役割を担っています。また、宅地建物取引業法に基づいて、公正で安全な取引を進める義務があります。

買主としては、不明点を気軽に相談できる不動産会社を選ぶことで、契約に対する不安や誤解を未然に防ぐことができます。

取引経験や実績、地域密着度なども参考に、信頼できるパートナーを見つけることが安心につながるでしょう。

家の購入・売却の相談はウスイホームへ

ウスイホームでは、はじめての住宅購入や売却でも安心してご相談いただける体制を整えています。

資金計画や契約内容に関するご相談はもちろん、地域に根ざした豊富な経験と実績を活かし、一人ひとりにあわせた丁寧なサポートを行っています。

手付金や契約に関する不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。購入・売却に関するさまざまな疑問にお答えさせていただきます。

▼横浜・湘南・横須賀エリアで家の購入・売却についてはこちら▼

神奈川の一戸建てを探す|ウスイホーム

神奈川の中古マンションを探す|ウスイホーム

神奈川県の不動産売却はウスイホーム(マンション・アパート・事務所・一戸建て・土地)

手付金とは何かを正しく理解して安心して不動産取引を進めよう

手付金について基本的な知識を持っておくことで、不動産取引をより安心して進めることができます。

相場や支払いのタイミング、契約解除時の取り扱いを理解しておけば、判断に迷った際にも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

「手付金が返ってこない」「思っていた話と違う」といったトラブルを避けるためにも、契約書の内容をしっかりと確認し、不明点があれば専門家や不動産会社に相談することが大切です。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、戸建てやマンションを検討・購入する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact

関連記事