
戸建て住宅のフルリフォームは築年数や内容によって費用が大きく異なり、数百万円から1,000万円以上かかることもあります。
一方、部分的なリフォームは比較的低コストで工事や設備交換が可能です。
そこで今回は、一戸建てリフォームの工事内容別の費用相場をわかりやすく解説するとともに、予算内でリフォームを進めるためのコツも紹介します。ぜひ本記事を参考にしていただきながら理想の住まいに改修し、快適な暮らしを実現してみてください。
一戸建てフルリフォームの費用相場

一戸建てのフルリフォームは、間取り変更や設備の交換、外壁や屋根の改修など広範囲に及ぶため、費用も高額になりがちです。相場は500万円〜2,000万円程度と幅広く、築年数や工事内容によって変動します。ここでは、一戸建てフルリフォームの費用相場について解説します。
フルリフォームの費用相場の目安
一戸建てのフルリフォームにかかる費用は、「内装や設備だけか」、「外壁や屋根もリフォームするか」、「間取り変更など家の構造も変更するのか」などの工事内容により変わります。そして、どこまでのリフォームが必要かは、住宅の築年数が一つの目安です。
新築から住んでいる場合は、20~25年前後でライフスタイルが大きく変化し、住みにくさが出てきます。内装のデザインの流行もありますので、イメージの一新を図りたくなるのも、このころではないでしょうか。
また、築25年以上の住宅では、耐震補強や断熱改修が必要になるケースもあります。古い耐震基準で建てられている場合は、耐震補強で地震に強い家を実現できます。
全体の内装や設備を交換するのみであれば、費用は数百万円に抑えることも可能です。
しかし、間取り変更を行う場合は費用が高くなります。また、外壁・屋根の補修や外構工事を加えると、さらに費用が増加します。
予算内で行いたいリフォームでは、まず、優先順位を決めるところから、計画に取り掛かりましょう。
築年数別のフルリフォーム費用の相場
一戸建てのフルリフォーム費用は、築年数によって大きく異なります。
築年数が長くなるほど、設備も住宅も老朽化し交換や改修に加えて、耐震・断熱補強が必要になるため、費用も高額になりがちです。以下に築年数ごとの費用目安を紹介します。
【築15年~30年(500万円程度)】 ・水回りの設備交換 ・壁紙や床の張替え ・屋根・外壁の塗装 建物自体の劣化が少ないため、大規模な改修は不要なことが多い |
【築30年~40年(1,000万~1,500万円)】 ・間取り変更・内部の全面リノベーション ・断熱改修・耐震補強 設備の老朽化が進み、建物自体も構造的な補強が必要に |
【築40年以上(1,500万円~)】 ・内部・外部の全面改修 ・屋根や外壁の施工も必要 ・基礎や柱の補強を含む大規模な施工 全面改装で建物の寿命を延ばせる。耐震性や断熱性のアップ、間取り変更で、長く快適に住める住宅に |
築年数が進むほどリフォームの規模が大きくなり、費用も増加します。専門家と相談しながら必要な工事を見極め、適切なリフォーム計画を立てることが重要になります。
耐震リフォームの費用相場
耐震リフォームの費用は、25万~200万円が目安で、100万~200万円の価格帯のリフォームが最も多い費用帯です。ただし、建物の状態や工事内容によっては300万円以上かかるケースもあります。
【耐震リフォームの主な工事と費用目安】
●部分的な耐震補強(25万~100万円) ・壁や柱の補強 ・耐震金具の設置 ●全体的な耐震補強(120万~200万円) ・壁の補強(耐力壁の設置) ・屋根の軽量化 ・基礎や土台の補強 ●築年数が古い住宅(300万円以上の可能性) ・基礎からの補強 ・シロアリ対策 |
築年数が長い住宅ほど補強や補修範囲が広くなり、費用も高額になります。リフォーム会社としっかり相談し、適切なリフォームを選ぶことが大切です。
住宅の耐震基準
住宅は、耐震基準に基づいて建築されていますが、この基準は3回改正されています。
旧耐震基準(1971年~)では震度5、新耐震基準(1981年~)では震度6を目安に、大きな損傷を受けにくい基準になっています。さらに、新新耐震基準(2000年~)では、戸建て住宅の耐震性をいっそう強化する改正が行われました。
部分リフォームの費用相場
部分的なリフォームは、工事内容や選ぶ設備のグレードによって費用が大きく変動します。以下、主なリフォーム箇所ごとの費用相場を紹介します。
リフォーム箇所 | 一般的な費用 | 備考 |
キッチン | 50万~150万円 | 高グレードのキッチンを選ぶほど高額に |
浴室 | 約100万円 | 浴室暖房機や脱衣所の改修を加えると費用が上がる |
トイレ | 15万~50万円 | 高グレードのトイレやシステムトイレにすると高額に |
洗面所 | 20万~50万円 | シンプルな洗面台交換なら10万円未満から収納付きの高機能な洗面台を選択すると高額に |
LDK | 20万~50万円 | クロスや床の張替えだけなら低コスト間取り変更や収納の増設をすると100万円以上に |
外壁・屋根 | 100万~300万円 | 塗装のみなら100万円程度、屋根の補修やカバー工法・葺き替えをすると高額に |
部分リフォームは、工事内容を見極めて必要な箇所だけをリフォームすることで、コストを抑えられます。
戸建てのリフォーム費用を予算内に収めるコツ

リフォームでは予算をしっかり管理することが大切です。費用を抑えながら、満足度の高い仕上がりにするには、優先順位をつけ、抑える費用は抑えるという方針で計画する必要があります。ここからは、戸建てのリフォーム費用を予算内に収めるコツについて解説します。
リフォームの優先順位の明確化
効果的なリフォームのために、家族でリフォームの目的を話し合い、「何をしたいか」をピックアップしましょう。次に、総予算を決め、その範囲内で優先順位の高い箇所から計画を立てていきます。
例)快適さを目的としたリフォームの優先順位
- 水回り:生活に直結するため優先度が高い
- 住まいの安全性を確保:基礎や構造補強(耐震・断熱)
- ライフスタイルに合った住まいにする:間取り変更
- 【予算に余裕があれば】デザインにこだわる
予算内で最大限の効果を得るためには、優先順位付けがポイントになります。
設備・材料の選定でコストダウン
予算があるリフォームでは、設備や建材・内装材などは、すべてを最新機能や高級仕様にするのではなく、必要な機能を見極めて選定する必要があります。
設備を選定する際は、最新の高価格帯のものではなく、必要な機能で選ぶと費用を抑えられます。
建材・内装材では、高価な素材に代わるものを考えてみましょう。床材は無垢材から複合フローリングに変更すると、見た目を保ちながら費用削減が可能です。壁紙は、一般的なクロスを選べばコストパフォーマンスがいいでしょう。
設備や材料でのコスト削減は「チリツモ」であるともいえます。必要性を把握しながら選んでいきましょう。
助成金・補助金制度の活用
リフォーム費用を助成する国や自治体の補助金があります。これらの利用も費用を抑える方法です。以下のような制度を利用すれば、負担を軽減できる可能性があります。
- 子育てグリーン住宅支援事業(最大60万円)
- 介護リフォーム補助金(最大18万円)
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(最大120万円)
- 高効率給湯器の導入時の補助金(最大22万円)
- 自治体独自の補助金(耐震リフォームの補助金は自治体の運営が多い)
補助金には、受給資格や期限、条件があるため、リフォームの計画段階で必ず確認しましょう。
パッケージプランの活用や施工時期
リフォーム費用を抑える方法として、パッケージプランの活用や工事の時期も検討してみましょう。
リフォーム会社や大手家電店にはパッケージ化された水回り4点セットや3点セットなどがあります。個別に依頼するよりも割安になるケースが多いため、検討の価値があります。
リフォームの時期に融通が利く場合は、施工時期も検討しましょう。1月~2月、6月はリフォームが少ない時期で、業者もスケジュール調整がしやすく、工事がスムーズに進みます。この時期であれば、工事費を交渉できる可能性があります。
複数の業者に相見積もりを依頼
リフォーム費用を適正に把握し、安く行うためには複数の業者から見積もりを取りましょう。以下は見積もり依頼から、チェックまでの段取りです。
- 3社程度の業者に、同じ条件のリフォームの見積もりを依頼する
- 提示された見積もりを比較する。高い場合は、何が高額かを確認し、必要であれば業者に質問する
- 「追加費用の発生がないか」も事前に質問する
- 質問に丁寧に回答し、納得できる価格と工事内容の業者を依頼の候補に。安さだけで決めるのは避けるべき
戸建てのリフォームを依頼する業者の選び方

リフォームでは業者選びが成功のカギといっても過言ではありません。業者ごとに得意分野や対応が異なるため事前に特徴を知り、自分のニーズに合う業者をしっかり選びましょう。ここからは、リフォームを依頼する業者の選び方について解説します。
業者の種類ごとの特徴
リフォームはさまざまな業態の会社があります。それぞれ得意分野や特徴が異なりますので、リフォームの目的や予算に応じて、適切な業者を選ぶことが大切です。
リフォーム業者と特徴を一覧にしました。
会社の業態 | 特徴 |
大手リフォーム会社 | ・小規模から大規模なリフォームまで ・費用はやや高め |
地域の工務店 | ・地元に密着で、柔軟な対応が可能・価格が比較的良心的で、小規模~大規模リフォームにも対応・新築しかしていない業者もあるので注意 |
ハウスメーカー系リフォーム部門 | ・自社で建てた住宅のリフォームに強い・費用が高くなる傾向 |
家電量販店・ホームセンター | ・水回りパッケージや、設備の取り換えなど ・工事は提携の業者が行う |
設計事務所 | ・デザイン性や機能性を重視したリ提案が期待できる・設計費が別途発生するため割高になる |
良い業者を見極める5つのポイント
戸建てのリフォームは、信頼できる良い業者を見つければ、スムーズに進みます。業者選びのチェックポイント5つを見ていきましょう。
1)施工事例や口コミ評価を確認 実績が豊富で、利用者の評判が良い業者を選ぶ 2)3社程度から相見積もりを取る 見積もりを比較して価格が妥当かを確認 3)依頼したいリフォームが得意な業者か確認 公式サイトの事例写真で確認、担当者に聞いてもよい 4)現地調査をしっかり行う業者を選ぶ 現地を見ずに見積もりを出す業者は避ける 5)保証やアフターサービスの有無 施工後の保証あるか、期間などを確認 |
これらのポイントを確認し、安心して依頼できる業者を選びましょう。
注意したい業者の特徴
後々のトラブルを避けるため注意すべき業者があります。以下のような業者には注意が必要です。
- 訪問営業で強引にリフォームを進める業者
- 極端に安い見積もりを出す業者
- 契約を急がす、値引きを強調する業者
これらの業者に依頼すると、契約後に「追加費用」が発生し、結局は高額になるケースがあります。また、安価な材料や手抜き工事のリスクもあるため、「安い」につられないように注意しましょう。
戸建てリフォームの事例

リフォームを計画する際、実際の事例を参考にすることで、具体的な費用や工事内容のイメージが湧きやすくなります。業者を選ぶ際はもちろん、リフォームの希望を考える際にも、多くの事例を見ることをおすすめします。ここからは、戸建てリフォームの事例を紹介します。
間取り変更を伴うリフォームで30畳のLDK

費用:570万円
(キッチン/浴室・バス/トイレ/洗面/リビング/ダイニング/洋室/和室)
部屋が細かく分かれていて使いにくいというご要望があり、間取りを変更して30畳のLDKにリフォームしました。玄関ホールとDKの間に合った収納、DKとリビングの間に合った間仕切りを取り、デザインも重視したおしゃれな空間になりました。
築30年の戸建てのフルリノベーション

費用:1,279万円
(キッチン/浴室・バス/トイレ/洗面/リビング/外壁/外構・エクステリア)
高齢者も若い世代も生活しやすいバリアフリーを兼ねたおしゃれな住宅に。屋内の段差をなくし、アクセス動線も考慮しました。建築士事務所の先生と仕様を決めていきましたので、屋内、外観とも非常におしゃれでセンスのあるインテリアにまとまっています。
戸建てのリフォームでお悩みならウスイホームにご相談を

リフォームを考えていても、相談先がわからない場合や、費用や工事内容に不安がある場合は、ウスイホームにご相談ください。ウスイホームなら、戸建てのフルリフォームから部分リフォームまで幅広く対応しています。お話を伺い、お客様のご希望に沿ったプランを提案することが可能です。
【ウスイホームの強み】
- 豊富な施工実績で、安心できるリフォームを提供します
- 予算に合わせた最適なプランをご提案します
- アフターサポートにも自信あり!リフォーム後の保証がございます
リフォームに関するお悩みは、ぜひウスイホームにご相談ください。経験豊富なスタッフが丁寧にご相談を伺います。
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横浜・湘南・横須賀のリフォーム・リノベーション | ウスイホーム
納得できる費用で戸建てリフォームを成功させよう

戸建てリフォームの費用は、工事内容や築年数によって大きく変動します。また、リフォームの希望を全部盛り込むと高額になってしまいます。費用を調整しながら満足度の高いリフォームにするコツは、希望をピックアップして優先順位をつけることです。家族と希望を出し合い、納得のいくリフォームを行いましょう。
また、リフォームを成功させるには、信頼できる業者選びも重要です。リフォームの提案やアドバイスは、新しい住まいに大きな影響をもたらします。安心して依頼できる業者を見極め、理想の住空間を実現しましょう。
監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ) 【経歴】 ウスイホーム株式会社 取締役。 大学時代は不動産評価論を専攻。 卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。 2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。 2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。 地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。 地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。 【資格】 宅地建物取引士 CPM(米国不動産経営管理士) 日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員 |
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム 1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。 お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact |