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【プロ監修】中古戸建ての購入価格とは?|諸費用・注意点について解説

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中古戸建て住宅は新築戸建て住宅と比較すると、一般的には安い価格で購入できるところが魅力です。しかし、一戸建ての購入ということに変わりはなく、非常に大きなお金が必要になるのが現実です。

この記事では、中古戸建ての購入費用について、全国的な平均相場や価格推移、購入に伴う諸費用をプロ監修の元、詳しく解説。

中古戸建て住宅を購入するまでの流れや、購入で後悔しないためのポイントについても紹介します。大切な時間を過ごす理想のマイホームを見つけるためにも、ぜひ参考にしてください。

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中古戸建ての購入費用は?価格推移

引用:2022年度 フラット35利用者調査_住宅金融支援機構2023年8月4日

新築戸建て住宅では3,000万円を超えるケースが多いものの、中古戸建てであれば3,000万円を下回る物件が数多くあります。中古戸建ての購入費用と価格推移について解説します。

中古戸建ての平均購入費用は2,704万円

住宅金融支援機構が、住宅ローン「フラット35」利用者を対象として行った調査によると、2022年度の中古戸建て住宅の購入価格の全国平均は2,704万円でした。

中古戸建ての平均購入費用は、地域によっても異なります。首都圏3,340万円、近畿圏2,524万円、東海圏2,317万円。その他の地域2,150万円と、首都圏が突出していることが分かります。

参考:2022年度フラット35利用者調査_住宅金融支援機構2023年8月4日

中古戸建ての価格推移はゆるやかに上昇中

前出の、住宅金融支援機構がフラット35利用者を対象として行った調査によると、中古戸建て住宅の平均購入価格は2012年度の調査開始以降ゆるやかに上昇を続けています。

2020年度には若干下がりましたが、その翌年には上昇に転じており、2012年度の調査開始時は2,000万円台前半だった平均購入価格が、2022年度には2,704万円となっています。

また、新築建売住宅の平均購入価格も、2018年度以降5年連続で上昇しています。

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中古戸建ての価格設定とは?内訳を解説

中古戸建ての価格はどのように設定されるのでしょうか?中古戸建ての価格を決める根拠や価格に違いが出る要因について解説します。

建物の価格設定は築年数が影響する

建物は建築してから時間が経つにつれ劣化することを考慮し、築年数が長くなるほど価値=価格が下がります。

戸建てでも「木造の戸建て」は「鉄筋コンクリートの戸建て」と比べて、想定される耐用年数が短いといわれているのです。

国土交通省が行った調査によると、住宅ローンを提供する金融機関が「担保評価(※)」として木造戸建ての耐用年数を試算する際、多くの場合20年〜25年とし、この年数を超えた物件「担保評価」は大きく下がると指摘しています。

※担保評価とは?
担保評価とは住宅ローンを提供する金融機関による、その土地と建物に対する評価のことをいいます。ローン審査の評価項目には複数の要素がありますが、そのひとつにあるのが、土地と建物を売却した時につくであろう担保評価です。 実際の建物の耐用性の観点では、1981年に耐震に関する基準を定めた「新耐震基準」以降の木造住宅は、それ以前の木造住宅と比較して耐用性や耐震性が高く、建築技術や建材の進歩もプラスされ魅力ある住宅が増えています。

土地の価格は条件が大きく左右

土地の価値を決める条件のひとつが利便性です。同じ地域の中でも、複数路線が乗り入れる駅、大型商業施設や観光地がある街、駅までの距離が近い土地などは土地価格が高くなります。

他にも、整形地(正方形や長方形の土地形状)と比べ、不整形地(L字型や台形、三角形などの土地形状)は価格が安くなるのが一般的。再建築不可物件(※)は建て替えが難しいことから土地の価格も下がります。

※再建築不可物件とは?
建築基準法にある接道義務(一般的に幅4m以上の道路に土地が2m以上の間口で接していない土地)を満たしていない物件をいいます。土地価格は安いものの、建物の建て替え許可が下りない、住宅ローンが借りられないといった点がデメリットです。

建築基準を満たすように土地や外構の工事、住宅のリフォームなどを行うことで、家の建て替えなどが可能になるケースもあります。

リフォームやリノベーションの有無も関係する

同じ築年数で似たような建物であっても、リフォームやリノベーション工事を施されている建物の方が高く評価されやすいです。

リフォームとは一般的に、古くなったトイレなど劣化した部分を改修して機能の回復を図るような工事を指します。リノベーションとは、不要になった2つの子ども部屋を1つの大きな部屋にするなど建物に手を加え、いまの生活に合うよう改善するような工事を指すことが多いです。

最近では、あえて築年数が経過した価格の安い中古物件を購入し、自分の好みに合わせてフルリノベーションを行うのも人気になっています。

中古戸建ての購入時の諸費用とは?

中古戸建てを購入する際にはさまざまな諸費用が発生します。購入にともなう代表的な税金やローンに関する費用、住むために必要な諸費用について代表的な事例で解説します(※)。

※条件や状況によって異なり、税金なども年度によって変わります。ひとつの目安としてとらえ、具体的な金額などについては、必ず事前に確認しましょう。

中古戸建ての購入資金の5~10%

中古戸建てを購入する際にかかる諸費用の目安は、購入資金の5〜10%。2,000万円の物件であれば、おおよそ100万円〜200万円の諸費用が物件価格の他にプラスされるという試算です。

諸費用の支払いは「現金支払い」が多いですが、住宅ローンに組み込めるケースや「諸費用ローン」といった別商品で対応してくれる金融機関もあります。諸費用の支払いもローンで行いたい場合は、対応している金融機関を事前に調べておきましょう(※)。

※条件などによって、ローンが組めない場合もあります。詳細は金融機関に確認しましょう。

中古戸建て購入時にかかる諸費用一覧

中古戸建て購入時に物件に対してかかる主な諸費用は以下の通りです。

  • 登録免許税
    土地と建物の所有権移転登記を行う際に必要となる費用。「固定資産税評価額」に2%の税率を掛けるのが基本的な税額です。軽減措置が取られている年度は安くなります。

    参考:登録免許税の概要_財務省
  • 不動産取得税
    土地や建物などの不動産を取得したときに発生する税金。土地・建物の固定資産税評価額に4%の税率を掛けた額が基本です。軽減措置が取られている年度は安くなります。軽減措置も含めた金額は全国一律ですが、都道府県が課税するため、詳細が物件のある都道府県に確認しましょう。

    参考: 不動産取得税_総務省
  • 司法書士、不動産会社への手数料
    所有権移転登記を司法書士に依頼した場合に発生する費用。おおよそ5〜15万円程度が目安です。

    売買契約締結後に支払う不動産会社への仲介手数料には上限が設定されており、400万円を超える部分の場合は、「物件価格×3%+6万円+消費税」(速算法)が金額の目安になります。
  • 固定資産税、都市計画税
    所有する土地や建物に対してかかる税金。引き渡し日までは売主が支払い、引き渡し時に売買契約成立日から年末までの日数分を買主が売主に支払います。それ以降、毎年納めます。

中古戸建てローン費用でかかる諸費用一覧

住宅ローンを利用して中古戸建てを購入する場合にかかる主な諸費用を解説します。

  • 事務手数料
    住宅ローン借り入れの際、金融機関に支払う手数料。金額は金融機関によって異なるが、3〜5万円程度が相場。借入額の2%前後としているところも多いです。
  • 保証料
    ローン契約者が亡くなるなど、ローンを支払えなくなったときに保証してくれる保険会社へ支払う費用。プランによって異なりますがローンの金利に、0.2~0.3%上乗せして支払うタイプが多いです。契約時に一括で支払うこともできます。
  • 火災保険料
    住宅ローンの借り入れを行う際は必須としている金融機関が多数。金額は築年数や補償内容などによって異なりますが、年間で15万前後がひとつの目安です。
  • 印紙代
    ローンを契約する際にも、税法に定めた印紙代を支払います。

リフォーム費用やインテリア代も

より快適に住むためにリフォームが必要な場合もあります。トイレやユニットバスなどをリフォームすることが多いです。
家具やカーテンといったインテリアにもこだわりたい方は、インテリア代も必要です。

中古戸建て購入までの流れ

【いっしょに不動産(ウスイホーム)】不動産購入の流れ:前編①
【いっしょに不動産(ウスイホーム)】不動産購入の流れ:前編②

実際に中古戸建てを購入するには、どのような流れで進めることになるのでしょうか。一般的な購入までの流れを7つのステップに分けて解説します(※)。
※状況によって異なることがあります。

参考動画:【いっしょに不動産(ウスイホーム)】不動産購入の流れ:後編

1.住宅ローンの事前審査(仮申し込み)

一般的には、「気になるエリアで物件の目星をつけて、不動産会社に相談する」というのが最初ですが、プロの目からすると「住宅ローンの事前審査」からはじめることをおすすめします。

理由は、実際に自分たちがいくらまでローンを組むことができ、月々の支払いがいくらになるのかを最初に把握しておくことで、「適正な借入金額」=「適正な物件」を探すことができるからです。

事前審査が通っても必ずローンを組む必要はなく、ローンが通らなかった場合、通らなかった理由が分かるため、次への対策が取りやすいというメリットもあります。

ローンの事前審査では、借主の年収や年齢、家族構成、勤務先、勤続年数といった属性情報や、他に借り入れがないか、他社の支払い履歴に問題がないかなどの信用情報が確認されます。事前審査にかかる日数は通常、数日から1週間程度です。

参考動画:【いっしょに不動産(ウスイホーム)】不動産購入いちばん初めにやるべきこと1選

2.気になるエリアの物件を調べる

まずは、住んでみたいエリアを複数選びましょう。隣駅でも街の雰囲気や物件の相場が異なることは少なくないため、駅前にショッピングモールがある、公園が充実しているなど街情報も含めて調査することをおすすめします。

次に、それぞれのエリア内の物件情報について調べていきます。予算だけでなく、立地条件(駅チカ/学校が近い)や間取り(日当たりのいい広めのリビング/子ども部屋は2つ)など、3~4つ程度に絞った希望条件を軸として比較しながら調べると、各物件の違いや特徴が見えやすくなるでしょう。

3.不動産会社に相談&内覧する

気になる物件が見つかったら、不動産会社に相談しましょう。希望に合うようなら、実際に物件を見学できる「内覧」を申し込みます。

中古戸建ての場合、売主が居住していることも多いため、内覧の際は必ず不動産会社を通さねばなりません。内覧では、日当たりや近隣の雰囲気、坂道など、現地でないと分かりにくい点かつ、自分たちにとって重要なポイントをしっかり確認しましょう。

4.購入の申し込み

購入したい物件が決まったら、仲介する不動産会社に購入を申し込みます。購入申込書に、「売買価格(提示価格でなく値下げ交渉も可能)」「手付金(売主に渡すお金)」「契約日(当日〜1週間前後)」などを記載し、不動産会社へ提出します。

売主が申込書を確認後、具体的な売買金額や契約日など、引き渡しに向けた商談へと進みます。

購入申込書は契約書ではなく、購入の意志を伝えるだけのものであるため、この時点では購入希望を撤回することも可能です。

5.重要事項説明を受けて売買契約の締結をする

いよいよ、本契約へ進みます。

物件の売買契約を行う際は、宅地建物取引業法によって、口頭で説明した内容を書面として交付しなければならないことが義務付けられており、説明された内容は「重要事項説明書」として交付されます。

重要事項説明とは、宅地建物取引士が、買主に対して売買される中古物件の詳細情報(物件の瑕疵、売買条件など)を説明することです。問題がなければ「売買契約」を締結します。

「手付金」が必要になるのは契約時で、ここで支払った手付金は、仮に契約がキャンセルになった場合も戻ってきません。「購入申し込み」の段階までに、懸念点などはすべてクリアーにしておきましょう。

そのほか、「物件状況報告書(売主が知りえる物件の情報を隠さず報告した内容)」、「媒介契約書(不動産会社との契約書)」などの契約を交わし、中古戸建ての売買契約が成立します。

6.住宅ローンの契約

売買契約締結後には、「住宅ローンの本申し込み」→「本審査」→「承認」→「ローン決済」という流れでローン契約が行われます。

本審査では金融機関と信用保証会社が審査を行うため、承認が出るまで2〜4週間程度かかるのが一般的です。

住民票や源泉徴収票、住民税の課税証明書、購入物件の売買契約書や登録事項証明書などの提出が必要で、借主の返済能力がチェックされます。

問題が無ければ住宅ローンの承認通知書が届き、住宅ローン契約を締結します。

7.決済後、引き渡し

金融機関からローンが実行され、仲介手数料や登記費用などの諸経費の支払いといった「決算」手続きが完了すれば、いよいよ売主に物件が引き渡されます。

決済と引き渡し手続きを行う場所は、原則として買主が指定できますが、ローン契約をした金融機関の一室で平日に行われることがほとんどです。

当日は、買主と売主の他、不動産会社の担当者、金融機関の担当者や司法書士が立ち会うのが一般的です。決済手続きを行った後、売主から買主へ物件の鍵が渡されれば売買手続きは完了。この後に、希望に応じてリフォームなどを行い、入居となります。

中古戸建て購入で後悔しないためのポイント

中古戸建を購入する際には、いくつか事前に確認すべきポイントがあります。中古戸建ての購入で後悔しないために、チェックすべきポイントについて解説します。

周辺の中古戸建て価格との相場を比較

中古戸建ての販売価格は、基本的に周辺の相場に合わせた価格が設定されることが多いですが、売主の希望も反映されます。周辺の相場と比較して高すぎたり、低すぎたりする場合は、その理由を確認し、自分で納得できるかしっかり判断しましょう。

内装や外装も現地でしっかりチェック

内覧では内装に注目しがちですが、外装(外壁・ベランダ・屋根など)、ご近所の雰囲気、周辺道路の広さや車の往来、坂道など、現地だからこそ分かる情報についても、確認することが大切です。

耐震基準も要確認

  • 旧耐震基準:1981年以前まで適用。震度5でほとんど損傷しないとする
  • 新耐震基準:1981年に定められた基準。震度6強~震度7でも倒壊・崩壊のおそれがないとする
  • 2000年基準:2000年に木造住宅について定められた基準。新耐震基準をより厳しくしたもの

住宅の耐震基準には「2000年基準」「新耐震基準」「旧耐震基準」の3つがあります。2023年現在で築30年の中古住宅でも、新耐震基準に該当していますが、経年劣化により耐震性能が衰えている可能性もあるでしょう。

築年数が経過した物件を購入する場合は、耐震リフォームも視野に入れて考えることが大切です。

信頼できる基準インスペクション済み物件を選ぶ

不動産会社によっては、インスペクションとよばれる、外部の専門家による建物状況調査診断を行い、基準を満たした中古住宅を紹介してくれるところがあります。一生住むマイホームを購入するなら、信頼できる基準を設定した信頼できる不動産会社から選ぶことについても検討しましょう。

参考:インスペクション(専門家による建物状況調査)

中古戸建ての購入とローンにかかる諸費用を把握しておこう

中古戸建て物件を購入する際は、購入費用だけでなく、諸費用を含めた資金計画を立てましょう。

最後に、中古戸建てを購入する際にかかる費用をまとめます。

<中古戸建て購入にともなう諸費用>※軽減措置は考慮せず

  • 印紙代(2万円が一般的) 
  • 登録免許税(固定資産税評価額×2%が目安)
  • 不動産取得税(土地・建物の固定資産税評価額×4%が目安)
  • 固定資産税と都市計画税の清算金(引き渡し時に売買契約成立日から年末までの日数分)
  • 仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が目安)
  • 登記手続き代行手数料(5~15万円程度)

<住宅ローン借り入れにともなう諸費用>※軽減措置は考慮せず

  • 事務手数料(3〜5万円程度が相場)
  • 保証料(プランによって異なるがローンの金利+0.2~0.3%上乗せ)
  • 火災保険料(年間で15万前後がひとつの目安)
  • 印紙代

諸費用はローンを利用できる場合もありますが、現金での一括払いとなることも多くあります。

手元に現金がなく諸費用が払えないということがないように、諸費用分も購入資金に含めて準備しておきましょう。

湘南エリアの戸建て情報をお探しの方は下記よりご覧ください。

監修者 海沼 仁(カイヌマ ヒロシ)

【経歴】
ウスイホーム株式会社 取締役。

大学時代は不動産評価論を専攻。
卒業後、1997年にウスイホーム株式会社入社。売買仲介部門の新人賞を受賞。
2001年、新店の上大岡店店長に就任。以降、各店店長を歴任。特に新店舗の立ち上げを得意とし、後にエリアマネージャーに抜擢される。
2012年より取締役に就任。主に横浜、湘南エリアでの商圏拡大に尽力している。

地域貢献活動にも力を入れ、2021年には創業45周年を機に、SDGs推進に取り組む「ウスイグループSDGs宣言」を制定。
地域密着型営業で築き上げてきた不動産業界のキャリアと実績から、顧客の信頼も厚く、幅広い人脈を持つ。著名人・有名人からの相談や紹介も多い。

【資格】
宅地建物取引士
CPM(米国不動産経営管理士)
日本RSP協会 不動産仲介士 試験問題監修委員
執筆者 ウスイホーム株式会社 広報チーム
1976年に神奈川県で創業。お客様と地域の発展のため、住宅に係わるあらゆるお手伝いをさせて頂いております。長年にわたり蓄積してきた知見を活かし、新築戸建てや中古戸建てを検討・購入する際に役立つ最新情報を発信しています。
お問い合わせURL https://www.usui-home.com/contact