楠山泰道（Kusuyama Taido）
1947年8月14日生まれ。横須賀市出身。生家は妙伝寺（金谷山大明寺の末寺にあたる）。1971年に三浦学苑高校に勤務し教頭を歴任後、2019年に金谷山大明寺の65代目住職に就任して現在に至る。大明寺深愛幼稚園長、神奈川県立保健福祉大学の外来講師、日本脱カルト協会顧問なども務めている。
趣味は、茶道、バンド（音楽）、ゴルフなど。その他、正力松太郎賞や横須賀市民表彰など多くの褒章を受章している。
金谷山大明寺
－ まずは大明寺についてお聞きします
宗祖日蓮聖人を開山に仰ぐ寺院で、1253年に石渡左衛門則久が横須賀市米ヶ浜の山上に三浦法華堂を建立したのが始まりになります。その後、則久の子の則次が現在の衣笠に移転させ、金谷山大妙寺と改称しました。境内には諸堂16棟が立ち並んでいて、江戸時代には徳川家康から朱印16石が与えられました。改称当時は大妙寺でしたが朱印の「妙」が「明」に誤印されて今の大明寺になったと伝えられています。
寺の年中行事としては、元旦の祝祷会から始まり、2月には「星まつり」、4月には「花まつり」「チャリテイコンサート」、11月には「お会式（宗祖ご報恩会式・夜店）」などを行っています。私自身は趣味のバンド（大明寺バンド：brev）やコーラス（ロータス）の活動のほか、幼稚園も運営しているので青少年心の相談室や障がい者家族支援（ステップ）など、普通の寺院にない事業も多く行っています。
― 衣笠との関係性は？
数百年前より現在の場所に寺をかまえていますので、古くから衣笠とはご縁があります。檀家さんもそうですが、ここ衣笠は根っからの地元の方が多いので、昔は今以上に大明寺と衣笠とは切っても切り離せない関係であったかと思います。
JR衣笠駅前には厄除地蔵菩薩があるのですが、その昔、衣笠駅前商店街の一帯は古戦場として多くの人が亡くなった場所と伝えられてきました。永い間無縁の霊とされていた人たちの安らかな眠りを願い、1964年11月に建立し、以来毎月4日は縁日として厄除供養をしています。
毎年秋口に衣笠行政センターと衣笠観光教会で開催される「神輿パレード」「武者行列」では、大明寺の隣にあり付き合いも深い三浦学苑高校の吹奏楽と妙伝寺（愛心会）の纏（まとい）の会が先頭に行列をしていますし、11月7日夜８日のお会式（日蓮聖人のご命日の法会）には 近隣から多くの人が参拝する地域の行事として万灯や纏の行列もあり、屋台やキッチンカーも出店して賑わいます。
また 年に2回、大明寺が会場となりキッチンカーやワークショップなどが出店する「きぬきぬ祭」には多くの方々が訪れていただいています。
― 衣笠の生活環境などはいかがでしょうか？
そうですね。横須賀の中央地だからなのかは分からないのですが、他の地域に比べ物品も多く物価が安いように思います。JR路線ですので、京急路線とは違い、大きい会社が多くあるわけではなく、他の地域から来られる人数も多いわけでもないので、のんびりした生活を送ることができます。とはいえ総合病院の衣笠病院もありますし、衣笠駅周辺には衣笠商店街や衣笠仲通り商店街もあるので生活するには問題ないですね。
― 現在の衣笠の問題点などは？
かつては横須賀中央に次ぐ横須賀第二の繁華街という意識もありました。商店街には多くの店が並び多くの人の行き来がありました。当時の娯楽である映画館やボウリング場も複数施設ありました。しかし1990年代のバブルが崩壊してから、商店街もシャッターが徐々に閉まりはじめ、今では久里浜の方が明らかに活気があるように思えます。もちろん、店も世代交代してきていて、若手経営者が新たな試みにチャレンジしていることもあるのですが、街全体で団結してやっていくという域まではいっていない感じがします。
― 衣笠の飲食店や施設は？
食の中心となるとやはり衣笠商店街が真っ先に挙げられます。商店街には日常品や食材を扱っている「西友」や「クリエイト」がありますし、飲食店でいうと、歴史のある「玉寿々」や「担担麵餃子工房北京」「Ricoカウベル」「どんぐり」など、和洋中バラエティに富んだ逸品店が数多くあります。衣笠商店街以外にもお弁当屋さんの「とまと」やイタリアンの「MaNo e MaNo」なども賑わっています。
レジャーだと、全国でも有数のショウブ名所「横須賀しょうぶ園」や、日本さくら名所100選に選定された「衣笠山公園（衣笠城址）」、鎌倉幕府創設の礎となった三浦一族にちなんだ「三浦一党出陣武者行列」などは、多くの人出で賑わいます。
― 衣笠の子育て環境や教育環境は？
三浦学苑高校や神奈川県立横須賀高校は衣笠駅が最寄駅なので、多くの学生が乗り降りしていますし、近隣には幼稚園・小学校・中学校が複数ありますので、教育や子育てにも良く住みやすい環境でもありますね。
― 最後に今後の衣笠への期待は？
衣笠は高齢者も多く住んでいるのですが、コロナの影響なのでしょうか、家に引きこもっている方々が大勢います。一方で、コロナも落ち着きつつあり、商店主も若い世代に代わりつつあることから、にぎやかで活気ある街にしたいというマインドが高まっているように感じます。
お寺は宗教的な施設だけではなく、集会や盆踊りなど地域内コミュニケーションの場でもあります。東京の巣鴨は「おばあちゃんの原宿」と呼ばれることもありますが、実は和菓子はもちろん、洋菓子屋、パン屋、茶舗、煎餅屋などの名物店が多くあることから、老若男女が混在して賑わっている街なのです。
それを見習い大明寺では「寺カフェ」と題して孤独な方々と子どもたちの交流も開催に向け企画していますので、ぜひ若い世代の店主のみなさんも巣鴨を参考に、大明寺を地域活性化のための場として利活用してもらえるとうれしいです。そして一致団結して、久里浜に追いつき追い越せで、衣笠を魅力ある街にしていってほしいです。
【衣笠メモ】
【1日平均乗降人員（2021年）】
衣笠駅：13,748
【公園】
- 衣笠栄町１丁目公園 （神奈川県横須賀市衣笠栄町１丁目４５ ）
- 衣笠栄町二丁目公園 （神奈川県横須賀市衣笠栄町２丁目 ）
- 衣笠栄町公園（神奈川県横須賀市衣笠栄町３丁目１−２ ）
- 衣笠栄町第２公園（神奈川県横須賀市衣笠栄町３丁目６２−５３ ）
- 衣笠栄町４丁目第２公園（神奈川県横須賀市衣笠栄町４丁目１９ ）
- 衣笠公園（神奈川県横須賀市平作１丁目６−２ ）
- 平作1丁目 たぶのき公園（神奈川県横須賀市平作１丁目１４−１５ ）
- すみれ公園（神奈川県横須賀市平作８丁目１７ ）
- 望洋台公園（神奈川県横須賀市望洋台６−２ ）
- 金谷公園（神奈川県横須賀市金谷１丁目１０−３１ ）
- 金谷２丁目公園（神奈川県横須賀市金谷２丁目５−１０ ）
- 金谷２丁目第２公園（神奈川県横須賀市金谷２丁目１１−１１）
【幼稚園】
- 深愛幼稚園（神奈川県横須賀市衣笠栄町３丁目７９−７９）
- 城北幼稚園 （神奈川県横須賀市平作６丁目３−１０）
- あさひ幼稚園 （神奈川県横須賀市公郷町２丁目１８−３）
【小学校・中学校・高等学校】
- 横須賀市立衣笠小学校 （神奈川県横須賀市小矢部２丁目１６−１）
- 横須賀市立城北小学校（神奈川県横須賀市平作１丁目６−１ ）
- 横須賀市立池上小学校（神奈川県横須賀市池上３丁目５−１ ）
- 横須賀市立衣笠中学校（神奈川県横須賀市平作２丁目３１−１ ）
- 横須賀市立池上中学校（神奈川県横須賀市池上３丁目５ ）
- 三浦学苑高等学校（神奈川県横須賀市衣笠栄町３丁目８０）
【衣笠周辺の物件】
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| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |