地域の魅力

地域の魅力~湘南台~

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藤沢市北東部に位置する湘南台は半世紀前から開発が始まった新興都市。横浜市営地下鉄ブルーライン・小田急・相鉄の3線が乗り入れる「湘南の玄関口」として発展し、ますます注目されています。 開発前から今日に至るまで、街の変遷を見守ってきた漫画家のビッグ錠さんに、長く住み続けたからこそわかる湘南台の魅力をお聞きしました。

ビッグ錠

ビッグ錠(Big Joe)

漫画家 代表作に『包丁人味平』(原作 牛次郎 集英社)『スーパーくいしん坊』(講談社)など。
近著に『快盗くいしん坊』(ぶんか社)
料理・グルメ漫画の第一人者として知られ、筆歴は約55年、刊行数は30作品以上に及ぶ。
湘南台には1970年代初頭から居住。地域のイベントに精力的に参加するほか、湘南台地域経営会議(現・郷土づくり推進会議)委員、議長を歴任。湘南台のマスコットキャラクター「ゆめまる」のデザインを担当した。

- 湘南台はどんな街ですか?

藤沢市の北部に位置する都市で、人口は3万3千人ほど。駅には小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れます。生活圏は、湘南台駅を境に東西に分けられます。横浜につながり、境川や藤沢町田線(国道467)などが南北に伸びるのは東側、新築マンションなどが建ち並び工業地帯につながる街が西側になります。便利な大型商業施設や娯楽施設が東西に建ち、数多くの飲食店やクリニックが軒を連ねています。

また住んでいる、商店主の方々、近隣大学の学生の方々が色々な楽しみを創出する街でもあります。 毎年作品を提供している秋の市民まつり「湘南台ファンタジア」は、文字通り地域の方々の手作りですし、湘南台駅地下の整備も藤沢市民が芸術文化を発信拠点にしようと頑張られて実現しました。住まう人を幸せにする力を持つと言えると思います。

- 湘南台の魅力は?

それぞれの特徴が適度に混在し、調和し合っていることが湘南台の魅力のひとつです。挙げられるのは、適度な都会性・適度なローカル性・適度なつながりだと思います。
適度な都会性は、都心に直通でつながり、商業地が立ち並ぶ便利さに表れていると思います。その都会性は都市開発の50年間と度重なる人口流入で培われたものですが、その中でも失われない自然や田園地帯の名残などが適度なローカル性として表れます。 古くから住む人と新しく住み始める人が混然一体となる中で、しがらみもなく、だからといって地域の交流が希薄にならない適度なつながりが保たれていると感じます。

- 湘南台の街の見どころは

イタリアン、寿司、居酒屋、中華、インドカレーなど東西にいろんなグルメがありますね。作成した「湘南台グルメマップ」には、協力してくださった飲食店30店舗の店主の似顔絵を描き、それぞれの特徴を漫画で紹介する仕立になっています。

湘南台グルメマップ
湘南台グルメマップ

また、クリニックの多さも特徴的ではないでしょうか。他の街では、専門によっては近場にないこともあるかもしれませんが、湘南台ではそうした心配なく、眼科、歯科、小児科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、整形外科、産婦人科、メンタルクリニックなどが揃っています。

- 湘南台のイベントはどういったものがあるのですか?

湘南台ファンタジア
湘南台ファンタジア

約2万4千枚以上の短冊が飾られる「七夕まつり」、引地川で8月に開催される「湘南台灯篭流し」、10月の市民まつり「湘南台ファンタジア」、12月のイルミネーション、さらに2022年に開設された湘南台駅地下広場「アートスクエア」でもイベントが定期的に開催されています。これら多くのイベントには地域の人が参加しています。

イルミネーション
イルミネーション

アートスクエアには音楽発信の場としてのイベント空間とギャラリーがあります。シンボルは地元在住の画家・廣田雷風さんの壁画。床は木目になっていて、道行く人がくつろげる憩いの場として親しまれています。同地で開催されるイベントとしては、2023年2月にスタートした「ワクワク広場」も人気です。地域の人のフリーマーケットや模擬店、エレクトーンのコンサートが行われました。ワクワク広場という名称は私が名付けました。子どもと大きな模造紙に絵を描くイベントを行って一緒に楽しんでいます。

「ワクワク広場」の様子
「ワクワク広場」の様子

これらの行事は「かっこいいこと、面白いことをやる」というのが動機です。新しい人を受け入れる風土がありますから、何か楽しいことを考えている人がいる、という雰囲気があれば新たな人が集まってきて、イベントが成功するという良いサイクルがありますね。

- 湘南台の「風土」とはどういったものなのでしょうか。

一言でいえば「サラダボウル」。多様な出身・属性・年齢の人が混在し、調和しているのが湘南台です。
私は約50年前に鵠沼から移住してきましたが、出身は大阪です。その頃、新興都市として開発が始まった湘南台では、区画整理の保留地の販売を関西圏など県外各地で進めていたので、関西圏からも移り住む人が多くありました。

開発前の湘南台の様子
開発前の湘南台の様子

当時は緑深い田園地帯が広がっていました。そこから現在の形まで開発されていくのですが、大きな特徴として、古くから住んでいた人が、我々他所から来た人を快く受け入れてくれるんです。また、我々も新しい土地で暮らしやすくするため、協調し合い、助け合いを忘れません。

私は湘南台で息子を育てましたが、見守りや相談をし合う風土には助けられました。だからといって監視のようにもならず、先ほどもご紹介した適度な関係性を保っています。それは現在に至り、ますます人口が増えていく中でも変わりません。他のエリアに住む人からは、「湘南台みたいに、古くからいる人と新しく来た人が上手くやっている街は珍しい」とよく言われますね。

さらに湘南台は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス・多摩大学湘南キャンパス・文教大学の最寄駅なので、若者たちが多く訪れる街でもあります。 地域活動の手伝いをしてくれたり、元気に勉学・スポーツに励む真面目な子ばかりなので、成長を見守るのは一つの楽しみでもあります。娯楽施設を利用する若者たちもマナーを守るので、治安もよく、子育てをする環境としても適していると思います。

- 子育てに適した環境は?

湘南台には湘南台公園・円行公園・境川遊水地公園・下土棚遊水地公園などがあり、憩いの場として市民が集まります。

下土棚遊水地公園
下土棚遊水地公園

この街で文化施設といえば、藤沢市立湘南台文化センターが代表的です。市民センターを兼ねているこの建物では、こども館・市民シアターが入っています。

湘南台文化センター
湘南台文化センター

こども館では世界各国の民族衣装を着ることができるスペースや、直径20メートルのドームスクリーンに1000万個の星を映す宇宙劇場(プラネタリウム)があります。湘南台のランドマークといえばこの丸いドームだと思います。

藤沢市総合市民図書館は約54万冊の蔵書数の県下有数の規模を持つ図書館で、藤沢市の図書館の中心です。

子どもが健やかに育つ街には、文化的な感性を育む環境が整っていなければならないと私は考えます。湘南台はそうした上でとても便利な街だと思います。

- 湘南台の「これまで」と「これから」

グルメ漫画を描く上で湘南台から影響を受けたこととして思い出深いのは、藤沢市を南北にわたる藤沢町田(国道467)線沿いのファミリーレストランでしょうか。1980年代にファミレスブームが起きたとき、湘南台は大変賑わいましたし、私もよく通いました。 若い頃は湘南台公園で当時の週刊少年ジャンプの漫画家たちと草野球をしたこともあります。また、小田急線で新宿に出て遊んだりとかしていたのでフットワークが軽くなりました。湘南台は雑多な人びとが集まる街でしたし、これからもそうあってほしいですよね。人口が増えて変わっていっても、外から来た人も元からいる人も住みやすくなるよう、多様な属性を受け入れ、かっこいい文化都市としての湘南台の個性は、いつまでも変わらず保っていくと思います。

【湘南台メモ】

【1日平均乗降人員(2021年)】
湘南台駅
横浜市営地下鉄:39,650
相鉄線:2,355
小田急線:73,419

【公園】

保育園・幼稚園】

小学校・中学校・高等学校・大学】

【湘南台周辺の物件】

執筆者 タウンニュース社
神奈川県全域・東京多摩地域に無料の地域情報紙(フリーペーパー)を発行。
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監修者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
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