サブリース会社を選ぶ際には、単に家賃保証の有無だけでなく、契約の仕組みや条件、そして会社ごとの特徴を正しく理解することが大切です。誤った認識のまま契約を結んでしまうと、想定より収益が下がったり、解約時にトラブルになったりする可能性もあります。
本記事では、サブリースの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、主要な会社の特徴や比較ポイント、選ぶ際に確認すべき注意点までを、網羅的にわかりやすく解説します。これから賃貸経営を始める方や、空室対策に悩むオーナーの方は参考にしてみてください。
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目次
サブリース契約の流れを理解しよう

サブリース契約を結ぶ前に、全体の流れを把握しておくことは非常に重要です。漠然と契約に進むのではなく、「いつ・何を・どのように進めるのか」を理解することで、トラブルや後悔を防ぐことができます。
ここからは、契約までの基本的な3ステップを解説します。
ステップ1:物件調査とサブリース会社への相談
サブリース契約を検討する際、まず行うべきは、自身の物件の状況を整理し、複数のサブリース会社に相談することです。この段階での情報収集や比較が、後々の契約内容や収益性に大きく関わってきます。
以下のようなポイントを意識して進めると、スムーズかつ納得感のある選定が可能になります。
| 検討ポイント | 内容 |
| 複数社に相談する | 2〜3社以上の話を聞くことで、条件や対応の違いが見える |
| 提示条件を整理する | 家賃保証額・契約期間・管理内容などを比較しやすくする |
| 調査・査定の有無を確認 | 無料で現地調査や査定を行う会社もあるため確認しておく |
| 事前準備を行う | 図面、登記簿謄本、修繕履歴、現況写真などがあると話が早い |
はじめての相談で不安な場合でも、これらの情報を押さえておくだけで、会社とのやり取りがスムーズになり、より良い提案を引き出しやすくなります。
ステップ2:条件提示・契約内容の確認
各社から提示された条件を受け取ったら、その内容をよく確認し、納得できるかどうかを見極めるステップです。特に、家賃保証額や契約期間、見直しの条件などは、契約後の収支や対応に大きく影響します。
以下のような点は、最低限チェックしておきましょう。
| 主な確認項目 | チェックしたいポイント |
| 家賃保証額 | 周辺相場と比べて極端に低すぎないか |
| 契約期間と更新条件 | 長期契約時の見直し条項や解約条件 |
| 修繕や管理の責任範囲 | どこまでがオーナー負担になるのか |
契約書の内容には専門的な表現が多く、わかりにくい部分も少なくありません。疑問点がある場合は遠慮せず、納得できるまで確認することが大切です。あとで「聞いていなかった」「そんなつもりではなかった」と後悔しないよう、事前にしっかりと内容を理解しておくことが、安心して契約を結ぶための第一歩となります。
ステップ3:契約締結と運用スタート
提示された契約内容に納得できたら、正式に契約を締結し、サブリースの運用がスタートします。契約後は、基本的に管理業務や入居者対応はサブリース会社が代行してくれるため、オーナーは物件管理に直接手をかける必要がありません。
毎月決まった日にちに家賃が入金されるようになり、賃貸経営が比較的安定して行えるようになります。ただし、契約内容によっては、年1回の賃料見直しや、契約更新時の手続きが必要になる場合もあります。
運用が始まってからも、定期的に物件の状況や会社の対応を確認し、必要があれば見直しや再相談を行うことが、長期的な資産運用の安定につながります。
サブリースのメリット・デメリット

サブリース契約には、空室リスクの軽減や管理業務の負担削減など、多くのメリットがあります。一方で、契約条件によっては家賃の減額や収益低下といったデメリットも存在します。
ここでは、オーナー視点で知っておくべきサブリースのメリットとデメリットを整理します。
メリット1:管理業務の手間を軽減できる
サブリース契約を利用する最大のメリットの1つは、賃貸経営に関わる煩雑な業務を一括して委託できる点です。入居者の募集から契約手続き、クレーム対応、退去手続き、家賃の回収まで、すべてをサブリース会社が代行してくれるため、オーナーの実務負担は大幅に軽減されます。
特に物件が遠方にある場合や、本業で多忙なオーナーにとっては、管理業務の手間が大きな負担になります。サブリース契約を利用すれば、時間と労力の節約につながり、本業や他の投資活動にもより集中しやすくなるでしょう。
メリット2:空室時でも安定した家賃収入が得られる
サブリース契約の大きな利点は、空室が出ても一定の家賃収入が保証される点にあります。入居状況にかかわらず毎月の収入が確保されるため、収益のブレを抑え、安定した経営が実現しやすくなります。
特に、住宅ローンの返済を抱えるオーナーにとっては、家賃収入が毎月途切れずに得られることは、資金繰りや精神面での安心につながります。日々の運用リスクを抑えたい方にとって、心強い仕組みといえるでしょう。
メリット3:長期的な相続・資産運用に活用できる
サブリースは、安定した家賃収入が見込めるため、相続や資産承継の手段としても活用しやすい仕組みです。契約により不動産の管理業務が外部に委託されているため、万が一オーナーが変わっても、物件の引き継ぎがスムーズに行える点も魅力の1つです。
また、家賃収入がある程度固定されていれば、将来的な資金計画や節税対策も立てやすくなります。老後の生活資金としての活用はもちろん、家族にとっても運用しやすい賃貸資産として整えておくことで、将来への備えにもなります。
長期的な視点で賃貸経営を捉えるオーナーにとって、サブリースは有力な選択肢といえるでしょう。
デメリット1:賃料が減額されるリスクがある
サブリース契約では、契約期間中であっても「賃料の見直し」が行われる場合があります。これは、借地借家法に基づき、家賃相場が下がった場合や、入居率が著しく低下した場合などに、サブリース会社側から減額請求ができるとされているためです。
特に、築年数が古い物件や空室が続いている物件では、想定よりも早期に減額交渉が行われるケースもあり、契約時の条件がそのまま続くとは限らない点に注意が必要です。
デメリット2:中途解約時の条件が厳しいことも
サブリース契約は、基本的に長期契約が前提となっており、途中での解約には制限やペナルティが設けられていることがあります。たとえば、契約満了前に解約する場合には違約金が発生することがあり、すぐに見直したいと思っても自由に解除できないケースが少なくありません。
また、会社によっては、数カ月から1年程度の解約予告期間が必要だったり、申請の条件が厳しく定められていたりする場合もあります。こうした点は、契約を結ぶ前に必ず確認しておきましょう。
デメリット3:収益が想定より低くなるケースがある
サブリース契約は、家賃収入の安定を重視する仕組みである一方で、オーナーが得られる実質的な利益は想定よりも低くなる場合があります。
たとえば、入居者から支払われる礼金や更新料をサブリース会社が受け取る契約形態では、オーナーの取り分が減ってしまいます。また、リフォーム費用や修繕費をオーナーが負担するケースもあります。
さらに、「家賃保証」と表示されていても、実際の保証額が相場より低めに設定されていたり、契約条件によっては減額が可能となっていることも少なくありません。こうした要素によって収益性が左右されるため、契約書の内容は細部まで丁寧に確認することが重要です。
サブリースに向いている物件とは?

サブリースが効果的に機能するかどうかは、物件の立地や状態によって大きく左右されます。向いている物件・向いていない物件の特徴を知ることで、失敗しない判断につなげましょう。
ここでは、サブリースに適した物件の条件、そうでない物件の特徴、判断に迷った場合の相談先について解説します。
サブリースに向いている物件の条件
サブリースに適している物件には、いくつかの共通する特徴があります。以下のような条件を満たすことで、サブリース会社から好条件の契約を提示される可能性が高まります。
| 条件 | 説明 |
| 駅近・築浅など需要の高いエリア | 空室リスクが低く、入居者が集まりやすいため契約が成立しやすい |
| 建物の状態が良く、管理コストが抑えられる | 大規模修繕の必要が少ない物件は、管理リスクが低く評価される |
| 入居需要が安定している立地 | 周辺の賃貸ニーズが一定以上ある地域では、家賃設定がしやすく、収益の見通しも立てやすい |
こうした条件を備えた物件は、サブリース会社にとっても管理・運用しやすく、結果としてオーナーにとっても有利な契約内容につながりやすくなります。事前に自分の物件の特性を整理し、客観的な視点で判断することが重要です。
サブリースに向いていない物件の特徴
サブリース契約はすべての物件に適しているわけではありません。物件の立地や状態によっては、契約を断られたり、保証条件が厳しくなったりするケースもあります。以下は、サブリースに向いていないとされる物件の特徴とその理由です。
| 特徴 | 理由 |
| 空室率が高い地域にある物件 | 入居者の確保が難しく、サブリース会社にとって収益リスクが大きい |
| 築年数が古く、大規模修繕の必要がある物件 | 維持コストが高く、将来的なトラブルが発生しやすいため敬遠されがち |
| 周辺環境や立地条件が悪い | 駅から遠い、利便性が低い、治安が悪いなど、賃貸需要が見込めない要因がある |
これらの特徴がある物件では、保証家賃が相場よりも低く見積もられたり、契約そのものを断られる可能性もあります。また、築年数が浅くても立地に課題がある場合は同様に対象外となることがあるため、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
判断に迷ったときは誰に相談すべき?
自分の物件がサブリースに向いているかどうか判断に迷った場合は、地域の賃貸事情に詳しい不動産会社やサブリース会社に相談するのが効果的です。特に、エリア特性や市場動向に精通している業者であれば、現実的な家賃査定や契約条件を提案してもらいやすくなります。
相談の際は、複数の会社から条件を取り寄せて比較することが重要です。以下のような項目を整理しておくと、判断がスムーズになります。
- 保証家賃の金額
- 契約期間と更新条件
- 免責期間の有無
- 解約の条件や違約金の有無
さらに、事前に賃料査定書や収支シミュレーションを準備しておくことで、より具体的な提案を受けられる可能性が高まります。複数の情報をもとに比較・検討し、納得できる契約につなげましょう。
サブリース会社の選び方

サブリース契約を成功させるためには、契約条件だけでなく、会社選びが非常に重要です。契約後のトラブルを防ぎ、安心して賃貸経営を続けるためにも、信頼できる会社かどうかを慎重に見極めましょう。
ここからは、サブリース会社を選ぶ際に考慮すべき、具体的なポイントを紹介します。
実績や財務状況を確認する
サブリース会社を選ぶ際は、これまでの管理実績と財務状況を確認することが重要です。管理物件数や契約の継続年数などをチェックすることで、運営の安定性や信頼性を見極めることができます。
あわせて、決算情報などの財務データも確認しておくと安心です。経営が不安定な会社と契約すると、将来的に家賃保証が続かないリスクもあるため注意が必要です。目先の条件だけで判断せず、長期的に信頼できる会社かどうかを見極める視点を持ちましょう。
地域密着の会社と担当者の対応で選ぶ
地域に根ざした会社は、地元の賃貸市場や入居者のニーズを的確に把握しています。そのため、物件の特性に合った提案や柔軟な対応が期待できます。
また、実際に相談したときの担当者の対応も重要です。丁寧でわかりやすい説明ができる担当者がいる会社は、契約後の対応にも安心感があります。契約前に複数の会社に相談し、担当者とのやり取りから信頼できるかどうかを見極めましょう。
口コミ・評判を見て会社の信頼度を測る
インターネット上の口コミや評判は、会社の信頼性や対応力を知るための参考になります。契約前後の対応やトラブル時のサポート体制など、実際に契約したオーナーの声には現場のリアルが反映されています。
ただし、口コミには個人の感じ方や一時的な状況が反映されていることも多いため、一つひとつを鵜呑みにせず、全体の傾向を見ることが大切です。あわせて、契約内容や担当者の対応を実際の面談で確認すれば、より客観的かつ納得感のある判断につながるでしょう。
サブリース会社選びで迷ったら、ウスイホームへご相談を

サブリース会社の選定や契約に不安がある方は、専門知識と実績を備えたウスイホームにご相談ください。契約前の不明点や条件整理、契約後のトラブル対応に至るまで、オーナー様が安心して任せられるサポート体制を整えています。
エリア特性をふまえたご提案も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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信頼できるサブリース会社を選び、後悔のない賃貸経営を

サブリース契約を成功させるには、会社選びが何よりも重要です。単に条件が良いという理由だけで契約を決めてしまうと、後々の対応やサポートに不満が生じることもあります。契約前には、実績や財務状況、担当者の対応力、契約内容の透明性など、総合的に確認することが大切です。
また、契約後は長期的な関係が続くため、信頼関係を築けるかどうかも見極めのポイントとなります。目先の数字にとらわれず、長く安心して任せられる会社を選ぶことで、安定した賃貸経営への道がひらけるでしょう。
| 監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) ウスイホーム株式会社 代表取締役社長 【経歴】 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。地域貢献活動にも力を入れている。 2025年4月、ウスイホーム株式会社代表取締役社長に就任。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
| 執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。横浜・湘南・横須賀エリアでオーナー様の経営方針や物件の特性に合わせたサブリースプランをご提案しています。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、サブリースを検討する際に役立つ情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |