WHEELCHAIR‐FRIENDLY REFORM
バリアフリーのリフォーム
WHEELCHAIR‐FRIENDLY REFORM
長い人生を共にするマイホーム。
家族が一番安心できる場所ですが、実は65歳以上の方の事故は、6割以上が家庭内で起きているのをご存じですか?
住み慣れた我が家でも歳と共に住みづらくなることも多く、「階段を上るのがつらくなった・あぶなくなった」
「少しの段差でつまずくようになった」「浴室が使いづらい」「キッチンの火の元が不安」などの声も。
健康や体力の維持だけでは限界もあります。
今後の暮らしをより安全に快適にするためにもバリアフリーリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
バリアフリーリフォームの種類
バリアフリーリフォームには1日で施工できる簡単なものから、工期が長く費用も1000万円など大がかりなものまであります。予算や目的などによって検討しましょう。
目的別に具体的な種類は次のようになります。
リフォーム前
- 階段の昇り降りをスムーズにしたい
- つまずきや転倒を防止したい
- 車イスを利用したい
- 車イスや高齢者でも2階に安全に移動したい
- 車イス利用者や高齢者の介護をしやすくしたい
リフォーム後
- 手摺を設置する
- 廊下・居室の段差を解消する
- 玄関や居室のドアを引き戸化、廊下幅を広げる、玄関まわりにスロープ設置する
- 階段に昇降機やホームエレベーターを設置する
- トイレ、浴室を広くする、手摺を設置する
バリアフリーリフォームの施工例
バリアフリーリフォームの具体的な施工例にはこのような種類があります。家族の足腰が弱くなったり、車イスを使うようになった場合にご検討ください。
01.手すりの設置
玄関から家の前の道路に出るまでのアプローチや廊下などに手すりを設置すると、歩きやすくなり、転倒の防止にもなります。またトイレや浴室などに設置すれば、立つ・座るなどの動作のサポートになります。
02.段差の解消
廊下と居室の継ぎ目など家の中にある小さな段差は、筋力や認識力が低下している高齢者や足の動きに制限のある方にとって、転倒などの危険があります。高齢者が自宅内での転倒をきっかけに入院し認知症が進んだり、寝たきりになってしまうケースも数多く報告されています。
特にトイレや浴室などの水回りは、廊下から一段下がっていることも多いので、床高を調整するなどで段差を解消しましょう。
廊下や居室の間の段差は、小さなスロープをつけるか、完全に撤去することもできます。玄関の上がり框付近などの構造的な大きな段差には、踏み台を設置する・スロープを設置するなどのリフォームが効果的です。
03.扉、ドアの変更
ドアノブを握るのにも力が要ります。加齢に伴い握力が弱ってくると、ドアを開閉しにくくなることもあります。また、車椅子を使用するようになると、ドアの押し引きが難しくなります。ですからバリアフリーリフォームの場合は、引き戸や折れ戸への改修が適しています。引き戸の場合、上吊り式にすれば、敷居や段差をつけずにできます。折れ戸にする場合は、指挟みしにくいタイプを選ぶと、より安心です。
04.間取りの変更
足腰が弱くなった高齢者や、車椅子を使用する方にとって、自宅内の階段は使いにくいものです。ですから間取りを変更する場合は、1階のみで生活動線がまとまるように配置するのがポイントです。リビングダイニング、キッチンを中心に、トイレ、浴室などの水回りを配置し、それらと近い位置に寝室をレイアウトするのが理想的です。廊下を広くすることで、より移動しやすく機能的な動線になります。
05.浴室のバリアフリー
浴室での転倒事故も、高齢者のケガの原因の上位に上がります。浴室をバリアフリーリフォームする場合は、手摺の設置や段差解消、扉の変更のほか、浴室内フロアをすべりにくい素材に替える、浴室の断熱・保温性を高める、浴槽のまたぎを低くするなどが効果的です。
冬場に、暖かい部屋から寒い浴室へ移動する際の急激な温度変化で起きるヒートショックは、特に注意したいトラブルです。断熱効果の高いユニットバスに交換したり、浴室暖房乾燥機で浴室内を暖められるようにすることで、ヒートショック対策になります。同時に、脱衣所の室温環境にも配慮してリフォームしましょう。
06.トイレのバリアフリー
浴室同様、トイレのバリアフリー化にも、手摺や段差、扉対策は共通と言えるでしょう。特に手すりの形状は、横移動だけでなく、立ち座りの動作をサポートできる、L字型のものを選んでください。また、それでもトイレ内で転倒してしまった時に備えて、床には抗菌仕様・クッションフロア素材などが多く選ばれています。それまで和式便器を使用していた場合には、立ち座りや姿勢保持のしやすい洋式トイレに交換するとより安全に使用でき、膝や腰への負担も軽減できます。最新の自動でフタが開閉するものや、自動洗浄機能付きタイプであればさらに便利になります。使用者に介助が必要な場合や車イス利用者の場合は、トイレスペースの拡張が有効です。
バリアフリーリフォームの相場
バリアフリーリフォームでは、どの程度規模や仕様にするかによって必要な予算は大きく異なります。規模の小さな部分リフォームなら数万円~、大規模になると1,000万円以上になることもあります。各箇所の予算例は次のようになります。
「トイレの場合」
寝室近くのトイレの費用感 約100万円
ドアを片引き戸に変更
室内にL型手摺を設置
便器をコンパクトタイプに変更
部分別の費用例
床の張り替え:約5万円~約10万円
手すりの設置:約2万円~約3万円
和式トイレから洋式トイレへの変更:約40万円~約60万円
トイレの拡張:約20万円~約40万円
「浴室の場合」
費用感 約200万円
浴室を広くする
手摺を設置(4箇所)
浴室暖房機の設置
出入り口の段差の解消
天井に断熱材を入れる
部分別の費用例
手摺の設置:約3万円〜約5万円
浴室暖房の設置:約10万円〜約25万円
システムバスの設置:約70万円〜約150万円
段差の解消:約5万円〜約15万円
滑りにくい床材に変更:約9万円〜約15万円
浴室の拡張:約30万円〜約200万円
「洗面所の場合」
車いす用洗面台の設置:約12万円〜約30万円
洗面所の拡張:約20万円〜約50万円
開き戸から引き戸に変更:約7万円〜約12万円
「玄関の場合」
スロープの設置:約2万円〜約4万円(1㎡あたり)
手すりの設置:約2万円〜約5万円
玄関ドアを引き戸に変更:約32万円〜約55万円
ベンチの設置:約1万円〜約4万円
「廊下・階段の場合」
手すりの設置:約1.5万円〜約3万円(1箇所ごと)
廊下~部屋の段差の解消:約2万円〜約15万円
廊下の幅の拡張:約30万円〜約150万円
商品のグレードや施工面積の広さによって必要な費用は異なります。コスト重視か機能・デザイン重視かによっても増減しますので、家族でよく話し合って決めることが大切です。