不動産運用

転貸借とサブリースの違いは何?メリットからリスク、注意点を解説

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転貸借とサブリースは、いずれも「又貸し」に関わる契約形態ですが、その契約構造や当事者の責任範囲には明確な違いがあります。

不動産投資を行うオーナーにとって、両者の特徴やリスクを正しく理解することは、安定した賃貸経営を行ううえで非常に重要です。

本記事では、転貸借とサブリースの基本的な違いをはじめ、それぞれのメリット・デメリット、契約上の注意点までを整理しながら解説します。

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転貸借とサブリースの基本的な仕組み

転貸借とサブリースは、いずれも第三者に物件を貸す仕組みですが、契約構造や責任の範囲に違いがあります。ここでは両者の基本的な特徴と仕組みを整理します。

転貸借とは:第三者への又貸し

「転貸借」とは、物件の所有者であるオーナー(貸主)が一度借主に貸し出した物件について、その借主がさらに第三者に貸す「又貸し」のことを指します。この場合、オーナーの承諾を得たうえで、借主が第三者と賃貸借契約を結ぶことになります。

民法612条・613条により、無断転貸は契約解除の理由となる可能性があるため、契約書に転貸許可条項が含まれているか確認することが重要です。転貸借では、第三者に対して直接的な契約関係がないため、オーナーと入居者の間にトラブルが発生した場合、調整に手間取るケースもあります。

サブリースとは:不動産会社の一括借り上げ

サブリースとは、不動産会社が賃貸物件をオーナーから一括で借り上げ、その後、入居者に又貸しする事業モデルです。オーナーは空室リスクを回避しながら、毎月一定額の賃料収入を得ることが可能となるため、安定した収益を重視する不動産運用の手法として利用されています。

また、サブリース会社が入居者の募集・管理・クレーム対応まで代行するケースも多く、管理負担を軽減できる点も特徴です。ただし、実際の賃料収入が市場価格に応じて変動する可能性があり、契約内容によっては賃料の減額や契約解除などのリスクもあります。

サブリースは転貸借の一形態

サブリースは、法律上「転貸借契約」の一種に位置づけられます。ただし、通常の転貸借と異なるのは、サブリース会社が複数の物件をまとめて借り上げ、入居者と賃貸契約を結ぶ役割を担っている点です。

この仕組みにより、オーナーと入居者の間に直接的な契約関係は発生しません。その結果、オーナーは入居者の選定や賃料交渉に関与できず、トラブル発生時にもサブリース会社を介して対応する必要があります。

サブリース契約を検討する際は、このような契約構造と責任分担の違いを理解し、自身の経営スタンスに合うかを見極めることが大切です。 

転貸借とサブリースの違い

転貸借とサブリースは、いずれも「第三者に物件を貸す仕組み」である点では共通していますが、契約当事者の構成や賃料設定の自由度、管理業務の分担方法といった点において異なる特徴があります。

ここでは、それぞれの特徴を具体的に比較しながら整理していきます。

【転貸借とサブリースの主な違い】

比較項目転貸借サブリース
契約当事者オーナー(貸主)が借主に貸し、借主がさらに第三者(転借人)に貸すオーナーがサブリース会社に貸し、サブリース会社が転借人に再度貸す
賃料の設定借主が転借人への条件を設定するが、オーナーは転貸の承諾時に条件内容に関与できるサブリース会社がオーナーへの支払賃料(保証賃料)を提示し、入居者への賃料もサブリース会社で設定
管理業務借主が転借人からの連絡窓口となるが、建物の修繕など根本的な対応はオーナーが行うことが多いサブリース会社が転借人の募集・契約・管理業務を一括で行うことが一般的

契約当事者と関係性の違い

転貸借では、物件の所有者であるオーナーが、借主(個人や法人のテナントなど)と賃貸契約を結びます。借主は、オーナーからの承諾があれば、その物件をさらに第三者に貸し出すことができ、「オーナー・借主・転借人」の三者構成となります。

(※オーナーと転借人の間には直接の契約関係はありませんが、転貸するにはオーナーの承諾が必須であり、オーナーはその承諾に際して、転貸の条件(転借人・賃料・用途など)に条件を付すことが可能です。)

一方、サブリースでは、オーナーはサブリース会社と契約を結び、サブリース会社が借主として物件を借り上げ、転借人と契約を交わす形です。

このため、トラブルが発生した場合、転貸借では、借主が転借人の窓口とはなりますが、実質的にはオーナーが対応を行うことが多く、サブリースでは、サブリース会社が対応を行うことが多くなります。

賃料設定・収益性の違い

賃貸借契約では、物件のオーナーが自身で賃料を設定でき、市場相場や収支計画に応じて柔軟に見直しや交渉を行うことが可能です。これにより、収益の最大化を目指した運用がしやすい点が特徴です。

転貸借契約は、オーナーが通常の賃貸募集を行う際に、借主から転貸の要望があり、オーナーがこれを承認することで発生するケースが一般的です。

この場合、転貸条件についてはオーナーが承認権を持ち、条件を確認・承認することが可能です。ただし、賃料や入居条件は基本的に借主(転貸人)が設定するため、オーナーが市場に合わせて自由に調整できる範囲は限定されます。

一方、サブリース契約では、賃料はサブリース会社があらかじめ提示することが多く、契約時点で条件が固定される場合があります。そのため、オーナーが自由に賃料を調整できませんが、収益は一定額で安定しやすいという特徴があります。

ただし、条件が固定された場合、市場が好転しても賃料が上がらないため、長期的な収益性には差が生じる可能性があります。

管理責任・業務範囲の違い

転貸借契約では、通常の賃貸募集中に借主の転貸をオーナーが承認することで発生するケースが一般的です。そのため、日常的な物件管理や入居者対応などの業務を、オーナー自身が行うことが多くなります。

管理を外部に委託しないことで柔軟な対応が可能になる一方、時間的な負担が大きくなり、トラブル対応や修繕手配などに追われることもあります。

一方、サブリース契約では、入居者対応、家賃の回収、クレーム対応、修繕手配といった管理業務をサブリース会社に任せられるのが一般的です。不動産経営にかける手間や時間を減らしたいオーナーにとって、こうした仕組みは負担を軽減する手段となります。

不動産経営にかける手間や時間を減らしたいオーナーにとって、こうした仕組みは負担を大幅に軽減する手段となります。

賃貸借とサブリースが適している状況とは?

賃貸借とサブリースは、それぞれに異なるメリット・デメリットがあるため、一律にどちらが優れているとはいえません。重要なのは、物件の特性やオーナー自身の経営スタイルに合わせて、最適な契約形態を選ぶことです。

ここでは、代表的な判断基準となる3つのケースについて解説します。

安定収入を重視する場合

毎月の家賃収入に安定性を求める場合は、サブリース契約が適している可能性があります。サブリースでは空室の有無にかかわらず、一定額の賃料が支払われる契約形態が一般的であり、収入が読みやすいという特長があります。

特に、長期間にわたる資金計画を立てている場合や、安定したキャッシュフローを確保したいオーナーにとっては適しているといえるでしょう。ただし、将来的な賃料の見直し条件や契約解除条項など、契約内容を十分に考慮する必要があります。

自分で管理・運用したい場合

物件の運営に積極的に関わりたいオーナーや、入居者との関係構築を重視する場合は、賃貸借契約の方が適しています。賃貸借契約では、賃料の設定や契約条件の調整をオーナー自身で行えるため、収益性の最大化を図りやすくなります。

また、修繕対応やクレーム処理なども自ら判断して進めることができるため、柔軟で自由度の高い不動産経営が可能になります。管理の手間は増えるものの、運用方針にこだわりたい方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

物件ごとに契約形態を使い分けたい場合

すべての物件に同じ契約形態を適用するのではなく、立地や築年数、需要の高さなどの条件に応じて、サブリース契約と賃貸借契約を使い分けるという考え方は、よく取られている方法の1つです。

たとえば、空室リスクの高い地方物件にはサブリースを活用し、賃貸需要が見込める都市部の物件では賃貸借による自主管理を選ぶなど、物件ごとの特性に応じた運用が可能になります。

契約形態を柔軟に選択することで、物件ごとのリスクを抑えながら収益性と管理効率のバランスを取りやすくなり、不動産経営全体を安定させることにもつながります。

賃貸借とサブリースの運用リスクとは?

サブリースや賃貸借には、それぞれに特有の運用リスクが存在します。契約前にそのリスクを理解し、対処法を検討しておくことで、トラブルを未然に防ぐことにつながります。

ここでは、代表的なリスクとその内容について解説します。

賃料が減額されるリスク(サブリース)

サブリース契約では、契約時に一定額の賃料が保証されていても、更新時や契約期間中にサブリース会社の判断で減額されることがあります。たとえば、空室が増加したり、市場家賃が下落した場合、経営上の理由から賃料見直しを求められることがあります。

多くの場合、契約条項に「賃料変更の可能性」や「見直しの条件」が盛り込まれているため、事前に内容を確認しておくことが重要です。一方的な減額を防ぐためには、契約書のチェックや、交渉の余地があるかを確認しましょう。

入居者を選べないリスク(サブリース)

サブリース契約では、入居者の募集や選定はサブリース会社が行うのが一般的です。そのため、オーナー自身が入居希望者の情報を確認したり、希望する入居者の条件を指定することは基本的にできません。結果として、オーナーの意向とは異なる入居者が選ばれる可能性があります。

たとえば、長期入居を希望するオーナーに対して、サブリース会社が短期契約を優先するなど、運営方針にズレが生じることもあります。こうしたリスクを避けるためには、入居者の選定基準や管理体制について、契約時にしっかり確認を取ることが重要です。

契約途中で解約されるリスク(サブリース・賃貸借)

サブリース契約や賃貸借契約では、契約期間中であっても、オーナー・借主・サブリース会社のいずれかから解約が申し出られるケースがあります。特に、事業上の理由や契約条件の変更などを理由に、サブリース会社側から契約の終了を求められることがあります。

こうした事態に備えるためには、契約書に記載されている「中途解約条項」や「解約通知期間」などを事前に確認しておくことが不可欠です。また、違約金の有無や手続きの流れについても把握しておくと安心でしょう。

契約終了時に煩雑な対応を負うリスク(サブリース・賃貸借)

契約が終了する際には、入居者への通知や契約の引き継ぎといった多くの手続きが発生します。サブリース契約では、契約終了後にオーナーが直接入居者と関わる必要が出てくる場合もあり、対応が複雑になりやすいです。

賃貸借においても、借主が退去した後の管理や清算、原状回復などに時間や手間がかかるケースがあります。これらの煩雑な業務に備えて、契約終了時の対応方法やサポート体制について、あらかじめ確認しておきましょう。

契約前に確認すべきポイント

サブリース契約や賃貸借契約には、オーナーにとって不利となる可能性のある条項が含まれていることがあります。契約後のトラブルを避けるためにも、契約内容を細かく確認することが重要です。

ここでは、契約前に特に注意しておきたい確認項目について解説します。

重要事項説明の内容

契約形態や管理範囲、賃料の仕組み、解約条件などの重要な情報は、「重要事項説明書」に記載されています。これらは契約の前提となる内容であり、サブリースや賃貸借の仕組みを理解するうえで不可欠です。

記載された内容にあいまいな点がないか、また自分の意図と食い違っていないかを、事前にしっかりと確認しましょう。説明を受けるだけでなく、書面に記載された表現の意味を読み解くことも大切です。

もし不明点があれば、その場で質問して解消するようにしましょう。

賃料改定・減額に関する条項内容

契約時に提示された賃料が、将来的に変更される可能性があるかどうかは、必ず確認しておくべきポイントです。特にサブリース契約では、サブリース会社の判断で賃料が減額される場合があるため、契約書に記載された改定条件や通知時期、上限・下限の有無をチェックしましょう。

市場の賃料動向に連動する場合や、空室率の増加を理由とする見直しが可能なケースもあります。収支計画への影響を避けるためにも、賃料変更の可能性を十分に理解しておきましょう。

契約解除の条件と手続きの内容

契約期間中でも、やむを得ない事情により途中で契約を解除する必要が生じることがあります。サブリース会社や借主側から解約を申し出るケースも含め、解除が可能となる条件やその通知期間、手続きの方法を事前に確認しておくことが大切です。

また、解約にともなう違約金の有無や、原状回復の範囲などについても、契約書に明記されている内容を確認しておきましょう。契約解除に関する情報は、トラブル発生時の対応をスムーズにするためにも見落とせない項目です。

原状回復費用の分担ルール

契約終了後に発生する原状回復費用について、どこまでをオーナーが負担し、どこからを借主またはサブリース会社が負担するのかという点は、契約形態によって異なります。

たとえば、壁紙や床材の張り替え、設備の修繕などが対象となる場合、それぞれの責任範囲を明確にしておくことが重要です。 契約内容をあいまいなままにしておくと、将来的に費用負担をめぐってトラブルが起こるおそれがあります。

契約書に明記されているかどうかを必ず確認するとともに、実際の対応範囲や過去の事例についても担当者に具体的に確認しておくと安心です。

サブリース会社の実績と信頼性

契約を結ぶ相手となるサブリース会社の実績や運営体制、信頼性も必ず確認しておきたいポイントです。管理戸数や運営年数、入居率、解約実績などの数値的なデータはもちろん、過去のトラブル事例の有無や、実際の対応力なども重要な判断材料になります。

インターネット上の評判や、既存オーナーの口コミも参考にしながら、安心して任せられる会社かどうかを見極めることが求められます。契約内容だけでなく、相手企業の信頼性も含めて総合的に判断しましょう。

サブリースのご相談はウスイホームへ

サブリース契約について不安や疑問をお持ちの方は、実績と地域密着の強みを持つウスイホームへぜひご相談ください。契約形態の選び方に迷っている方も、まずはお気軽にお問い合わせいただければ、専門スタッフが丁寧に対応いたします。

長期的に安心できる不動産運用のために、信頼できる相談先としてご活用ください。

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自分の投資方針に合った契約を選び、リスクを最小限にしよう

サブリースと賃貸借には、それぞれ異なる特徴やリスクがあります。重要なのは、物件の立地や築年数、投資スタイルなどに応じて、自分に合った契約形態を選ぶことです。

たとえば、安定収入を重視するならサブリース、柔軟な運用や高収益を狙いたいなら賃貸借が適しているケースがあります。契約内容を十分に確認し、リスクを最小限に抑えながら、自身の目的に合った不動産運営を目指しましょう。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)
ウスイホーム株式会社 代表取締役社長

【経歴】
大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。
2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。
2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。

地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアでオーナー様の経営方針や物件の特性に合わせたサブリースプランをご提案しています。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、サブリースを検討する際に役立つ情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact