
窓を増やすリフォームをしたい場合、気になるのは費用ではないでしょうか。しかし、窓を増やしたいときには、費用以外に気にするべきポイントがあります。
まず、費用は10万~50万円必要です。小窓増設か掃き出し窓かなど、サイズや設置する場所により費用は異なります。そして、実は壁に窓を作るのは「難しい工事」なのです。
そこで今回は、窓を増やすリフォームのポイントと窓の増設に失敗しないための注意点を、わかりやすく解説します。
費用相場・補助金・窓の種類についても紹介しますので、リフォームを成功させ、理想の窓を実現するためにぜひお役立てください。
窓の増設リフォームに必要な費用相場

窓を後から設置する場合、「工事が大掛かりになるのかな?」「費用はどれくらいだろう」と気になる方は多いかもしれません。まずは、窓のサイズ別の費用相場と、コストを左右するポイントについて解説します。
増やす窓のサイズ別費用相場
窓の増設費用はサイズや設置場所によって費用が変わります。小窓であれば比較的安価ですが、大きな窓や家の構造に影響を与える工事では費用が高くなります。以下に、窓のサイズ別の一般的な費用相場表を作成しました。
<窓のサイズ別費用相場>
窓の種類 | 設置場所 | 費用相場 |
小窓(明かり取り窓) | 外壁 | 10~15万円 |
内窓の増設 | 室内 | 4~20万円 |
小窓 | 天井 | 30~50万円 |
腰高窓 | 外壁 | 30~40万円 |
掃き出し窓(床まで届く大きな窓) | 外壁 | 35~45万円 |
腰高窓を掃き出し窓へ拡張 | 外壁 | 30~40万円 |
室内窓 | 間仕切り壁 | 5~15万円 |
外壁に穴をあけて窓を作る場合、穴をあけるだけでなく、外壁と内壁の補修工事が必要になります。外壁の塗装、雨漏り防止のための補修、室内側のクロスの補修などです。大きさや位置によっては大掛かりな工事になり、1週間程度かかる場合もあります。
一般的に、費用には以下のようなものが含まれます。
- 窓本体の価格
- 壁解体費
- サッシ取り付け費
- 外壁の仕上げと材料費
- 内装クロス仕上げ費
- 廃材処分費
- 養生費
もし、増やす窓の設置が2階以上の場合は、上記に足場代が加算されます。
小窓の増設なら比較的手軽に行えますが、大型の窓や既存の窓の拡張には慎重な計画が必要です。
費用を左右するポイント
窓の増設リフォームの費用は、設置場所や窓の種類、施工の難易度によって変わります。以下のポイントを理解しておくと、適正な予算計画が立てやすくなります。
設置場所による違い
2階以上の窓の増設には、足場代(約10万~20万円)がかかります。室内窓の増設は、外壁工事がないため、比較的安価(4万~20万円程度)です。
設置場所の外壁材の種類
外壁の素材によって、施工の手間や費用が変わります。サイディングやモルタルは比較的施工しやすく、コストを抑えやすいですが、タイル張りやコンクリート壁は、施工費が高くなることがあります。
設置する窓の性能
窓の機能によっては、窓本体の価格が高くなるケースもあります。断熱・防音・防犯性能が高いため費用は通常より高めになります。
窓増設工事の難易度
筋交い(建物の補強材)を避ける必要がある場合、設置場所の調整や補強工事が必要となるため、施工費が上がります。配線や配管が通っている場所に窓を設置する場合は、移設工事が発生して追加費用がかかることがあります。
窓の増設を検討する際には、これらの要因を踏まえ、費用と希望に合った計画を立てましょう。
リフォームで後付け可能な窓の種類

窓を増やすリフォームは、採光や通風の向上だけでなく、インテリア性を高める効果もあります。希望に合わせた窓を選ぶことで、快適でデザイン性の高い空間を実現しましょう。ここでは、後付け可能な窓の種類と特徴を解説します。
明かり取り窓
明かり取り窓は、光を取り込むための小窓で、玄関・廊下・階段・トイレなどに設置することが多い窓です。日中は自然光が取り入れられ、照明使用を減らせるほか、空間を開放的に見せる効果もあります。断熱性を考慮して、断熱仕様の窓を選ぶことがポイントです。
換気用の窓
換気用の窓は、風通しや湿気対策になります。キッチンや浴室・トイレに設置されることが多く、キッチンであれば調理中の煙やにおいを排出し、浴室では換気により、結露やカビの発生を抑えます。引き違い戸だけでなく、ルーバー窓や、リフォーム時は、網戸付きの滑り出し窓も検討しましょう。
室内窓
室内窓は、間仕切り壁に設置し、隣接する部屋や廊下とつながりを持たせる窓です。光の共有や、空気の流れを作り出します。リビングとキッチン、書斎と寝室などでの設置が人気です。デザイン性の高いガラスや木枠を選ぶことで、インテリアのアクセントにもなります。
天窓(トップライト)
天窓(トップライト)は、天井に設置する窓で、自然光で室内を明るくできるのが特徴です。採光が難しい北向きの部屋や吹き抜けに適しています。ただし、直射日光による暑さ対策や、雨漏り防止の塗装などが必要です。
掃き出し窓
掃き出し窓は、床から天井近くまである大きな窓で、ベランダや庭に直接出入りできるように設置されます。室内と屋外につながりを持たせ、開放感を演出できます。防犯対策として強化ガラスやシャッター付きの窓にすると安心です。
サイズが大きいため、掃き出し窓を増やす場合は、構造的な問題がないか、調査が必要です。
腰高窓
腰高窓は、大人の腰の高さに設置される窓で、採光と換気を確保できるのが特徴です。寝室や子供部屋、書斎などに設置されることが多い窓といえるでしょう。窓のサイズが比較的大きいため、窓を増やす場合は、構造的な問題がないか、調査が必要です。
リフォームで窓を増やす際に確認すること・注意すること

窓を増やすリフォームでは、構造上の制限や断熱対策、防犯・プライバシーの確保など、事前に注意すべきポイントがいくつかあります。快適で安心できる住まいを実現するために、これらを理解して計画を立て、窓を増設しましょう。
窓リフォームの制限を確認
窓を増やすリフォームでは、注意が必要なケースが3つあります。例えば、以下のようなケースです。
- 筋交いや構造材の影響:建物の強度を保つための筋交いや柱、耐力壁がある場所には、追加の補強工事が必要になります。
- マンションの制約:外壁は、共有部分にあたるため、基本的に窓を増設できません。
- 防火地域や準防火地域の影響:防火地域では、防火性能のある窓(網の入った防火窓)しか設置できない場合があります。近年は網なしの防火ガラスも販売されています。
これらのケースでは、事前にリフォーム業者と打ち合わせを行いましょう。
窓を増やす際の結露・断熱対策
窓を増やすと、室内の温度が外気の影響を受けやすくなります。夏は窓から熱が入り込み、冬は室内の暖気が逃げやすくなるため、適切な対策が欠かせません。また、そのままにしておくと結露が発生しやすくなり、カビの発生や壁材の劣化を招く恐れもあります。
断熱性能を高めるためには、二重ガラス(複層ガラス)やLow-Eガラスを採用すると、外気の影響を抑えやすくなります。また、内窓を設置することで断熱性が向上し、室内の温度変化を抑えることが可能です。フレーム部分の断熱性能にも注意が必要で、樹脂サッシを選ぶと、熱の伝わりを軽減できます。
さらに、窓を設置する方角も重要なポイントです。南向きや西向きの窓は直射日光が当たりやすく、夏場の室温上昇を防ぐために遮熱対策を講じる必要があります。一方、北向きの窓は結露が発生しやすいため、断熱性の高い窓を選ぶことで、結露によるカビや壁材の劣化を防ぐことが可能です。
適切な断熱・結露対策を施せば、室内の快適性を保ちながら、省エネ効果の高い住まいを実現できます。
プライバシーや防犯面の配慮
窓を増やす際は、外部からの視線や侵入リスクを考慮する必要があります。1階部分や道路に面した外壁に窓を設置する際は、防犯対策を考慮しましょう。
プライバシーと防犯を両立させる主なポイントは以下のとおりです。
- 窓の位置を、外からの視線を避ける位置に設置することで、プライバシーを確保
- 採光窓であれば、高い位置に小窓の設置を検討
- 防犯性の高い窓(防犯ガラスなど)を選ぶ
- 面格子やシャッターを設置する
- 型ガラスやすりガラスを使うと、採光ができて外からの視線を遮れる
プライバシーと防犯のバランスを考慮した窓の設置で、快適で安全な家にしましょう。
補助金や助成金の活用
窓を増やすリフォームでは補助金や助成金が活用できるかもしれません。計画を立てる段階で、補助金について調べ、補助金を活用したい旨を業者に伝えましょう。窓のリフォームに利用できる主な補助金をご紹介します。
<2025年の主な補助制度> 1. 先進的窓リノベ事業 高断熱窓へのリフォームを対象とした補助金制度。断熱性能の高い窓にすることで、リフォーム費用の一部が補助される(最大200万円) 2. 子育てグリーン住宅支援事業 子育て世帯や若年夫婦世帯を対象とした補助金制度(最大60万円) 3. 各自治体の独自制度 自治体ごとにリフォーム助成制度が異なるため、事前に確認が必要。 |
補助金には、細かな条件と、期限があります。自分のリフォームが適合しているか、適合するためには何をすればよいかなどをチェックしましょう。補助金に詳しいリフォーム業者であれば、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
リフォームで窓を増設する際の流れ

窓を増やすリフォームの、計画から施工などの流れを把握しておきましょう。一般的な流れは以下のとおりです。
1)計画・設計
- 窓を作る目的を明確にする
- 設置場所と窓の種類を決める(明かり取り窓・換気用窓・天窓など)
2) 見積もり・業者選定・契約締結
- 3社程度の業者に見積もりを依頼し、現地調査で柱や筋交いの有無を確認してもらう
- 提示された見積もりを比較検討する
- 見積もりの不明点を確認し(工事内容・費用の内訳・追加費用の有無など)業者を決める
- 工事期間や保証内容をチェック、追加工事が出た場合の対応も確認
- 必要に応じて補助金の申請を検討
3)施工
- 窓枠を設置するための開口工事を実施
- サッシの設置・雨漏り対策・外壁と内装を修復
4) 仕上げ・確認
- 内装・外装の仕上げ工事を実施(クロスや外壁の補修など)
- 窓の開閉がスムーズか確認
- 全体のチェックを業者と一緒に確認
希望の場所に希望の窓を作れるかどうかの確認が、このリフォームのポイントです。構造的な問題があって希望の窓が付かない場合は、窓の位置を変える、窓の形を変えるなど、リフォーム会社と相談しながら代替案を探りましょう。
窓の増設で失敗しないためのポイント

窓を増やすリフォームで、採光や通風の改善、開放感の向上が期待できます。しかし、設置場所や窓の種類の選択を間違えると「思ったより明るくない」「冬場の寒さが増した」といった失敗につながります。窓の増設リフォームで失敗しないためには、目的を明確にし、適切な窓を選ぶことが重要です。採光・通風・景観など、何のために設置するかを考えたうえで、設置場所や窓の種類を決めましょう。
また、将来的なメンテナンスのしやすさも考慮して、取り付ける窓を選ぶことも大切です。掃除や窓の開閉がしやすいか、断熱性能や防音性能が十分かなど、長期的な視点を持つことが失敗を防ぐポイントとなります。
さらに、リフォームを成功させる最大のポイントは、業者選びです。実績が豊富で、窓のリフォーム経験がある業者を選ぶことが、満足度の高いリフォームにつながります。口コミや評判を参考にし、コミュニケーションの取りやすい丁寧な業者に依頼しましょう。
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窓を増やすリフォームをお考えなら、ウスイホームにお任せください。1976年創業、横浜・湘南・横須賀エリアに密着し、リフォームを多数手がけてきました。
窓の増設や断熱工事はもちろん、戸建て・マンションの部分リフォームから全面改装まで幅広く対応いたします。窓を増やすリフォームでお悩みの場合もお気軽にご相談ください。お客様のご希望を丁寧に伺い、最適なプランをご提案いたします。
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窓を増やすリフォームを成功させるには、信頼できる施工業者と相談し、納得のいく計画を立てることが大切です。まずは良い業者を見つけ、相談しながら、理想の窓を実現しましょう。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |